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国立新美術館 「ルノアール ~伝統と革新」展

六本木の国立新美術館で開催されている「ルノアール ~伝統と革新」展を見に行きました。art

          Renoir0

ルノアールの柔らかい色調の絵は、見ているだけで幸せな気持ちになりますが、作品を通じてルノアールの生涯に触れてみたいと思いました。また、海外の美術館で見た懐かしい作品に再会できるのも楽しみにしていました。

最初のコーナーでは、印象派時代の作品が紹介されていました。会場に入って、まず目を捉えたのがこちらの作品です。

     Renoir1 「アンリオ夫人」

写真ではとてもこの作品の魅力をお伝えできませんが、透明感のある色彩の美しさに息を呑みました。何か特別な魔法の絵の具でも使っているのは?と思いました。モデルのアンリオ夫人は舞台女優さんだそうですが、光り輝くような美しさでした。

このコーナーでは、印象派時代の明るい光を感じさせる作品が数多く展示されていましたが、どの作品にも生命力と活力、輝き、豊かさが感じられました。プライベートも仕事も満ち足りて、順風満帆の人生を歩いていたルノアール。作品は生への賛美にあふれ、幸せのかけらが降り注いでいるようでした。

実はつい先日、晩年の太宰治の作品を読んだばかりだったので、同じように妻がいて三人の子供に恵まれているのにもかかわらず、この違いはいったいどこから来るのだろうと衝撃を覚えました。ルノワールは人々に幸せを分け与える天使として、選ばれたアーティストなのかもしれません。

また、当時フランス領だったアルジェリアを訪れた時の作品も興味深かったです。ちょうど先日アルジェリアを舞台にした小説を読んだばかりだったので、輝く陽光と異国情緒あふれる風景にますます想像の世界が広がりました。

     Renoir2 「水の中の裸婦」

2つめのコーナーでは、裸婦の作品が多く展示されていました。イタリアを旅して大きな影響を受けたルノアールは、印象派から古典主義へと回帰していったそうです。描く女性の身体は、ローマ美術を思わせる豊満なものに変わっていました。

印象派の作品のコレクションで知られる、箱根のポーラ美術館による調査報告が興味深かったです。ルノアールの作品に、赤外線やX線を当てることにより、筆の描き直しや、何色の絵の具を使ったかが明らかになったそうです。

古典に回帰したばかり頃は、後から加筆して身体の線をふくよかに直していましたが、円熟期の作品は最初から迷いのない筆の運びになっているそうです。また初期の頃は複数の緑の絵の具を使っていましたが、円熟期にはひとつの緑で、さまざまな表現をしていることがわかりました。

洋服の仕立て職人の父と、お針子さんの母を持つルノアールは、モデルさんの衣装にも細やかな眼差しを向けていたようです。最新のファッションに身を包み、ルノアールに描いてもらうことは、モデルさんにとってもきっと大きな喜びだっただろうと想像しました。

          ☆          ☆          ☆

ルノワール展を見た後は、地下のカフェテリアで、ルノワール特別メニューのランチをいただきました。restaurant

     Carre_sp01_2

子羊とトマトの煮こみに、クスクスと、ズッキーニなどのプロヴァンス風野菜が添えられていました。ルノワールが2度訪れたというアルジェリアと、晩年をすごしたプロヴァンスをイメージして作られたお料理だそうです。(写真はHPよりお借りしました。)

トマトとともにじっくり煮込んだ子羊が柔らかく、とてもおいしかったです♪ 太陽の光を感じさせるプロヴァンス風野菜が目にも鮮やかで、ルノワールらしい華やかな一品でした。作品の感動の余韻にひたりながら、楽しいランチタイムになりました。

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美術館・博物館」カテゴリの記事

コメント

海外で観た絵画を、日本で見る・・・って
面白いですね。
昔の友達に再開するような感じでしょうか
人ではないので違うとは思いますが、なにか
絵画でも心が通じるよなそんな気がしました・・・

投稿: イザワ | 2010年2月25日 (木) 02時51分

きょうのこちらの記事の画面からは明るい春いっぱいの色彩が
あふれていて、こちらの気分までぱぁ~っと晴れやかになります☆
私の勝手な想像ですが、セレンディピティさんってルノワールの
色彩そのもののイメージですぅ♪
この時代の女性はふくよかな方が美しいとされていたのですよね。
肉感的なのにまったく下品な感じがなくて女性のおおらかさが
現れている素敵な作品ばかりですね。
絵画鑑賞で一足早く春を満喫されたセレンディピティさんが羨ましいですぅ~

投稿: ゆず | 2010年2月25日 (木) 10時07分

ルノアール展、来月行く予定なんですよ♪
セレンディピティさんは、よく勉強していらっしゃるので
色々な方面より絵画鑑賞が出来て素晴らしいなと思います♪
ポーラ美術館、以前行った事があるのですが、
その調査報告を見た事が無かったので見るのが楽しみになりました^^
ありがとうございます。

投稿: Rei | 2010年2月25日 (木) 14時49分

今晩は。

わ~、こうしてあらてめてアップされた写真で見てみると、ルノワールって本当に明るい暖かさに満ちた絵を描く人だな~って再認識できました。

特に「アンリオ夫人」は、透明感のある白がホント、魔法の絵の具で描かれたみたいな美しさですね。
実際に目の前にしたら感動しそうです!lovely

そうそうゆずさんもおっしゃてる様に、ルノワールの色彩って、セレンディピティさんのイメージですね~。sun

投稿: ごみつ | 2010年2月25日 (木) 22時49分

ルノワールは芸術に疎い私でもパッと絵が浮かびます。1枚目のお写真(ポスターでしょうか)の色彩がまさにそのイメージそのもので、どちらかというとモヤッとしているなぁという印象でしたが、2枚目のアンリオ婦人の絵は素敵ですね〜。私も気に入りました。本当に美しい色彩、そして優しい絵ですね。セレンディピティさんの感想をお聞きするに本物はもっともっと美しいようですから、ぜひ機会があったらこの目で見てみたいです。
このアンリオ婦人の絵を見たらタージマハールが思い浮かびました。どちらも本物は見たことないのですが、何か共通するものを感じましたが、そんな雰囲気ありました?

ゆずさんがおっしゃっている「セレンディピティさんはルノワールの色彩そのもののイメージ」っていうの、私もよくわかります。アンリオ婦人の絵の雰囲気がまさにそうかも!優しい雰囲気がそう思わせるのでしょうね。

投稿: olive | 2010年2月25日 (木) 23時51分

☆ イザワさま ☆
絵画でも心が通じるような…
命を吹き込まれた作品ですから、ほんとうにそうかもしれませんね。
イザワさんは、ボストン美術館にはいらっしゃいましたか?
ボストン美術館からも、いくつか出品されていましたよ。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2010年2月26日 (金) 07時37分

☆ ゆずさま ☆
ルノワールの作品って、ほんとうに明るい色彩にあふれていて
新しい命が生まれる春の季節にはぴったりですね☆
私に、ルノワールの色彩をイメージしてくださるとは…
あまりに恐れ多いですが、そんな風に言っていただけて
ありがとうございます。
女性の身体って、こんなに美しいんだなあと思いました。
ふくよかな体に、豊かさを感じました。
この日はまだ寒かったですが
心の中はすっかり春になりました。

投稿: ☆ ゆずさま ☆ | 2010年2月26日 (金) 07時45分

☆ Reiさま ☆
Reiさんも、来月ルノワール展に行かれるのですね!
きっとほんわかした幸せな気持ちになられると思います。
楽しみですね。
ポーラ美術館の調査報告は、今回の展覧会に合わせて
企画されたもののようです。
芸術の世界を、科学の力で分析するというのは
おもしろい試みだと思いました。

投稿: ☆ Reiさま ☆ | 2010年2月26日 (金) 07時50分

☆ ごみつさま ☆
私も、あらためて、ルノワールの絵って明るくて豊かさがあって
すてきだなあと思いました。
見ているだけで、ほんわか幸せな気分になりました。
「アンリオ夫人」は、そこだけぱあ~っと光が差すようで、
ほんとうに特別の絵の具を使っているのでは?と思うほどでした。
美しさに圧倒されました。
恐れ多いことば…ありがとうございます。
本人はとてもほど遠いですが…イメージしていただけて光栄です☆

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2010年2月26日 (金) 07時59分

☆ oliveさま ☆
1枚目のポスター、ルノワールらしい作品ですよね。
こちらも色彩が豊かで、とてもすてきな作品でした。
光を重視するあまりに輪郭がちょっとぼやけているように感じますが
それがまた幻想的な雰囲気ですばらしいと思いました。
アンリオ夫人は、透明感があふれていて
ひと目で圧倒される美しさがありました。
タージマハール…というoliveさんのことばにはっとしました。
世界は違いますが、荘厳で圧倒される美しさという点では
どこか共通する雰囲気があるかもしれませんね。

私は、アンリオ夫人の雰囲気とはほど遠いですが…(笑)
皆様に過分なおことばをいただいて、恐縮しています。
せめて気持ちのうえでは、こんな風に豊かでありたいものです。

投稿: ☆ oliveさま ☆ | 2010年2月26日 (金) 08時16分

ほんとに春らしいですよね、ルノアールって。白が巧みに使われていて、点描画のように細かくて温かみがありますよね。
セレンディピティさんはNYはもとより、ボストンもフィラデルフィアも近かったですから、さぞかしあちこちの美術館めぐりをされたことでしょうね~。
クラシックやバレエと並び、芸術がまるっきりないNCは辛いですよ~(笑)ここにも美術館はあるのですが、当たり前ですが借り物が多く、雰囲気や建物も一緒に楽しみたい私は未だに足を運んだことがありません。ここには芸術派求めないことにしました。ついでに、落ち着くカフェも(笑)

その代わり、スポーツを楽しむ事に切り替えました(爆)

投稿: Schatzi | 2010年2月26日 (金) 10時27分

☆ Schatziさま ☆
ルノワールの作品は、春のような明るさ、暖かさ
そして生命力を感じますね。印象派の画家たちの中でも
特に光の表現がすばらしいと思います。
NYは大きな美術館がいくつもあって…世界でもなかなか類のない
特別に恵まれた環境ですね。
VAにいた頃は、時々片道3時間ほどドライブして、
DCでスミソニアンやギャラリーを訪れるのが楽しみでした。
Schatziさんのところからだと、5、6時間はかかるかもしれませんが
たまに行くと、いい刺激になるかもしれませんね☆

投稿: ☆ Schatziさま ☆ | 2010年2月27日 (土) 00時13分

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