「人生万歳!」
ウッディ・アレンの第40作目監督作品となる映画、「人生万歳!」(原題:Whatever Works)を見に行きました。ここのところヨーロッパを舞台にした作品を発表してきたウッディ・アレン監督ですが、今回は久しぶりにニューヨークを舞台にしたコメディです。
軽いタッチの作品ですが、すごくおもしろかった! 笑いのツボというのは人それぞれで、そこがコメディの難しいところだと思いますが、私はウッディ・アレンの、独特の世界を持ったちょっぴりシニカルな笑いが好きです。
毒舌なセリフがぽんぽん飛び出しても、聞いていて不快な気持ちになりません。意地悪でも嫌味でもなく、くすりと共感できる笑いです。きっと彼自身人間が大好きで、温かい眼差しで描いているのだろうな、と思います。
今回の作品は、ウッディ・アレンの人生賛歌であり、恋愛賛歌であり、ニューヨーク賛歌です。小難しく理屈っぽい物理学者ボリスと、南部の田舎からやってきた家出娘メロディとの恋物語ですが、凸凹で軽妙なかけあいがおもしろかったです。
メロディの後を追って母親が、その後父親が次々とボリスのもとにやってきますが、今まで「こうあるべき」という暮らしをしていた彼らが、自分がほんとうにやりたかったことに気付き、新しい恋に目覚めます。これぞニューヨーク・マジック。そして恋愛には、年齢も、外見も、性別も?!関係ないのです。
マンハッタンの(アップタウンでなく)ダウンタウンを舞台にしているところが、またよかったです。チャイナタウンやソーホー、イーストビレッジなどの雑多な街並み、汚いアパートメントの部屋が、物語を小粋に演出していました。
わざわざ映画館で見なくても、DVDで十分かな?とも思いますが(笑)、新年のカウントダウンも登場しますし、ホリデイシーズンにぴったりの温かくハッピーになる作品でした。
今回映画を見た「恵比寿ガーデンシネマ」は、来月末でクローズするそうです。私が行くときは、いつもわりと人が入っていましたが、それでもミニシアターは経営が厳しいのでしょうか。好きな映画館だったので残念です。
映画を見る前のちょっとした時間に、恵比寿三越に入っている「Papa's Cafe」(パパス・カフェ)で軽くお昼をいただきました。
(左)私はちょっとめずらしいものを…と思って「じゃがいものニョッキ カレーソース」をいただきました。見た目はちょっと地味ですが、これがすごくおいしかった! ニョッキは自分では作ったことがないので、いつかチャレンジしてみたいです。
(右)は海老ときのこのトマトスパゲティ。定番のお味ですが、麺が細く、かなり硬めにゆでてあるのが個性的でした。
(左)時間があったので、デザートもオーダーしてしまいました。ショコラのシフォンケーキですが、ふわふわでおいしかった♪
(右)パリのカフェを思わせる落ち着いた温かみのある空間がくつろげました。
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コメント
こんばんは~。
お~、W・アレンの新作ですか!しかもニューヨークが舞台なんですね。もう、映画の雰囲気が目に浮かぶ様です。
「毒舌がポンポン飛び出しても不快にならない」っていう感想、とてもよくわかります。
W・アレンの映画って、けっこうきわどい事行ってたり、鼻もちならない事行ってたり、「もっとしっかりしろよ~」(笑)なシチュエーションも多いんだけど、とにかく会話、ダイアログが絶妙なんですよね。で、全然イヤな気分にならないし、お話に酔わされちゃうんですよね。
私も是非、この映画見てみたいです。
ところで恵比寿ガーデンシネマ、閉館しちゃうんだ~。私、1度も行った事ないんだけど、ちょっとショック。やっぱり経営が厳しかったのかしら・・。残念ですね。
投稿: ごみつ | 2010年12月29日 (水) 01時09分
こんばんは!
ウッディ・アレン、監督として40作品にもなるんですね。
仰るように笑の壺が、人それぞれで、ハマる方にはハマる
笑いですよね^^
笑の中にいつも訴えたいことがきちんと入っているところが
非凡な才能なんでしょう。
大作ばかりがもてはやされる中で、こういった作品にもスポットを
当てて欲しいものですね。
投稿: イザワ | 2010年12月29日 (水) 01時55分
☆ ごみつさま ☆
ウッディ・アレン作品は、好き嫌いが分かれるかもしれませんね。
私は彼の持ち味が好きで、みごとにツボにはまるのですが…
今回も何度も笑っちゃいました。
それと彼の描くニューヨークも好きなんです。
映画の舞台としての借り物でなく、体温が伝わってくるような気がして…
この作品、舞台演劇にも合いそうだな~と思いました。
内容自体は実にくだらなく、DVDでも十分かもしれませんが(笑)
もしお時間がありましたら、是非ご覧になってみてください。
ガーデンシネマは家から近いこともあって、時々利用していました。
結構お客様も入っていた気がしたので、突然のお知らせにびっくり。
ちょっとショックです。
投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2010年12月29日 (水) 02時29分
☆ イザワさま ☆
ウッディ・アレン、もうおじいちゃんといってもいいお年ですが
今でもかなり早いペースで映画を作っていらして
すごいエネルギーだな~と感動します。しかもどれもおもしろい。
きっと泉のようにアイデアが湧き出てくるのでしょうね。
すごい才能だと思います。
あえて大作でなく、小粋な作品を作られているところがまた
心憎いです。お気に入りの監督さんのひとりです。
投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2010年12月29日 (水) 02時41分
ご無沙汰していました。 クリスマス関連の記事も
楽しく拝見致しました!
今年は特に力作揃いで素晴らしいですねぇ~♪
こちらの映画、私もNY絡みで、観たいナァ~と思っています。
たぶんレンタルになるかなぁー
ガーデンシネマ閉館のニュース、J-waveで聴いて驚きました。
残念ですね。とは言え、最近恵比寿界隈はとんとご無沙汰ですぅ。
バカラのディスプレーも見たいと思いながら結局行けず!
最後になりましたがどうぞご家族揃ってよいお年をお迎え下さい☆
来年もどうぞよろしくお願い致します♪
投稿: ゆず | 2010年12月29日 (水) 13時36分
☆ ゆずさま ☆
ゆずさん、お久しぶりです♪
お元気でおすごしでしたか?
クリスマス関連の記事も見てくださったとのこと、
ありがとうございます。
「人生万歳!」はちょっとクセがあるので、お勧めしづらいですが
よかったらご覧になって見てください。
懐かしいニューヨークの風景が楽しめると思います。
ガーデンシネマは、時々行っていた映画館なので
閉館すると聞いて、寂しいです。
バカラのディスプレイは昼間しか見ていませんが
それでもとってもきれいです。
夜はざそきらめく光が美しいだろうな~と思います。
温かいおことば、ありがとうございます。
ゆずさんも、いい新年をお迎えください。
来年もよろしくお願いします☆
投稿: ☆ ゆずさま ☆ | 2010年12月30日 (木) 02時15分
セレンディピティさま
TBとコメント有難うございます。私からもTBを。
閉館前の恵比寿ガーデンシネマでご覧になったのですね。
2010年、もうそんな前になりますか……。
さすがウディファンの貴女ですね。
あの映画館は周囲の雰囲気がお洒落でしたが、残念ですね。
私は今回、新聞BSプレミアムでやっていると知り慌てて見ましたが、
一時停止も後戻りもできないので、映画館並みに緊張してしまいました。DVDになっているのかな?ビデオ店では見たことがないのですけれど、もう一度見て確かめたいわ。
投稿: Bianca | 2014年11月30日 (日) 17時04分
☆ Biancaさま ☆
こんにちは。
人生万歳、小品ながらアレンらしいユーモアに満ちた楽しい作品でしたね。
私も久しぶりにもう一度見たくなりました。
恵比寿ガーデンシネマについては、後日譚があるのです。
4年前にクローズした時、世は韓流ブーム。
その後、韓流シアターに変わったのですが
ここのところの日韓の不調和によって韓流ブームが下火になり
またこの地に映画館がもどってくることになりました。
来年春に再開だそうです。
オープニング作品はイザベル・ユペール主演のフランス映画とのことで
今からとっても楽しみです。
投稿: ☆ Biancaさま ☆ | 2014年12月 1日 (月) 08時40分