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「ソーシャル・ネットワーク」

世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス「facebook」誕生のドラマを描いた映画、「ソーシャル・ネットワーク」(原題:The Social Network)を見に行きました。

facebookは家族が以前からのへヴィ・ユーザーで、クラスメートやニューヨーク時代の友人と毎日のようにやり取りしていることもあって、どんなものなのか気になっていましたが、それを開発、成功させたのが20歳そこそこの大学生と知って、ますます興味をかきたてられました。

スピーディな展開とキレのある会話から、若き天才プログラマー「マーク・ザッカーバーグ」の横顔、facebook誕生のいきさつとそれにかかわる人間ドラマ、個人的にはアメリカの大学事情や、東海岸と西海岸の違いなども感じ取れて、とてもおもしろかったです。あっという間の2時間でした。

     The_social_network

facebookを成功に導いたものの、マーク・ザッカーバーグ氏は、「アイデアを盗まれた」として同窓生のウィンクルボス兄弟から、また「勝手に事業拡大させた」として親友で共同創業者のエドゥアルドからそれぞれ訴えられます。物語は、この訴訟の様子を軸に、過去をふり返る形で進行していきます…。

映画の冒頭、女子学生とのデートで些細な言葉尻を捉えては理屈でやりかえし、ついにはふられてしまうマーク。プログラムを書くように、論理的で短いセンテンスをつないでいく彼の話し方は独特ではあるけれど、映画では明確でわかりやすかったです。(ロマンティックなデートには向かないけれど。)

彼らの会話から気になったのが「クラブ」の存在。東部の伝統校には数々の有力な社交クラブがあり、そこに入ることが最高のステータスとされているらしい。マークの親友のエドゥアルドもある社交クラブに入りたくて、通過儀式のために鶏を連れ歩いたり、と涙ぐましい努力をしています。

マークはコンピュータにおいては天才的な頭脳を持ちながらも、スポーツはしないし、社交的でもない。とても「クラブ」に入るようなタイプではない彼が、わずか一週間で学内で自由に交流できるネットワーキングサイトを立ち上げて、一気に注目を集めたのは痛快でした。

マークは同じ感性と天才肌を持つ、音楽配信会社の創始者であるショーン・パーカーと意気投合して、活動の場所を西海岸に移します。ここの空気はマークによく合っているようで、ハーバードにいる時よりも、ずっとのびのび、生き生きとしているように見えました。

ビジネスは成功したものの、かつての同窓生や親友とは別れ、ショーン・パーカーはドラッグで逮捕されてしまいます。世界最強のネットワーキングサーヴィスを運営しながら、一番大切に思うガールフレンドとはつながらない… 天才ゆえの孤独がじんわりと伝わってくるラストが印象的でした。

Facebook_book

映画の興奮が冷めないうちに?原作となる「facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男」(原題:The Accidental Billionaire)もつい買って帰りましたが、こちらもまたおもしろくて、一気に半分近く読んでしまいました。

マーク本人への取材は行っておらず、数々の取材や資料、親友で共同創業者であるエドゥアルドの証言などをもとに書かれているとのことですが、今そこで起こっているようなリアルさがあって、わくわくしながら読み進めています。

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コメント

はじめまして。私も先週「ソーシャルネットワーク」を見て来たばかりです。時間帯で吹き替えを見る事になりましたが、言葉がたたみかけるような、この映画にはよかったです。

感想は、私も殆ど同じです。ハーバードのクラブの排他性。それを凌駕するシステムを作った主人公は、カッコイイです。

投稿: みみりん | 2011年1月27日 (木) 13時01分

アメリカ東部の伝統校に必ずあるとされるクラブは、外部からはなかなか窺うことのできない存在だそうですね。このクラブに入れるか、どうかは、将来に深く影響するようです。
また、このクラブを通じての婚姻もあるようで、アメリカの歴代大統領の少なからぬ方々が、このクラブを介しての社交を通じて配偶者を娶ったとの話を聞いたことがあります。
表には出ませんが、このような存在がアメリカの政財界に及ぼす影響は無視できないと、某コンサルが言っていましたね。
私自身、最終学歴である大学の人脈は貴重なもので、ここから情報を得ることは少なくありません。OB人脈も馬鹿に出来ず、今でも礼を失しない程度のお付き合いは欠かせません。

投稿: ヌマンタ | 2011年1月27日 (木) 15時55分

話題の映画、早速ご覧になったんですね。
先日主人公のモデルの方が「映画ソーシャル・ネットワークは完全なるフィクションだ」というコメントを出されていたようですが、本人への取材はなかったんですね。なるほど。
私はfacebookはやっていないので、それ自体どういうものかわかりませんが、この映画は観てみたいと思っています。アカデミー賞候補でもあるようですしね。
今年に入ってなかなか映画をみるチャンスがなかったのですが、もしかしたら今日いけるかもしれないので、ようやくアンストッパブルが観れるかなという状況です。ソーシャルネットワークをみるのはまだ先になりそうです。ウォールストリートも来週始まりますよね。観たい映画がたくさんあって困ります。

投稿: olive | 2011年1月27日 (木) 16時16分

私もこれは映画館で観たいと思っている1本です。
oliveさんがおっしゃっているようにアカデミー賞にも
ノミネートされた事で観客動員がまた増えるでしょうね。
セレンディピティさんの影響で、我が家も見逃した映画を
借りて来よう!という事で、先週末は一気に3本
「インビクタス」「ソルト」「魔法使いの弟子」を観ました。
なかなかオットが映画館に行く時間が取れないので
当分の間はレンタルで楽しむ事になるかも。
何を借りるかはセレンディピティさんのこちらのブログが
とっても参考になっています♪

投稿: ゆず | 2011年1月27日 (木) 18時06分

もうご覧になったんですね。
私もチョッと観てみたいと思っていました。
facebook日本では、まだまだのようですが、
兄のパートナーが、やっていると見せてくれ興味がありました。
セレンディピティの記事を読んでいると益々、観たくなりました♪

投稿: Rei | 2011年1月27日 (木) 22時55分

今晩は!

「ソーシャル・ネットワーク」早速見にいかれたんですね~。良いな~。私も見たいな~とは思ってるのですが・・・。
ご覧になった人は、皆さん、面白かったっておっしゃてるので、本当に気になります。今年のアカデミー賞の有力候補でもあるみたいですしね。

原作の本は、映画の製作と同時進行で書かれたものなんだ~。じゃあ、書いた人は映画の脚本なんかにも関係してるのかしら?

とにかくマーク・ザッカーバーグは今、最高に話題の人ですね!とにかくまだ若いしね~。

投稿: ごみつ | 2011年1月27日 (木) 23時38分

私も暮れにやっと観ました。「観ておいたほうがよい」と、人から進められたからなんですけどね(苦笑)アメリカ的な社交のあり方って感じがしました。住んでみて分かりましたけど、東海岸特有なのか、「社交クラブ」というのは、実はとっても「保守的/隔離された」集まりの事なんだと、この映画をみてもつくづく感じました。

facebook、我が家がこちらに越してきたのは'07でして、子供達は真っ先にこれを作成していました。私は作成はしたものの、フォローしていなくて、最近ログインしてみてびっくり!inviteがずら~っとあってびっくりしました!

いやだなぁ…。実名なので、どこからでも見られている感じがして、とっても嫌なんですけど(苦笑)日本ではまだなんですか?

投稿: schatzi | 2011年1月28日 (金) 06時54分

☆ みみりんさま ☆
はじめまして♪
コメント、どうもありがとうございます。
みみりんさんも、ソーシャル・ネットワーク、ご覧になったのですね。
物語の展開も会話も、スピード感があっておもしろかったですね。
あれだけのセリフをよくかまないな、と感心しちゃいました。

映画に対して、同じように感じていただけてうれしいです。
社交べたのマークが、社交のサイトを作ったというのが
おもしろいですね。
彼はオタクではあるけれど、お堅いわけではないし
私はなかなかチャーミングなガイだと思いましたよ。

投稿: ☆ みみりんさま ☆ | 2011年1月28日 (金) 08時31分

☆ ヌマンタさま ☆
米大学のクラブといえば、エール大のSkull & Bones(ブッシュ親子が入っていた)などが有名ですが、たしかに政治的、社会的に影響力のあるクラブもあるようですね。自由の国といいながらも、やはりこういう話を聞くと、目に見えない壁を感じます。

母校というのは卒業してから改めてありがたく思う存在ですね。
同じ大学出身と聞くと親近感を覚えますし、応援したくなります。

投稿: ☆ ヌマンタさま ☆ | 2011年1月28日 (金) 08時44分

☆ oliveさま ☆
見たいと思っていた作品なので、早速見てきました♪
期待通りおもしろかったですよ。
原作によると、マーク・ザッカーバーグ氏には何度も取材を
申し込んだらしいのですが、断られてしまったそうです。
周囲の人や、訴訟相手の共同創業者の目を通して描かれているので
事実と違う部分はあるかもしれませんね。
特に映画は、多少はおもしろく脚色していると思います。

facebookは、映画の中で学生が「はまる」と言ってましたが
息子がまさにその状態です。(笑)
ただ映画はfacebookを使ってなくても十分楽しめると思います。

oliveさん、お忙しそうですね。
アカデミー賞にノミネートされた作品が
これから日本で次々と公開されるので、楽しみですね。

投稿: ☆ oliveさま ☆ | 2011年1月28日 (金) 09時08分

☆ ゆずさま ☆
ソーシャル・ネットワーク、おもしろかったです♪
お時間があったら、是非ご覧になってみてください。
先日、ゴールデン・グローブ賞を受賞したところですし
これからますます人気が出そうですね。

ゆずさん、DVDでたくさんご覧になりましたね♪
私の拙い記事を参考にしていただいたとは、うれしいです。
インビクタスは、スポーツが題材になっているので
きっと気に入られたのではないでしょうか。
ソルトは、アンジーがかっこよかったですね。
「魔法使いの弟子」も、おもしろそうです☆

投稿: ☆ ゆずさま ☆ | 2011年1月28日 (金) 09時32分

☆ Reiさま ☆
ソーシャル・ネットワーク、見たいと思っていた作品なので
早速見てきました。期待通り、おもしろかったです♪
Reiさんはfacebookご覧になったことがあるのですね。
うちでは息子が使っていますが、私には絶対に見せてくれません。(笑)
映画はfacebookを使っていなくても、十分楽しめると思います。
お時間があったら、是非ご覧になってみてください☆

投稿: ☆ Reiさま ☆ | 2011年1月28日 (金) 09時39分

☆ ごみつさま ☆
「ソーシャル・ネットワーク」期待通りおもしろかったです♪
ジャンルとしては一応社会派?かもしれませんが
娯楽作品としても、人間ドラマとしても楽しめました。

それからすみません。 原作の件ですが、私の勘違いでした。
「本作を原作として、デヴィッド・フィンチャー監督による映画化が進行している。」
とあったのを、映画と進行して書かれたものと勝手に読み違えてしまいました。
記事も直しておきます。

原作者のBen Mezrichは、「ラスヴェガスをぶっつぶせ!」(映画の原題は「21」)の作者なのですね。あの映画もおもしろかったです。

マーク・ザッカーバーグ、映画ではなかなかチャーミングでしたよ。
まだまだお若いし、これからが楽しみですね。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2011年1月28日 (金) 10時00分

☆ schatziさま ☆
schatziさんもご覧になったのですね♪
そちらでもやはり話題の作品なのでしょうね。
schatziさんもやはり同じことを感じられましたか。
アメリカは自由の国といいながらも、
目に見えない敷居があるように感じることはありますね。
西海岸の方が州が若いので、比較的自由なのかな?という気はします。

facebook、子どもはこういうのはほんとうに早いですね。
うちも息子が以前からやっていて、
毎日のようにお友だちとやりとりしています。
日本では、SNSというとmixi(ご存知ですか?)の方が人気があると
思いますが、映画の影響でfacebookユーザが増えるかしら?
実名主義ってちょっと抵抗がありますね。

投稿: ☆ schatziさま ☆ | 2011年1月28日 (金) 10時50分

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