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「シンドラーのリスト」

今までなかなか覚悟できなかったのですが、先日「夜と霧」を読んだことがきっかけで、ようやくスティーヴン・スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」(原題:Schindler's List)を見る決心がつきました。DVD2枚に渡る3時間以上の長編で、内容的にも重い作品ですが、結局2回繰り返して見てしまいました。

Schindlers_list

私の心を捉えたのは、オスカー・シンドラーという人物の魅力です。

彼は決して聖人君子ではありません。戦争中にもかかわらず、パーティやどんちゃん騒ぎが大好き。そして女の人も大好き。(特典映像で)生存者の方がシンドラーのことを、いつもシェービング・ローションの匂いがしたと懐かしそうに話していましたが、きっとおしゃれな方だったのだろうと思います。

でも、そうした人生の楽しみ方を知っている人だからこそ、そして融通の利かないまじめ人間ではなかったからこそ、あの狂気の時代に逆らって、政府の高官に多額の賄賂を贈って1100名以上のユダヤ人を助けるという、とてつもなく大胆な離れ業ができたのだと思うのです。

シンドラーはもともと戦争でひと儲けしようとの考えから、工場に人件費のかからないユダヤ人を雇い入れたにすぎません。しかし、工場の経営を任せていた会計士のイザック・シュターンをはじめとするユダヤ人たちとの関わりの中で、たしかに何かが変わっていったのでしょう。

クラクフの収容所が閉鎖され、工場で働いていたユダヤ人たちがアウシュヴィッツに移送されることになった(=それは死を意味する)という事実が、シンドラーに「命のリスト」を作らせる原動力になったのだと思います。

もうひとつ、この作品で忘れてならないのは収容所の所長、アーモン・ゲートの存在です。彼はもちろん、実際には許されざるサディスティックなナチの将校ですが、映画では監督によって人間くさい部分が加味され、すばらしい(という表現は変ですが)悪役となっていました。

映画は全編モノクロームで撮影されていて、ドキュメンタリーフィルムのような効果を生み出していましたが、私にとってはもうひとつ「これは過去に起こったことである」というメッセージのように感じられ、救いを覚えました。

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映画」カテゴリの記事

コメント

この作品は、本で読むより先に映画で観ました。その場で本を買ったことを覚えていますが、その本がどこに行ったのやら・・・再読したいと思っていたのですが、どうもレンタル倉庫にある模様。また読みたいですね。DVDだとTVの前に長時間座っている気力がないです。どうも落ち着きがないもので・・・

投稿: ヌマンタ | 2011年2月 8日 (火) 12時37分

ご覧になったのですねぇ~!
そんなに長い映画でしたっけぇ?!
公開と同時にNYで観ました。今は亡きパートナーと一緒に。
色々な意味で想い出深い作品です。
1度しか観ていないのですが確か前半にモノクロの中で
女の子のお洋服だけが赤い場面がありましたよね。
そこだけは今でも鮮明に覚えています。
そして上映が終わってもしばらく誰も立ち上がらなかった事も。
住んでいたアパートのオーナーさんがユダヤ系の方で
立ち話だったこの映画の話、オーナーさんが語り始めてしまって
結局アパートのロビーのソファーで30分も座り込んで
お話を伺った事など、セレンディピティさんの記事を読みながら
体と気持ちはNYにタイムスリップしました。
コメントにこんな私的な事ばかりでごめんなさいね!
これほど心に響いた作品、私にはないです。

投稿: ゆず | 2011年2月 8日 (火) 15時53分

こんばんは!
スピルバーグ監督のエンタテイメント性よりも
芸術性と社会性を意識して作られた作品ですね
(私が勝手にそう思っているだけですが・・・)
テーマ性、ストーリー、映像面からみても
歴史に残る映画であることは間違いのない作品ですね。
最近、動画も多くなってきていることから、映像面が
気になるこのごろです(笑

投稿: イザワ | 2011年2月 8日 (火) 21時41分

今晩は。

「シンドラー」ご覧になったんですね。
モノクロ映画は基本的に集客がのぞめないっていうセオリーがあるにも関わらず、スピルバーグ監督は自分の信念を貫いてこの作品をモノクロで撮ったんですよね・・。movie

きっとこの映画と同じ年に「ジュラシックパーク」を大ヒットさせてたので、映画会社もOKだしたんだろうな~って思ったりしました。

普段はあまり古い映画を見る機会のない若い観客達にも、モノクロ映画の持つ映像の深み(時にはそれは、心理描写の深みも増しますよね)を味わえたのではないかしら?

セレンディピティさんがおっしゃる様に、ある種ドキュメンタリー的な性格も生み出してましたよね。
この映画、見てからだいぶたつので細かい部分をかなり忘れています。また見直したいな~って思いました。confident

投稿: ごみつ | 2011年2月 8日 (火) 23時44分

☆ ヌマンタさま ☆
この映画、とても長いので、2、3日に分けて見ました。
(しかもそれを2回続けて…)
DVDには特典映像で生存者のことばが収められているのですが
これまた長い…。というわけで、シンドラーにどっぷりつかった
一週間になってしまいました。
ヌマンタさんは、原作も読まれたのですね。
私も今度は原作を読んでみようと思います。

投稿: ☆ ヌマンタさま ☆ | 2011年2月 9日 (水) 07時52分

☆ ゆずさま ☆
この作品、結構長いですが、映画の世界に引き込まれてしまうので
あまり長さを感じないかもしれませんね。
ゆずさんにとって、思い出の作品でもあるのですね。
映画を見た後は衝撃で、すぐにはことばにならないですが
いろいろ語りたくなってしまう…というのはわかります。
この作品が公開された時、義母が見て、かなり衝撃を受けながらも
心を打たれたようだったのですが、その時は私は覚悟ができなくて…
でも今、この齢になって見て、よかったと思いました。
私にとっても忘れ得ぬ作品となると思います。

投稿: ☆ ゆずさま ☆ | 2011年2月 9日 (水) 08時08分

☆ イザワさま ☆
スピルバーグ監督の娯楽作品もすばらしいですが
この作品には、ほんとうにまいりました…。
内容もさることながら、モノクロームの映像表現が
またインパクトがあって印象的でした。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2011年2月 9日 (水) 08時15分

☆ ごみつさま ☆
私の中では課題?となっていた「シンドラー」ようやく見ました。
「夜と霧」を読んだことが背中を押してくれたのだと思います。
Wikipediaによると、この映画の監督には何人か候補者があった
そうですが、「ジュラシックパーク」も撮るという条件で、
スピルバーグ監督に決まったのだそうですね。

私は古い映画はあまり見ないので、モノクロームの映像には
慣れていなくて、つい眠くなってしまうことが多いのですが
(たぶん「色」という情報が欠けているせいでしょうね)
この作品には、最初から最後まで引き込まれてしまいました。
内容もさることながら、映像表現もすばらしかったですね。
生涯忘れ得ぬ作品となると思います。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2011年2月 9日 (水) 08時36分

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