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「わたしを離さないで」 / イギリス式スコーン

記事にするのが遅くなりましたが、3週間ほど前に見た映画、「わたしを離さないで」(原題:Never Let Me Go)について書き残しておきます。

日本生まれのイギリス人作家、カズオ・イシグロ氏の同名小説を映画化した作品。イギリスの美しいカントリーサイドを舞台に、ある”特殊な”役割を背負って生まれ育った3人の若者たちの、はかなくも残酷な運命を描いた物語です。

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緑豊かな美しい森にある寄宿学校、「へールシャム」の子供たちは、外界と閉ざされた環境の中、きわめて健やかに、大切に育てられます。しかし彼らには、大人になったら何になる?といった人生の選択肢はありません。それは彼らが、ある目的のために生を受けたクローン人間だからなのです。

正直言って、決して愉快な話ではありません。私はこの物語の設定に、キャメロン・ディアス主演の映画「私の中のあなた」をふと思い出しましたが、決定的に違うのは、ここには愛がない、ということです。

クローンであっても人格はあり、悩み、傷つき、恋をする…。キャシー(キャリー・マリガン)やルース(キーラ・ナイトレイ)を見ていて切なく思ったのは、彼女たちが「自分は罪深い女のクローンなのだ」と思い込んでいること。自分に与えられた運命が、何かの罰であるかのように感じていたのでしょうか。

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彼らには、どうかこの運命を乗り越えて欲しいけれど、生まれて初めて知る外の世界で、自分の食べたいものさえ決められない姿に、へールシャムという鳥かごは、彼らが人間らしく自由に生きる力を徹底的に奪ってしまったのだ、という厳しい現実に気付かされる思いでした。

「生とは何か」を考えさせられる重い作品ではありますが、映像は限りなく優しく美しく、また3人の若手実力派の演技がすばらしく、最後まで心を捉えて離さない魅力に満ちた作品でした。

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朝食にスコーンを作りました。

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スコーンには、イギリス式とアメリカ式がありますが、これはイギリス式。粉類と卵、砂糖、生クリームを混ぜた生地を、型で円く抜いて焼きますが、私はカジュアルに、生地をおだんご状に丸めて焼きました。

焼きたてのほかほかは、しっとりさくっとして最高においしいですが、冷めてもトースターで温めなおすことでおいしくいただけます。

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クロテッドクリームとジャムをつけていただくのがイギリス流ですが、私は代わりに家にあったクリームチーズとブルーベリージャムをぬって。紅茶の代わりに、コーヒーとともにいただきました。

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コメント

イギリスのスコーンは、たまにホテルの喫茶室で食べることがありますが、アメリカ式は知らないというか、観ただけで食べたことありません。あれはワイキキ通り沿いのホテルでしたが、スコーンというより巨大スコーンとも評すべきもんで、見ただけで断念しました。あの巨大な塊に、これまた大量のクリーム載せているから太るんですよ、あの人たちは。

投稿: ヌマンタ | 2011年5月 2日 (月) 12時18分

この映画、私も気になっていました。
新潟ではまだ公開されていないと思います。
主演のキャリー・マーガンは「ウォールストリート」の彼女ですよね。彼女のデビュー作「17歳の肖像」も観ましたが3作品とも全く違うタイプの女性を演じているようなので観てみたいなと思っていました。
確かに重そうな話ですよね。予告をみているだけでなんとなく想像つきました。

投稿: olive | 2011年5月 2日 (月) 12時53分

こんにちは!

「わたしを離さないで」見に行かれたんですね!
私も、映画公開が近いぞ!とばかりに原作を読んだのにまだ行ってません。
地震騒ぎなんかのせいもあって・・。

この作品、不思議な内容なんですよね・・。ほとんどSF作品に分類したいくらいの設定でありながら、人間ドラマそのもの。
結局、この不思議な設定は、人生の中でのあらがえない境遇といったものの代わりになっているのかもしれませんね。

映画も見に行きたいんだけどな~~。movie

スコーンとっても美味しそう!そう言えば、マフィンにも2種類ありますよね。あれも英米の違いなのかしら。
↓のお蕎麦のパンケーキも美味しそうですね~。heart04

投稿: ごみつ | 2011年5月 2日 (月) 17時39分

お久しぶりです。沖縄の記事はとっても楽しませて頂きました。日本に住んでいるうちに言っておけば良かった…っていつも家族と話していたんですが、こちらの記事を見て、改めて後悔の念が…。

この映画は知りませんでした。DVDだとどうでしょうね?寝ちゃったりしませんか?(汗)映像がきれいな映画は、映画館で観ないと寝てしまいそう…。

スコーンは私も先週、朝ごはん用に作りました。直ぐ出来て便利ですよね。あの焼き上がりのサクッとした食感はたまりませ~ん!

アメリカのスコーンとは、こちらでいうビスケットと呼ばれるものでしょうか?(KFCとかの)

投稿: schatzi | 2011年5月 3日 (火) 12時09分

☆ ヌマンタさま ☆
日本では、スコーンというとイギリス式の方がポピュラーですね。
アメリカ式のスコーンは、日本ではあまり見ませんが
最近ではスターバックスで買えるようになりましたね。
私はアメリカ式のスコーンも好きですが
たしかに大きくてボリュームがありますね…。
イギリスのスコーンがアメリカに渡って、
どうして大きくしかも三角形になってしまったのか??
考えてみると興味深いです。

投稿: ☆ ヌマンタさま ☆ | 2011年5月 4日 (水) 00時06分

☆ oliveさま ☆
キャリー・マリガン、かわいいですよね。
今まであまり意識したことがなかったのですが
この作品の彼女がとてもよかったので、
この後「17歳の肖像」も見たのですが
17歳~、とっても気に入りました☆

「わたしを~」は好き嫌いの分かれる作品だと思うので、
お勧めはしづらいですが、私にはなかなかよかったです。

投稿: ☆ oliveさま ☆ | 2011年5月 4日 (水) 00時13分

☆ ごみつさま ☆
こんばんは~☆
ごみつさんが記事にされていたこともあり
楽しみに見に行ってきました。
今度は是非原作を読んでみたいです♪

映像がクラシカルな雰囲気ですし、人間ドラマでもあるのですが
たしかにおっしゃるように設定はSFなんですよね…。
フィクションとはいえ、原作が出たときには
人権問題にならなかったのかしら?と心配になりました。

ありがとうございます☆
そうそう、マフィンも米英ありますね。しかも全くの別物…。
アメリカに渡って、どうして変わってしまったのか??
考えてみると興味深いです。

↓ パンケーキ大好きです♪ おいしくいただきました☆

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2011年5月 4日 (水) 00時29分

☆ schatziさま ☆
こんばんは♪
沖縄の記事、読んでくださってありがとうございます。
沖縄、日本であって、日本でないような
独特の雰囲気があって、とてもおもしろかったです。
ビーチも美しいですし…
もし機会があれば、是非足を伸ばされてみてください☆

アメリカでは、アメリカ以外の映画ってなかなか目に触れる
機会がないですね…。
この作品、予告を見た時には、映像が美しすぎて
寝ちゃうかも~と私も思っていたのですが
見ているうちに、不思議と引き込まれる作品でした。

スコーン、そうそう、材料を混ぜて焼くだけなので
ちゃちゃっと思い立って作れるところがいいですね。
焼きたてのスコーンのおいしさは格別ですね。

イギリスのスコーンとアメリカの(KFCの)ビスケット、似てますね。
アメリカでスコーンというと、大きな三角形で
チョコチップとかレーズンとかが入っていることが多いですね。
(スターバックスにありますね。)
なんだかややこしいですね。><

投稿: ☆ schatziさま ☆ | 2011年5月 4日 (水) 00時48分

私は先に原作を読んでから映画を観ました。普段は映画のほうを先に観てから原作を読むようにしているのですが、最近カズオ・イシグロ氏の他の著書を読んだら素晴らしく、映画を観るまで待てなかったんです・・・。confident
映画化を知っていたので、原作を三人の俳優達を思い浮かべながら読み進めたのもあって、映画を観たときに「配役がぴったりだったな」と思いました。映像も美しく、観終わったあとに主人と話が尽きませんでした。

投稿: あんこ | 2011年5月 5日 (木) 16時36分

☆ あんこさま ☆
あんこさんは、原作も映画もご覧になったのですね~☆
映画がよかったので、私も原作を読んでみようと思っています。
あんこさんが気に入られたという、他の著作が気になります。
私は他のカズオ・イシグロ原作の映画が見たくなって
「日の名残り」をネットレンタルで予約しました。
こちらも楽しみにしています。

若手三人の演技、すばらしかったですね。
内気なキャシーと勝気なルース、演じた二人の雰囲気に
よく合っていました。
三人の関係は、どこか昔の少女漫画の世界のようにも思え
ほほえましかったです。
限られた運命の中で、せいいっぱいに生きる三人が切なかったですね。

投稿: ☆ あんこさま ☆ | 2011年5月 6日 (金) 13時45分

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