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姜尚中 「母 ‐オモニ‐」

政治学者 姜尚中(かん・さんじゅん)さんの自伝的小説、「母 ‐オモニ‐」を読みました。

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以前からTVや新聞などで拝見して感じられる、姜さんの穏やかで誠実なお人柄に好印象を持っていたこともあり、なかばミーハー的興味もあって、読むのを楽しみにしていました。(図書館にて予約しました。)

以前、同じく氏の書かれた「悩む力」を読んだことがありますが、それに較べると、この作品の文章は、どこか拙く、たどたどしい印象を受けました。これは、政治学者 姜尚中ではなく、母を思うひとりの息子が、ちょっぴり照れくさい気持ちとともに書いた私小説なのだということが伝わってきました。

母ではなく、オモニ。それは姜さんにとって特別な存在。この本では、16歳の時に結婚のためたったひとりで日本に渡り、戦後の混乱の時代に夫とともに廃品回収の仕事を始め、貧しさの中でせいいっぱいに働き、家族を支え、子どもたちを育て上げた、たくましくも愛情豊かなオモニの姿が描かれています。

本を読んで、オモニは姜さんにとって、永遠の聖女のような存在なのだと思いました。これは息子の視点から書かれた小説ではあるけれど、息子が成長し、だんだん遠い存在になっていく…という場面では、いつの間にかオモニの側に寄り添っている自分がいました。

この小説はオモニが主役ではありますが、姜さん自身の物語でもあります。自分の出自を否定し、祖国と距離を置いていた10代の姜さんが、大学生になって思うところあり、初めてオモニの故郷を訪れて、自分のアイデンティティを見出したこと…。

その旅からもどった姜さんが、これからは日本名を止め、韓国名を名乗ることにする、とオモニに告白する場面に心を動かされました。小説の最後の方にも触れられている姜さんの著作、「在日」も読んでみようと思います。

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さて、今日は母の日。今年も、いつもお世話になっているお花屋さんに、すてきなアレンジメントを作っていただきました。

お天気に恵まれた連休最終日、どうぞよい一日をおすごしください。

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コメント

今晩は。

私も実は姜尚中さん、大好きなんですよ。女性キラーなんですよね、彼は。(笑)NHKの「スタジオパーク」に出てた時もステキでしたよ~。shine
講演会も2回ほど聞いた事があるのですが、お話に説得力があって、真面目な人柄に魅せられました。

「母 ‐オモニ‐」って小説だったんですね!どんな作品になってるのかしら。記事を読ませていただくと、とても心にひびく作品みたいですね。私も機械があったら是非読みたいなと思います。

母の日のお花のアレンジメント、とってもきれいですね!お母様も喜ばれた事と思います。clover

投稿: ごみつ | 2011年5月 9日 (月) 00時05分

姜尚中さんの「母 ‐オモニ‐」知りませんでしたが、
今日のコメントを拝読させて頂いて、私ももし、母の
事をテーマになにか、書けといわれるとやはり照れくさく、
また、どこまで正直に書けるのか・・・
家の母も高齢・・・できるだけ長生きしてほしいと
思っています。

投稿: イザワ | 2011年5月 9日 (月) 03時16分

☆ ごみつさま ☆
姜尚中さん、すてきな方ですよね。
ごみつさんもファンなのですね☆
そうそう、以前ごみつさんが姜さんの講演会に出席されたお話を
うかがって、いいなあと思っていました。

「母 -オモニ-」は、私小説のようです。
多少、お話をふくらませている部分はあるかもしれませんが
お母様の話や、ご自身の体験をもとに書かれていると思います。
素直に、お母様への思いが伝わってくる作品でしたよ。

お花は、どちらかというと私好みのアレンジメントになって
しまいましたが、喜んでもらえてよかったです。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2011年5月 9日 (月) 10時41分

☆ イザワさま ☆
自分の身内のことは、照れくささもありますし
なかなか書けませんね…。
まして人に見せるなんて、とてもできません。(笑)
イザワさんは、お写真を撮るという方法で
お母様への思いを表現できて、すてきですね。
いつまでもお元気で…どうぞ大切になさってください☆

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2011年5月 9日 (月) 10時49分

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