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2011年8月

瀬戸内(8) 高松 「一鶴」さんの骨付鳥

フェリーで高松に着いてから、ふと思い立って西へ、西へ…。車で40分くらい走って、宇多津(うたづ)臨海公園に瀬戸大橋を見に行きました。

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日が暮れる直前、でもライトアップにはまだ早い…という微妙なタイミングでしたが、薄墨色の空にうっすらと浮かび上がる瀬戸大橋の、端正な美しさが心に染みました。

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この日の夜は、高松市内にある「一鶴」(いっかく)さんに、骨付鳥を食べに行きました。場所は高松市の中心地、アーケードのある丸亀商店街から一本路地を入ったところのビルにあります。

骨付鳥(ほねつきどり)とは、鶏のもも肉をガーリックの効いた特製スパイスで蒸し焼きにしたもので、香川県では讃岐うどんに次ぐ新しい名物として注目されているそうです。もとは丸亀に本店のある「一鶴」さんが始められたお料理ですが、今は県内の居酒屋さんなどでも広く食べられるようになりました。

とても人気のあるお店で、私たちが訪れた時には、既に順番を待つ長い列ができていましたが(予約は不可)、30分ほど待ってようやく席に着くことができました。

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骨付鳥は、柔らかくジューシーな「ひなどり」(手前)と、締まって噛み応えのある「おやどり」(奥)の2種類がありますが、どちらもガーリックやこしょうの効いたガツンとくるお味でおいしかったです。旨味がしっかり溶けた肉汁は、生キャベツをディップしていただきます。

骨付鳥は、骨をつかんでそのまま豪快にかじりつくのが正しい食べ方。「はじめ人間ギャートルズ」の骨付き肉を思い出しますが、「一鶴」の創業者のご夫婦は、アメリカ映画を見ていて、大きな骨付きの鳥肉にかぶりつくシーンにヒントを得て、考案されたそうです。(コチラを参照しました)

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(左)フライドオニオン、ベーコンがたっぷり入ったサラダ。(右)おにぎりは具が入っていません。お好みで骨付鳥の肉汁にディップしていただきます。

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(左)とりめし&スープ。しっかりと味のついた鶏肉を炊き込んだごはんは、ひつまぶしのような味わいがありました。(右)抹茶とラムネ味のソフトクリーム。

帰りはすっかりおなかがいっぱいでしたが、ホテルにもどるまでがちょうどいいお散歩になりました。

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瀬戸内(7) 直島 家プロジェクト

直島に着いたら、まず本村(ほんむら)エリアへ「家プロジェクト」を見に行きました。これは、本村の集落で空き家となっていた古い家屋を修復して、アートの作品として蘇らせるというプロジェクトで、現在7軒が公開されています。この日は、そのうちの6軒を見ることができました。

「海の駅なおしま」の観光案内所で購入したチケット兼地図を見ながら、いざ出発。なんだかスタンプラリーみたいでワクワクしてきました♪ 最初に、高台に続く細い坂道を登って、「護王神社」を訪れました。

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江戸時代からある島の神社を改築することになり、杉本博司さんが設計しました。一見なんの変哲もない神社ですが、階段の部分がガラスでできていて、はっとしました。この本殿の下には海の見える地下室があるそうです。

護王神社から別の坂道を下りて、次に「角屋」を訪れました。

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200年前の家屋を復元したもので、外観は伝統的な日本家屋ですが、中に入ると薄暗い空間の一部屋が、まるごとプールになっているのにびっくり! そこにデジタルカウンターのカラフルな数字が点滅していました。

宮島達男さんの作品ですが、デジタルカウンターが点滅するスピードは、島の人たちがそれぞれ設定しているそうです。アーティストと島の人たちとの共同作品というのがすてきだな、と思いました。

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「直島銭湯」と同じ大竹伸朗さんの作品、「はいしゃ」です。もと歯科医院だったところを改修したそうですが、(失礼ながら)かえってボロくなったのでは…?! 中は海のような青い部屋、真っ黒い部屋、自由の女神の部屋…とあって、外観同様ぶっとんでいました。

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「南寺」は寺の跡地に安藤忠雄さんが設計した建物で、中にジェームス・タレルさんの作品「Backside of the Moon」があります。これはまさに体験するアート、とよぶのにふさわしい作品でした。暗闇の中を壁伝いに進み、ベンチに座ること15分間。この間、音も光も決して発してはいけません。

すると壁の反対側に薄ぼんやりと長方形の光が浮かび上がってきます…。しかし、建物の中の暗さは15分前と全く変わっていないそうです。今まで真っ暗だと思っていた空間が、いつの間にかはっきりと見えるのが不思議。人間の体の内なる能力の神秘に気づかされました。

このほか、須田悦弘さんの「碁会所」、千住博さんの作品のある「石橋」を訪れました。日本画家 千住博さんの「ザ・フォールズ」は、滝の轟音が聞こえてくるような迫力ある作品。写真では見たことがありましたが、実際に目にすると作品のもつ力に圧倒されました。日本画に対するイメージが大きく変わりました。

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本村は、古い家々の黒い板壁が印象的な美しい集落でした。家プロジェクトの作品は、この集落に違和感なく溶け込みつつ、中に入ると「うわっ!」「えっ?」「なんじゃこりゃ?!」という世界が広がっていて、そのギャップがまた楽しかった。プロジェクトで働く島の人たちの温かい笑顔にも心が和みました。

このほか、安藤忠雄さんが設計した3つの美術館のあるエリアがありますが、フェリーの最終便の時間がせまっていたので、今回は前を通るだけに…。いつか別の機会に改めて訪れたいと思います。

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瀬戸内(6) 「川福」さんのぶっかけうどん ~ アートの島 直島へ

イサム・ノグチ庭園美術館を訪れた後は、高松港へ。フェリーのチケットを買ってから、隣接する「マリタイムプラザ高松」に入っている讃岐うどんの老舗、「川福」さんでお昼をいただきました。私は名まえのインパクトに惹かれて、ぶっかけうどんをいただきました。

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シンプルな冷たいかけうどんを想像していましたが、甘く煮付けた油揚げに天かす、薬味といろいろ乗っていて大感激。そして最初の一口目、はじき返すようなコシの強さに驚きました。これは東京で食べるうどんとはまるで違う…。本場ならではのお味に感動しました。しっかりとおだしの効いためんつゆもおいしかった!

讃岐うどんは、高松のソウルフードであり、ファーストフード。さくっと食べて、急ぎ足で港へ向かいました。マリタイムプラザとフェリー乗り場をつなぐ連絡橋を歩いていると、ちょうど向こうから私たちが乗る予定のフェリーがやってくるのが見えました。

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この日は、午後から直島を訪れました。岡山に本社をおくベネッセコーポレーションの文化事業により、20年ほど前にアートの島として生まれ変わった直島。特に2010年の瀬戸内国際芸術祭がきっかけで活動が世界に知られることとなり、注目を集めています。

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直島・宮浦港に着くと、まず出迎えてくれるのがフェリーターミナル「海の駅なおしま」です。

建築ユニットSANAA(サナア)による設計で、薄く平らな屋根、それを支える細い柱、そしてガラスの面で構成されるシンプルモダンなデザイン。中には観光案内所やカフェなどが入っています。外の空間と一体化した、開放感のある建物でした。

直島のアートサイトは、「宮浦」「本村」「ミュージアム」という3つのエリアに分かれていて、私たちはまず本村エリアを訪れたのですが、編集の関係上、宮浦港を中心とした宮浦(みやのうら)エリアについて先にご紹介しますね。

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宮浦港前の細い路地を入ると、突如現れるのが公衆浴場「直島銭湯 アイラヴ湯」です。コラージュアートの現代美術家、大竹伸郎(おおたけ・しんろう)さんの作品。がらくたを思いつくままに貼り付けたようなキッチュな外観に圧倒されました。

一見子どものいたずらのようにも見えますが、これも立派なアート…らしい。この銭湯の前の普通のお家に住んでいらっしゃるおじいちゃんが、にこにこうれしそうに観光客たちを眺めているのが印象的でした。

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中もかなり楽しそう。時間があれば入ってみたかったなあ。

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これは、宮浦港にあるパブリックアート。前衛芸術家、草間彌生(くさま・やよい)さんの「赤かぼちゃ」です。フェリーが港に近づく時や離れる時、海の上からもよく見えました。ところどころ穴が開いていて、出たり入ったりして遊ぶことができます。

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(写真は観光サイトよりお借りしました)

ちなみに直島にはもうひとつ、黄色い「かぼちゃ」がベネッセハウス(ホテル)の桟橋にあります。こちらも赤かぼちゃ同様、強烈な個性を放っていました。

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瀬戸内(5) イサム・ノグチ庭園美術館

翌日は、高松から東へ車で30分ほど、牟礼にある「イサム・ノグチ庭園美術館」を訪れました。イサム・ノグチは、世界で活躍した20世紀を代表する日系アメリカ人の彫刻家。この牟礼の地に、イサムが晩年をすごしたアトリエがあると知って、いつか行ってみたいと思っていました。

見学には、事前に往復はがきでの申し込みが必要です。10時の予約に合わせて早めにホテルを出ましたが、場所がわかりにくくて迷いに迷いました。

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美術館が近づくと、遠くに大きくえぐられた山を発見。このあたりは、庵治石(あじいし)の産地として知られ、いたるところに石材店がありました。

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ようやく美術館の受付に到着。団体さんのグループ、個人で申し込みのグループ、2手に分かれてガイドツアーに参加しました。

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(写真は、観光サイトからお借りしました)

最初にイサムのアトリエを案内していただきました。イサムはこの地にアトリエを構えるにあたって、まず円形状に石を積み重ねて囲いを作りました。この空間をイサムは「マル」と呼んでいたそうです。中には古い土蔵を移築した作業場があり、イサムがいた時のまま保存されていました。

作業場の前には、完成した作品と製作途中のものが、全体のバランスを考えて配置してありました。また作業場の裏には、材料となる石がきれいに積み重ねてありました。イサムは晩年、自らの旅立ちの準備を意識されていたようで、芸術家でありながら理性的な面を持っていらしたのだな、と思いました。

マルの奥に見える土蔵には、大きな作品が何点か展示されていました。

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(写真は、パンフレットを撮影しました)

(左)は「エナジー・ヴォイド」、(右)は「真夜中の太陽」という作品です。エナジー・ヴォイドは高さ3.6mの大きな作品ですが、ぐるりとまわると見る角度によってさまざまな表情を持っていて、メビウスの帯のような無限性を感じました。

イサムは石を探し求めてこの地を訪れたところ、すっかり気に入ってアトリエを構えることにしたそうです。地元の庵治石を使った作品は少ないのですが、石を運ぶ、磨くといった作業をするのに、近くに優秀な石工さんが多かったことが助けとなったようです。

イサムは世界中から石を探し求めてこのアトリエに運んだので、高松港が近いことも地理的に好条件でした。海外からの石は、神戸港を経由して運び込まれたそうで、いくつかの石にはKOBEというサインがそのまま残っていました。

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(右の写真はパンフレットを撮影しました)

アトリエのあとは、イサムの住居を外から見学しました。丸亀にある古いお屋敷が取り壊されると知って、この地に移築したそうです。伝統的な日本家屋ですが、椅子の生活の長いイサムのために、掘りごたつ風になっている畳のお部屋もありました。イサムがデザインした和紙を使った照明が使われています。

住居の横の石段を登ると、彫刻庭園があります。といっても自然の風景をそのまま生かしたもので、こんもりとした山に、石を使って表現された滝や水の流れがありました。桜の木の下には石のベンチがあり、イサムはこの場所で春はお花見、秋はお月見を楽しんだそうです。

こんもりとした山を登ると… そこから見る穏やかな美しい風景に圧倒されました。左には源平合戦の舞台となった屋島の山、そして遠く正面には瀬戸内海が見えます。この風景を見た時に、イサムがこの地にアトリエを作った理由がはっきりと理解できました。

Casa_brutus_isamu_noguchi_2  Casa BRUTUS イサム・ノグチ特集

見学のあと、売店でCasa BRUTUSのバックナンバーを買いました。
イサム・ノグチについては、今までにも何度か記事にしているので、リンクさせていただきますね。

 art イサム・ノグチ美術館 (ニューヨークにある美術館)
 art レオニー (イサムの母レオニー・ギルモアの生涯を描いた映画)

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瀬戸内(4) 高松 「天勝」さんの穴子棒寿司

高松名物といえば、なんといっても讃岐うどん。とにかく街のいたるところで、うどん屋さんを見かけました。ただ、高松のうどん屋さんは夕方早めに店じまいするところが多いので、夜はうどん以外の高松名物を楽しみました。

この日は、創業1866年という地元で人気の老舗の和食屋さん、天勝(てんかつ)さんを訪れました。場所は、アーケードのある兵庫町商店街。老舗といっても、気さくな雰囲気のお店です。

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(写真はHPよりお借りしました)

カウンターにお座敷、宴会場…とある大きなお店ですが、私たちはこちらのカウンターで食事をしました。コの字形のカウンターの中には生簀があって、お魚たちが泳いでいるのが見えます。注文が入ると、板前さんが網を持ってお魚を取りにきました。

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まずはビールで乾杯。つきだしとともに。

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こちらのお店の名物は、穴子の棒寿司です。これは瀬戸内でとれる大きな穴子で、地元では「べえすけ」という名まえで親しまれています。べえすけはこのほか、天ぷらにしたり、お鍋に入れたりするのがポピュラーな食べ方のようです。

たれをからめた「焼き」と、あっさりした「蒸し」の2種類がありましたが、私たちが迷うと、お店の人がハーフもできますよ、と言ってくださいました。べえすけは、一般の穴子に比べると肉厚でむっちりとしていますが、それでいて柔らかく、とてもおいしかったです。

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こちらはお造りの定食。瀬戸内の新鮮なお刺身に舌鼓を打ちました。茶碗蒸しに、生の青海苔の入ったおだしがかかっているのがおもしろい。磯の香りがしてとてもおいしかったです。

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うどんを食べるぞ~!と意気込んでいた家族は、こちらのセットをいただきました。初めて食べる本場の讃岐うどんに満足したようです。

このあとぶらぶら歩きながらホテルにもどりましたが、高松で驚いたのは、とにかく夜が早いこと。8時を過ぎると街は真っ暗で、人通りがぐっと少なくなります。11時を過ぎると、車一台通りません。夜はお家ですごす方が多いのでしょうか。

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今回はいろいろな交通手段を使うこともあり、利便性を考えてJR高松駅前にある全日空ホテルクレメント高松に宿泊しました。高松港もレンタカーオフィスもすぐ目の前です。

ホテルのお部屋からは、右に高松城跡のある玉藻公園(たまもこうえん)、左に高松港が見えました。高松港は瀬戸内海の海上交通の主要港でたくさん桟橋があり、いつも船が出入りしていて、旅心をかきたてられました。

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瀬戸内(3) オリーブ公園 ~ 四方指展望台 ~ エンジェルロード

マルキン醤油記念館を訪れた後は、道の駅 小豆島オリーブ公園に立ち寄りました。オリーブ園のほか、レストランや宿泊施設まである広大な公園です。

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ゆるやかな傾斜に広がるオリーブの林、そしてその向こうに鏡のように穏やかな瀬戸内海、緑豊かな岬、広い空… と絵巻物を広げたように続く風景は、思わず息を呑む美しさでした。

小豆島にオリーブがやってきたのは、1908(明治41)年のこと。国内の他の地域では栽培がうまくいかなかったものを、唯一小豆島では試行錯誤を繰り返しながらも順調に成長し、安定的に収穫できるまでになりました。

もともと地中海原産のオリーブは、小豆島の気候によくあっていたようです。オリーブ栽培は、今では島の重要な産業のひとつとなっていて、2008年には植栽100周年を迎えました。

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小豆島はギリシャのミロス島と姉妹提携しているそうで、園内にはギリシャ風の建物もいくつかありました。(左)ギリシャ風車 (右)オリーブ園

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(左)小豆島におけるオリーブの原木。この一本の苗木から、小豆島の、そして日本のオリーブ栽培がはじまりました。

オリーブ公園を散策した後は、眺望を求めてあてもなく、車で山の高い方へとどんどん登っていきました。四方指展望台(しほうざし・てんぼうだい)という標識を見つけたので立ち寄ってみました。

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展望台といっても全く観光地化されていない場所で、人ひとりいませんでしたが、ここからの360度の眺望は、それはそれは見事でした。夕方のことで、少しガスに煙っていたのが残念でしたが、空気が澄んでいる時は、遠く瀬戸大橋や鳴門大橋も見えるそうです。

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渓谷の、荒々しい山肌も見えました。

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山から下りる途中で、お猿さんに会いました♪

最後に、エンジェルロードを訪れました。

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この写真ではわかりにくいですが、エンジェルロードは一日2回、干潮の前後4時間だけつながる砂の道です。この日の2度目の干潮が午後6時58分だったので、それに合わせて5時過ぎ頃に訪れましたが、既にしっかりとした道ができていました。

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この写真だと、もう少し様子がお伝えできるでしょうか。道ができる瞬間は、(出エジプトの)モーセの前に道が開けるシーンのような、神秘的な風景が見られるのかしら…。いつか見てみたいです。

このあとは、土庄港から再びフェリーに乗って、高松にもどりました。

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瀬戸内(2) 醤の郷 「マルキン醤油記念館」

岬の分教場の4kmほど手前に、黒い板壁の古い木造建築が点々と続くエリアがあります。

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ここは、醤の郷(ひしおのさと)とよばれる場所で、何十軒もの醤油製造元や佃煮工場が集まっています。通りを歩くと、どこからともなくふんわりとおしょうゆの香りが漂ってきました。

関東でおしょうゆといえば、千葉県の野田や銚子を思い浮かべますが、実は小豆島も、400年の歴史を持つおしょうゆの産地です。大小さまざまな醤油製造元がありますが、一番大きいマルキン忠勇さんには記念館が併設されていて、古い道具類を見学し、醤油作りの歴史に触れることができました。

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マルキン醤油記念館

古くから小豆島では塩作りが盛んだったこと、海上交通が発達していて原料の仕入れや製品の出荷が容易だったこと、島の気候が麹の発酵に適していたこと… こうした条件が整っていたこともあって、小豆島で醤油作りが発達したそうです。

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(左)甑(こしき)とよばれる大豆を蒸す釜。底に蒸気を通す穴があり、今でいう蒸篭(せいろ)と同じしくみになっています。

(右)焙烙(ほうらく)とよばれる小麦を炒る大鍋。ここで焦がさないように小麦を炒ってから、石臼で挽きます。

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(左)2m以上ある大樽。中は深く、落ちたらたいへん!と思いました。この樽でもろみを1年間ねかせて熟成させます。

(右)大樽が並ぶ、諸味蔵(もろみぐら)の模型。職人さんたちは、もろみまぜの歌をうたいながら、もろみを混ぜたそうです。

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(左)醤油作りに使われる樽いろいろ。どれも職人さんの手作りです。余談ですが、壺井栄さんのお父様も醤油樽作りの職人さんだったそうです。

(右)もろみから醤油をしぼりだす道具。布袋や棒締機(ぼうじめき)が使われました。

今は醤油作りも機械化され、近代的な工場で作られていますが、どの道具からもおしょうゆの香りがほんのりとして、長年にわたって受け継がれてきた醤油作りの技の重みを感じました。

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(右の写真は、HPからお借りしました)

記念館を見学した後は、おみやげ屋さんをのぞきました。ここの名物は、しょうゆソフトクリーム♪ 私も少し味見をしましたが、塩キャラメルのようなコクがあって、ほんのり効いた塩味がおいしかったです。

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記念館では、おみやげにマルキン醤油の小瓶をいただきました。また、おみやげ屋さんでは、生のりの佃煮、食べるしょうゆ(ごはんや冷奴にのせるらしい)、お塩(塩マニアなので、おいしい塩を見るとつい手がのびる)と、おいしそうなものをいろいろ見つけました。

なお、ほとんどの醤油製造元で、事前に予約すると工場見学ができるようです。詳細は醤の郷のHPをご確認ください。

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瀬戸内(1) 二十四の瞳映画村 ~ 岬の分教場

先週、四国の高松を足がかりに、瀬戸内を旅してきました。今日からしばらく旅の話におつきあいいただけましたら幸いです。

朝一番の飛行機で高松空港に飛んで、レンタカーをピックアップし、まず向かったのは高松港です。ここからフェリーに乗って(車ごと)小豆島に渡りました。

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(フェリーから見る高松市街の風景)

美しい島影が点々と続く穏やかな瀬戸内海を渡ること約1時間。小豆島・土庄(とのしょう)港に着きました。島が近づくにつれ、なぜかごま油の匂いが…。港のすぐ横にごま油のかどやさんの工場がありました。後で調べましたら、かどやさんは小豆島創業の会社なのだそうです。

土庄港から車で40分ほど走り、岬の先にある「二十四の瞳映画村」を訪れました。

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ここは、1987年に田中裕子さんが主演した「二十四の瞳」の撮影に使われたオープンセットが、そのまま映画村として保存されたものです。昔の木造家屋の続く家並みは、懐かし村といった雰囲気。ブリキの看板、赤い丸ポストなどディテイルも凝っていて、昭和初期の時代に迷い込んだようでした。

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映画村には壺井栄文学館があり、壺井栄さん直筆の原稿やゆかりの品々、資料映像などを見ることができました。小豆島で生まれ育った栄さんは、家計を助けるために進学をあきらめ、郵便局や町役場に勤めますが、東京の大学に進学した同郷の詩人、壺井繁治さんの勧めで上京し、結婚します。

東京でプロレタリア文学の作家たちの影響を受けた栄さんは、自らも小説を書き始め、「二十四の瞳」をはじめ数々の名作を生み出しました。ゆかりの品々やエピソードからは、壺井栄さんの清廉な生き方、文学への尊い志が感じられ、どれを見ても、心が揺さぶられる思いでした。

資料映像にあった、壺井栄さんの文学には母の愛情(実際の母親というより、もっと壮大な母なる存在、と私は思いました)があり、それが人の心を打つということばに、大いに納得しました。

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それにしても、一本の映画のために村をまるごと作ってしまうとは驚きます。木造家屋は、今はおみやげ屋さんや飲食店となっています。

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こちらは、「岬の分教場」のセットです。木造校舎の廊下、木の机と椅子、緑の黒板、オルガン…と、なんとも懐かしい雰囲気。今にも子どもたちが飛び出してきそうです。

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映画村のカフェで、お昼に「給食セット」をいただきました。カレー、揚げパン、冷凍みかん、瓶の牛乳(コーヒー牛乳)が、アルマイトの食器と先割れスプーンで食べられます。私の子どもの頃の定番メニューが懐かしかったですが、揚げパンは当時よりもずっとおいしく、洗練されたお味でした。

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(左)映画村の前に、観光用のボンネットバスが停まっていました。映画村と↓の岬の分教場の間を、往復して走っています。(右)この日はお休みでしたが、映画村の隣には、味わいのあるそうめんの製麺所がありました。

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映画村から車で5分ほどもどったところに、(映画のセットではない)ほんものの岬の分教場があります。1971年まで実際に分校として使われていた学校で、廃校当時の教室がそのまま保存されています。1954年に高峰秀子さんが主演した「二十四の瞳」は、こちらの学校を使って撮影されたそうです。

校舎の前に、オリーブの木が植えられているのが小豆島らしい。温もりのある木造校舎に薄緑色のオリーブの葉がよく似合って、柔らかい風景を作り出していました。

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ツナとオリーブのトマトペンネ & 海老のココナッツカレー

昨日のお昼ごはん&晩ごはんです。旅行からもどったばかりで、冷蔵庫に何も入っていなかったので、お昼は「ツナとオリーブのトマトペンネ」を作りました。

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ツナ、ブラックオリーブ、トマト…と缶詰だけで作れてしまうパスタ。このほか、にんにく、赤唐辛子、たまねぎ、ケイパーを使っていますが、どれも常備してあるものなので、お買い物に行かなくても作れます。

  1. 缶詰のトマトに、塩、オリーブ油を順次加えて煮込み、トマトソースを作っておきます。
  2. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくと赤唐辛子を炒め、さらに薄切りにしたたまねぎを加えて、しんなりするまでていねいに炒めていきます。
  3. さらに、ツナ、ブラックオリーブ、ケイパーを加えて炒めます。
  4. 1のトマトソースを加えて軽く煮込み、ゆでたてのペンネをあえてできあがり。

ペンネにソースがからんで食べやすい。ぴりりと辛味の効いた赤唐辛子の風味で、食が進みます。おいしくいただきました。

夜は、先日のスパイスから作るチキンカレーのレシピを改良、アレンジして「海老のココナッツカレー」を作りました。

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  1. 赤唐辛子、クミン(ホール)、コリアンダー(ホール)、にんにくとしょうがのみじん切りをていねいに炒めます。香りが立ってきたら、さらにたまねぎの薄切りを加えて、しんなりするまで炒めます。
  2. ターメリック(粉末)、カイエンヌペッパー(粉末)、トマトのざく切り、ピーマンの乱切りを加えて、全体をざっと炒め合わせます。
  3. ココナッツミルク、水、酢少々を入れて、10分ほど煮込みます。
  4. 殻をむいて背わたを取った海老を加え、火が通ったらできあがり。

海老とココナッツというとタイカレーを思い出しますが、これはインド風。ナンプラーやオイスターソースが入らないので、クセがなく穏やかな味です。海老は硬くならないよう、食べる直前に入れて火を通すくらいがちょうどいいです。

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ホームベーカリーで 生パスタにチャレンジ

昨夜遅くに旅行から帰ってきました。旅行記については、少し落ち着いてから始めたいと思いますが、今日は旅行に行く前日、ホームベーカリーを使って、初めて生パスタを作ったので、ご紹介させていただきますね。

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今回は、ホームベーカリー付属のマニュアル通りに作りました。強力粉、デュラムセモリナ粉、塩、卵、オリーブ油をホームベーカリーにセットして生地を作り、生地を冷蔵庫でねかせてから4等分し、それぞれ麺棒でのばしていきます。

(左)プラスティックのまな板と麺棒を使うと、生地がくっつかず扱いやすいです。(右)のばした生地は、くっつかないよう打ち粉をしながら折りたたみ、好みの太さにカットします。

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生パスタのできあがり♪ パスタマシンを使えば簡単ですが、自分で生地をのばしてたたみ、生地がくっつかないよう注意しながら、均一な太さに麺を作るのはなかなか難しい…。でもこの不揃いなところが、手作りパスタならでは、でしょうか。

生パスタに合わせて、あらかじめボロネーゼ(ミートソース)を作っておきました。

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にんにく、たまねぎ、セロリのみじん切り、にんじんのすりおろしをオリーブ油でていねいに炒め、さらに豚ひき肉を加えて炒めてから、赤ワイン、トマト缶、ブイヨンのもと、ベイリーフを加えてことこと煮込んでいきます。途中でしめじを、形を生かしてそのまま入れるのが私流。

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ゆでたてのパスタとボロネーゼをあえて、刻んだ三つ葉をトッピングしました。もっとシンプルなソースにした方が、麺の味そのものを楽しむことができたかな?と思いますが、ボロネーズともよく合っておいしかったです。

麺を細く切るのはたいへんですが、幅広のフェットチーネや、ラザニアでしたら、もっと手軽に作れると思いました。ホームベーカリーを使えば、ほうれん草入りなどの変わりパスタも簡単に作れるので、気軽にまたトライしてみたいです。

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携帯より(2) 水玉かぼちゃのある風景

携帯より 2: 水玉かぼちゃのある風景

旅行2日目です。今日は↑こんな場所を訪れました。
ヒントは、安藤忠雄・草間弥生・千住博です。

ちょっとマニアックでしょうか。
アートの好きな方はおわかりになるかも?

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携帯より(1) 風車のある風景

携帯より 1: 風車のある風景

旅先より、初めて携帯から投稿します。今日は↑こんなところを訪れました。
ヒントは、そうめん・オリーブ・おしょうゆです。

最近、「二十四の瞳」「八日目の蝉」を読んだのも、
実は今回の旅行の予習だったのですが…。(もうどこかおわかりですね。)

余裕があれば、続報をアップします。

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モロッコ風ラタトゥイユ

最近のある日の食卓から。夏野菜を使って、「モロッコ風ラタトゥイユ」を作りました。

モロッコ風…と勝手に名付けましたが、スパイス風味のラタトゥイユです。野菜は、なす、ズッキーニ、プチトマト(シシリアンルージュ)、黄色いジャンボピーマン、たまねぎを使いました。

シシリアンルージュは、小さめの少し細長いトマト。そのまま食べても味が濃くておいしいですが、火を通すと抜群においしくなります。

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フライパンにオリーブ油を熱して夏野菜を炒めます。油がまわったら、パプリカパウダーとクミンパウダー、塩を加えて風味づけし、水少々を加えてふたをし、蒸し焼きにしました。

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照りよく鮮やかな色に仕上がりました。くたくたの野菜がおいしい。クミンパウダーがほんのり香り、個性的な風味が楽しめました。

これに合わせて、「じゃがいもとクレソンのスープ」を用意しました。有元葉子さんのレシピを参考にしました。

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以前ご紹介したポルトガルのカルド・ヴェルデ(じゃがいもと青菜のスープ)に似ていますが、クレソンを使うというところが個性的。ほろ苦さがおいしかったです。

メインのお料理に、以前ご紹介した豚肉の味噌つけ焼きを作りました。

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今回はたっぷりサニーレタスを添えて、お肉を包みながらいただきました。味噌の風味で食が進みます。夏らしくさっぱりいただきました。

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壺井栄 「二十四の瞳」

永遠に読み継がれる名作、壺井栄さんの「二十四の瞳」を再読しました。

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(角川文庫の夏の文庫キャンペーン。てぬぐい柄の表紙は、代官山のてぬぐい屋さん「かまわぬ」とのコラボレーションです。)

この本を読んだのは、小学生の頃。当時、小説の内容をどれだけ理解していたかわかりませんが、少なくともいえるのは、当時は生徒の立場で読んでいたということです。生徒たちのひとりとして、大石先生のことばに耳を傾けていました。

今回は、自分が大石先生の立場で読んでいることに気づきました。大石先生が教師として、母として、子どもたちを育てるという業(わざ)の中で、子どもたちの未来を思い、幸せを願い、(世の中の)平和を望み、無事を祈る気持ちが、同じ女性としてわかりすぎるほどに理解できました。

大石先生と子どもたちがともにすごした時間は、人生の長さではほんの一時ですが、それでもこれほど濃密な関係を築くことができたのは、教室という場所を越えて、お互いの存在が、ことばが、心の中で生き続けていたからだろうと思います。

貧しさと、戦争という抗えない時代の渦の中で、子どもたちはそれぞれの運命に押し出されていきます。学ぶことが好きでも奉公に出なければならないコトエ、歌の道に進みたくとも親から反対されてしまうマスノ、旧家に生まれながら夜逃げ同然に島から出て行く富士子、例外なく戦争に駆り出される男の子たち…。

大石先生がその気持ちに寄り添い、ともに涙を流したことは、何より彼らを励まし、生きる喜びを与えたことと思います。どの子どもにも等しく愛を注ぐ大石先生に、教師としてのあるべき姿勢を見つけました。

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「愛する人」

DVDで、ナオミ・ワッツ、アネット・ベニング主演の映画、「愛する人」(原題:Mother & Child)を見ました。公開された時に気になっていたものの、見逃してしまった作品です。映画の詳細は知らなかったのですが、これまた「八日目の蝉」と同じく、母性をテーマにした作品でした。

この作品では、14歳で出産したものの、すぐに養子に出さざるを得なかった母と、母を知らずに養父母のもとで育てられた娘の、37年後の葛藤が描かれています。お互いを知らず、孤独の中で生きてきた二人は、それぞれあるできことがきっかけで、会ってみようと決意しますが…。

アネット・ベニングとナオミ・ワッツの感情を抑えた演技もあって、物語は淡々と穏やかに進んでいきます。決して派手な作品ではないですが、慈雨が乾いた地面にじんわりと染み込んでいくような、静かな感動がありました。見終わったときは、温かい気持ちでいっぱいになりました。

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カレン(アネット・ベニング)は、生まれてすぐに手放した娘のことを片時も忘れることができず、届くあてのない手紙を書き続けています。誰に対しても心を開くことができない気難し屋のカレンでしたが、最愛の理解者が現れたことで少しずつ心が氷解していき、娘を探してみようと決意します。

一方、娘のエリザベス(ナオミ・ワッツ)は、有能な弁護士として活躍している自立した女性。人との深い関わりを避けて淡々と仕事をこなす姿は、人を寄せ付けない厳しさがあり、そうすることで自分を守っているようにも見えました。

しかし、上司の子どもを宿したことで、エリザベスの中で何かが少しずつ変わっていきます。仕事場や住まいを変え、母として、少しずつ子どもを迎える準備を整えていくうちに、ふと母親に会ってみようと決意します…。

この作品を見て思ったのは、人は運命という神様の大きなプランの中に組み込まれて生きているのだ、ということです。そして、人の中に人の命が宿り、それがいつかまた次の命につながっていくことの神秘を思いました。

映画は100%のハッピーエンディングではありませんが、奇跡としか思えない運命のつながりにカレンとエリザベスの強い絆を感じ、救われる思いがしました。

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角田光代 「八日目の蝉」

角田光代さんのベストセラー小説、「八日目の蝉」を読みました。角田光代さんは、以前インタビュー記事を読んで、その誠実な印象に好感を持っていましたが、小説を読むのはこれが初めてです。この春に映画化されて好評だったこともあり、気になっていた作品です。

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妻子ある男性と交際していた希和子は、はずみから相手の家の赤ちゃんを誘拐してしまいます。友人宅、名古屋、あやしげな宗教施設…と転々とし、小豆島でつつましくも幸せな生活を築きはじめたところを逮捕され、4年間の逃亡生活はピリオドに。子どもは実の親元にもどされますが…。

私は、こういう母性をテーマにしたどろどろとした話は苦手で、希和子の行動にも全く共感できなかったのですが、それでも最後まで読み進めることができたのは、折に触れて、はっとする場面や印象に残る一言に出会えたからだと思いました。

小説の前半では、希和子の視点で誘拐から逮捕されるまでが、後半では希和子が4歳まで育てた薫(恵理菜)の、大学生に成長してからの視点がつづられています。希和子の視点はなんとなくわかりますが、恵理菜の視点は私には全く想像が及ばなかったので、作家のイマジネーションに感心しました。

素朴で穏やかな小豆島での生活が突然失われ、大好きだったお母さんと引き離されて、実の親元にもどされた恵理菜。最初は小豆島にもどりたいと思うものの、それが決してかなわないことと知り、なんとか両親の愛を得ようと努力します。

しかし、恵理菜の行動には希和子との生活の習慣が、ことばには小豆島の方言がつい出てしまいます。恵理菜の中に希和子の影を見るたびに、母親はそれを追い出そうとヒステリックになり、やがて家庭を放棄してしまいます。辛い少女時代を送った恵理菜は、大学入学を機に、家を出て一人暮らしをはじめます。

私はこれを読んで、ガラパゴスを旅した時の、ネイチャーガイドのことばを思い出しました。それは、「野生動物には決して手を触れてはならない」ということです。野生動物の赤ちゃんに一度でも人間の匂いがつくと、親は子育てをしなくなり、やがて子どもは干からびて死んでしまうのだそうです…。

たとえどんなに希和子がいいお母さんで、薫(恵理菜)を愛情深く育てたとしても、希和子のしたことは決して許されることではない、と思いました。

恵理菜は、幼ななじみの千草とともに、過去と決別するため小豆島を訪れます。最初は気が進まなかった恵理菜ですが、島で懐かしい風景に出会い、希和子が逮捕された時のひとことを思い出した時、自分が愛されていたと確信します。恵理菜が薫としてすごした4年間は、これから新しい力を与えてくれる… そう信じたいです。

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スティックチーズケーキ & 紅茶のスフレチーズケーキ

チーズケーキが好きです。さっぱりしていながら、しっとりしていて、いつ食べてもおいしい。誰からも好まれるので、四季を通じてよく作ります。最近作ったチーズケーキから、2つご紹介します。

clover スティックチーズケーキ clover

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15cm角の小さなスクエア型で、ベイクトチーズケーキを焼きました。一見プレーンな生地ですが、ラムレーズンをほんの少し混ぜています。

小麦粉をほとんど入れないので、焼き上がりは中央が少しくぼみますが、そこがチーズケーキらしくて私は好きです。

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細長く6等分にカットして、スティックチーズケーキにしていただきました。ブルーベリーを散らして、シンプルな水玉模様の飾り付けで。

ていねいに端を切り落とす方法もありますが、私はあえて端の立ち上がりを残すのが好きです。しっとりしたチーズケーキにラムレーズンの濃厚な風味がアクセントになっておいしくいただきました。

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ちっちゃなスティックケーキのレシピブック

レシピは、黒川愉子さんのこちらの本を参考にしました。15cmのスクエア型を使って作る小さなお菓子は、どれもおままごとみたい! すぐに食べきれる量というのが、小家族にはうれしい。本の最後には、大きな型で作る場合のレシピも添付されています。

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紅茶の葉の粒々をたっぷりと混ぜ込んだ、スフレタイプのチーズケーキです。オリジナルレシピの材料を1.5倍にして、大きな型で焼きました。こちらも小麦粉がほとんど入らないので、中央がくぼみ亀裂が入りますが、ここまで大きく亀裂が入るのはめずらしいかも…。

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チョコレートソースをダッシュしてチーズケーキをのせ、ミントの葉とブルーベリーを散らしました。チーズケーキのボトムは、オレオを砕いて作っています。紅茶とビターなココア味のコンビネーションが楽しめました。紅茶の葉はティーバッグの中身を使うと、既に粉々になっていて便利です。

チーズケーキの生地は、卵黄と卵白を別立てにし、卵白をメレンゲ状に泡立てて加えているので、ふわふわの軽い仕上がりになりました。ボトムのオレオの黒が、きりりとシャープなアクセントとなりました。

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たかこ@caramel milk tea カフェのデザートとランチのレシピ

レシピは稲田多佳子さんのこちらの本を参考にしました。多佳子さんがもしもお店を開くとしたら…という設定で作られた本ですが、撮影に使われているカフェのカントリー風インテリアがすてきでした。

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「センターステージ」

DVDで、schatziさんお勧めの映画、「センターステージ」(原題:Center Stage)を見ました。ニューヨークの名門バレエ学校を舞台にした青春映画。”がんばる系”の青春ものが好きな私にはとても楽しめました。プロのダンサーたちによる、バレエシーンの数々がすばらしかったです。

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ニューヨークの名門バレエ団附属のバレエ学校に入学した男女6人が、バレエの頂点を目指して厳しい練習に取り組みながら、それぞれの道を見つけていく…というストーリー。バレエの世界の裏側を描いたドキュメンタリーといった雰囲気もあって、おもしろかったです。

足の形がクラシックバレエに向いていないというコンプレックスを抱えながらも、踊ることが大好きで華のある主人公のジョディ。才能に恵まれ、バレエが大好きで努力家でもあるのに、授業態度が悪くて芸術監督ににらまれてしまうエヴァ。

優等生のモーリーンは「ブラック・スワン」のニナのタイプ。母親の期待に応えてがんばっているけれど、精神的に追い詰められて摂食障害になり、バレエを続けることに疑問を持ち始める…。

卒業公演の後、6人がそれぞれ自分の道を見つけますが、意外性はあっても、どれもハッピーな結末というのが気持ちよかった。才能、努力、興味、そして運… いろいろあるけれど、神様はちゃんとそれぞれにふさわしい道を用意してくれるんだなあ、と思いました。

花形ダンサーのクーパーを演じるのは、アメリカン・バレエ・シアターの現役のプリンシパル、イーサン・スティーフェルでした。ダンス・シーンは、ほんとうにすばらしかったです。お気に入りのハーレー・ダビッドソンを乗り回す姿もかっこよく、プレイボーイという役どころがさまになっていました。

卒業公演のコンテンポラリーダンスも楽しかった。いきなりクーパーがオートバイで舞台に登場したのにはびっくりしたけれど、ニコラス・ハイトナー監督が、もとはミュージカル「ミス・サイゴン」の演出家と知って納得しました。(「ミス・サイゴン」ではヘリコプターが舞台に舞い降りる。)

そして、これがデビュー作というエヴァを演じた女の子は、映画「アバター」でヒロインを演じたゾーイ・ザルダナでした。(「アバター」では真っ青だったので気づかなかった。)アバターでのしなやかなあの動きは、バレエの経験から来ていたのだな、とこれまた納得しました。

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遠藤周作 「悲しみの歌」

先日、遠藤周作さんの小説「海と毒薬」について記事にしてから、続編の「悲しみの歌」を読みました。前出の記事に追記するつもりでしたが、長くなりそうなので新たに書き留めておくことにします。

Kanashimi_no_uta  「悲しみの歌」

この小説は「海と毒薬」が発表されて約20年後に書かれた作品で、主人公の勝呂医師の「その後」が描かれています。「海と毒薬」とは打って変わって軽いタッチの書き出しに少々面食らいましたが、読み終えた時には、こちらの作品の方が、むしろずっしりとした重みが感じられました。

それは、遠藤氏自身のその後20年の人生の重みといえるかもしれません。「海と毒薬」は遠藤氏の代表的な作品ですが、私は遠藤氏がほんとうに書きたかったのはこの「悲しみの歌」で、そのプロローグとして「海と毒薬」が書かれたのでは、と思ったほどです。

この作品からは、遠藤氏が迷いながら悩みながら到達した、ひとつの結論のようなものが伝わってきます。「海と毒薬」で救うことのできなかった勝呂医師の魂に、遠藤氏は温かい眼差しを向け、手を差し伸べています。「海と毒薬」を読んだ方は、是非「悲しみの歌」も読んで欲しいと思います。

戦後30年経って、勝呂は新宿の裏通りでひっそりと診療所を開業しています。そこにやってくるのは、事情を抱えた人たち。人の命を救うために医師になったのに、やっているのは全く逆のこと…。暗い過去を持つ勝呂は、苦しみ矛盾を感じながらも、患者の要求を退けることができません。

そんな勝呂の唯一の理解者として登場するのが、変わり者のフランス人 ガストンです。彼は明らかにイエスの分身ですが、小説の中では、人を疑わず、誰に対しても優しく、そのために失敗ばかりしている間抜けな人間として描かれています。

私はガストンのことを思うたび、涙があふれてしまいます…。ガストンが病気の老人のために、ファイトマネーを得るため見世物のボクシングの試合に出るところは、映画「街の灯」のチャップリンを思い出しました。

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4種のスパイスでチキンカレー

銀座の老舗インド料理店「ナイルレストラン」の3代目、ナイル善己さんのレシピでチキンカレーを作りました。インド料理のカレーはたくさんスパイスを使うので、家庭で作るのは難しそうですが、このレシピでは基本となる4種類のスパイスだけを使っています。どれも家にあったので、気軽にトライできました。

4種のスパイスとは、クミン、ターメリック、カイエンヌペッパー、コリアンダー。クミンとコリアンダーはインド料理独特の香り、ターメリックはカレーの色、カイエンヌペッパーは辛さを引き出すスパイスだそうです。

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お鍋に油を熱し、みじん切りにしたにんにく、しょうが、たまねぎを炒めます。焦がさないように、こんがりきつね色になるまで炒めていきます。(右)もう少し色濃くしっかり炒めた方がよかったかな…。

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ざく切りにしたトマトを加え、トマトがくずれて水分がとぶまで、じっくりと炒めていきます。

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スパイスと塩を加えて炒め、鶏肉と水を加えて煮込みます。

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スパイシー・チキンカレーのできあがり。今回初めて市販のナンを買ってみました。インド料理店の本格的なカレーには及びませんが、ルウを使ったカレーとはひと味違うおいしさでした。いつもと気分が変わって楽しくいただきました。

スパイスは、ホールは最初に、パウダーは具を炒めてから入れるのが基本だそうです。今回レシピにそってパウダーを使いましたが、ホールを使った方が香りが出ると思いました。鶏肉も、表面を焼いてから作った方が香ばしくできそうですし…。次回の課題にしたいと思います。

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お気に入りのスパイスラック。並んだスパイスを見ると、ついにやにやしてしまいます。中段の朝岡スパイスさんのボトルが気に入って、なくなったものから少しずつこちらに買い替えていますが、スパイスってなかなか減らないので、下段のようにまだ古いボトルが残っている状態です。

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こちらはお気に入りのスパイス用計量スプーン。(大きさの目安に、スパイスのボトルを置いています。)小さじ1/2、1/4、1/8とありますが、幅が細いので口の小さなスパイスのボトルにも難なく入って便利です。

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「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」

マイケル・ベイ監督のSFアクション映画、「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」(原題:Transformers: Dark of the Moon)を見ました。人気の「トランスフォーマー」シリーズ第3弾。地球外生物である精巧な高性能ロボットたちの熱い戦いを、迫力ある3D映像で楽しみました。

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トランスフォーマーは、もとは日本のアニメで、我が家でも10年くらい前にTVアニメ版をよく見ていました。2007年に第1作が映画化された時は、私はあまり興味がなかったのですが、今回、劇場の予告で見た第3弾の映像があまりにすばらしくて、見てみたくなりました。

今回の公開に合わせて、TVで「トランスフォーマー」、「トランスフォーマー/リベンジ」を放映していたので、一応事前に見てキャッチアップしておきましたが、この作品はストーリーよりも、ロボットたちの迫力ある戦闘シーンが一番の見どころなので、前作、前々作を見ていなくても十分楽しめると思います。

1969年、アポロ11号に乗って人類が初めて月面着陸した時、実は2人の飛行士は月の裏側に、(トランスフォーマーが残した)巨大な宇宙船の残骸を発見していた…というオープニングから、ぐぐっと心を捕まれました。(映像にはケネディ大統領も登場して、真実味たっぷり。)

前作までと比べると、主人公サムを巡るどたばたなど、コメディ色はほとんどなくなり、地球と人類を守るトランスフォーマー「オートボット」と、悪のトランスフォーマー「ディセプティコン」との攻防がメインになっていました。

特に後半からの、大都会シカゴを舞台にした、オートボット(&人間)とディセプティコンとの戦闘シーンは大迫力。予告映像にもある、サムたちがいる高層ビルが途中でぽきっと折れて、爬虫類のようなロボットがからみついていく場面は、臨場感があってぞくぞくしました。(サムたちの脱出シーンも、あり得ないけどおもしろかった。)

整然とした都市空間に、最新鋭の戦闘機とロボットという映像は、もとが人工的な素材だけに3Dの特性に抜群に合っていました。追撃された戦闘機から飛び降りる戦士たちが、パラシュートならぬモモンガスーツで空中を飛ぶシーンは、自分も飛んでいるように爽快感たっぷり。

そして本来は無機質的なロボットに、それぞれ表情があるのが楽しい。ちゃんと敵は敵らしく、味方は味方らしい姿をしています。特にサムの相棒、バンブルビーがなんともかわいい。トランスフォーマーたちが車からロボットにカシャカシャッと瞬時に変身する場面には、男の子ごころをくすぐられてワクワクしました。

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映画を見た翌日、なんと都内某所でバンブルビー(黄色に黒いラインのカマロ)に遭遇しました。後で調べたところ、GMからトランスフォーマー仕様のシボレー・カマロが出ているそうです。(詳細はコチラ) オーナーはきっと、トランスフォーマーの熱烈なファンなのでしょうね。

最近、黄色いスポーツカーとか、グリーンのタクシーとか、カラフルな車を見ると、今にも変身するような気がしてなりません。

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2つのサルサ

サルサは、メキシコをはじめラテンアメリカで食される、野菜を刻んで作るソース。ラテンの国の情熱的なその味わい?は、暑い夏にぴったりです。最近作った2つのサルサをご紹介します。

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sun ミートボールのガーデンサルサ sun

ミートボールだねは、あれば刻んだシラントロ(香菜)やクミンパウダーを加えると、さらにメキシカンな味わいが楽しめます。たねを丸めて、フライパンで転がしながら表面を焼いたら、ふたをして弱火で蒸し焼きにします。中まで火が通ったら、ガーデンサルサをかけて余熱でなじませます。

ガーデンサルサは、トマト、きゅうり、ジャンボピーマン、たまねぎをそれぞれ細かく角切りにし、トマトケチャップ、ハラペーニョソース(緑のタバスコ)、レモン汁を混ぜて作りました。

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今回サルサは、フライパンの中で余熱を加えましたが、ミートボールをお皿に盛り付けてから、冷たいサルサをかけても、夏らしくさっぱりした味わいになります。辛いのが好きな方は、上からさらにハラペーニョソースをかけても。

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yacht ココナッツパンケーキ トロピカルフルーツサルサ yacht

先日買ったハワイアンパンケーキミックスを、ココナッツミルクでといてパンケーキを焼きました。上からトロピカルフルーツサルサをたっぷりかけていただきます。最後にミントの葉を飾って。

トロピカルフルーツサルサは、缶詰のトロピカルフルーツ(パイナップル・パパイヤ・マンゴー)を水切りして細かく角切りにし、メイプルシロップを混ぜて作りました。

ココナッツミルクの風味にトロピカルフルーツがよく合いました。今回はお手軽に缶詰を使いましたが、フレッシュなフルーツで作るともっと風味よくできると思います。夏のビーチリゾートの朝食?の気分を味わいながら、おいしくいただきました。

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DEAN & DELUCA のケーキミックス

食品店のDEAN & DELUCAで、アメリカのLollipop Treeのケーキミックスがセールになっていました。いつもはお高いので見るだけでしたが、3分の1くらいのお値段になっていたので、これはお買い得。いくつか試してみることにしました。

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いろいろ迷って、夏らしいレモン味のものを2種類選びました。左はレモンブレッド、右はレモン・ポピーシード・スコーンです。 どちらも水、バター、たまごを混ぜて焼くだけで簡単にできます。

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こちらはレモンブレッド。袋の中の粉をボウルにあけ、水、とかしバター、たまごを加えて混ぜ、パウンド型に入れて、オーブンで焼き上げます。竹串を刺して、中まで火が通っていたらできあがり。生地の分量が多いので、久しぶりにアメリカの大きなパウンド型を使いました。

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1cmほどにスライスして、軽く泡立てた生クリーム、ブルーベリー、レモンの皮、パイナップルミントの葉で飾り付けしました。生地の中にあらかじめレモンピールが入っていて、ぷちぷちした食感とレモンの豊かな風味が楽しめます。

ケーキにしっかり甘みがあるので、生クリームはお砂糖を入れずに泡立てました。いっしょにいただくと、ケーキの甘みが和らいでおいしかったです。

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別の日には、レモン・ポピーシード・スコーンを焼きました。ポピーシードとはけしの実のこと。アメリカではレモン味の焼き菓子に合わせることが多く、定番の組み合わせです。

袋の粉をボウルにあけ、常温で柔らかくしたバターをカットして加えて、手でさらさらになるまで混ぜ、水とときたまごを加えて練らないように混ぜます。生地はひとつずつ丸めても、2.5cm厚さにのばして型で抜いてもいいですが、私はアメリカ式に三角スコーンにしました。

できあがった生地を2つに分け、それぞれ2.5cm厚さに円くのばします。それぞれナイフで(6Pチーズのように)6つに切り分けて、天板に並べます。添付されていた無漂白のグラニュー糖を上にパラパラとして、焼き上げました。

スコーンは食べるときにトースターで軽く温めます。チーズクリーム(クリームチーズと生クリームを合わせてホイップ)と自家製ブルーベリージャムを添え、ブルーベリー、アップルミント、レモンの皮で飾り付けしました。

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生地には、けしの実のほかレモンピールも入っていて、レモンのさわやかな風味が楽しめました。ほこっとした食感でおいしかったです。

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「ぼくのエリ 200歳の少女」

DVDで、スウェーデンのヴァンパイア映画、「ぼくのエリ 200歳の少女」(英題:Let the Right One In)を見ました。ホラーは苦手ですが、原作の「MORSE-モールス-」がハリウッドで再映画化されたこともあって、興味を持ちました。

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冬の夜空の闇、しんしんと音もなく降り積もる白い雪、真っ赤な鮮血、少年オスカーの透き通るように白い肌、吸い込まれそうに大きなエリの瞳。北欧の自然を背景にした幻想的な物語は、儚く美しく、ぞくっとする恐さがありました。

北欧という先入観がそうさせてしまうのかもしれませんが、小さい頃に見たムーミンの不思議な恐怖感を思い出しました。エリというヴァンパイアは、姿は違っても、現代に生きる、北欧伝説のトロルのような存在なのかもしれません。

邦題のサブタイトル、200歳の少女は少々トリッキーだと思いました。なぜなら、エリは映画の中で自分のことを「200歳」とも「少女」とも言っていないのですから。エリは英語読みでイーライ、と気づいた時にひとつの謎が解けました。

ラストの場面は衝撃でしたが、「エリ、早く助けに来て!」と心の中で叫んでいた私には、むしろ清々しさを感じたほど。孤独という愛情で結ばれた二人は、これからどのように生きていくのでしょう。

最初はエリの父親かと思われた男性が、オスカーの将来の姿かもしれません。エリはこれからも永遠に、少しずつ年を重ねていくパートナーを、寂しい思いで見守り続けていくのでしょうね…。

ハリウッド版は「モールス」(原題:Let Me In)というタイトルで、この週末から公開されます。予告を見ると、しんしんと雪の降り積もるスウェーデン版の音のない世界と比べると、スピード感があってハリウッド的アトラクティブな作りになっているような気がします。

movie 映画「モールス」公式サイト(予告)

スウェーデン版は、本来は残酷な場面もあまり気にならずに見れましたが、ハリウッド版はどうかしら。ちょっと恐いのでDVDを待つかもしれませんが、いつか見てみたいです。

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鶏ハム & 夏野菜のオイル蒸し

数年前?にリンク先の方々の間で話題になっていた鶏ハム… 今さらながらですが、先日初めて作りました。いろいろなレシピがあるかと思いますが、私は平野由希子さんの本を参考にしました。

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  1. 鶏胸肉2枚に、それぞれ塩、砂糖をまぶしてラップでぴちっとし、冷蔵庫に2、3日入れておきます。
  2. 1の鶏胸肉2枚を合わせて、たこ糸を巻きながら丸く形作ります。
  3. 2の鶏肉、香味野菜(たまねぎ、にんじん、ねぎの青い部分など)、ベイリーフ、タイムの枝をかぶるほどの水に入れて、コトコトゆでます。(写真左)
  4. 鶏肉の中まで火が通ったら火を止め、そのまま鍋の中で冷ましてできあがり。(写真右)

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できあがった鶏ハムを薄く輪切りにし、粒マスタードとチューブのバジルペーストを添えました。水菜とトマトと舞茸のサラダ、クレソンとともに。

鶏ハムは、淡白ながらハーブと香味野菜の風味豊かでとてもおいしかったです。マスタードとバジルペーストがまたよく合いました。夏にぴったりの一品です。

ハムと聞くと難しそうで構えてしまうけれど、作り方はゆでるだけ…。こんなに簡単にできるのだったら、もっと早くにチャレンジすればよかった、と思いました。鶏ハムはサンドウィッチにサラダにぴったりですし、こしたゆで汁はそのままブイヨンとして使えますし… しばらく楽しめそうです。

これに合わせて、「夏野菜のオイル蒸し」を作りました。

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  1. なす、ズッキーニ、ジャンボピーマン、たまねぎをそれぞれカットしてボウルに入れ、オリーブ油をなじませます。
  2. 1の野菜をフライパンに入れ、水少々、ベイリーフ、タイムの枝を加えてふたをし、火にかけます。

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(左)全体的に火が通ってきたら塩をパラパラし、好みの具合にしんなりしてきたらできあがり。

(右)できあがりは、トマトなしのラタトゥイユといった感じ。シンプルながら、野菜のおいしさがじんわり伝わってきました。お肉やお魚の付け合せにもぴったりです。

残りはびんに詰めてオリーブ油を注ぎ、オイルマリネにしてもいいですが、私は後日、パスタに入れました。

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にんにく、赤唐辛子をオリーブ油で炒め、豚ひき肉を加えてさらにいためます。トマトソース、野菜のオイル蒸しを混ぜて、最後にゆでたてのペンネをあえました。くったりした野菜が、全体をうまくまとめてくれました。

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恵比寿・日仏会館 「レスパス」

写真展の後は、恵比寿ガーデンプレイスに近い日仏会館のフレンチレストラン、「レスパス」でお昼をいただきました。こちらは、カジュアルな雰囲気ながら、お手軽に本格的なフランス料理が楽しめます。この日は、前菜、メインのお料理、デザートがそれぞれ選べるプリフィクスのコースをいただきました。

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私は前菜にお肉のテリーヌをいただきました。数種類のお肉とスパイスがなめらかに合わさった複雑な味わいで、舌にとろけるようでした。冷たい白ワインが飲みたくなります。かりかりパンとともに、おいしくいただきました。

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こちらの前菜は、ココットに入ったブイヤベースです。添えられているチーズのすりおろしと、小さなパンを入れていただきます。貝類、海老、白身魚があらかじめ一口サイズになっていて飲みやすく、野菜と魚介類のおだしが効いてとてもおいしかったです。

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私はメインのお料理に、鶏肉のケフタをいただきました。ケフタというのは、フランスでポピュラーな、モロッコのひき肉料理です。本来は羊肉を使うようですが、最近では牛肉、豚肉、イワシ…いろいろバラエティがあるようです。

これは鶏胸肉のひき肉で作ったケフタで、あっさりとしてヘルシーで、女性にぴったりのお味でした。数種のスパイスの入った複雑な味わいで、香り豊かな異国情緒あふれるハンバーグ、といった感じでした。

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こちらは本日のお肉料理で、豚肩肉のソテーです。はちみつとこしょうをベースにしたソースが味わい深くてとてもおいしかったです。どちらのメインのお料理にも、夏野菜のグリルとマッシュドポテトがついていましたが、見た目も美しく楽しめました。

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デザートは、10種類以上ある中から選ぶので、どれもおいしそうで迷いに迷いました。私はかなりおなかがいっぱいだったので、あっさりしたものを…と(左)のラズベリーのムースにしました。定番のお味ですが、おいしかったです。

(右)はバナナとプルーンのタルト。濃厚なお味でした。どのデザートにも、キャラメルのアイスクリームがつきます。お料理もデザートもどれもおいしく、楽しいランチになりました。

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恵比寿ガーデンプレイスで、ハワイアン&タヒチアンフェアというイベントをやっていました。

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特設ステージでは、子どもから大人まで、いろいろなグループによる、フラダンスやハワイアンミュージックのショウがあって、盛り上がっていました。

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恵比寿三越には、ハワイアンファッションやグッズの出店がありました。私はおいしそうなハワイのパンケーキミックスを見つけたので、買ってきました。週末の朝食が楽しみです。

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東京都写真美術館 「世界報道写真展2011」

恵比寿の東京都写真美術館で開催されている、「世界報道写真展2011」を見に行きました。オランダのアムステルダムで毎年開催されている世界報道写真コンテストの今年の受賞作品の中から、9部門64点が出展されていました。

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上の写真は、今回大賞に選ばれた作品で、アフガニスタン人女性ビビ・アイシャのポートレートです。撮影したのは、ユダヤ系南アフリカ人写真家ジョディ・ビーバー氏で、この写真が「タイム」誌の表紙を飾ったことで、世界に知られる写真家となりました。

私がこの写真を最初に目にした時の第一印象は、「なんて美しい人なんだろう!」でした。意志の強さを感じさせる、力のこもった眼差しに目が釘付けになりました。ところがよく見ると、鼻にぽっかりと穴が開いています。

ビビは夫の暴力に耐えかねて実家に逃げ帰ったところをタリバーンに捕まり、夫の名誉を汚したという罪で、夫により耳と鼻を削ぎ落とされました。その後、保護されてアメリカに渡り、カウンセリングと再生手術を受けたということです。

悲惨さを強調したみじめな姿ではなく、民族衣装に身を包んだビビの毅然とした美しい姿によって、背景にあるアフガニスタンの政情の実態や女性の人権問題が、鮮やかに浮かび上がってきます。女性を尊重する、女性写真家ならではの表現に心を打たれました。

このほか、ハイチの大震災をはじめ、タイ・バンコクでの武力衝突、パキスタンでの大洪水、メキシコ湾での原油流出事故など、その「時」を切り取る衝撃的な作品が多かったですが、どの作品にも、写真は一瞬にして100のことばを語る、ということを実感しました。

現代社会の問題を鮮烈な表現で描き出す作品が数多くある中で、世界の国々の普通の人々の暮らしを描いた作品は、私を旅の世界へと運んでくれました。ボリビアのロングスカートに山高帽で戦う伝統的な女性レスリング、インドの移動屋外映画に見入る人々の表情、といった作品に心がなごみました。

受賞作品は、こちらのサイトで見ることができます。
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なお今回のコンテストの対象ではありませんが、3月に起きた東日本大震災の爪痕の記録写真が、スライドショウで特別上映されています。東京での展示は、8月7日まで。その後は関西にて順次開催されます。

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