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「愛する人」

DVDで、ナオミ・ワッツ、アネット・ベニング主演の映画、「愛する人」(原題:Mother & Child)を見ました。公開された時に気になっていたものの、見逃してしまった作品です。映画の詳細は知らなかったのですが、これまた「八日目の蝉」と同じく、母性をテーマにした作品でした。

この作品では、14歳で出産したものの、すぐに養子に出さざるを得なかった母と、母を知らずに養父母のもとで育てられた娘の、37年後の葛藤が描かれています。お互いを知らず、孤独の中で生きてきた二人は、それぞれあるできことがきっかけで、会ってみようと決意しますが…。

アネット・ベニングとナオミ・ワッツの感情を抑えた演技もあって、物語は淡々と穏やかに進んでいきます。決して派手な作品ではないですが、慈雨が乾いた地面にじんわりと染み込んでいくような、静かな感動がありました。見終わったときは、温かい気持ちでいっぱいになりました。

  Mother_and_child

カレン(アネット・ベニング)は、生まれてすぐに手放した娘のことを片時も忘れることができず、届くあてのない手紙を書き続けています。誰に対しても心を開くことができない気難し屋のカレンでしたが、最愛の理解者が現れたことで少しずつ心が氷解していき、娘を探してみようと決意します。

一方、娘のエリザベス(ナオミ・ワッツ)は、有能な弁護士として活躍している自立した女性。人との深い関わりを避けて淡々と仕事をこなす姿は、人を寄せ付けない厳しさがあり、そうすることで自分を守っているようにも見えました。

しかし、上司の子どもを宿したことで、エリザベスの中で何かが少しずつ変わっていきます。仕事場や住まいを変え、母として、少しずつ子どもを迎える準備を整えていくうちに、ふと母親に会ってみようと決意します…。

この作品を見て思ったのは、人は運命という神様の大きなプランの中に組み込まれて生きているのだ、ということです。そして、人の中に人の命が宿り、それがいつかまた次の命につながっていくことの神秘を思いました。

映画は100%のハッピーエンディングではありませんが、奇跡としか思えない運命のつながりにカレンとエリザベスの強い絆を感じ、救われる思いがしました。

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映画」カテゴリの記事

コメント

今晩は!

この映画、知りませんでした。
アネット・ベニングとナオミ・ワッツの共演となると、期待は膨らみますね!
記事を読ませていただいてもとても良さそうな作品ですね。shine

機会があったら是非見てみたいです。

今日はお休みで友人と映画(「ツリー・オブ・ライフ」)を見て、イタリアン・チロル料理を食べに行ってきました。
大形連勤中の唯一の休みだったので、またしばらく忙しくなりそうで、記事をつくれそうにありません。coldsweats01

早くこの猛暑が終ってくれると良いんだけど・・。sweat02

投稿: ごみつ | 2011年8月14日 (日) 22時04分

☆ ごみつさま ☆
こんばんは♪
この作品、今年の冬頃、地味に公開していました。
結末に触れないよう、曖昧な書き方になってしまいましたが
期待通りにすばらしい作品でしたよ。
スペインの監督さんが作られているだけあって
(恋愛を含め)愛情表現が豊かな作品だな~と思いました。
ナオミ・ワッツ、すてきな女優さんですね。

ツリー・オブ・ライフ、早速見に行かれたのですね! いいな~。
夏休みは息子が家にいるので、
しばらく大人の映画は見に行けないかも…。
時間ができたら、私も是非見たいです。

夏休みは、ごみつさんはお仕事お忙しそうですね。
毎日暑いですが、お疲れが出ませんように。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2011年8月15日 (月) 01時25分

八日目の蝉もこの愛する人も、どちらも興味を持っていた作品です。
愛する人は新潟でも上映されたのですが、ほんの短い期間だったため見逃してしまいました。
八日目の蝉は映画も原作もどちらも気になっています。こういう作品はどちらを先にすればいいのか迷ってしまいますね。

最近は映画館に足を運ぶ回数が減ってしまっていて、トランスフォーマーもまだ見ていません。ツリーオブライフもメカニックも公開になっているし、今週末にはビューティフル(以前ご紹介されてましたね、新潟ではようやく公開です)やシャンハイも…。全部は見れそうにありませんが、少しでも多くの作品をみたいなと思っています。

投稿: olive | 2011年8月15日 (月) 14時47分

☆ oliveさま ☆
「八日目の蝉」も「愛する人」も、母性愛を題材にした作品でした。
「愛する人」はこちらでもひっそりと上映していましたが
とてもすてきな作品でした。
特に女性にはいろいろと感じるところがあるのでは?と思います。
「八日目の蝉」は感動…というのとはちょっと違いますが
設定がユニークでおもしろかったです。

私も夏休みに入ってから、あまり映画を見ていません。
トランスフォーマーは、oliveさんは(というより彼さんが?)
きっと気に入られると思います!
ここのところ、地味目のいい作品が次々と公開されていて
私も気になっています。私は「ツリー・オブ・ライフ」と、
「未来を生きる君たちへ」が見たいです♪

投稿: ☆ oliveさま ☆ | 2011年8月16日 (火) 00時40分

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» ■映画『愛する人』 [Viva La Vida! <ライターCheese の映画やもろもろ>]
ナオミ・ワッツが妊娠中に、大きなお腹で撮影に臨んだことでも話題になっている映画『愛する人』。 原題の『Mother & Child』が示す通り、様々な母と子ども(特に娘)を描いた物語です。 『バベル』、『21グラム』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが製作総指揮を手... [続きを読む]

受信: 2011年8月28日 (日) 21時46分

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