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瀬戸内(5) イサム・ノグチ庭園美術館

翌日は、高松から東へ車で30分ほど、牟礼にある「イサム・ノグチ庭園美術館」を訪れました。イサム・ノグチは、世界で活躍した20世紀を代表する日系アメリカ人の彫刻家。この牟礼の地に、イサムが晩年をすごしたアトリエがあると知って、いつか行ってみたいと思っていました。

見学には、事前に往復はがきでの申し込みが必要です。10時の予約に合わせて早めにホテルを出ましたが、場所がわかりにくくて迷いに迷いました。

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美術館が近づくと、遠くに大きくえぐられた山を発見。このあたりは、庵治石(あじいし)の産地として知られ、いたるところに石材店がありました。

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ようやく美術館の受付に到着。団体さんのグループ、個人で申し込みのグループ、2手に分かれてガイドツアーに参加しました。

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(写真は、観光サイトからお借りしました)

最初にイサムのアトリエを案内していただきました。イサムはこの地にアトリエを構えるにあたって、まず円形状に石を積み重ねて囲いを作りました。この空間をイサムは「マル」と呼んでいたそうです。中には古い土蔵を移築した作業場があり、イサムがいた時のまま保存されていました。

作業場の前には、完成した作品と製作途中のものが、全体のバランスを考えて配置してありました。また作業場の裏には、材料となる石がきれいに積み重ねてありました。イサムは晩年、自らの旅立ちの準備を意識されていたようで、芸術家でありながら理性的な面を持っていらしたのだな、と思いました。

マルの奥に見える土蔵には、大きな作品が何点か展示されていました。

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(写真は、パンフレットを撮影しました)

(左)は「エナジー・ヴォイド」、(右)は「真夜中の太陽」という作品です。エナジー・ヴォイドは高さ3.6mの大きな作品ですが、ぐるりとまわると見る角度によってさまざまな表情を持っていて、メビウスの帯のような無限性を感じました。

イサムは石を探し求めてこの地を訪れたところ、すっかり気に入ってアトリエを構えることにしたそうです。地元の庵治石を使った作品は少ないのですが、石を運ぶ、磨くといった作業をするのに、近くに優秀な石工さんが多かったことが助けとなったようです。

イサムは世界中から石を探し求めてこのアトリエに運んだので、高松港が近いことも地理的に好条件でした。海外からの石は、神戸港を経由して運び込まれたそうで、いくつかの石にはKOBEというサインがそのまま残っていました。

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(右の写真はパンフレットを撮影しました)

アトリエのあとは、イサムの住居を外から見学しました。丸亀にある古いお屋敷が取り壊されると知って、この地に移築したそうです。伝統的な日本家屋ですが、椅子の生活の長いイサムのために、掘りごたつ風になっている畳のお部屋もありました。イサムがデザインした和紙を使った照明が使われています。

住居の横の石段を登ると、彫刻庭園があります。といっても自然の風景をそのまま生かしたもので、こんもりとした山に、石を使って表現された滝や水の流れがありました。桜の木の下には石のベンチがあり、イサムはこの場所で春はお花見、秋はお月見を楽しんだそうです。

こんもりとした山を登ると… そこから見る穏やかな美しい風景に圧倒されました。左には源平合戦の舞台となった屋島の山、そして遠く正面には瀬戸内海が見えます。この風景を見た時に、イサムがこの地にアトリエを作った理由がはっきりと理解できました。

Casa_brutus_isamu_noguchi_2  Casa BRUTUS イサム・ノグチ特集

見学のあと、売店でCasa BRUTUSのバックナンバーを買いました。
イサム・ノグチについては、今までにも何度か記事にしているので、リンクさせていただきますね。

 art イサム・ノグチ美術館 (ニューヨークにある美術館)
 art レオニー (イサムの母レオニー・ギルモアの生涯を描いた映画)

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コメント

今晩は。

イサム・ノグチ庭園美術館って、はじめて知りました。
とってもステキな場所ですね~。shine

石切り場が近い事もあって、ここにアトリエをかまえたのですね。世界中の石を運びこむために港が近いっていうのもあって、ベストポイントだったのでしょうね。

作品群も見ごたえありそうですが、何と言ってもこの場所の雰囲気に心ひかれます。

住居は中には入れないのかしら?でも、お庭も風情があって心地良い空間だったみたいですね。maple

私ももしも機会があったら是非訪れてみたいです。

投稿: ごみつ | 2011年8月26日 (金) 22時07分

☆ ごみつさま ☆
おはようございます♪
イサム・ノグチ庭園美術館、とってもすてきな空間でした。
ちょっと不便な場所にありますし、申し込みにも手間がかかりましたが
わざわざ訪れた甲斐がありました。

イサムの作品群と周囲の自然とが調和して
それがまたひとつの世界を作り上げていました。

住居の中には入れませんでしたが、玄関と窓の外から
中を覗き込むことができました。
住居に合わせてイサムが作ったという彫刻作品もあり
この住空間を慈しんでいらしたのだろうな、と思いました。

ちょっと遠いですが…
もし機会があれば、是非足を運ばれてみてください。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2011年8月27日 (土) 10時18分

おはようございます。
過去記事にコメントすみません〜汗

イサム・ノグチ庭園美術館!
こんな所があったんですね!
わ〜!良いですねぇ。
美術館とか博物館とか好きなんです。
イサム・ノグチさんのあの和紙の照明…
凄く素敵ですよね。
いつかは欲しいと思っているものです。
マイホームを建てたら…なんて思いますが
いつになることやら。笑

セレンディピティさんの旅行日記
丁寧に書かれていてどれも興味深く読ませて
貰ってます♫
自分も行った気になったりして。笑

投稿: ミイサ | 2011年9月 6日 (火) 08時01分

☆ ミイサさま ☆
こんにちは~☆
過去記事へのコメントも大歓迎です♪

イサム・ノグチ庭園美術館、とてもすてきな空間でした。
作品と周りの環境とが一体となって、美術館という枠を超えた
イサムの世界が広がっているように感じました。
あの和紙の照明、すてきですよね。
世界で活躍されたイサムさんですが
作品や空間、照明を見ると、彼の中に日本人の部分が
確かに息づいていたのだな~とうれしくなります。
いつかミイサさんのお家に、イサムの照明を置く日が
来るといいですね~☆

旅行記も読んでくださって、ありがとうございます♪

投稿: ☆ ミイサさま ☆ | 2011年9月 6日 (火) 12時47分

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