« 荻窪 「春木屋」さんの中華そば | トップページ | 安藤忠雄さん講演会 「夢をつくれ」 »

「ペーパーバード 幸せは翼にのって」

スペイン映画の「ペーパーバード 幸せは翼にのって」(原題:Pájaros de Papel 英題:Paper Birds)を見ました。1936~9年のスペイン内戦後のフランコ独裁政権時代に生きた、ある喜劇役者と仲間たちの人間ドラマです。ヨーロッパ映画ならではの深い味わいに満ちた作品でした。

  Paper_birds

スペイン内戦時代、空襲で大切な家族を亡くした喜劇役者のホルヘは、失意のまま行方知れずになっていました。1年後、内戦が終わったマドリードに、ふらりと戻ってきたホルヘは、かつての仲間エンリケたちと再び舞台に立ち、新しい一歩を踏み出そうとします。

ホルヘとエンリケ、そこに内戦で両親を亡くした少年ミゲルが加わり、家族のような生活が始まります。しかし息子を亡くした傷が癒えないホルヘは、人懐こいミゲルを見ると息子を思い出して辛くなり、時に冷たく突き放してしまうのでした。

さて、内戦が終結したとはいえ、フランコ独裁政権の下、民衆の間には不穏な空気がくすぶっていました。厳しい思想統制を行うフランコ政権は、かつて反フランコ運動に関わっていたらしいホルヘに目をつけ、ホルヘの劇団にも内偵を送ります。

そんな折、ホルヘの劇団に、フランコ総統の御前で公演をするよう命令が下ります。しかしこれには、軍によるある陰謀が隠されていました。策に巻き込まれることを恐れたホルヘたちは、公演の途中で劇場を脱出し、南米に亡命することを企てますが…。

Paper_birds_3

この作品、最近見た映画の中で私は一番心を動かされました。哀しみと笑い、優しさとおおらかさ… この作品の味わいは、CGとSFXと3Dが束になっても、とてもかなわないと思いました。ヨーロッパ映画の底力を見るような気がしました。

最初はミゲルのことが、なかなか受け入れられなかったホルヘですが、あることがきっかけで、ミゲルを一生守っていこうと心に決めます。それと、フランコ総統への御前公演という重大事件とが、うねるような渦となってドラマティックに展開していくラストに一気に引き込まれました。

列車に乗ったミゲルの手元から、こぼれ落ちるようにいっせいに飛び立っていくペーパーバード(紙で折った鳥)… 忘れられないシーンとなりそうです。

|

« 荻窪 「春木屋」さんの中華そば | トップページ | 安藤忠雄さん講演会 「夢をつくれ」 »

映画」カテゴリの記事

コメント

今晩は。

この作品、知りませんでした。

そうそう、結局、人の心に残る作品っていうのは、人間ドラマがきちんと描かれているかにかかってるんですよね。
それは特撮使っていようが、舞台、時代がどこであれ、やっぱり核となるドラマの善し悪しなんですよね。pencil

この作品も、スペインの過去の出来事を知る事も出来るし、読ませていただくとドラマもとても良さそうですね。最後の写真のシーンも素敵です。

私も機会があたら是非見てみたいです。ご紹介有難うございます!wink

投稿: ごみつ | 2011年9月23日 (金) 22時50分

☆ ごみつさま ☆
こんばんは♪
この作品、新聞のレビューで読んで、気になっていました。
地味に公開していましたが、クチコミ情報なのか
劇場は結構お客さんが入っていましたよ。
期待した以上にすばらしい作品でした。

あっと驚くような手法があるわけではないのですが
昔の映画のような、味わいのある作品でした。
私は、こういう人間ドラマに弱いです…。
最後は涙が自然とあふれてしまいました。

機会がありましたら、是非ご覧になってみてください☆

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2011年9月24日 (土) 21時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1151970/41910133

この記事へのトラックバック一覧です: 「ペーパーバード 幸せは翼にのって」:

« 荻窪 「春木屋」さんの中華そば | トップページ | 安藤忠雄さん講演会 「夢をつくれ」 »