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瀬戸内(10) 大原美術館

川舟流しを楽しんだ後は、倉敷美観地区のランドマーク、大原美術館を訪れました。

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ギリシャ神殿風の建物ですが、想像していたよりもこじんまりとしてかわいらしく、美観地区の景観に溶け込んでいました。蔦のからまる小さな入り口は、おとぎの国への扉のよう。

大原美術館は、倉敷の実業家 倉敷紡績(クラボウ)の大原孫三郎氏が、親友であり、美術収集のアドヴァイザーであった画家の児島虎次郎氏の業績を讃えて、虎次郎が逝去した翌年の1930年に創設した、日本で最初の西洋近代美術館です。

かねてから事業の利益を社会に貢献したいと願っていた孫三郎に、大原家の支援を受けて国内外で絵画を学んでいた虎次郎は、これからの日本のために西洋の優れた美術作品を収集したいと申し出ます。虎次郎の目利きによって、ヨーロッパ各地からすばらしい作品の数々が集められました。

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大原美術館には、マネ、ゴーギャン、マティスといったすばらしい近代絵画が数多くありますが、エル・グレコの「受胎告知」はそれから300年ほど時代を遡る作品です。虎次郎が偶然パリの画廊で見つけたもので、この作品が日本にあるのは奇跡といわれているそうです。

背景が暗く描かれていることもあり、私は舞台を見ているような錯覚にとらわれました。この絵の中の聖マリアの姿、どこかスペインの陶器人形リヤドロにも通じるような気がします。清らかな美しさに心を打たれました。

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こちらは、児島虎次郎が留学中に描いた作品、「和服を着たベルギーの少女」です。虎次郎へのオマージュとして、本館に入ってすぐのところに展示されていました。写真ではうまくお伝えできませんが、光あふれるとても美しい作品でした。

華やかさの中に気品の感じられる和服姿で、幸せを感じさせる色彩はどこかルノアールの世界に近いものを感じました。虎次郎の充実した留学生活が伝わってくるような作品でした。

大原美術館は西洋美術のある本館のほか、日本の近代・現代絵画のある分館、また工芸・東洋館、児島虎次郎記念館とあり、一日何度でも出入りすることができます。サロンコンサートなども行われているようで、地元の文化活動を支えるとてもすてきな空間だな、と思いました。

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大原美術館の前の今橋を渡ると、大原家住宅(左)があります。その隣(右)は孫三郎氏が病弱な夫人のために特別に作らせたという「有隣荘」です。緑の屋根が個性的なお屋敷で、毎年春と秋には大原美術館主催で特別公開されるそうです。

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(左)大原美術館と住宅の間にかかる今橋。(右)今橋の欄干には、児島虎次郎氏がデザインした、ひとつひとつ違う龍の絵が描かれています。

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そして、美術館の前には白鳥の家族が泳いでいました♪ 茶色いふわふわの毛の子どもたちがとてもかわいかったです。

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コメント

セレンさん、ご無沙汰しております。
とても素敵な旅をされてるのですね~。
私もこういう大人の旅を早く楽しみたいのですが、もうしばらく?かなりの時間?は我慢のようです。
セレンさんのお写真と旅のレポートで楽しませていただきますね♪

投稿: ふゆさくら | 2011年9月 3日 (土) 11時47分

☆ ふゆさくらさま ☆
ふゆさくらさん、ご無沙汰しています。
お元気な声をお聞きして、うれしいです♪

3人の元気な男の子たちに囲まれて
毎日賑やかに楽しくおすごしのことと思います。
子どもが大きくなるのはほんとうにあっという間で
そのうち親と出かけることもあまりなくなると思うので
いい旅行ができてよかったです。
長々と恐縮ですが、おつきあいくださりありがとうございます。

投稿: ☆ ふゆさくらさま ☆ | 2011年9月 4日 (日) 10時48分

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