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安藤忠雄さん講演会 「夢をつくれ」

目黒通りにあるインテリア専門学校、ICSカレッジオブアーツの主催で建築家の安藤忠雄さんの講演会が行われるとうかがい、聞きに行きました。場所は、めぐろパーシモンホールです。

Ics

講演のタイトルは「夢をつくれ」。抽象的なテーマですが、学生が対象ということで、野心を持て、境界を越えろ、わずかな可能性にかけろ、といった若者たちへのエールが感じられる内容でした。

ご自身の作品を具体的に紹介しながらのお話でしたが、個人の住宅やミュージアムなど、あまり知られていない作品が多く、思いがけないお話がうかがえる貴重な機会となりました。

安藤氏のインタビューや談話は、今までにも幾度となく新聞や雑誌などで読んだことがありましたが、実際にお話を聞くのは、テレビも含めて初めてでした。私の中では穏やかにお話される紳士を勝手に想像していたので、いかにも難波のおっちゃん(!)というお話しぶりに実はかなり驚きました。

最初はイメージとのギャップが大きすぎて、なかなか気持ちの焦点が合わなかったのですが、お話をうかがううちに少しずつ安藤さんのペースに慣れてきました。

Sumiyoshi_no_nagaya

写真は、安藤さんの初期の代表作、「住吉の長屋」です。コンクリート打ち放しの住宅はその後の建築に大きな影響を与えていますが、中庭を通らないと他の部屋に行けないため、かなり評判が悪いと笑ってお話されていました。

安藤氏は狭い土地、変わった地形、限られた予算といったネガティブな要素があるとはりきるタイプのようで、この他にも、はしごのような階段を上り下りする家など、いわゆる狭小住宅をいろいろ手がけていらっしゃいます。

幅が狭くてシャワールームしか作れないので、近くの銭湯と合わせて提案した、という狭小住宅。予算がないので照明をつけず、窓からの自然光だけでアートを鑑賞する美術館。不便をいかに楽しさに変えるか、冗談のようなお話の中に、生き方のヒントのようなものが見えてくる気がしました。

ドイツの個人のミュージアムのお話もおもしろかったです。予算が足らないので、古い重厚な民家を探してきて、その骨組みをそっくりそのまま生かすことにし、建築は地元の村人みんなに手伝ってもらった、というのです。完成パーティでの村人たちのうれしそうな顔に、「石のスープ」の民話を思い出しました。

今の学生たちは、勉強はしてきているが野性が足りないと、安藤氏はおっしゃいます。江戸時代、日本中を歩いて回って作った地図が、今見ても正確である… そういう話に惹かれるとおっしゃる安藤さんに、改めて魅力を感じました。

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コメント

今晩は。

わ~、安藤忠雄さんの講演を聴きに行かれたのですね!良いな~。happy02

やっぱり学生さんが対象っていう事もあって、安藤さんも地の雰囲気でお話なさったのでしょうね。
色々と興味深いお話がきけた事と思います。

ネガティブな要素がたくさんある中で、住宅をつくる・・っていうお話は、テレビ番組の「劇的ビフォー・アフター」みたいですね。(笑)houseshine

最近の若い人達に野性味を求めるのは、時代が時代なだけにちょっと酷な気もしますよね。だって至れりつくせりで育てられてきた人がほとんどだろうし・・。
いつの時代も色々と問題があるものですよね。

投稿: ごみつ | 2011年9月25日 (日) 19時52分

☆ ごみつさま ☆
こんにちは。
安藤忠雄さんのお話をじかにうかがうのは初めてでしたが
いろいろ発見があって、楽しかったです。
とにかく最初はコテコテの大阪弁と、どこまで本気かわからない
漫才のようなトークに驚きましたが、気さくで飾らない方でした。

先日読んだ坂さんの本にも「住宅は勉強になる」と書かれてましたが
いろいろ制約がある中で、住宅を作るというのは
大型施設の設計にはないおもしろさがあるのかもしれませんね。

今の学生たちは、生まれた時から携帯もパソコンもあった世代ですが
かといって、昔の時代にもどるわけにいかないですしね…。
そういう意味では、昔とは違う苦労があるのかもしれないですね。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2011年9月26日 (月) 12時58分

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