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瀬戸内(12) 棟方志功さんの板画 ~ 本町散策

お昼をいただいた後は、大原美術館の裏手、大通りに面したところにある倉敷国際ホテルを訪れました。倉敷の迎賓館として建てられたこのホテルは、ロビーの吹き抜けに、板画家の棟方志功(むなかた・しこう)さんの作品、「大世界の柵〔坤〕(こん) ‐人類より神々へ‐」があります。

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棟方志功さんを支援していた大原総一郎氏の依頼によって、1963年このホテルのために制作されたもので、棟方板画では最大の作品だそうです。美しい木目と手彫りの線に、温かさと重厚感、大胆さと繊細さが感じられる迫力ある作品でした。クラシカルなホテルの雰囲気にとてもよく合っていました。

余談ですが、1970年の大阪万博・日本民藝館に展示された「大世界の柵〔乾〕(けん) ‐人類より神々へ‐」はこれと対を成す作品で、〔坤〕を作った版木の裏面を使って制作されたそうです。

今ある倉敷には大原家の功績が大きく関わっていて、この他にもゆかりのスポットが数多くあります。

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(左)倉敷アイビースクエア。かつての倉敷紡績の工場を改修したもので、今はホテルや倉紡記念館などのある観光複合施設となっています。れんが造りの重厚な建物には美しい回廊や中庭があり、これが工場だったとは信じられません。建物を覆いつくすほどに生い茂る緑のツタがみごとでした。

(右)大原家住宅の裏手にある中国銀行(旧倉敷銀行)。もとは倉敷紡績の資金運用のために大原家が創設した銀行で、建物は大原美術館と同じ薬師寺主計(やくしじ・かずえ)氏が設計しました。大正時代の古めかしくも重厚な洋風建築です。

旅の最後は、倉敷川の裏手にある旧街道、昔ながらの町家の並ぶ本町を散策しました。

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(左)かつて職人や商人が店を構えていた、味わい深い町家の家並みがそのまま残っています。ところどころに、古い町家を利用した雑貨屋さんやカフェなどがありました。(右)270年前の江戸時代の民家を利用した老舗の吉井旅館。

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(左)「蟲文庫」(むしぶんこ)という古本屋さん。木彫りの看板がかわいい。(右)1711年に建てられた重要文化財の「井上家住宅」。2階の窓には防火用の土扉がついています。日曜日のみ公開。

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井上家住宅の前にある「三宅商店」でひと休みしました。江戸時代は日用雑貨のお店だったそうですが、今はケーキや、季節のパフェなどが食べられるカフェとなっています。中は土壁が味わいのある重厚な作りで、広々とした土間の向こうにお座敷が続きます。心なごむ和の空間でした。

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(右の写真は、HPよりお借りしました)

(左)岡山といえば桃。私は桃のかき氷をいただきました。氷の中に桃のコンポートやフランべがたくさん入っていて、桃のおいしさが存分に楽しめました。(右)は桃のパフェ。こちらも桃のコンポートに桃のシャーベットと、桃づくしのぜいたくなお味でした。

このあと倉敷駅までぶらぶら歩き、シャトルに乗って岡山空港へ。最終便で羽田にもどりました。瀬戸内旅行記はこれでおしまいです。最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。

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コメント

アイビースクエア懐かしいです~。高校の修学旅行で泊まりました!! そして、倉敷は、新婚の頃、旦那と2人で行きましたよ~、チャリ借りてあちこち回りました。(旦那は両手を真っ赤に日焼けしてしまい、パンパンに腫れ上がりました… 私は平気だったのに(^o^;)

投稿: マイキー | 2011年9月 6日 (火) 17時14分

こんにちは。
旅って楽しいですね
セレンディピティさんの旅、拝読させていただきましたが
旅の楽しみ方のヒントがその中にあるような気がします。
私も今回、初めての依頼だったのですが、鹿児島のツアーに同行して
好きに撮影して、ブログでアップするというものでした。
あまり制限のないスナップ写真、楽しませていただきました。

投稿: イザワ | 2011年9月 6日 (火) 18時57分

☆ マイキーさま ☆
なんと、倉敷はマイキーさんにとって思い出の地だったのですね。
とってもすてきな町で、またいつか行ってみたいなーと思いました。
小さい町なので、美観地区のあたりでしたら
一日で十分歩いて回れましたが
自転車で回るのもまた楽しそうですね。

投稿: ☆ マイキーさま ☆ | 2011年9月 7日 (水) 08時13分

☆ イザワさま ☆
今回のイザワさんの鹿児島のお写真は、
いつものご出張のお写真とちょっと違うな、と思いましたが
なるほどそういうわけでしたか。
旅人目線のレポート、楽しく拝見しています。
ツアーでごいっしょされた方たちの表情がすてきで
楽しいご旅行だったことが伝わってきました。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2011年9月 7日 (水) 08時27分

毎年のことながら、今年も内容の濃い充実した旅でしたね。
高知も岡山も行ったことのないところなので、大変楽しく読ませていただきました。
やはり倉敷は趣のある素敵な街ですね。
わが家もようやく旅行先が決定し、今週末行ってくる予定です。
帰ってきたら写真を整理してブログでアップしようと思います。

投稿: olive | 2011年9月 7日 (水) 08時50分

セレンさんこんにちは。
私が直島に伺った時はアイビースクエアに宿泊したので、なんだかとてもうれしい気持ちになりました。
倉敷・美観地区の町並みや豆吉本舗さん(私も梅のお菓子買いました笑)、大原美術館に首のやたら太い白鳥(笑)、私も写真に撮ったのでこれから見返してまた旅の思い出にふけろうと思います。

とても素敵な旅の記録をありがとうございました☆

投稿: アサ | 2011年9月 7日 (水) 17時43分

☆ oliveさま ☆
今回も力が入って長い旅行記になってしまいましたが
おつきあいくださって、ありがとうございました。
(高知ではなく、高松です。まぎらわしかったですね。 )
倉敷は、女性好みのすてきな町だと思います。
oliveさんは、今週末からご旅行に行かれるのですね。
お気をつけて、楽しんでいらしてくださいね☆

投稿: ☆ oliveさま ☆ | 2011年9月 8日 (木) 10時41分

☆ アサさま ☆
こんにちは♪
アサさんも直島へ行かれた時に、倉敷にもいらっしゃったのですね♪
アイビースクエア、明治のれんが造りの建物がほんとうにすてきですね。
そしてアサさんも、豆吉さんでお菓子買われたとは!
直島に続き、同じような道をたどられたと思うと
なんだかうれしいです☆

アサさんのすてきな旅の思い出を共有してくださって
どうもありがとうございました。

投稿: ☆ アサさま ☆ | 2011年9月 8日 (木) 10時51分

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