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「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」

亡くなって30年近く経った今も、人々を魅了してやまないカナダ出身のピアニスト、グレン・グールドのドキュメンタリー映画、「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」(原題:Genius Within: The Inner Life of Glenn Gould)を見に行きました。

グールドの生い立ちから独特の演奏方法の秘密、衝撃的なデビュー、音楽家としての数々のエピソード、そして元恋人たちの証言。演奏シーンはもちろん、ビデオ映像やプライベートフォトも充実していて、生前のグールドの音楽的、人間的魅力が存分に堪能できました。

  Glenn_gould_1

私のグレン・グールドとの出会いは、CDで聴いたバッハのブランデンブルグ交響曲です。ドビュッシーやラベルなどの近代音楽が好きで、バロック音楽はどちらかというと、古くさくてたいくつだと思っていた私にとって、それは雷に打たれたような衝撃的な経験でした。

ひとつひとつの音がクリアに独立していて、左右の音が双子姉妹のようにぴたりと息が合っている。そしてつむぎだされる音楽は、屋根に打ち付ける激しい雨のよう。クラシックであってクラシックでない、アドリブの効いたジャズを聴いているような、身震いのする感覚でした。

個性的な演奏スタイルや奇行、端正なルックスなど、話題にこと欠かずメディアが飛びつくのは無理もないですが、それ以上に、圧倒的な演奏テクニックと独創的な音楽表現が、聴く人の心を一瞬にしてとりこにする魔力を持っていたのだと思います。

初めてのソ連でのコンサートで、最初はがらがらだった客席が、人が人を呼び、最後には会場が人で埋め尽くされたこと。ニューヨークフィルとの共演で、指揮者のバーンスタインが唯一、グールドの音楽解釈には折れたということ。どれも彼を物語るにふさわしい伝説でした。

Glenn_gould_2

グールドは人づきあいが苦手で孤独だった、というのはメディアによって作られたイメージではないか、と私は思います。映像で見る彼は、自分の考えをきちんと伝えているし、恋もしている。意外と本人は、自分の音楽表現のためにそのイメージを利用していた部分があったのかもしれません。

映像を見ていて、私はふと、映画「ソーシャルネットワーク」のマーク・ザッカーバーグを思い出しました。全く世界の違う二人ですが、どこか似通っている部分があって、魅力を感じます。

あまりいい音質のものがなかったのですが、You Tubeで見つけたグールドのブランデンブルグ交響曲の映像をリンクさせていただきますね。

notes Glenn Gould - Bach's Piano Concerto No.1 in D minor

音が聴き取りにくいですが、歌いながら演奏するスタイルや、高さ30cmの極端に低い椅子など、グールドらしさが感じられるかと思います。見ているとなんとなく、ピーナッツのシュローダーを思い出します。

  Schroeder2

今回初めて渋谷のUPLINK Xという映画館を訪れたのですが、会議室のようなスペースに椅子が並べられた、こじんまりとアットホームなシアターでした。平日にもかかわらず、ほぼ満席で、グールドの人気のほどがうかがえました。

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コメント

天才と呼ばれてきた人は、少し変わり者・・・
というのは定番ですね。
でも、それは仰る様にメディアが作った
人物像なのかもしれませんね。
または、本人が故意的にそう演じていたり・・・
あの岡本太郎画伯も、あの個性は演じていた部分が
かなりあると聞いたことがあります。

投稿: イザワ | 2011年11月 5日 (土) 03時18分

☆ イザワさま ☆
ひとつの道を追求すると、周りが見えなくなるものですし
それが時に(一般の人にとって)変わっていると見えるのは
あたりまえのことかもしれませんね。
周りを気にしない強さや、逆にそれを楽しんでしまう余裕がないと
自己表現などできないのかもしれません。
岡本太郎さんも、ご自身がどう見られているかわかっていらして
それを楽しんでいらっしゃるようなところがありましたね。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2011年11月 5日 (土) 16時27分

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★★★★★“崇高なる天才の内に秘めた人間臭さに注目”僕が“好きな音楽は?”と訊かれたら、ロックやポップ、テクノ、クラッシク、アニソン、ジャズといった答えではなく、きっと“グレン・グールド” と答える自信満々です。 僕にとってそれほどまでにアイドルである彼をスクリーンで観ることができるなんて、それだけでとても嬉しいことです。 ここから先は映画の感想というより、グールドに対する自分の思いを書いていくことになるかもしれません。 僕がクラッシク音楽を聴きはじめ、最初に興味を持ったのがグレン・グールドでした。... [続きを読む]

受信: 2012年3月12日 (月) 10時29分

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