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松竹花形歌舞伎 「瞼の母」「お祭り」 

先月新橋演舞場で見た歌舞伎がとても楽しかったので、また機会があれば見たいなあと思っていたところ、中村獅童さんの巡業公演のことを知って、見に行ってきました。場所は神宮外苑の日本青年館です。

  Kabuki2011nov 松竹花形歌舞伎

今回の演目は、新歌舞伎の「瞼の母」と、舞踊の「お祭り」のふたつです。古典歌舞伎の壮麗さとはまた違う、江戸らしい粋にあふれたお芝居の世界を堪能してきました。親しみやすい題材で、気軽に楽しめました。

「瞼の母」は、長谷川伸さん戯曲の代表作品。幼い頃に生き別れた母を探し求めて江戸に出たやくざの忠太郎(中村獅童)は、手がかりを得て、大きな料亭「水熊」の女将おはま(片岡秀太郎)を訪ねます。しかし、平穏な生活が乱されることを恐れたおはまは、忠太郎を知らぬと冷たく突き放してしまいます。

悲しみ、水熊を飛び出す忠太郎の姿を見て、ひと目で兄と気づいた妹のお登世(市川笑也)は母を説得し、ともに荒川堤に追いかけます。しかし二人の呼ぶ声に物陰に隠れ、忠太郎はそっと旅立つ… というお話です。

一番の見せ場は、水熊での忠太郎とおはまのやり取りですが、わかっていても、やっぱり涙があふれてしまいました。それまで、母親と同じ年頃の女性を見ると優しい心遣いを見せ、母への思いをふくらませていた忠太郎だけに、拒絶された時の苦しみ、悲しみが痛いほどに胸に迫ってきて…。

突然忠太郎が訪ねてきたことに驚き、とまどい、心を鬼にして突き放してしまうおはま。しかしその後、心の曇りなくまっすぐに兄を思うお登世のことばに、はっと我に返ります。おはまの微妙な心の変化をみごとに表現する秀太郎さん、清らかなかわいらしさのある笑也さんの演技に心を打たれました。

獅童さんは声に張りがあって、舞台に登場したとたんに映える、華のある役者さんだなあと思いました。心優しき渡世人、という雰囲気がにじみ出ていました。弟分の半次郎の母に手を取ってもらって手紙を書く場面、最後に思いを断ち切るかのように旅立つ場面も、切なさが伝わってきて心にしみました。

舞踊の「お祭り」は、赤坂・日枝神社の山王祭が舞台。鳶頭とは火消しのことで、危険と背中合わせの男らしい仕事とあって、江戸では女性にすごくもてたそうです。鳶頭を演じる獅童さんは、いかにも粋な遊び人という雰囲気があってかっこよかったです。

「瞼の母」で清楚な娘さんを演じた笑也さんは、「お祭り」では芸者さんに。大人の女性の艶やかな色気があって見惚れました。獅童さんとの掛け合いの踊りは、息もぴったり。獅子舞が出たり、宙返りがあったり、と威勢よく華やかな舞台でした。

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コメント

今晩は!cherry

すっかりお芝居の世界が気に入られたみたいですね。
前の記事の時にも思いましたが、私も見に行ってみたいです。

ただなかなかきっかけがないですよね。一度出かけて、素晴らしさを楽しめれば続けて見に行けそうですね。

中村獅童は映画でも個性的な役柄をたくさん見せてくれる役者さんですけど、本格的なお芝居も是非見てみたいな~。happy01

投稿: ごみつ | 2011年11月17日 (木) 21時30分

☆ ごみつさま ☆
こんにちは♪
歌舞伎は今までとっつきにくいイメージがあって
なかなか見に行く機会がなかったのですが
前回の舞台がきっかけで、もっと見てみたいなあと
思うようになりました。
探すと気軽に見れるものもいろいろあるようなので
機会があったらまた足を運んでみたいです。

中村獅童さんは、映画で見た時にはなんとも思わなかったのですが
舞台で見ると華があってとてもかっこよかったです。
江戸を舞台にしたやんちゃな役が、よく似合うなあと思いました。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2011年11月18日 (金) 11時30分

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