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東京国立近代美術館 「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」

竹橋の東京国立近代美術館で開催されている、「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」(~5月6日まで)を見に行きました。

日本初となる今回の回顧展では、国内に所蔵されている全作品約30点と、海外から集められた重要作品、あわせて約70点を、初期から全盛期、晩年に至るまでの足跡をたどりながら、見ることができました。制作中の映像や写真、再現アトリエも展示され、ポロックの魅力がまるごと堪能できる作品展でした。

  Jackson_pollock

ポロックは1930~50年代にニューヨークで活躍した、現代美術を代表するアーティスト。絵の具を撒き散らした抽象絵画で知られますが、初期の頃は、地方主義といわれる絵画を描き、ネイティブ・アメリカンのアートや、メキシコの壁画、またヨーロッパのモダンアートの影響を受けながら、自身の道を模索していました。

Pollock_going_west Pollock_untitled_composition_with_s

初期の作品から。(左)は「西へ」という作品。西部の都市を点々と引越ししていた少年時代に思いを馳せた作品でしょうか。 (右)「無題 蛇の仮面のある構成」。蛇や仮面のモチーフや原色の色遣いが、ネイティブ・アメリカンやメキシコのプリミティブ・アートを思わせます。この頃、ピカソに傾倒していたというのも納得です。

  Pollock_composition_with_pouring_2

ピカソに対抗して自分の方向を模索していたポロックは、1942年から塗料を作品に流し込む「ポーリング」「ドロッピング」という新しい技法に目覚めました。最初は部分的に用いるだけでしたが、翌43年からは積極的に取り入れ、ポーリングだけで画面を埋め尽くす作品を次々と生み出していきます。

Pollock_indian_red_2

ポロックの代表作品で、全盛期の傑作、「インディアンレッドの地の壁画」。かなり大きな作品で、間近で見ると絵の具を編み込んだような立体感が感じられました。ふつふつと湧き上がるエネルギーに圧倒されました。

ポロックは完成品だけでなく、その過程も作品だと考えていました。会場では映像で、制作している様子を見ることができましたが、床に置かれたキャンパスに踊りかかるように塗料を撒き散らすポロックの姿は、神がかりな迫力があり、「アクションペインティング」ということばがぴったり来ました。

  Pollock_cut_out_2

その後も新しい表現を模索していたポロックは、ポーリングしたアートをくり貫き、下に別のキャンパスを重ねる技法にチャレンジしていました。私は「カットアウト」というこの作品を見て、南米に伝わるモラ(パッチワークに似た手芸)を思い出しました。

Pollock_number_11_1951_3

晩年は黒を基調にした「ブラック・ポーリング」とよばれる作風が多くなります。衰退期との見方もありますが、私は日本の民藝アートに近いものを感じました。日本の書のような作品もあって(実際には違うのですが)シンパシーを感じました。

「カオス」と酷評されたこともあるポロックの作品ですが、アメリカのアートを初めて世界に認めさせたことには大きな意味があると思います。ニューヨークが現代アートの発信地として注目されるようになったのも、ポロックが道筋をつけたことが大きいのではないでしょうか。

アルコール依存症で、飲酒運転による自動車事故で44歳の生涯を閉じたポロック。自らのアートを模索し続けた彼は、永遠の美の旅人だったのかもしれません。

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コメント

今晩は。

ポロック展行かれたのですね!
これは日本で初めての回顧展なんだ~・・。意外な感じですが、貴重な機会ですね!art

絵はけっこう大型のものが多いのかしら?ご紹介の作品からもポロックの芸術へのエネルギーが感じられて迫力がありますね。

5月までだとまだ時間もあるし、是非見に行きたくなりました。

制作過程の映像にも興味しんしんです。flair

投稿: ごみつ | 2012年2月18日 (土) 00時29分

☆ ごみつさま ☆
おはようございます♪
ポロック展、楽しみにしていたので早速行ってきました。
ポロックの作品が一同に会して…というのは、
日本では初めてだったようです。
私も初期の頃の作品はよく知らなかったですし
初期~全盛期~晩年と変遷を追いながら見ることができて
興味深かったです。

大きな作品は何点かあって、どれも大迫力でしたが
小さい(というか普通サイズ^^)作品もたくさんありましたよ。
私は意外と”書”のような作品が気に入りました。
制作過程は、それ自体がパフォーマンスといった感じで引き込まれました。

お時間がありましたら、是非足を運ばれてみてください☆

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2012年2月18日 (土) 08時23分

こんばんは~
さっそくお邪魔します!
ポロック展、行かれたのですか。
私は美術には疎いのですが、
BS日テレの「ぶらぶら美術・博物館」が大好きで、
無知ながらも、楽しくみているんです。
ポロックは、その番組で知りました。
知識はなくても、理屈なしにいいと思えるアートとの出会いが
うれしいです。

投稿: linen | 2012年2月21日 (火) 20時18分

☆ linenさま ☆
こんにちは♪
先日はありがとうございました。
早速いらしてくださって恐縮です。

linenさんもアートをご覧になるのがお好きなのですね!
私は自己流で鑑賞していますが、アートに触れるのは大好きです。
美しいもの、おもしろいもの、ぞくっとするもの…
すてきな作品との出会いは喜びを与えてくれますね。

「ぶらぶら美術・博物館」という番組があるのですね。
ポロックも取り上げられていたとは… 見逃してしまって残念です。
私も美術館、博物館好きなので、今度是非見てみますね。

投稿: ☆ linenさま ☆ | 2012年2月22日 (水) 15時33分

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