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2012年4月

たけのこごはんの和定食 & たけのこ料理いろいろ

毎年、桜の便りが聞こえてくると、そろそろたけのこの季節、とそわそわしてきます。生のたけのこが手に入るのは、この時期だけのぜいたく。今年も何度かゆでて、いろいろなお料理を楽しみました。

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出始めの頃のたけのこは、皮にほわほわのうぶ毛のはえていてかわいい。てっぺんを斜めにカットして皮に縦一本の切り込みを入れ、米ぬかとたっぷりの水で1時間ほどゆでて使います。

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たけのこごはんの和定食 最初に作ったのは、やっぱりたけのこごはん。だし・酒・しょうゆ少々でたけのこを下煮して冷まし、お米といっしょに炊き上げます。この日はこの他、サーモンの塩麹焼、菜の花のからし和え、五目豆、かぶの葉と油揚げの煮びたし、お豆腐と青ねぎのお味噌汁を合わせました。

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たけのこと菜の花のペペロンチーノ オリーブ油でにんにくと赤唐辛子を炒めて香りを立て、たけのことゆでた菜の花を合わせて炒めます。ゆでたてのスパゲティと軽く合わせて炒めて塩こしょうで味を整え、最後にオリーブ油を回しかけてできあがり。

たけのことひき肉の炒め煮 ごま油を熱して豚ひき肉と細切りしょうがをよく炒め、酒としょうゆでしっかり味をつけます。たけのこを加えて、全体をなじませるように軽く炒めてできあがり。

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手羽とたけのこのスープ 水に、鶏手羽、酒、しょうがを加えて煮込み、たけのこを合わせてさらに軽く煮込み、塩こしょうで味をととのえてできあがり。最後にあさつきを散らします。

たけのこの天ぷら 天ぷら衣をくぐらせて揚げます。わずかにえぐみが感じられ、野生的な味わいでした。

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たけのこの肉巻きフライ お弁当の残りをワンプレートに盛り付けました。黒米ごはんとちりめん山椒、きんぴらごぼう。肉巻きフライにはトンカツソースと和がらしを添えて。

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肉巻きフライ(豚薄切りロース肉で包んで衣をつけて揚げる)は、たけのことしいたけと2種類作りましたが、たけのこの方がよく合いました。

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「スーパー・チューズデー ~正義を売った日~」

ジョージ・クルーニー監督、ライアン・ゴズリング主演の、アメリカ大統領予備選挙を題材にした政治サスペンス、「スーパー・チューズデー ~正義を売った日~」(The Ides of March)を見ました。原作は、ボー・ウィリモンの戯曲「Farragut North」(ホワイトハウスに近いメトロの駅名)。製作総指揮にレオナルド・ディカプリオほか。

原題のThe Ides of Marchは、映画では決戦の3月15日を意味しますが、ブルータスの裏切りによってジュリアス・シーザーが暗殺された日でもあるそうです。決戦に向けてヒートアップする予備選挙戦の裏側で繰り広げられる駆け引きと心理バトル。スリリングな展開を楽しみました。

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大統領の座ををめざして、民主党予備選に出馬したモリス知事(ジョージ・クルーニー)の陣営は、勝敗の鍵を握るオハイオ州予備選に向け、激しい選挙戦の最中にいました。そんな中、モリスを支える若き優秀な参謀スティーヴン(ライアン・ゴズリング)に、対立候補の参謀ダフィが接触してきます。

二人の密会を知った上司のポールはスティーヴンを解雇しますが、それはモリス陣営を弱体化するためにダフィがしかけたワナでした。将来、政治の世界で成功したい野心家のスティーヴンは、インターンのモリーを通じて知ったモリスの重大な秘密を武器に、自らの再起をかけ、一か八かの勝負に出ます…。

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ジョージ・クルーニーが大統領候補役で出演しますが、主役は若き参謀のスティーヴンを演じるライアン・ゴズリング。先日見た「ドライヴ」とはまた違う、冷徹な頭脳を持つ野心あふれる若者を、みずみずしく演じていて魅力的でした。

モリスを理想の政治家と信じ、彼を支えることが自らの使命と疑わなかったスティーヴンは、選挙の裏の攻防戦に巻き込まれて窮地に立たされ、またモリスの真の姿を知ったことで、非情なる策略家として目覚めます。

決定的な切り札を手にしたスティーヴンは、それでモリスに復讐するなどという愚かなことはせず、彼を大統領にすることで、自らの野望の実現に向け、道を切り開いていきます。映画の冒頭で崇高な理想に燃えていたスティーヴンが、最後には策を弄する立派な?政治家の顔に。その変貌ぶりが鮮やかでした。

スティーヴンの上司ポールにフィリップ・シーモア・ホフマン、対立候補の参謀ダフィにポール・ジアマッティ、新聞の政治記者にマリサ・トメイ、インターンのモリーにエヴァン・レイチェル・ウッド…など、出演者は実力派ぞろい。緊張感あふれるドラマを盛り立てていました。

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二子玉川 「ALLO」 のビストロ・ランチ

二子玉川駅前に昨年3月オープンした二子玉川ライズ。そのレジデンス棟のエリアにあるフレンチ・ビストロ、「ALLO -Boulangerie Cafe Bistro-」(アロ ブーランジェリー・カフェ・ビストロ)でお昼をいただきました。

玉川高島屋の反対側にできた二子玉川ライズは、まだ再開発の途中。レジデンス棟へは、駅前のショッピングセンターの間を抜けて、工事現場の横を通って向かいます。お店に着くと、予約でいっぱい…とのことでしたが、その時ちょうどキャンセルが出て、席に着くことができました。

私たちは、スープかサラダに、メインのお料理、食後のコーヒーとパンがつく、「本日のランチ」というコースをいただきました。ブーランジェリー(パン屋さん)が併設されていて、最初に運ばれてきたパン(バゲット、カンパーニュ、くるみとカレンツのパン)はどれもおいしかったです。

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サーモンマリネのサラダ。スモークサーモンではなく、肉厚のサーモンのお刺身が使われています。塩味ひかえめで、サーモンのフレッシュな味わいが楽しめました。ミモザ(刻んだゆでたまご)がトッピングされ、彩りもきれいです。

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私は、「10種の野菜のポタージュ」をいただきました。たまねぎ、にんじん、じゃがいも、かぶ…? 10種の野菜が作りだすハーモニーは、複雑な味わいながらクセはなく、穏やかなお味。なめらかで濃厚な舌触りで、そのまますっと体に染み入るようでした。

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メインのお料理。私は「メカジキのソテー フレッシュトマトソース」をいただきました。モッツァレラチーズののったメカジキのソテーに、生のトマトで作ったソース、サフランライス、揚げ野菜(なす・ズッキーニ・赤ピーマン)が添えてあります。おいしいお味もさることながら、華やかな彩りが楽しめました。

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霧島豚のロースト マスタードソース。ローストポークは、ジューシーなおいしさでした。お肉の下には、スープでくたくたに煮込んだ野菜(キャベツなど)が敷いてあって、私はこれが気に入りました。食後にいただいた、深煎りのコーヒーもおいしかったです。

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お店でいただいたパンがおいしかったので、ブーランジェリーでバゲットとカンパーニュを買って帰りました。小麦の風味が引き立つ香り豊かなお味は食事にぴったり。カンパーニュはクリームチーズがよく合いました。

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「ルート・アイリッシュ」

イギリスのケン・ローチ監督の最新作、「ルート・アイリッシュ」(Route Irish)を見に行きました。イラク戦争における軍事ビジネスの実態を、あるイギリス民間兵の姿を通じて描いた骨太の社会派作品です。

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イギリスの民間軍事会社に民間兵として登録しているファーガスは、多額の報酬がもらえるからと親友のフランキーを誘い、ともにイラクの戦場に向かいます。一足先に帰国したファーガスは、フランキーが”世界で最も危険な道路”といわれるルート・アイリッシュで命を落としたことを知ります。

フランキーの死因について会社からの説明に納得がいかないファーガスは、独自に真相を調べ始めます。後に手に入れたフランキーの携帯電話に残された映像を見たファーガスは、フランキーがトラブルに巻き込まれたことを確信、さらに驚くべき真実が明らかになります…。

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イラク戦争を題材にした映画は、これまでマット・デイモン主演の「グリーン・ゾーン」、アカデミー作品賞を受賞した「ハートロッカー」と見てきましたが、今回この作品を見て、改めてイラク戦争って一体何だったのだろう、何の意味があったのだろう、という思いを強くしました。

アメリカはじめ各国において、防衛費を削減する目的で使われ始めた民間軍事会社は、9.11以降、テロの頻発とともに急成長し、イラク戦争では10人の兵士のうち1人が民間兵といわれています。

こうした民間軍事会社の急速な拡大に対して、法整備が追いつかず、これまでにも戦場という無法地帯で数々の不祥事が起きていました。集められた兵士も、愛国心や使命感ではなく、この映画の主人公たちのように報酬目当てという人が大半なのかもしれません。

戦争の目的が見えず、指揮系統もはっきりしない中、意識の低い兵士たちが暴走するのは当然のなりゆきかもしれません。そして、こうした異常な環境の中にいたら、フランキーならずとも精神的に追い詰められていくのは無理もないと思います。

莫大な報酬と引き換えに失うものがいかに大きいか…。それを考えずに安易に志願する民間兵たち、そしてそうした民間兵の存在が、軍事ビジネスを潤しているという現実に憤りを覚えました。

ファーガスはフランキーの死因を探るうち、民間軍事会社がある事件を隠蔽しようとし、そのためにフランキーが犠牲になった、という真実にたどり着きます。しかしながら、それに対してファーガスが起こした行動は、テロリストとなんら変わらないものでした。

主人公が、こういう手段でしか不正を訴えることができなかったことに、なんともやりきれない思いが残りました。後味はあまりよくなかったですが、こうした危険な仕事に従事せざるを得ない労働者の現実を、ケン・ローチ監督は描きたかったのかな?と思いました。

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赤瀬川原平 「個人美術館の愉しみ」

赤瀬川原平さんの新刊、「個人美術館の愉しみ」を読みました。

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前衛芸術家で芥川賞作家でもある赤瀬川さんですが、失礼ながら私の中では”超芸術トマソン”や”路上観察”でおなじみの、ちょっととぼけたおもしろいおじさん、という印象が強いです。赤瀬川さんの力の抜けたゆるい語り口が大好きで、この本も楽しみにしていました。

ここには、赤瀬川さんが実際に足を運ばれた、全国45の個人美術館が紹介されています。私には初めて知る美術館も多かったですが、赤瀬川さんの飄々とした、それでいてプロとしての要所を押さえた解説に、その美術館の魅力が鮮やかに浮かび上がってきました。

個人美術館には、一人の作家だけの美術館と、一人のコレクターによる美術館という、2つの意味があります。前者は自治体、後者は個人によって運営されることが多いですが、どの美術館にも(特に後者には)、その成り立ちにドラマティックなエピソードがあり、引き込まれました。

展示作品だけでなく、建築物としての美術館や庭園、周囲の環境など、プラスアルファの部分も楽しめました。新書ながらカラー写真が豊富で、その美術館のイメージがよりいっそうふくらみました。登場する美術館はどれも魅力的ですが、気になったところを、いくつかピックアップしてみますね。

足立美術館(島根県安来市)
事業家の足立全康さんが作られたという美術館。アメリカ専門誌の日本庭園ランキングで、桂離宮を抑えて8年連続1位に輝いたという日本庭園がすばらしい。庭と調和する横山大観の作品も見てみたいです。

浜松市秋野不矩美術館(静岡県浜松市)
6人のお子さんを育てながら創作活動を続け、のちにインドに渡って日本画の先生となったという、秋野不矩さんの強烈な生き方に惹かれました。ヨーロッパのプチシャトーのようなシックで美しい建物も魅力的です。

笠間日動美術館(茨城県笠間市)
銀座の日動画廊が運営する美術館で、広大な敷地が芸術保護区となっています。荒れ果てていたのを移築したという、北大路廬山人の自邸も見てみたいです。

アサヒビール大山崎山荘美術館(京都府大山崎町)
イギリス山荘風の重厚な木造の洋館がすばらしい。所有者の縁が縁につながり、今の美術館に落ち着いたそうで、運命の不思議を思いました。まずは建物を、それから新館にあるモネの睡蓮のコレクションをじっくり味わいたい。

どれも旅行の計画に組み込んで、わざわざ訪れてみたくなる、すてきな美術館ばかりでした。本書は、東海道新幹線のグリーン車にある「ひととき」という雑誌に連載していたそうで、旅に出たくなるのもなるほどとうなづけました。

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「アーティスト」

モノクロ・サイレントで作られたフランス映画、「アーティスト」(The Artist)を見に行きました。今年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演男優賞など5部門を受賞。話題性もさることながら、予告で見たクラシカルでロマンティックな映像に惹かれて、楽しみにしていた作品です。

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舞台は、1927年のハリウッド。サイレント映画のスター ジョージは、ふとしたハプニングで新人女優のぺピーと知り合います。憧れのスターに会って有頂天のぺピーは、ジョージのアドバイスでほくろをつけ、エキストラから少しずつ役がもらえるようになっていきます。

ところが2年後、映画会社は映画をサイレントからトーキーへと切り替えることに。サイレントにこだわるジョージは反発し、自ら映画を作って主演するも失敗、財産も失ってしまいます。一方ぺピーはトーキーの波に乗り、スターへの階段をかけ上っていきます…。

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モノクロ・サイレントの魅力を再発見したすてきな作品でした。オープニングの古めかしい雰囲気も懐かしく、気分は時代を一気にさかのぼります。物語の展開は、たしかにありきたりではあるのですが、それだけにサイレントならではの表現を存分に楽しむことができました。

ストーリーは、ジュディ・ガーランドの「スタア誕生」を彷彿とさせるような…。人生に絶望したジョージは同じく自らの死を選びますが、こちらは危機一髪で助かってよかった。”Bang!”と字幕が出た時はどきっとしましたが、銃の音ではなく、車がぶつかった音でした。こういうしかけが、サイレントならではで楽しい。

表情や体の動きだけで、登場人物たちのさまざまな心の動きが伝わってきます。私は特にぺピーのジョージへの一途な思いに心を寄せました。ジョージの楽屋に忍び込んだときに見せた切ない恋心、そして病院に運ばれて寝ているジョージを見守る柔らかな表情がすてきでした。

ジェスチャーは世界共通のことばであり、誰もが自分のことばでセリフを理解できるのがすばらしい。サイレントという古典的な手法が、はからずもグローバリゼーションを実現していることに、はっとしました。この作品は、(非英語圏である)フランスからのメッセージなのかもしれません。

どこか子どもっぽいところが残るジョージと、くるくると表情豊かなぺピー。ジョージに誠実に仕える老運転手に、ぺピーに甘々の映画会社の社長…など、個性的な登場人物たちも魅力的。そしてなんといっても、いつもそばにいてジョージを助ける犬のジャックが、映画を最高にチャーミングに見せてくれました。

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その昔チャップリンの「街の灯」を見た時の感動が忘れられない私には、少々もの足りなさを感じてしまったのも事実。でも久しぶりにサイレントの魅力に触れて、映画を見終えたときには、古い映画をもっといろいろ見てみたい、という気持ちでいっぱいになりました。

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ミニーのチョコレートパイ

映画 「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」では、お料理上手のミニーが作る南部料理の数々も魅力的でした。特においしそうだったのがチョコレートパイ。ミニーのチョコレートパイは定評があって大人気、寄付金集めのパーティでは一等の景品にもなっていました。

アメリカのグルメ雑誌 Food & Wine のウェブサイトに、Minny's Chocolate Pie というレシピを見つけて作ってみたくなりましたが、エバミルクが手に入らなくて…>< 代わりに、家にある材料で作れる稲田多佳子さんのレシピを参考に作りました。

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たかこさんのパイ生地は、薄力粉と強力粉をあわせることでパイ特有のサクサク感を出していますが、市販の冷凍パイシートを使っても手軽に作れそう。パイ生地を型に敷きつめて空焼きしたら、チョコレートフィリングを流し入れ、再び焼きます。

(左)そのままで素朴な風合いが楽しめますが、(右)私は軽くココアパウダーをふるって仕上げました。

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切り分けたら、軽く泡立てた生クリームを添えてサーヴします。薄めにサクッと仕上げたパイシェルに、しっとり濃厚なチョコレートフィリングがリッチな味わい。映画を思い出しながら、楽しくいただきました。(ただし、ヒリーに作った特製パイではありませんよ。^^)

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ミニーがシーリアにお料理を教えるシーンで、懐かしかったのが Crisco のショートニングです。

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ミニーは「お料理だけじゃなくて、何にでも使えるのよ~」と言ってましたが、私もアメリカで初めてショートニングの使い方を教わったことを思い出しました。

例えばケーキの型に塗っておくと、バターと違って焦げる心配がないこと。また、ケーキをデコレーションするバタークリームを作る時、バターの代わりに使うと、ケーキを長時間常温に置いておくことができること。などなど

バターと違って植物性なので、アメリカではヘルシーな油脂というイメージがあるようです。久しぶりにショートニングを使って、あれこれ作ってみたくなりました。

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「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」

キャスリン・ストケットの同名のベストセラー小説を映画化した作品、「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」(The Help)を見に行きました。公民権運動が高まる1960年代のアメリカ南部の町を舞台に、女性たちの目を通じて人種差別問題を軽やかにユーモアを交えて描いた、心温まる物語です。

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1960年代のアメリカ、ミシシッピー州ジャクソン。大学を卒業して故郷にもどり、地元の新聞社に就職したスキーター(エマ・ストーン)は、主婦となっている白人の友人たちが、”ヘルプ”とよばれる黒人メイドたちを、今なお歴然と差別している現状に愕然とし、衝撃を受けます。

スキーターは、メイドたちの声を集めて本にし、世に訴えようと決意しますが、報復をおそれるメイドたちは硬く口を閉ざし、取材は思うように進みません。しかしある理不尽な事件をきっかけに、一人、また一人と証言するメイドが現れます。それは保守的なこの町の小さなうねりとなっていきます…。

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料理や育児をパーフェクトにこなす有能な黒人メイドたちと、慈善活動やカードゲームに忙しく、愚かにさえ見える白人の若奥様たち。映画が始まってしばらくは、「これはひょっとして白人を差別している作品…?」と思うほど、その切り口は斬新でした。

深刻で重くなりがちなテーマを、明るい笑いに包んで描いているところが画期的。”ヘルプ”たちの過酷な現実には心を痛めましたが、耐え忍ぶだけでなく、誇り高く生きる姿に希望を与えられました。そして白人の中にも、彼女たちを尊重し理解する人たちがいたことに救われました。

メイドのエイブリーン(ヴィオラ・デイヴィス)は、白人のベビーをわが娘のように大切に育て、母親が見向きもしないこの子に自尊心というおまじないを教えます。ベビーは、実の母親以上にエイブリーンのことが大好きでした。エイブリーンの「”私の”娘をよろしく。」という捨て台詞にすかっとしました。

天真爛漫、天使のようなシーリア(ジェシカ・チャスティン)。彼女には一番泣かされました。そもそも彼女の中には、白人と黒人の垣根なんてものは最初から存在しないのです。毒舌家のミニー(オクタヴィア・スペンサー)とはいいコンビ。最後のサプライズパーティにまた涙でした。

若奥様たちのリーダー、白人至上主義者のヒリーという悪役をみごとに演じきったブライス・ダラス・フォワードに拍手です。この作品、敵味方がはっきりしているので舞台向きだな、とも思いました。出演者はほとんど女性ですが、彼女たちが作りだすハーモニーがなんとも魅力的でした。

人種差別の歴史は根深いものがあり、若いスキーターにメイドたちの安全が守れるかと思ったり、スキーターの本がかえって過激な白人至上主義者たちを刺激することになるのでは、と心配したりもしましたが、映画ならではのおとぎばなしに快い感動を味わいました。

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エマ・ストーンは、「ゾンビランド」の時とはメイクが全く違ってわからなかった。^^; 6月公開の「アメイジング・スパイダーマン」ではヒロインを演じます。前作「スパイダーマン3」では同じ役をブライス・ダラス・フォワードが演じていたそうで、新たなバトル?が楽しみです。

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横須賀美術館 「正岡子規と美術」展

横須賀美術館で開催されている「正岡子規と美術」展(~4月15日まで)を見に行きました。正岡子規は明治時代を代表する俳人。今読んでいる小説「坂の上の雲」の主人公のひとりで、先日旅行で訪れた松山の出身ということもあり、子規の世界をもう少し知りたくなりました。

横須賀美術館は以前から一度訪れたいと思っていた場所です。久しぶりに(横須賀美術館のある)観音崎に海を見に行きたかったので、春のうららかな日にドライヴがてら出かけてきました。

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正岡子規は、近代俳句の革新者。洋画家の浅井忠、中村不折との交流で影響を受け、俳句に写生の理論を取り入れたことで知られています。そして自らも結核の病床の中で絵筆を取り、身近な草花や果物、虫たちを写生しました。

今回の展示は、子規と交流があった画家たちの作品が中心で、子規の写生は思ったより少なかったですが、松山の観光ビデオや「坂の上の雲」に関するパネルなどもあって、旅の余韻を楽しむことができました。

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横須賀美術館は2007年に市制100年を記念して建てられました。青みがかった半透明の箱型の外観が目を引いて、前にここを通りかかった時から気になっていました。白を基調としたシンプルモダンな館内は、広々として開放感がありました。

そして何といっても、目の前が海、というロケーションがすばらしい。1階のエントランスからも海が見渡せますが、屋上にあがると、さらにダイナミックな眺望を楽しむことができました。東京湾の海路を、貨物船やタンカー、フェリーが次々と通り過ぎていきます。

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別館は、「谷内六郎館」となっていて、谷内六郎さんが26年間描き続けてこられた週刊新潮の表紙絵の原画を見ることができました。谷内六郎さんは生前、観音崎が気に入られて、この地にアトリエを構えていらしたそうです。ノスタルジーあふれるイラストの数々に、ほっと心が和みました。

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横須賀美術館を訪れた後は、すぐ向かいにある観音崎京急ホテルの海の見えるティールームでひと休みし、その後ボードウォークを歩きました。

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ここから見る東京湾の風景が大好きです。春の穏やかな海が時間とともに少しずつ暮れなずんでいくのを、飽きることなく眺めました。

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帰る頃には、みごとな夕焼け空が広がっていました。椰子の木が並ぶ海沿いの道をしばらく走ってから高速道路に乗って帰りました。

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「ドライヴ」

ライアン・ゴズリング主演のクライム・サスペンス映画、「ドライヴ」(Drive)を見に行きました。監督は、デンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン。カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しています。キャリー・マリガンがファム・ファタール(運命の女)を演じるというので楽しみにしていた作品です。

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天才的なドライビング・テクニックをもち、昼は自動車整備工でハリウッドのカー・スタントマン、夜は強盗の逃走用運転手として働く”ドライバー”(ライアン・ゴズリング)は、同じアパートに住むアイリーン(キャリー・マリガン)と親しくなり、その息子ともども家族のようになごやかな時間をすごすようになります。

ところが、服役していたアイリーンの夫が出所したことで事態が一変します。夫は刑務所で多額の借金をしてトラブルに巻き込まれ、命を狙われます。家族にもその危険が及ぶと察したドライバーは、夫の背後にいる黒幕の存在をつきとめ、アイリーンを守るため容赦ない反撃に挑みます…。

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タイトルからカーアクションばりばりのスピード感あふれるアクション映画を想像していましたが、どちらかというとノワールの雰囲気をもつ、渋くて味わい深い作品でした。監督がデンマーク出身ということもあるのでしょうが、舞台はロサンゼルスでありながら、ヨーロッパの色彩を感じる作品でした。

寡黙で、一見気弱そうにも見えるドライバーの、スイッチが入ってからの変貌ぶりがすさまじい。バイオレンスはかなり過激で、私は何度か目を背けてしまいました。銃をほとんど使わないところに、かえって情け容赦ない残酷さがあって恐かったです。

私は、ドライバーの内なる炎をここまで燃え上がらせるものが何か、最初は今ひとつ理解できなかったのですが、この物語の設定に、ふと東野圭吾さんの「容疑者Xの献身」を思い出して納得しました。

過去を消したかに見えるドライバーにとって、アイリーンとすごしたつかの間の穏やかな日々は、それまでの空白を埋めるほどに幸せな時間だったのでしょう。だから彼は自分がもつ能力を、彼女を守るためだけに惜しみなく与えることができたのだろうと思います。

「おまえ、素人なんだろう?」と黒幕は暗に手を引くことを促しますが、ドライバーは最後まで反撃の手を緩めません。彼の背景については全く触れられませんが、ただものでないことは確か。端正でクールな佇まいの中に秘められた、底知れない狂気にぞくっとしました。

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ライアン・ゴズリングは、現在公開中の「スーパー・チューズデー ~正義を売った日~」(The Ides of March)にも主演していて、こちらも気になります。今もっとも波に乗っている俳優さんですね。

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いわて銀河プラザ

シネマ歌舞伎を見た東劇から、銀座方面に向かってすぐのところに、「いわて銀河プラザ」というお店があったので、入ってみました。ここは岩手県のアンテナショップ。お菓子や海の幸、山の幸、乳製品、お漬物、南部鉄器をはじめとする工芸品まで、広いお店にところ狭しと名産品がありました。

震災の影響もあってか、お客様がおおぜいいらして賑わっていました。私もいろいろ買ってきましたよ。

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南部せんべい(黒ごま・ピーナッツ)と、大船渡市の銘菓かもめの玉子。サラダごぼうというお漬物と、気仙沼のお味噌。サラダごぼうは、新ごぼうのピクルスといった感じのさっぱりしたお味で、ポリポリといくらでも食べられました。「いわて復興だより」という手作りの新聞もあり、なんだかうれしくなりました。

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(左)岩手といえば、南部せんべい。子どもの頃に何度となく食べたことのある懐かしいお味です。塩も砂糖も油もほとんど使っていないさっぱりとした味わいで、パリパリとした食感が香ばしい。

(右)かもめの玉子は、黄色い白餡をカステラ生地で包み、ホワイトチョコレートでコーティングしたお菓子。優しい甘さの素朴な味わいです。

この後用事があったので、冷蔵コーナーは見なかったのですが、後になってから、あれもこれもと欲しくなってしまいました。また近くに行くことがあったら、のぞいてみようと思います。

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小さい頃は、夏休みを秋田の祖母のところですごしていたので、東北には毎年いろいろなところに連れていってもらいました。岩手でいえば、平泉の中尊寺や小岩井牧場などですが、実はあまり覚えていないのです…。

一番記憶に残っているのは、初めて親元を離れて自然教室で訪れた、田野畑村というところです。今回の震災で被災した場所でもあり、私も久しぶりにその名前をニュースで耳にした時には、懐かしさとともに痛みを感じました。

学校に寝泊りして飯盒炊爨で食事を作ったこと、林の中に木の枝で隠れ家を作って泊まったこと、浜辺で漁師さんにまだ動いているウニを食べさせてもらったこと…。どれも私には忘れられない、大切な思い出となっています。

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シネマ歌舞伎 「高野聖」

シネマ歌舞伎の「高野聖」(こうやひじり)を見に行きました。坂東玉三郎さんが演出する泉鏡花原作のシリーズ第3弾です。中村獅童さんが出演されるということもあり、楽しみにしていました。

シネマ歌舞伎は、歌舞伎の舞台公演をスクリーン上映したものですが、この「高野聖」はシネマ歌舞伎用に新たに舞台を撮りおろし、それに屋外でのロケーション映像を融合させています。舞台と映像がみごとに調和した、新しいタイプのエンターテイメントを楽しみました。

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若き修行僧の宗朝(中村獅童)は、飛騨から信濃への旅の途中、山中の狐家(ひとつや)にたどり着き、一夜の宿を頼みます。この家の女(坂東玉三郎)に案内され、宗朝が谷川で旅の汚れを落としていると、女が川に入ってきて背中を流し始めますが、宗朝はそれを振り切り慌てて川から上がります。

家につながれている馬をはじめ、猿、こうもり、蟇(ひき)…と女にまとわりつく、さまざまな獣たち。川からもどった宗朝に、「もとの体で帰らっしゃった」と驚く、家の親仁(中村歌六)。

翌朝、女に送り出されてからも、その寂しげな姿が心から離れない宗朝が、道端に腰をおろしてしばらく思い惑っていると、馬を売りに行った帰りの親仁が通りかかります。親仁の口から聞いたのは、女の悲しい過去と恐ろしい秘密でした…。

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妖艶怪奇な恐ろしい物語ですが、女の妖しい美しさと哀しい運命が、切々と心に響く作品でした。宗朝と女が沐浴する場面では、玉三郎さんの匂いたつような色香にたじたじにになるほど。美しくも官能的なシーンにどきどきしました。

宗朝に嬢様とよばれ、白桃の花に例えられた女は、「あなたの叔母さんくらいの年ですよ」と、少女のように羞じらいながら、微笑みます。わけあって男を獣に変え、またそうすることでしか生きてこれなかった女は、宗朝の曇りのないことばが、どんなにうれしかったことでしょう。

そのひとことを支えに、これから先いつまでも幸せに生きていくことができる… 同じ女性として身につまされる思いもあり、その気持ちにそっと寄り添い涙しました。そして、獅童さんが演じる宗朝の、仏の道をまっすぐに求める純粋さ、女をいたわる優しさが心に沁みました。

女のことが気がかりで、足を止めてしまう場面は、宗朝の人間らしさが感じられて好きです。その後、親仁の話を聞いて宗朝はようやく目が覚め、新しい一歩を踏み出すことができますが、親仁を演じる歌六さんの長い語りが味わい深く、聞きほれました。

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泉鏡花の原作は80ページほどの短編なので、予習をかねて読んでおきました。古風な文章に最初はなかなかなじめませんでしたが、音読するような気持ちで読み進めると、リズムにのってすうっと入ってきました。

この幻想怪奇な世界をどのように表現するのだろう…と期待がふくらみましたが、シネマ歌舞伎はまさにうってつうけの手段だったと思います。玉三郎さんが演出する泉鏡花の世界は、「天守物語」「海神別荘」が近く再上映されるので、こちらも時間があれば見てみたいです。

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千鳥ヶ淵の桜

今年は春の訪れが例年になく遅かったですが、東京の桜も先週ようやく見ごろを迎えました。この週末はお天気にも恵まれ、お花見にでかけられる方も多いことと思います。私も昨日、六本木によってから、千鳥ヶ淵まででかけてきました。

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こちらは六本木ヒルズ・毛利庭園の桜。ここは桜の木は決して多くはないですが、春の薄緑色が柔らかな日本庭園に桜の花がよく映えて、とても美しかったです。人もそれほどいなくてのんびりお花見ができました。近代的なビル群との組み合わせもおもしろい風景です。

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この後、千鳥ヶ淵まで桜を見に行きました。地下鉄の九段下駅を出ると、覚悟はしていましたが、人、人、人…。それでもお濠の水辺に長く枝をのばした桜の花々の美しさは圧倒的で、心に響きました。

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田安門からの風景。柔らかなお濠端のグリーンにふわりと雪が舞い降りたような桜の花が、ため息が出るほどに美しかったです。奥に見える煉瓦の建物は九段会館。この日は武道館で入学式があったようで、晴れやかな表情の新入生たちが、たくさん歩いていました。

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お濠の両側に桜が続きます。迫力ある妖艶な美しさに、恐くなるほど…。

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視界が開けて、向こうにお濠を横切る首都高が見えてきました。昨日は午後から花曇りで少し肌寒かったですが、桜の美しさに酔いしれながら、いいお散歩になりました。

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ボートハウスは強風のためお休みでした。千鳥ヶ淵からは、英国大使館の横を通って、半蔵門駅まで歩きましたが、行く道々でも桜が咲いていて、目を楽しませてくれました。

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帰りは地元の公園を寄り道し、桜三昧の一日となりました。

ここのところいいお天気が続いていますが、気温があまり上がらないので、桜は今週いっぱい楽しめそう。年に一度の美しい季節を、心ゆくまで堪能したいと思います。

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「STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3D」

ジョージ・ルーカス監督のSF映画、「STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3D」(Star Wars Episode I: The Phantom Menace 3D)を見に行きました。1999年に公開された映画を3D化した作品です。大画面で見る、臨場感あふれる宇宙スペクタクルを堪能しました。

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実は私は、スター・ウォーズシリーズを見ていないのです。特に理由はないのですが、SF映画が少々苦手というのと、第1作を見ないまま、きっかけを逃してしまった、というところでしょうか。今回、予告で見て美しい映像に魅了され、この機会に見るのを楽しみにしていました。

全く予備知識なく、シリーズの全体像がわかっていなかったので、映像が古くさくないし、俳優さんたちも今とあまり変わらないなあ??などと思いながら見ていたのですが、後から、1977年以降公開されたのはエピソード4~6で、その後、前編となるエピソード1~3が作られたと知りました。^^

2Dと3Dをナチュラルに組み合わせた映像は目に優しく、途中からは映画の世界に入り込んで3D眼鏡の存在を忘れてしまったほど。エイリアンの一部は、旧作のパペットから今回CGに変わったそうですが、実写とCGアニメとのコンビネーションにも全く違和感なく、洗練された映像美が楽しめました。

一番の見どころとなる、アナキンが参加するポッド・レースと、最後に2人のジェダイがダース・モールと対決する場面は、臨場感があってスリリングで楽しかったですが、私はふと、超大画面でビデオゲームを見ているような錯覚に陥りました。^^

ユアン・マクレガーは、今まで見た作品の中で、これが一番かっこいい。リーアム・ニーソンは最後に倒れてしまったので、この先のシリーズでは登場しないのね…。ナタリー・ポートマンは子役時代からずっと美しさをキープしていてすごい。…などいろいろ発見があって楽しめました。

ナタリー・ポートマン演じるアミダラ女王の影武者を演じたのが、当時まだ無名だったキーラ・ナイトレイというのも驚きでしたし、あのかわいくて利発なアナキン君が、この後のシリーズで、ダース・ベイダーになってしまうなんて… 後で知ってショックを受けました。

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今後、年1回のペースで全6作を順次3D化していくそうなので、これからゆっくり楽しみたいと思います。小学生くらいのお子さんを連れてきているアメリカ人のパパママを何組か見かけましたが、これから新しい世代のファンが増えるかもしれませんね。

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中目黒 「ピッツェリア エ トラットリア ダ イーサ」

中目黒にあるナポリ・ピッツァのお店、「ピッツェリア エ トラットリア ダ イーサ」(Pizzeria e trattoria da ISA」でお昼をいただきました。オーナーの山本尚徳さんは、2007~9年と3年連続して世界ピッツァ選手権で優勝したというピザ職人。世界一のお味を堪能しました。

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お店は中目黒の駅から歩いて10分弱ほど、山手通り沿いにあります。ナポリの下町にあるピッツェリアをイメージしたというお店は、黄色いストライプのひさしの下、テーブルがあふれるように並べられていて、賑やかで楽しい。

ちょうどお昼時で、7、8組並んでいましたが、間もなく案内されました。店内にも席がありますが、この日はお天気に恵まれて暖かく、外で食事をするのが気持ちよかったです。さんざん迷って、ピッツァを2種類、パスタを1種類選び、シェアしていただきました。

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最初に運ばれてきた、ディアボラ(Diavola)。モッツァレラ、バジリコ、辛口サラミ、大きなピーマンののったトマトソースのピッツァです。まわりのピッツァ生地が、とにかくもちもちしておいしい。悪魔という名に似合わず、サラミはそれほど辛くなく、ほどよい塩味がいいアクセントになっていました。

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ブカティーニ・アッラマトリチャーナ(Bucatini All'Amatoriciana)。豚バラ肉の塩漬とオニオンのトマトソースのパスタです。ブカティーニは、マカロニのように穴のあいたロングパスタ。コクのあるクリーミィなソースがよく合いました。

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マルゲリータ・アッラ・ロマーナ(Margherita Alla Romana)。モッツァレラ、バジリコ、アンチョビののったトマトソースのピッツァ。アンチョビ大好きなのでおいしくいただきました。

こうして並べると、どれも似たような選択になってしまいましたが、それぞれ特徴のあるお味で、飽きることはありませんでした。

パスタもおいしかったですが、やはりなんといってももっちもちのピッツァ生地が絶品でした。縁はふっくらとして弾力があり、表面はかりっと香ばしく、おこげもまたいい感じ。いくらでもペロリと食べられそうなおいしさでした。

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この後、目黒川沿いを歩きましたが、この日(2週間ほど前)の桜は、まだ硬いつぼみをつけているだけでした。春の嵐が去って、東京はそろそろ3分咲きくらいになっています。これからしばらく、美しい桜模様が楽しめそうです。

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「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」

メリル・ストリープ主演の映画、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(The Iron Lady)を見に行きました。イギリス初の女性首相で、その強硬な政治手腕から「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャーの半生を描いたドラマです。

監督は「マンマ・ミーア!」でメリルと組んだフィリダ・ロイド。メリル・ストリープはこの作品で3度目のオスカー(今回は主演女優賞)を手にしました。予告を見た時から、メリルのみごとな”なりきりぶり”と数々のセリフが印象的で、楽しみにしていた作品です。

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ひとりの老女がとぼとぼ歩きながら食品店に入り、何やらぶつくさ言いながらミルクを買っていきます。衝撃的なシーンから始まるこの作品は、現在86歳で認知症を患っているサッチャーが、政治家を志す少女時代から現役時代までを振り返りつつ、現在と過去が行き来する形で展開していきます。

疲弊していたイギリス経済を立て直すために、強引ともいえる痛みを伴う手段を断行し、また、アルゼンチンとの間に起こったフォークランド紛争を武力で制圧し、諸島を取り戻した、強いイギリスのリーダー。

彼女の政治家としての評価には賛否両論あれど、強靭な精神力と実行力、ぶれない信念、強力なリーダーシップは、見ていて惚れぼれするほど。語る言葉にも重みがあり、こういうリーダーこそ、今の日本に必要なのではないか、とふと考えてしまいました。

彼女の現役時代については私も記憶にあるものの、その生い立ちや私生活についてはほとんど知らなかったので、雑貨商の娘として生まれ、父親の影響で政治家を志し、最愛の理解者である伴侶にめぐり合い、首相への階段を登っていく、ひとりの女性のサクセスストーリーとしても楽しめました。

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メリルの研究成果による、徹底した”なりきりぶり”がすばらしい。もとのお顔立ちや話し方は決して似ているはずはないのに、いつの間にかサッチャーその人にしか見えなくなってきます。”完全なコピー”というより、サッチャーの魂が宿ったような演技に圧倒されました。

そしてこの作品では、いくつも印象的なセリフがあり、心に残りました。「感じる」より「考える」ことが重要だ、ということ。「考えは言葉になり、言葉はやがて行動になり、習慣になる。それは人格となり、運命を変えることができる」ということばは、サッチャーの生き方そのものを表しているように思いました。

そして、「昔の政治家は何かをしようとしたものだった。今は何か(大臣)になろうとする人ばかり」ということばは、今の日本の状況にもうまく言い得ていて痛快でした。

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サッチャーのトレードマークで、保守党のテーマカラーでもある、ブルーの洋服ばかりが並んだクローゼット。男性のごつい靴の中に、ただひとつあるサッチャーのハイヒール… など女性監督ならではの視点で描かれた映像も楽しめました。

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愛媛(10) 松山の五色そうめん ~ 松山城

坂の上の雲ミュージアムを訪れた後は、「郷土料理 五志喜」さんでお昼をいただきました。こちらは370年の歴史をもつ「五色そうめん森川」さんが提携する、愛媛・松山料理のお店です。

五色そうめんは、プレーンな白のほか、そば粉、卵黄、梅肉、抹茶をそれぞれ練りこんで五色としたもので、いっしょにゆでると美しい色のハーモニーが楽しめます。古くは幕府や朝廷に献上され、多くの文人にも愛された松山を代表するお味だそうです。

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私は、五色そうめんのセットをいただきました。 冷たいおそうめんにしましたが、濃いおつゆにつけていただくのではなく、おだしを効かせた薄味のおつゆに入っていたのが新鮮でした。清涼感たっぷりでおいしくいただきました。

左は伊予名物のみかん寿司。みかんの皮のすりおろしが入ったさわやかな五目寿司です。右奥は八幡浜名物のジャコカツ。お魚のすり身で作ったメンチカツのようなお味でした。

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(左)はこちらも名物、鯛の切り身がのった鯛そうめん。(右)はお宿でもいただいた宇和島鯛めしです。

旅の最後に、松山市の中心、緑豊かな小高い丘の上にそびえる松山城に登りました。ふもとから本丸のある城山公園へはロープウェイが出ていますが、私たちは東雲神社の方からのんびり坂道を上って行きました。

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(左)苔むした見上げるほどに高い石垣は、17世紀から残っているもの。みごとな石積みに圧倒されました。上に見張りの櫓が見えます。(右)本丸への最初の入り口となる、戸無門(となしもん)。

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(左)本丸を守る、最も重要で堅固な筒井門。(右)筒井門の石垣の奥には隠門(かくれもん)があります。筒井門に迫る敵を、ここから急襲する作りになっています。想像しただけで、わくわくしてきます。

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太鼓門をくぐると、ようやく天守が見えました。大天守とそれを取り囲むように小天守、各櫓が配備された堅固な作りです。天守の正面は広場になっていて、紅白の梅がちょうど見ごろでした。この後、お殿様気分で天守に登ってみました。

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天守の中は廊下や小部屋がいくつもある複雑な作り。広さに対して、階段が極端に狭く、急なのは、敵の侵入を防ぐためでしょうか。いたるところに鉄砲で攻撃できるよう小窓が設けられ、また上階には作戦会議用の広間がありました。攻撃と防御が最大限に考えられた戦闘的なお城でした。

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そして天守の最上階からは、東西南北へみごとな眺望が広がっていました。城下町松山の街並、そして西には遠くに海も見渡せます。写真は東側の眺めです。遠くに見える緑の小山は、ちょうど道後温泉のあたりでしょうか。

しばらく景色を楽しんでから、今は庭園となっている二の丸跡を通って城下におり、松山空港へと向かいました。長くなりましたが、愛媛旅行記はこれでおしまいです。最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。

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愛媛(9) 焼き物の里 砥部 ~ 坂の上の雲ミュージアム

最終日はホテルをチェックアウトしてから、まず焼き物の里 砥部(とべ)へと向かいました。松山からは車で南へ40分ほど。ここには、砥部焼の窯元が約100軒あります。まずは、「砥部焼観光センター 炎の里」を訪れて、砥部焼の作業場をのぞいてみました。

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(左)ろくろ回しの作業場。(右)絵付けの作業場はガラスの向こうにありました。手前に砥部焼の完成品が並んでいます。砥部焼は白磁に藍色の模様が描かれるのが特徴で、主に普段使いの食器として親しまれているそうです。(藍以外の色も使われますが、藍が最も発色がいいそうです。)

このセンターには、1階に砥部焼の売店があり、2階では絵付け体験ができるようになっていました。素焼きの器を選んで自由に絵付けをすると、後から完成品を送っていただけるそうです。

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この後は、里山をさらに奥に進み、若手作家たちの窯元が集まっているという陶里ヶ丘というエリアを訪れました。旅の記念に何か買い求めたいと思い、いくつかギャラリーを訪れましたが、これ!というお気に入りに出会えなくて残念でした。

山裾一帯にみかん畑が広がっているのが、愛媛ならではの風景です。霧に煙る幻想的な里山の景色を眺めながら、松山へともどりました。

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松山ではまず、松山城のふもとに2007年にオープンした「坂の上の雲ミュージアム」を訪れました。松山市では、司馬遼太郎さんの小説「坂の上の雲」をテーマに、街全体をひとつのミュージアムとする活動を進めていて、ここはその中心を担う施設となっています。

展示は松山出身の3人の主人公、秋山好古・真之兄弟と正岡子規の生い立ちに関するものが中心で、特に目新しい内容ではありませんでしたが、ここでは、安藤忠雄さんが設計された建築を見るのを楽しみにしていました。

コンクリートとガラス面を組み合わせた三角形の建物で、2階から4階へにかけて、ゆるやかなスロープを回遊するように上りながら、各展示を見て回れるようになっています。三角形は3人の主人公、スロープは一朶(いちだ)の雲を見つめながら上っていく坂道を表しているのでしょうか。

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(左)産経新聞に4年半にわたって連載された「坂の上の雲」全1296回が、壁一面を埋め尽くしていたのが圧巻でした。 (右)建物の中心を貫くように設けられた階段は、支柱の役割も果たしています。

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坂の上の雲ミュージアムのすぐ裏手に、「萬翠荘」という大きな洋館があって目を惹きました。これは、旧松山藩主の子孫、久松定謨(ひさまつ・さだこと)伯爵が建てた別邸だそうで、フランスに長く駐在されていた伯爵好みのフランス風の建築となっています。

若き日の久松定謨に同行してフランスに留学したのが、「坂の上の雲」の主人公 秋山好古で、それが後にフランスの騎兵戦術を日本に取り入れるきっかけとなりました。建物を見ながら、運命のめぐりあわせと、それによって歴史が作られていくことの神秘を思わずにはいられませんでした。

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