« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »

2012年9月

「デンジャラス・ラン」

デンゼル・ワシントン主演のサスペンス・アクション、「デンジャラス・ラン」(Safe House)を見ました。大物犯罪者と彼を守る新米CIA局員の逃亡劇。迫力あるアクション・シーンの連続と緊迫する展開を楽しみました。監督はスウェーデン出身の新人ダニエル・エスピノーサ。

Safe_house

元CIAの凄腕諜報員でありながら国家機密を敵国に流す情報密売人として世界36ヶ国で指名手配されているトビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)が、南アフリカ共和国の米国領事館に出頭し、新米局員のマット(ライアン・レイノルズ)が管理人を務める、セーフハウスとよばれるCIAの隠れ家に移送されます。

ところが何者かによってセーフハウスが襲撃され、マットは何がなんだかわからないままに、CIA本部からの指示により、正体不明の敵からフロストを守るため、ともに命がけの逃亡を続けます…。

Safe_house_3_2

デンゼル・ワシントンの最新作だというのに、公開間もなく夜の回や小さなシアターに押しやられていたので、少々不安になりながらの鑑賞でしたが… 設定もおもしろかったし、アクションは大迫力で、私にはとっても楽しめました。

フロストは頭は切れるし、運動能力は高い、おまけに心理操作にも長けたスペシャリスト。そんな彼がなぜ悪事に手を染めたのかというと、それには相応の理由があったのだ…と後になってからわかります。

一方のマットはCIAの局員といっても仕事はセーフハウスの管理人。パリへの転属を希望するも聞き入れられず、このままでは経験も積めない…と悶々とする日々。そこにフロストを守るという大きな仕事をまかされて、千載一遇のチャンス…のはずですが、フロストがマットのいうことをおとなしく聞くはずがない。

正体不明の敵をかわしながら、一方では隙あらば逃げ出そうとするフロストに翻弄され、いっぱいいっぱいのマット。最初は新人のマットなど相手にもしないフロストでしたが、逃げたフロストの居場所をマットが突き止めたあたりから、「こいつ、なかなかやるな」と思い始めたみたい…。

フロストに振り回されながら、マットが少しずつ成長し、二人の間に信頼関係が生まれていくところがよかった。フロストがマットに「関係のない人を巻き込んで殺してはいけない」と諭すところなど、じ~んとくるシーンもありました。デンゼルの渋い演技が光っていました。

ラストは、こんなにうまくいくかな?と思わなくもなかったですが、素直に楽しめる作品でした。

| | コメント (2) | トラックバック (6)

お菓子工房 2012

毎年この時期に作っているバザーのお菓子、今年は少しラクさせていただいて、CUOCAさんのマフィンミックスを使うことにしました。

001_convert_20120927022449_2

以前、チョコマフィンミックスがセールの時に試したら、簡単においしくできたので、何かの時には利用してみよう、と思っていたのです。プレーンとチョコレート、それぞれ1kgずつ購入しました。卵と水、サラダ油を混ぜて生地を作り、フルーツやナッツを混ぜて4種類のマフィンを焼きました。

055_convert_20120927022557 058_convert_20120927022709

(左)先日摘んだブルーベリーを混ぜて焼いたブルーベリーマフィン(11個) (右)先日買ったHershey'sのチョコチップを混ぜて焼いたチョコチップマフィン(9個)

061_convert_20120927022825 066_convert_20120927022946

(左)刻んだくるみを混ぜて焼いたくるみチョコレートマフィン(13個) (右)スライスしたバナナを挿して焼いたバナナチョコレートマフィン(11個)

069_convert_20120927023121

ラッピングは家にあるものを使いました。プレーン生地のマフィンは、黄色い模様の入った袋にオレンジ~茶系のリボンを使って。

075_convert_20120927023302

チョコレート生地のマフィンは、白い模様の入った袋に、オレンジ~赤系のリボンを使ってラッピングしました。ラベルは印刷すれば簡単だけど、やはり手書きの方が喜ばれます。合計44個のマフィンを2つのダンボール箱に詰めてデリバリーしました。

095_convert_20120927023425_2

リボンが好きで、ラッピングやクラフト等に使えるよう、あれこれ常備しています。でもお気に入りのリボンは、もったいなくてなかなか使えません。

過去のバザーのお菓子記事をまとめておきます。

cake 2011年(パウンドケーキ5種)
cake 2010年(フィナンシエ・キャロットケーキ・ガトーショコラ)
cake 2009年(ポルポローネ4種)
cake 2008年(チョコチップクッキー・シフォンケーキ・パウンドケーキ2種)

| | コメント (6) | トラックバック (0)

アウンサンスーチー 「自由 自ら綴った祖国愛の記録」

映画「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」(感想はコチラ)を見て興味を持ち、映画の公式HPで参考図書として紹介されていたアウンサンスーチー著「自由 自ら綴った祖国愛の記録」(Freedom from Fear)を読みました。

この本は、映画にも登場したスーチーさんの夫で、イギリスに遠く離れて住むことを余儀なくされたマイケル・アリス氏が、スーチーさんの著作、インタビュー、スピーチなどの原稿を集め、編集したものです。

映画を見て、スーチーさんの祖国ビルマの平和と民主化を願う強い思いは十分に伝わってきましたが、本を読んで、スーチーさんの強靭な精神力の背景にあるもの、勇気ある行動の礎となったものについて、より理解を深めることができました。

Freedom_from_fear

全く政治経験のなかったスーチーさんが、民主主義活動家たちから懇願されて、ビルマ民主化運動のリーダーとなったことは、一見唐突に感じられますが、ビルマ建国の父とよばれるアウンサン将軍の娘であるスーチーさんにとって、政治はいつも家族の中心にあるテーマでした。

そして、子どもの頃からインド、イギリスと海外で生活して教育を受け、イギリス人と結婚しても、祖国への愛と献身の気持ちはいつも心にありました。もしも祖国が自分を必要とする時がきたら、いつでもそのために本分を尽くそう、という覚悟ができていたのだそうです。

スーチーさんが父親を亡くしたのはわずか9歳の時でしたが、それから彼女は父親に関する膨大な文献を読み、その理想が自分の考えと一致することを理解していました。またマイケルと結婚する際も、いつかビルマに帰らなければならない時がくるだろうから、その時は支えて欲しいと伝えていたそうです。

彼女自身は政治の世界に身を置くことに興味はなく、祖国ビルマに真の民主化が実現したら、いつでも退くつもりだと公言しています。人の上に立ちたいという野心を全く持たないスーチーさんの心にあるのは、ただ祖国のために役に立ちたいという清廉な使命感なのだと思います。

特に、首都ラングーンの中心にある聖地シュエダゴン・パゴダ(寺院)での「第一声」と「民族間の団結を訴える」スピーチからは、国民ひとりひとりに「民主化のために勇気をもって立ち上がろう」と訴える、まっすぐで真摯な思いが伝わってきて、心を打たれました。

          clover          clover         clover

映像の力にははかり知れないものがあって、映画を見て以来、新聞やネットニュースでミャンマー(ビルマ)に関する記事を見つけると、気に留めるようになりました。ちょうど映画を見た頃に出た雑誌「WEDGE」(ウェッジ)がミャンマー特集だったので、こちらも手に取りました。

Wedge

民主化がようやく軌道に乗り始め、これから日本との民間レベルでのつながりはますます強くなりそうです。高い技術力やきめ細やかなサービスなど、日本の企業が多くの分野でミャンマーの経済成長に貢献できるのでは、という両国の思惑と期待が伝わってきました。

| | コメント (4) | トラックバック (1)

ブルーベリー狩り 2012

2年前に練馬区でブルーベリー狩りをしたのが楽しかったので、今年も行ってきました。ブルーベリーのシーズンはそろそろ終わりですが、なんとかぎりぎりセーフで間に合いました。

cherry 練馬区ブルーベリー観光農園 公式HP ⇒ 開園情報

(練馬区には20軒以上のブルーベリー農園があり、開園情報は随時アップデートされています。今年はもうほとんど閉園していますが、来年を楽しみに…。)

前回は内堀農園さんでお世話になりましたが(記事はコチラ)、今年は「高橋ブルーベリーガーデン」さんを訪れました。内堀農園さんに比べるとこじんまりとした印象ですが、それでも8種類100本以上のブルーベリーが植えられているそうです。

100_convert_20120921091358

朝、予約の電話を入れておきました。昔ながらの大きな農家のお宅で、おかみさんからプラスチックのかごを受け取り、畑に入って自由にブルーベリーを摘みます。畑には人が常駐しておらず、なんともおおらかな雰囲気です。

080_convert_20120921090644

手前のブルーベリーの木はすっかり終わっていましたが、奥に9月に採れる品種があり、たわわに実っていました。味見をすると、ジューシィで甘くて、とってもおいしい。大粒でしわのない実を選びながら、どんどん摘んでいきました。

094_convert_20120921091218_2 078_convert_20120921090531

みるみるうちに、かごがいっぱいになっていきます。途中で、ご近所に住む小さい女の子を連れたお父さんが摘みにきただけで、あとは貸切状態。柔らかな彩りの葉っぱと実が美しく、畑の恵みに触れて、心が豊かになるのを感じます。

092_convert_20120921091055 091_convert_20120921090809

この日はカ~ッと晴れたかと思うと、バラバラと雨の降る不安定なお天気でしたが、畑にいる間は、ほどよく晴れていてよかったです。

001_convert_20120921091716 Blueberries_3

(左)前回は興奮して摘みすぎたので、今年は少しセーブしましたが、それでもこんなにたくさんになりました。お菓子に入れてもおいしいですが、しばらくはヨーグルトに入れるなどして、そのままシンプルに味わいたいです。(右)練馬区ブルーベリー観光農園のキャラクターです。^^

練馬区は農地を保存するため力を入れているようです。都内にいながらにして小旅行気分が味わえるブルーベリー狩り。来年も是非楽しみたいです。

| | コメント (8) | トラックバック (1)

「アベンジャーズ」

MARVELコミックの人気映画、「アイアンマン」「ハルク」「マイティ・ソー」「キャプテン・アメリカ」からスーパーヒーローたちが大集合したアクション大作、「アベンジャーズ」(The Avengers)を見ました。大人も無邪気に楽しめる、アメリカらしいエンターテイメント・ムービーです。

The_avengers_2

国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.で研究している無敵の力を持つ四次元キューブが、邪悪な神ロキ(トム・ヒドルソン)によって強奪されてしまいます。長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)はヒーローたちを集めて”アベンジャーズ”を結成し、地球侵略を企むロキを阻止しようと立ち上がります…。

The_avengers_1

思いがけなく見に行くことになりましたが、「マイティ・ソー」は見ているものの、「アイアンマン」は飛行機の中で途中までしか見ていないし、そういえば「ハルク」は子どもの頃にアニメで見たことあったっけ… というなんとも心許ない状態。

とはいえ、映画が始まってしまえば、そんな心配は杞憂に終わり、見ている間にそれぞれのヒーローたちのキャラクターや背景がなんとなくわかってくるようになっていたので、それはそれで別の楽しみ方ができました。

例えば、インドで医療活動をしているブルースがやたらと”もうひとりの自分”と言っていたのも、長い眠りから覚めたスティーヴが何かとドイツネタでからかわれていたのも、後になってからそういうことか、と納得した次第。^^

フューリー長官以下、アベンジャーズを構成する最強メンバーは次の6人です。

impact 自ら開発したパワードスーツでアイアンマンに変身する…
   トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)

punch 第2次世界大戦の戦士、キャプテン・アメリカこと…
   スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)

club 怒りによって巨人ハルクに変身する科学者…
   ブルース・バナー(マーク・ラファロ)

thunder 神々の国アスガルドの王子ソー(クリス・ヘムズワース)

sagittarius 弓の名手ホークアイことクリント・バートン(ジェレミー・レナー)

heart 女スパイのブラック・ウィドウこと…
   ナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)

それぞれ個性の強いヒーローたちが互いに主張し、ぶつかりあいながも、最後にはひとつになって戦うというヒーローものの王道をいくストーリーですが、迫力ある映像とアクション、華やかなキャストが魅力的。きゃーきゃーわいわい、楽しめました。

ニューヨークの街をさんざんめちゃくちゃにしておきながら、ロキがいとも簡単に降参し、ソーと仲良くアスガルドに帰っていったので、そんなことなら最初から暴れるな~となんだかおかしくなりました。

エンドロールの後の”お疲れさん会”も最高です。どうぞお見逃しなく。

| | コメント (4) | トラックバック (3)

白花豆のギリシャ風 & いちじくのショートケーキ

お惣菜やケーキを買うことはめったにありませんが…

071_convert_20120918084654

デパートの広告を見ておいしそうだな~と思い、アイデアをいただいて作ってみました。(写真の右下と左上)

040_convert_20120918083737

clover ギリシャ風 白花豆の煮込み clover

”白花豆×トマトソースを組み合わせたギリシャ料理”とあったので、コトコト柔らかく煮た白花豆と、別に作ったトマトソースを合わせて軽く煮込んで作りました。パスタの副菜としていただきましたが、お肉料理のつけ合わせにも合いそうですね。

このままでもお豆がほっこりとしておいしかったですが、にんにくや赤唐辛子をオリーブ油で炒めてから煮込むと、パンチの効いた味になりそう。また試してみようと思います。

056_convert_20120918084550

cake いちじくのショートケーキ cake

いちじくは大好きな果物で、この時期クランブルやコンポート、タルトとあの手この手でいただきますが、そういえばショートケーキにしたことはなかったな… と思い、作ってみました。

007_convert_20120918083430 046_convert_20120918083936

(左)今がシーズンのいちじく。 (右)まずは、スポンジケーキをスクエア型で焼いて冷まします。

053_convert_20120918084402

四角く焼いたスポンジは厚さ半分にカットして、間にシロップ、生クリーム、くし形に切ったいちじくをはさみ、上にもシロップ、生クリームをぬります。ケーキをカットしてから、くし形に切ったいちじくを飾ってできあがり。

見た目は素人仕事ですが…^^; いちじくの穏やかな甘さが、ふわふわのスポンジと生クリームによく合い、おいしくいただきました。

          maple           maple          maple

【 おまけ 】 まだまだ夏の暑さが続いていますが、味覚の方は一足先に秋を楽しんでいます。

036_convert_20120918083608

栗ごはんと秋刀魚の塩焼き~☆ 定番ですが、やっぱり季節の味は格別です。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

スクエア型で作るお菓子

スクエア型ひとつで作れるという簡単お菓子の本を見つけたので、あれこれ作ってみました。

Square_cake

スクエア型で作るママのかんたんおやつ

焼き菓子からプリン、チーズケーキなどなど30種類ほどのケーキが紹介されていますが、どれも19cm角のスクエア型を使って作られています。特別な道具や材料を使わずに作る簡単お菓子は、素朴な風合いがあってどれもおいしそう。早速いくつか作ってみました。

092_convert_20120915151134 104_convert_20120915151306

chick カステラ chick

スポンジケーキの作り方とだいたい同じですが、卵を多めに使うのでしっとりと仕上がります。甘みはお砂糖のほか、はちみつも入れますが、さらにザラメも加えているので、カステラ特有のじゃりっとした食感が楽しめました。

060_convert_20120915151552

cherry ガトーショコラ cherry

チョコレート、粉類、バター、砂糖、卵を同量使って作る、しっとりとコクのあるケーキ。三角に切り分けて、軽く泡立てた中クリームと自家製のブルーベリージャムを飾り、ココアをふるって仕上げました。

023_convert_20120915151429

clover キャロットケーキ clover

いつものキャロットケーキに比べてにんじんのすりおろしがたくさん入るせいか、しっとりした仕上がりになりました。上にはクリームチーズと砂糖を混ぜて作ったアイシングを塗り、フォークで模様を描きました。

033_convert_20120915151720 040_convert_20120915151820

cherry クラフティ cherry

カスタード生地を焼いたお菓子で、むちっとした食感が味わえます。生地を半分流して焼いてから、水気を切った缶詰のダークチェリーを散らし、残りの生地を注いで焼き上げるので、ダークチェリーが底に沈みません。

          cake          cake          cake

お菓子の型はいろいろ持っていますが、スクエア型ひとつでこれだけバラエティに富んだお菓子が作れる、というのが新鮮な驚きでした。それに、四角や三角と人数に応じて、何通りにも好きなように切り分けられる、というのがすばらしい。スクエア型の魅力を再発見しました。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

フェルディナント・フォン・シーラッハ 「罪悪」

ドイツの作家、フェルディナント・フォン・シーラッハの第2作、「罪悪」(Schuld)を読みました。デビュー作の「犯罪」(感想はコチラ)がおもしろかったので、今回も読むのを楽しみにしていました。15編からなる短編集です。

Schuld

表紙が前作に似ていますが、内容やスタイルも同様で、前作の続編といった感じでした。すなわち弁護士でもある筆者がおそらく関わったのであろう奇怪な事件の数々が、ひやりとした客観的な筆致で、淡々と描かれています。

前作「犯罪」の印象があまりに鮮烈だったので、それに比べると(免疫があったので)衝撃はやや薄れましたが、シーラッハ独特の語り口は健在で、不思議な磁力があってぐいぐい引き込まれました。

個人的には前作に比べて、後味が悪い作品が多かったように思いました。ひょっとして、前作は読者の様子をうかがいながら書かれたのに対し、今回は読者を気にせず、自由に書かれたのかもしれないな… なんて思いながら読みました。

          libra          libra          libra

法律というのは社会の秩序を守るために人間が便宜上に作ったもので、解釈によって如何様にもぶれるもの。いい方向にぶれれば、人情味のある大岡裁きにもなりますが、今回は法の隙間をついたケースや、法の限界を示した作品が多かったように感じました。

例えば、冒頭の「ふるさと祭り」。これは祭りの日に起こった、若い女性に対する集団暴行事件を題材にした作品ですが、作者は弁護士になって初めての仕事でこの事件を担当し、明らかに加害者とわかっている男たちの弁護団に加わり、無罪を勝ち取ります。

この時、自分はもはや罪なき身ではなくなった、と告白する作者のことばに、弁護士というしごとの業、そしてそれを受け入れることを決意した若き日の作者の覚悟が静かに伝わってきました。作者にとって、小説を書くということがこうした苦しみの告白になっているのかもしれないな… と思いました。

それから「清算」という作品。これは”罪が裁かれない”ことにやぶさかではないけれど、後味の悪さを残しました。長い間夫の暴力に耐え続けてきた女性が、最後に夫を殺してしまいます。彼女の立場には大いに同情するものの、証拠を見てみぬふりをして正当防衛と認める裁決はいかがなものか。

最後の最後に大どんでんがえしがあったために、なおさらこの裁判長の判断に複雑な思いを抱いてしまいました。お話としてはおもしろかったですが…。

シーラッハの作品は、冷酷な犯罪や凄惨な事件も登場しますが、鋭利な刃物で綴られたような独特の筆致に魅力があって好きです。次なる作品は初めての長編小説だそうで、こちらも今から楽しみです。

| | コメント (4) | トラックバック (1)

麻布十番 「Brasserie Tomo」

フランス映画を見た後に、フランス料理を食べたくなって、麻布十番の商店街をぶらぶら…。小さなビルの入り口に出ていたメニューを見て、「Brasserie Tomo」(ブラッセリー トモ)というお店に入ってみました。

ビルの2階にあるお店なので外から様子がわからず、入るまではちょっと心配でしたが… シックで温かみのあるインテリア、窓から柔らかく陽が差し込む落ち着いた佇まいのお店でした。ご夫婦と息子さん?の家族経営らしい、ほのぼのとした雰囲気がくつろげました。

サラダ、スープ、メインのお料理(肉or魚)にデザートとコーヒーがつくコースをいただきました。(HPを見ると3500円~とありますが、1500円からお手頃なコースがいくつか用意されていました。)

073_convert_20120912094417 074_convert_20120912094514

(左) 生ハムとピンクグレープフルーツのサラダ。数種類のレタスとともにフレンチドレッシングであえてありました。上にはゴルゴンゾーラチーズがパラパラと。私はクセのあるチーズが少し苦手ですが、チーズのコクと塩味がサラダになじんで相性抜群でした。

(右) 赤パプリカの冷たいポタージュ。ワイングラス(カクテルグラス?)でサーブされました。中央に見えるのはコンソメのジュレです。パプリカのクセも気にならず、まろやかでおいしかったです。夏らしいお味でした。

076_convert_20120912094623

お肉料理はチキンのソテー(もっと難しい名前だったかも^^;)。ぱりっと焼き目のついた皮がいい感じ。肉汁とマスタードの風味を生かしたソースがよく合いました。付け合せが和のテイストで秋らしさを感じます。パンといただきましたが、ごはんにも合いそう。

077_convert_20120912094724

秋鮭のおいしい季節… 私はサーモンのソテーをいただきました。クリーミィなソースが脂ののった柔らかいサーモンによく合いました。九条ねぎや青梗菜など、こちらのつけ合わせも和のテイストが取り入れられていました。

078_convert_20120912094827_2

デザートはクリーミィなプリンです。桃やぶどうなど季節の果物とともに盛り付けられ、カラメルソースがかかっていました。コーヒーとともに。

テーブルにフォークとナイフのほかにお箸がセットされ、和テイストを生かしたフランス料理はどれもおいしかったです。

006_convert_20120912094301_2

改築で長い間クローズしていた、広尾のナショナル麻布スーパーマーケットが新装開店していたので、帰りによってみました。今は輸入食品のお店もいろいろあるので、足を運ぶこともなくなりましたが、ここのスーパーの独特の雰囲気が好きです。2階の雑貨や洋書のコーナーも楽しい。

オープニングセールをしていましたが、国産のにんにくが驚くほど安かった@@ Hershey'sのチョコチップはお菓子作り用に。ケーキミックスやハロウィーングッズなど、見ているだけで楽しかったです。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

「最強のふたり」

2011年にヨーロッパで大ヒットしたフランス映画、「最強のふたり」(Intouchables)を見ました。車椅子に乗った身障者の大富豪と、彼を介護することになったスラム街の黒人の若者との友情を、ユーモアたっぷりに描いた実話に基づくドラマです。

Intouchables_1_2

パラグライダーの事故で首から下が麻痺し、車椅子生活を送っている富豪のフィリップが介護者を採用する面接に、スラム街に住む黒人青年ドリスがやってきます。彼の目的は不採用通知をもらって失業手当を受けること。しかし型破りなドリスに興味を持ったフィリップは、彼を仮採用します。

それまで全く違う世界で生きてきた二人でしたが、その垣根をものともせず、本音でぶつかってくるドリスに、フィリップの心は徐々に解き放たれ、やがて二人はかけがえのない友情で結ばれていきます…。

Intouchables_2_2

サスペンスタッチのオープニングに意表をつかれましたが、予告で感じたとおりの心温まるすてきなお話でした。とにかくドリスのキャラクターが強烈。面接の時も失礼この上ない態度で、フィリップはよく採用したと思いますが、彼は今まで散々人から身障者然と労わられてきたことに嫌気が差していたのでしょうね。

フィリップのところで働き始めてからも、ドリスは言いたいことをずけずけ言い、自分のペースでやりたい放題。でも、彼の歯に衣着せぬ物言いや裏表のない態度は、まわりをぱっと明るくする不思議な力がありました。

ドリスはフィリップを身障者用のヴァンではなく、スポーツカーの助手席に乗せたり、車椅子で疾走したり、体の調子が悪いときにドラッグを勧めたり… 専門家が見たら眉をひそめそうですが、身障者ではなくひとりの人間として接してもらって、フィリップはとてもうれしそう。

フィリップの方も、ドリスを自家用飛行機に乗せて、山までパラグライダーに行ったり、アートの買い物につき合わせたり、クラシック音楽の演奏を目の前で聴かせたり… 自分の世界にどんどん引き込んでいました。

それにいちいち無邪気に反応するドリスは、楽しくて見ていて飽きない。ドリス独自の感性による美術評、音楽評は最高におかしくて(でも実は的を得ていて)、大笑いしました。

ドリスとフィリップのやりとりも楽しかったですが、フィリップの秘書を務める二人の女性が実に魅力的でした。ドリスの下品なジョークに、さりげなくユーモアで返すところがおみごと。会話のセンスや、大人の女性が輝いているところに、フランスらしさを感じました。

| | コメント (8) | トラックバック (15)

夏野菜の麻婆 & 根菜と肉だんごの黒酢あん

最近、いつもの中華にいろいろな野菜を入れて、カラフルに作るのがお気に入りです。

048_convert_20120909092900

sun 夏野菜の麻婆 sun

麻婆茄子のレシピで、揚げた茄子とズッキーニ、自家製ドライトマトを入れて作りました。麻婆茄子&ズッキーニは2種類の野菜の色と食感のコントラストがおもしろくて、以前からよく作っていましたが、今回はそれに加えて自家製のセミドライトマトを入れた、というのがポイント。

セミドライトマトはオーブンに入れ放しで簡単にできますし、生で使うより旨味が増すので、家ではパスタなどによく入れていますが、実は中華にも合うのでは?と秘かに思っていました。

期待どおりに、セミドライトマトのコクのある甘みがぴりりと辛い麻婆味に絶妙にマッチしてとてもおいしかったです。今度は、セミドライトマトだけで麻婆を作ってみたくなりました。

067_convert_20120909092632

pig 根菜と肉だんごの黒酢あん pig

肉だんごの甘酢あんのレシピですが、肉だんごを揚げる前にいろいろな野菜を揚げ、いっしょに黒酢で作った甘酢あんにからませました。野菜は冷蔵庫に入っていたのを片っ端から揚げたので、今回は根菜中心になりましたが、その時によっていろいろな組み合わせが楽しめそうです。

065_convert_20120909092745

この日入れたのは、ごぼう、れんこん、にんじん、さつまいも、ズッキーニ、オクラ、しいたけ。素揚げしただけでもカラフルでおいしそう。このまま塩を軽くふったら、野菜チップスみたいにいただけますね。

野菜の種類が多いと見た目もカラフルできれいですし、いろいろな味のコンビネーションが楽しめるのがうれしい。一度に何品目も取れるので体によさそうですし、冷蔵庫の整理にもなる… というわけで、一石四鳥いいことづくしのお料理です。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

マーガレット・ハンフリーズ 「からのゆりかご」

映画「オレンジと太陽」の原作、マーガレット・ハンフリーズ著「からのゆりかご 大英帝国の迷い子たち」(Empty Cradles)を読みました。1890~1970年頃まで、イギリス政府がオーストラリアはじめ英領植民地に向けて秘かに行っていた、強制児童移民の実態を明らかにしたノンフィクションです。

Empty_cradles

著者のマーガレット・ハンフリーズは映画のモデルとなったソーシャルワーカー。1986年、ある女性から「私が誰か調べて欲しい」と依頼されたことがきっかけで、はじめてこの問題の存在を知り、以来植民地に送られた孤児たちとイギリスに残された家族とを結びつける活動を続けています。

詳細については、映画の感想をご覧いただけたらと思います。
movie 「オレンジと太陽」

映画が取り上げていた孤児たちに関するエピソードはどれも本書に登場しますが、両者に内容のギャップはなく、ジム・ローチ監督が事実を過度に脚色することなく、まっすぐな思いで映像化されたことが伝わってきました。

          clover          clover          clover

本の内容は、映画でも取り上げられたオーストラリアにおけるケースが中心ですが、それ以外にニュージーランド、カナダ、ローデシア(現ジンバブエ)といった植民地にも、イギリスから孤児たちが送られたことが書かれています。

どうしてこのようなことが行われたのでしょう。映画では、その理由を「植民地における人口政策」としていましたが、本ではもっと踏み込んだ内容に触れていました。そこにはオーストラリアの地理的背景が大きく関わっていたようです。

つまりオーストラリアは地理的にアジアに近いため、近隣のアジア諸国から大量の移民がやってきて”アジアの国”になってしまうことを恐れたのです。折りしも世界大戦で日本が太平洋で暴れまわっていた時期とも重なります。

アジアの脅威から守るため、オーストラリアではイギリス本国から計画的に白人を移住させる必要がありました。それには、抵抗できない子どもたちを言いくるめて連れてきてしまうのが一番手っ取り早かったのです。イギリス側も、孤児たちにかかる福祉費を削ることができるというメリットがありました。

孤児たちの心を考えず、まるで荷物のように扱った両政府。何も知らずにやってきた子どもたちを待っていたのは過酷な労働や虐待でしたが、愛を知らずに育った子どもたちは、成長してからも心の傷は消えず、ふつうに社会生活や家庭生活を送ることを難しくしているそうです。

ローデシアの場合は少し事情が違っていました。ここに送られた子どもたちは指導層として育てられたため、現地の子どもたちと違って学校にも行き、比較的裕福な暮らしができたようです。それでも故郷と肉親を切り離されたことで、孤児たちは根無し草のような喪失感を抱えているのです。

内容はずっしりと重いですが、マーガレット自身が語ることばには真摯な情熱がみなぎり、ぐいぐい引きつけられました。映画からも彼女の粘り強い働きは伝わってきましたが、読んでよかったと思いました。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

ブロードウェイミュージカル 「シカゴ」

米倉涼子さんの凱旋公演、ブロードウェイミュージカルの「シカゴ」(Chicago)を見に行きました。場所は、赤坂ACTシアターです。

シカゴは、ニューヨークのブロードウェイの舞台と映画と見ていますが、大人の魅力があって楽しくて大好きなミュージカルです。米倉涼子さんはすてきな女優さんですし、がんばっている姿を応援したい気持ちもあって、今回の舞台を楽しみにしていました。

Chicago

このミュージカル、バンドがオーケストラピットに隠れていないで、舞台の真ん中に大きく陣取っているのがユニークです。舞台は黒一色で、舞台装置は左右の袖にそれぞれ天井までのはしごがあるだけ、というシンプルさ。

ダンサーたちの衣装も全員黒一色に統一されていて、スリップやガーター、黒いレースに透けたシャツ… とセクシーな衣装も多いですが、いやらしさは全くなく、鍛えられた体や魅惑的なダンスを引き立てて、とにかくかっこいいのです。

バックダンサーたちは黒い衣装のまま、ある時は警察官、ある時は報道陣と役柄が変わり、また何もないシンプルな舞台が、ある時は刑務所の中、ある時は法廷という具合に、観客のイマジネーションを借りて展開していくところが、舞台ならではのおもしろさになっています。

物語の舞台は1920年代のシカゴ。夫や愛人を殺害しても、自分が悪いなんてこれっぽっちも思わない。悪徳弁護士の力を借りて無罪を勝ち取り、あわよくばこの機会に有名になってスターダムにのしあがろうという、前向きでしたたかな女囚人たちの姿がコミカルに描かれます。

私のイメージではロキシーはかわいい悪女、そしてヴェルマはかっこいい悪女。米倉さんはどちらかというとかっこいい女性というイメージですが、大柄な欧米の俳優さんたちの中にいると、ほんとうに華奢でかわいらしくて、ロキシー役はまさにうってつけと思いました。

英語での歌とセリフ、演技、そしてダンスとどれもみごとで、ブロードウェイの一流のミュージカル俳優さんたちが脇をしっかり固めていることもありますが、ひときわ存在感があって輝いていました。フィナーレでは感激して私も涙ぐんでしまいました…。

楽しい時間をすごすとともに、米倉さんのチャレンジ精神に励まされました。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

「マイ・ボディガード」

先月亡くなられたトニー・スコット監督の代表作、デンゼル・ワシントン&ダコタ・ファニング主演のサスペンスアクション、「マイ・ボディガード」(Man on Fire)を見ました。原作はA.J.クィネルの「燃える男」。2004年のヒット作品です。

Man_on_fire

米軍で長年、対テロ活動の暗殺部隊にいたクリーシー(デンゼル・ワシントン)は、引退した今も過去の記憶に苦しめられ、アルコールに頼る毎日を送っていました。しかしある時、軍時代の友人から紹介されて、メキシコシティに住む実業家の9歳になるひとり娘、ピタ(ダコタ・ファニング)を護衛する仕事を引き受けます。

過去の罪の意識から硬く心を閉ざしていたクリーシーでしたが、無邪気に懐に飛び込んでくるピタと接していく中で少しずつ生きる喜びを見出し、二人はお互いにかけがえのない存在となります。しかしそんな二人に魔の手が伸び、ピタが何者かに誘拐されてしまいます…。

Man_on_fire_2

ともに孤独を抱えた殺し屋と少女の物語に、なんとなく「レオン」を思い出しました。クリーシーは殺し屋というわけではありませんが、軍では相当きつい仕事をしてきたようです。はっきりとは描かれませんが、毎夜うなされ、手には銃弾の跡、聖書に救いを求める姿から彼の苦しみが伝わってきました。

ピタは両親が健在で裕福でもあるけれど、忙しくてあまりかまってもらえません。治安の悪いメキシコでは学校に通うのも厳しいセキュリティをくぐらなければならない有様で、友達とも気軽に遊べません。彼女にとってクリーシーは文字通りたった一人の友人でした。

前半では、ピタとクリーシーが少しずつ心を通わせていく様子がていねいに描かれ、温かい気持ちでいっぱいになりますが、ピタが誘拐されてからの後半は、優しかったクリーシーが凄まじい復讐の鬼となる、バイオレンスアクションへとがらりと変わります!

後半ではフラッシュ映像が多用されていて、目がチカチカして疲れますが、その分残虐なシーンがわかりにくくなっていたのは助かりました。^^; クリーシーは車のナンバープレートから”エルマンダー(兄弟)”という犯罪組織を突き止めますが、その背後に汚職警察官が絡んでいることがわかってきます…。

2時間半と少々長いですが、前半がていねいに描かれることで、クリーシーがなぜそこまでピタを守ろうとしたかが理解できますし、また後半の凄まじさでクリーシーの過去がうかがえました。なんとなく予想はしていたものの、エンディングはやっぱり切なかったです。

Man_on_fire_3

↑ 結末ではありません。

ストーリーとは関係ありませんが、メキシコシティのタクシーがグリーンのビートルというのが興味深かったです。でもこのタクシー、残念ながら2008年に引退してしまったそうです。(ニュースソースはコチラ

トニー・スコット監督作品は、お兄さんのリドリー・スコット監督ほど大作というわけではありませんが、フィルモグラフィを見ると、ハズレがなくてどれも楽しい作品だったなあと思いました。私が見た中では、エネミー・オブ・アメリカが特に印象に残っています。ご冥福をお祈りします。

| | コメント (12) | トラックバック (0)

« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »