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アウンサンスーチー 「自由 自ら綴った祖国愛の記録」

映画「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」(感想はコチラ)を見て興味を持ち、映画の公式HPで参考図書として紹介されていたアウンサンスーチー著「自由 自ら綴った祖国愛の記録」(Freedom from Fear)を読みました。

この本は、映画にも登場したスーチーさんの夫で、イギリスに遠く離れて住むことを余儀なくされたマイケル・アリス氏が、スーチーさんの著作、インタビュー、スピーチなどの原稿を集め、編集したものです。

映画を見て、スーチーさんの祖国ビルマの平和と民主化を願う強い思いは十分に伝わってきましたが、本を読んで、スーチーさんの強靭な精神力の背景にあるもの、勇気ある行動の礎となったものについて、より理解を深めることができました。

Freedom_from_fear

全く政治経験のなかったスーチーさんが、民主主義活動家たちから懇願されて、ビルマ民主化運動のリーダーとなったことは、一見唐突に感じられますが、ビルマ建国の父とよばれるアウンサン将軍の娘であるスーチーさんにとって、政治はいつも家族の中心にあるテーマでした。

そして、子どもの頃からインド、イギリスと海外で生活して教育を受け、イギリス人と結婚しても、祖国への愛と献身の気持ちはいつも心にありました。もしも祖国が自分を必要とする時がきたら、いつでもそのために本分を尽くそう、という覚悟ができていたのだそうです。

スーチーさんが父親を亡くしたのはわずか9歳の時でしたが、それから彼女は父親に関する膨大な文献を読み、その理想が自分の考えと一致することを理解していました。またマイケルと結婚する際も、いつかビルマに帰らなければならない時がくるだろうから、その時は支えて欲しいと伝えていたそうです。

彼女自身は政治の世界に身を置くことに興味はなく、祖国ビルマに真の民主化が実現したら、いつでも退くつもりだと公言しています。人の上に立ちたいという野心を全く持たないスーチーさんの心にあるのは、ただ祖国のために役に立ちたいという清廉な使命感なのだと思います。

特に、首都ラングーンの中心にある聖地シュエダゴン・パゴダ(寺院)での「第一声」と「民族間の団結を訴える」スピーチからは、国民ひとりひとりに「民主化のために勇気をもって立ち上がろう」と訴える、まっすぐで真摯な思いが伝わってきて、心を打たれました。

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映像の力にははかり知れないものがあって、映画を見て以来、新聞やネットニュースでミャンマー(ビルマ)に関する記事を見つけると、気に留めるようになりました。ちょうど映画を見た頃に出た雑誌「WEDGE」(ウェッジ)がミャンマー特集だったので、こちらも手に取りました。

Wedge

民主化がようやく軌道に乗り始め、これから日本との民間レベルでのつながりはますます強くなりそうです。高い技術力やきめ細やかなサービスなど、日本の企業が多くの分野でミャンマーの経済成長に貢献できるのでは、という両国の思惑と期待が伝わってきました。

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コメント

民主化は、むしろこの国を混迷させてしまうでしょう。この国の本質は部族連合であり、最大派のビルマ族が権力を掌握しているに過ぎません。
亡命ビルマ人に云わせると、天皇が亡命もせず、また殺戮されることなく残った日本が羨ましいと。
カレン族のその方は、ビルマ族が信用できず、未だ帰国の意思はないとのこと。イギリスの分断統治はミャンマーの国体を破壊してしまいました。ビルマ人のすべてが、スー・チー女史を信頼している訳ではありません。あくまで欧米目線の民主化賛美は、ある意味危険だと思います。
むしろシンガポールやヴィトナムのような開発独裁型の政治のほうが、アジアの国情に合うと私は思いますよ。
なお、ミャンマーの人々が日本の支援を望んでいるのは確かだと思います。インド洋側のミャンマーと、太平洋側のヴェトナム、タイを結ぶ道路は、日本主導で行われて現地で高い評価をされています。

投稿: ヌマンタ | 2012年9月25日 (火) 12時17分

☆ ヌマンタさま ☆
どういう形で民主化を進めていくかは、かの国が議論を尽くして
決めることで、多様性を認めて議論を尽くすということが
そもそも民主主義ではないかと思います。
とはいえほぼ単一民族である日本とは違う難しさがあるのでしょうね。
日本のものづくりやサービスの質は、世界に誇れるもので
きっと息の長い支援ができるのでは…と思います。

投稿: ☆ ヌマンタさま ☆ | 2012年9月26日 (水) 01時01分

今、アジアの結びつきが難しく、日本も毎日
報道されているように、厳しい局面に立たされています。
私は詳しくないですが、色々な族で対立していて内政的に
ビルマは更に厳しく、どういう形であれ、なるべく多くの
人たちが良かったと感じるように落ち着けば・・・と祈るばかりです。

投稿: イザワ | 2012年9月27日 (木) 02時54分

☆ イザワさま ☆
ここのところ、日本と隣国との関係が急速に悪化していますが
それだけにアジアの他の諸国との関係を良好に保って
結束を強めていきたいものですね。
(そう単純にはいかないかもしれませんが…)
民間レベルでの日本の誠実な仕事ぶりはアジアでも認知されている
と思うので、できるところから支援していけたらいいですね。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2012年9月27日 (木) 10時59分

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夫の強力なサポート 公式サイト http://www.theladymovie.jp7月21日公開監督: リュック・ベッソンアウンサンスーチー(ミシェル・ヨー)は、留学先のイギリスで知り合ったマイケル [続きを読む]

受信: 2012年10月 1日 (月) 12時19分

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