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「ディア・ブラザー」

ヒラリー・スワンク、サム・ロックウェル主演の実話にもとづくドラマ、「ディア・ブラザー」(Conviction)を見ました。殺人罪で逮捕され終身刑となった兄を救うために、自ら弁護士の資格を取り無罪を勝ち取った女性の物語。2010年の作品です。(日本ではDVDリリースのみ)

Conviction

不遇な家庭に生まれ、小さい頃から肩を寄せ合うように生きてきたケニー(サム・ロックウェル)とベティ・アン(ヒラリー・スワンク)兄妹。今はそれぞれ家庭を持ち、幸せな人生を送っていましたが、ある日突然ケニーが殺人の容疑で逮捕され、裁判で終身刑を言い渡されてしまいます。

兄の無実を信じるベティ・アンでしたが、それを証明できる優秀な弁護士を雇うだけの費用の余裕はありません。そこで彼女は自ら弁護士資格を取り、兄のために戦うことを決意します。しかし、それは長い長い苦難の道への始まりでした…。

Conviction_6

アメリカでの興行がふるわず、日本では劇場未公開となりましたが、主人公のがんばりに素直に感動できる作品でした。日本でも先頃、某殺人事件で容疑者とされていた男性がDNA鑑定で無罪が証明され逆転勝訴した…というニュースがあったばかりだったので、まさにタイムリーで興味深く見ました。

ケニーは子煩悩な家庭人ですが、すぐにかっとなるタチでけんかっ早い。何かと問題を起こすので、日頃から警察に目をつけられていたようです。そこで、ただ加害者と同じ血液型というだけで、殺人犯として逮捕されてしまいます。1990年当時はまだDNA鑑定という科学的手法はなかったのです。

なんとしてでもケニーを助けたいベティ・アンは、自ら弁護士になることを決意しますが、まずは高校卒業資格を取るところから… という気の遠くなるような長い道のり。働きながら大学に通い、勉強しながら家事や子育てもこなさなければなりません。そのしわ寄せは家族にいき、結局夫と2人の息子たちは家を出てしまいます。

大切な家庭を壊してまで、何が彼女を駆り立てるのか…。ケニーとベティ・アンは恵まれない家庭でお互いを支え合い、誰よりも強い絆で結ばれ生きてきました。傍からみると、ケニーは素行が悪く、限りなくグレーにも見えるのですが^^; ベティ・アンにはケニーの無実が一点の曇りなく信じられたのでしょうね。

その後ベティ・アンは、DNAによる科学捜査を文献で知りますが、既に事件から10年以上が経過しているので、証拠品を探すのも至難の業。ようやく見つけるも、今度は警察に「実行犯でなくても、共犯の可能性がある」と反論されてしまいます。

Conviction_5

最終的にベティ・アンは18年かけ無罪を勝ち取りますが、死刑のある州だったらケニーはとっくに死んでいた、という事実にぞくっとしました。死刑制度の是非はともかく、誤認逮捕が関係する人たちの人生を大きく狂わせるということを、捜査する側は常に肝に銘じて欲しいです。不正捜査などもってのほか。

最後まで粘り強くあきらめない主人公に、ヒラリー・スワンクはぴったりのキャスティングでした。彼女を支える親友役を、「グッド・ウィル・ハンティング」のミニー・ドライヴァーが演じていたのもうれしかったです。

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コメント

誤認逮捕の問題は、日本でも最近大きく報じられていますね。
誤認逮捕というより、加害者に有利な証拠を隠し、無理やりに
犯人に仕立て上げられ・・・というような冤罪も多いようですし、
郵政制度の悪用事件の際の検察のデータ改ざんは、人を陥れる大犯罪。
検察の信用回復は生半可では払しょくできないと感じています。

投稿: イザワ | 2012年11月17日 (土) 02時44分

今晩は。cherry

ヒラリー・スワンクは自信の辛い体験もあるせいでしょうか、硬派なテーマをふくんだ作品に出る事が多いですよね。

でもこれが実話とは驚かされますね。
フィクションだと、「あり得ないでしょう~」っていう事が、現実にはたくさんあって、人間っていうのは凄いものだ・・といつも思わされます。

ベティ・アンが家族や自分の生活を犠牲にしてまで、兄を救う事を選択したのは、セレンディピティさんもおっしゃてる様に、「兄の人生を救う事」が彼女の中で最も重要な事だったからでしょうね。

その気持ちはとてもよくわかる気がします。

投稿: ごみつ | 2012年11月17日 (土) 21時24分

☆ イザワさま ☆
こんにちは。
この映画でも、警察は証人を脅して裁判で偽証させた
というとんでもない不正逮捕であったことが、後からわかりました。
ここまでひどいのは論外としても、
過去の犯罪から無理やり犯人に仕立てたり、
精神的に追い詰めて嘘の自白を強要したり、
という話は時々ありますね。捜査や裁判に関わる人は、
先入観で人を見てしまうことも決してあってはならないと改めて思いました。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2012年11月18日 (日) 10時14分

☆ ごみつさま ☆
こんにちは。
ヒラリー・スワンク、私の中では”がんばる女性”のイメージが
強いですが、ご自身も辛い体験をされているのですね。

18年間無実を求めてねばり強く努力されてきたことに
驚くとともに、なかなかできることではないですが励まされました。

彼女はお兄さんの無実を証明するために弁護士になったので
その後は弁護士としての仕事はしていないそうですが
多くの冤罪被害にあった方たちを支援されているそうですよ。

その後ご家族とはどうなったかわかりませんが
きっと息子さんたちはいずれ彼女のことを理解してくれるのでは
ないかな…?と思いました。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2012年11月18日 (日) 10時31分

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 兄のえん罪を晴らすために弁護士になった妹の物語なのだが、実話に基づいているらし [続きを読む]

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