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「カンパニーメン」

ベン・アフレック主演のヒューマンドラマ、「カンパニーメン」(The Company Men)を見ました。2008年のリーマンショックを機に大リストラを敢行することとなった大企業を舞台に、解雇された男たちの再起をかけての奮闘を描いた物語。2010年公開。

The_company_men

ボストンのGTX社は造船業から出発し、今やさまざまな分野に進出している複合企業。しかし2008年のリーマンショックの影響を受けて業績は悪化。CEOのサリンジャー(クレイグ・T・ネルソン)は社の生き残りをかけて造船部門をたたみ、数千人を解雇する大リストラを敢行します。

まずは入社12年の営業部長ボビー(ベン・アフレック)が、そして工員として入社して以来地道に働き続け重役にまで上り詰めたフィル(クリス・フーパー)が、さらには創業時からサリンジャーの右腕として支えてきた副社長のジーン(トミー・リー・ジョーンズ)までもが解雇されます…。

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公開時には、ちょっときつそうなお話だな…と見るのを躊躇していましたが、演技派の俳優たちの名演もあって、地味ながら心に残る作品でした。窮地に立たされた主人公を支える家族愛や、希望が見出せるラストなど、見終わった時にはほっとした心地になりました。

ボストン郊外の美しい住宅街に居を構え、ポルシェを乗りまわしゴルフ三昧…というエグゼクティブの生活を満喫していたボビー。突然の解雇にショックを受けながらも、当初は楽観的に構えていましたが、就職支援センターに通ってもなかなか職が決まりません。

今までの生活に未練を残しながらも、妻マギーに説得されて家やポルシェを手放し、ゴルフをやめ、両親の家に家族4人で転がり込みます。それでも職は見つからず、そりの合わない義兄のジャック(ケビン・コスナー)に頭を下げて、大工の仕事を手伝わせてもらうことに…。

プライドの高いボビーを支える妻マギーが実にいいんです。夫が失職するや自分は看護士の仕事にもどって家計を助け、家や車を売りに出す算段をします。それでいて女性としてのかわいらしさもあって、息子たちもほんとうにいい子に育っている…。古きよきアメリカンファミリーの姿がそこにありました。

それだけに、フィルの悲劇が身につまされました。長年家族のために働いてきたのに失職するや家庭での居場所がなくなり、齢が齢だけに就職も決まらない…。「自分は必要のない人間なんだ!」と荒れるフィルでしたが、家族から「あなたはかけがえのない人」という一言があればきっと救われたはず。

そしてジーンは、ともに会社を大きくしてきた盟友サリンジャーが、大リストラを敢行しながら自分は巨額の収入を得、新オフィスまで作ろうとする姿に、割り切れない思いを抱きます。自分がほんとうにやりたかったのは、造船という手ごたえのあるものを作る仕事だったはずなのに…。

右のものを左に動かしただけで莫大な利益を生むマジックボックスの存在を知ってしまうと、人は知恵をしぼり、汗をかいて働くことの尊さを忘れてしまうものかもしれません。ジーンが新しく興す会社で働く人たちは、希望を取り戻して大切な何かを見つけてくれたらいいなと思います。

The_company_men_3

ジーン、ボビー、ジャック…とそれぞれの暮らしぶりから、アメリカのライフ・イズ・マネーの現実もさりげなく伝わってきました。就職支援センターの”タイガー”講座は、いかにもアメリカらしくておかしかったです。^^

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コメント

今晩は。cherry

この作品、思いのほか、ほのぼのと楽しめる作品ですよね。

テーマはシリアスできついんだけど、愛情のある登場人物が多いから、勇気づけられます。

そうそう、フィルが本当に気の毒なんですよね。家族の愛情があればどんなにつらくても支えあっていけるのに・・。
彼も、ジーンの新しい仕事に参加させてあげたかったな~。weep

投稿: ごみつ | 2012年12月19日 (水) 01時40分

リーマンショックは、私も大変な目にあいました。
2008年5月末に会社を退職してカメラマンになった訳ですが、
その時点でいくつか撮影のお話がありました。
ところが、すぐにリーマンショックの波に飲み込まれ・・・
予定のあった撮影のほとんどがキャンセル。
仕事が激減しました。
とても他人事とは思えない映画の内容。。。
今度、レンタル屋にいってみよう~^^

投稿: イザワ | 2012年12月19日 (水) 02時06分

☆ ごみつさま ☆
こんばんは♪
この作品、興行的には今ひとつだったようですが
私はとっても気に入りました。
ご紹介くださって、ありがとうございました☆

実際はなかなかこんな風にうまくいかないかもしれませんが
希望の持てるラストにほっとしました。
ボビーも今度のことでひと回り成長したと思いますし…^^
ほんと、フィルにも参加させてあげたかったですね。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2012年12月19日 (水) 20時04分

☆ イザワさま ☆
こんばんは。
わー、そうでしたか。
イザワさんは最悪のタイミングで独立されたのですね。
でもあの波を乗り越えることができたのですから
これからは恐いものなしですね。^^
ますますのご活躍を…。

この作品、イザワさんもきっと気に入られると思います。
お時間がありましたら是非。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2012年12月19日 (水) 20時11分

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