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二月大歌舞伎 「吉野山」「新皿屋舗月雨暈」

日比谷の日生劇場に、二月大歌舞伎を見に行きました。クラシックな佇まいの日生劇場。客席は全面タイル貼りで曲線を生かした優美な作りですが、歌舞伎向けに舞台上部に破風が、また客席には花道が設けられ、和洋折衷の趣でした。

今回は、8月に大けがをしてしばらくお休みされていた市川染五郎さんの復帰公演で、幕が上がると、まず松本幸四郎さんによる口上がありました。浅黄色の薄幕を背景にかしこまる幸四郎さんのごあいさつは、フォーマルながら息子を思う父の気持ちがにじみ心に響きました。

続いて、舞踊劇の「義経千本桜 吉野山」、世話物の「新皿屋舗月雨暈」(しんさらやしき つきのあまがさ)を通し狂言で楽しみました。

Kabuki201302

義経千本桜 吉野山 

桜咲き誇る吉野山に、源義経の後を追って、静御前(中村福助)と家臣の忠信(市川染五郎)がやってきます。静御前が初音の鼓をぽんとたたくと、どこからともなくやってくる忠信は、実は鼓の皮に張られた狐の子。家臣に姿を変え、静御前と鼓を守っていたのです…。

吉野山は、以前歌舞伎教室で見た演目で、お話もわかっていたのでリラックスして楽しめました。花道に設けられたすっぽん(切穴)から染五郎さん演じる忠信が登場すると、大きな拍手がわきおこりました。福助さん演じる静御前との舞は息もぴったりで、お二人の流れるような所作の美しさに見惚れました。

忠信が時々うっかり見せる狐の振る舞いもかわいらしくユーモラス。途中で二人に襲いかかる藤太(中村亀鶴)とその手下たちは、悪役というより道化といった感じで、コミカルな表情や衣装、アクロバティックな動きが楽しかったです。

新皿屋舗月雨暈 弁天堂・お蔦部屋・お蔦殺し~魚屋宗五郎

旗本磯部主計之助(染五郎)の愛妾お蔦(福助)は、岩上典蔵(大谷桂三)の陰謀により無実の不義の罪を着せられ、手討ちにされてしまいます。お蔦の朋輩おなぎから真相を知った兄の宗五郎(幸四郎)は、怒りにまかせて樽酒を飲み干すや、磯部家の屋敷に乗り込みますが…。

播州皿屋敷を下敷きにして書かれた、河竹黙阿弥の作品。通常は”魚屋宗五郎内の場”から上演されますが、今回は”弁天堂の場”からの通し狂言となっていて、お蔦の身に起こった不条理な悲劇を目の当たりに見たので、真相を知った宗五郎の怒りと無念がよりいっそう伝わってきました。

幸四郎さんといえば、いつも堂々ときりっとしているイメージ。それが、樽酒を浴びるように飲み干すや、目がすわり、手が付けられないほどに暴れ、しまいには後先考えずに殿様の屋敷になぐり込むのです。それだけでもこのお芝居を見た甲斐がありました。

染五郎さん演じるお殿様は目元が涼しげできりりと美しかったです。福助さんは演じるお蔦が殺された次の幕では、がらりと変わって宗五郎の妻に。この方の変幻自在には、いつもながら驚かされます。

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コメント

歌舞伎界は重鎮が相次いで亡くなり暗いニュースが多かったですが、
この復帰公演は、そんなくらいニュースを吹き飛ばすできそうですね!
歌舞伎の世界も世代交代が勢いを増しそうですね。

投稿: イザワ | 2013年2月17日 (日) 01時02分

☆ イザワさま ☆
こんにちは。
ちょうど團十郎さんが亡くなられたばかり…というタイミングでしたが
染五郎さんも命にかかわる大けがだったそうですから
なおのこと、復帰の喜びを厳粛に受け止められたことと思います。
巨星を相次いで失った歌舞伎界ですが
幸四郎さんのようなベテランはじめ
若い世代がしっかり受け継いでくださるでしょうね。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2013年2月17日 (日) 17時25分

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