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2013年3月

最近読んだ本から (2013.03)

ジャンルがばらばらですが、最近読んだ本からおもしろかったものをまとめてご紹介させていただきますね。

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平野啓一郎 「私とは何か 『個人』から『分人』へ」
作家 平野啓一郎さんによる人間関係論。タイトルは哲学的ですが、さらりと読める楽しい本です。平野さんの小説への道案内にもなっています。

著者は、個人(individual)とはこれ以上分けられないという意味で、一神教であるキリスト教における、人と神との一対一の関係から来ている思想だといいます。それに対して、人はdividual(分割可能)な存在であるという、「分人」という考え方を提言しています。

仕事仲間、家族、友人…人は相手との関係においてそれぞれ違う顔を持っていますが、それらはどれもほんとうの自分であり、いくつもの分人によって”私”という個性が構成されているのだということ。日頃私たちが無意識に感じていることですが、理論として示されることで、頭の中がすっきり整理された気がしました。

そして、私たちを取り巻く人間関係の問題(いじめ、自傷行為、ストーカーなど)さらには恋愛や死までもが、分人思想によってみごとに説明がつくのが鮮やかでした。自ら各分人の割合や深さをマネージすることで、人間関係のリスクを回避し、生きやすくなる… そんな可能性を感じました。

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中島京子 「小さいおうち」
昭和初期、東京郊外の小高い丘にある赤い屋根の洋館で女中奉公していたタキが、書き残しておきたかった思い出と告白。2010年上期の直木賞受賞作。山田洋次監督による映画化決定。

物語は、現在のタキが過去を振り返りながら手記を書いていく、という構成になっています。タキは、再婚する時子奥様について、いっしょに平井家に入った女中さん。昭和初期の東京の家庭の何気ない日常が、時代背景の移り変わりとともにていねいにつづられます。

最初はあまり変化がないのですが、秘密の匂いを感じてからは、どきどきしながら引き込まれました。控えめで奥ゆかしい描写が美しく、昔の少女小説のようなちょっぴりレトロな味わいです。タキの手記をのぞき見てはツッコミを入れる、又甥の健史がいい味を出してます。

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湯浅誠 「ヒーローを待っていても世界は変わらない」
貧困問題に取り組む社会運動家 湯浅誠さんによる民主主義論。独裁型のヒーローに政治を丸投げしたのでは民主主義が成り立たない、という危機を説きます。

強いリーダーがいて、世の中を自分の思い通りに仕切ってくれたら、どんなにラクでしょう。しかし、今の私たちを取り巻くさまざまな問題は、どれをとっても100人の立場から100通りの意見があり、ひとつの結論を導くことは難しい。ひとつの問題には表裏一体の側面があるのです。

民主主義というのは実はとても疲れる、面倒くさいシステムであり、意見を調整するのにはものすごい時間とエネルギーがいります。だからといって、「なんでもいいから決めてくれ」とリーダーにゆだねるのでは、何も変わらない。ひとりひとりが考え、行動を起こし、決めていくことが大切なのだと書かれています。

では具体的に、どうすればいいのか? それについても身近な例を挙げられ、気づかされる思いでした。ご自身の経験をもとに書かれた内容には説得力があり、誠実な信念が伝わってきました。

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汁なし坦々麺と大きな蒸籠 @横浜中華街

辛いもの好きな家族といっしょに、横浜中華街に汁なし坦々麺を食べに行きました。訪れたのは、関帝廟通りにある四川料理のお店、「謝朋酒楼」(しゃほうしゅろう)さんです。坦々麺は、四川省ではもとは天秤棒を担いで売り歩いていたお料理で、スープなしのあえ麺が原型なのだそうです。

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汁なし坦々麺に餃子と杏仁豆腐がつく、お昼のセットをいただきました。汁なしといっても少量のたれの中に麺がひたっていて、からみやすく食べやすくなっています。上には炒めたひき肉や野菜、薬味がたっぷりとのっていました。

お味は、唐辛子の辛さというよりは、花椒(中華山椒)の風味が強く、最初は調子よく食べていたのですが、途中からだんだん辛くなってきました。量が結構あるので、他のお料理とシェアしていただくのがいいかもしれません。餃子が甘く感じられました。^^

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食事の後に、関帝廟を訪れました。三国時代の武将 関聖帝君を祀っている廟で商売の神様とされ、長きにわたり横浜の華僑たちの心の支えとなってきました。カラフルな装飾が目を引きますが、日本の神社にもどことなく似ています。(右)関帝廟の狛犬は、感情表現が豊か。^^

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おいしいおみやげもいろいろ買って帰りました。(左)崎陽軒の特製焼売は、早速翌日の夕食に。(右)萬珍楼の小さいサイズの月餅。これは胡麻あんです。月餅も昔に比べるとサイズが小さく、甘さも控えめになって、食べやすくなりました。

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調理道具の「照宝」さんで、24cmの蒸籠を買いました。以前こちらで、15cmのひとりサイズの蒸籠を買って(その時の記事はコチラ)以来大切に使っていますが、やっぱり大きいサイズも欲しいなーとずっと思っていたのです。

蒸籠に合わせて、ステンレスの蒸し板と、蒸籠シートを購入しました。蒸し板を使うと、ぴったりサイズでなくても手持ちのお鍋に合わせて蒸籠が使えます。蒸籠シートは(自分でオーブン用のシートに穴をあけて作ることもできますが)蒸籠の中に敷くと焼売などがくっつかなくて便利です。

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真新しい蒸籠は、竹のいい香りがしました。萬珍楼で買った小さいサイズの肉まんと叉焼まんをいっしょに大きな蒸籠で蒸して、後日お昼にいただきました。先日は、蒸籠に白菜と豚しゃぶ肉を何段にも重ねて、蒸し鍋を楽しみました。

蒸し鍋は、以前はル・クルーゼのスチーマーを使っていましたが、蒸籠の方が食卓を囲む時にぐっと雰囲気がいいです。大小の蒸籠とも、これからますます活躍しそうです。

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「レ・ミゼラブル」 (ドパルデュー版)

ジェラール・ドパルデュー主演のフランスのTVドラマシリーズ、「レ・ミゼラブル」を見ました。日本で借りられるDVDは、フランスで放映されたTVドラマ4回(計6時間)を3時間に編集したインターナショナルバージョンで、セリフが英語で収録されています。そこがちょっと残念でしたが、作品はとても楽しめました。

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ジェラール・ドパルデューといえば、先日見た「ライフ・オブ・パイ」ではいじわるなコックさんを演じていましたが… ヒュー・ジャックマンやリーアム・ニーソンが演じるヒーロー的なジャン・バルジャンとはひと味違う、人間くさいジャン・バルジャンが魅力的でした。

ドパルデュー演じるバルジャンは、司教から燭台を与えられて、すぐに真人間になるわけではありません。旅の途中で会った煙突掃除の少年のわずかなお金を取り上げてしまい、その後に司教との約束を思い出して、あわてて少年を呼び止めようとするエピソードがあります。

19年という監獄での生活は、人間としての尊厳を徹底的に奪う過酷なものだったはずで、バルジャンのこのふるまいが自然なものとして胸に迫りました。そしてバルジャンがその後も苦しみ葛藤しながら懸命に生き、結果として土地の名士となっていったのがよくわかる気がしました。

またジャベール警部(ジョン・マルコヴィッチ)から、ある男が自分の身代わりとなって逮捕されたことを知り、裁判所に駆けつける場面も印象的でした。誤った証言をするかつての監獄仲間に、「おれを忘れたか!」と問いただすところは、すごみさえ感じられ、心にずきんと響きました。

最初は薄幸な女性フォンテーヌとの約束を果たすために、娘のコゼットを救ったバルジャンでしたが、いつの間にかコゼットをメロメロに愛すようになり、マリウスという恋人が現れた時には、傍から見て情けないほどにおろおろする姿も、人間味があって好きです。

ヒュー版との違いでいえば、なんとエポニーヌに妹がいました。^^ ヒュー版では、エポニーヌのマリウスへの切ない恋心が伝わってきて胸がしめつけられましたが、ドパルデュー版のエポニーヌは、マリウスをただ利用するためだけに近づいているように描かれていました。

そしてマリウスもエポニーヌも、政治活動にはまったく関心がなさそうでした。マリウスは、コゼットがロンドンに行ってしまうので、自暴自棄になって革命に参加しようとしていただけのようで、このあたりの描写にちょっと物足りなさを感じました。

そしてバルジャンの最期。真相を知ったコゼットとマリウスが、大急ぎでバルジャンのもとに駆けつけます。ここはほんとうは大号泣する場面のはずですが、コゼットの感謝の言葉に、バルジャンが照れくささからわざとはぐらかしたりして、なんとなくおかしい。そんなところが、ドパルデューらしくてうれしかったです。

過去の「レ・ミゼラブル」関連記事をまとめておきます。

movie 「レ・ミゼラブル」 (1998) リーアム・ニーソン版
movie 「レ・ミゼラブル」 (2012) ヒュー・ジャックマン版
notes 「レ・ミゼラブル」 (2012) サウンドトラック

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中目黒の桜

日曜日に桜の開花宣言が出された東京… 昨日は中目黒に桜の様子を見に行きました。

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目黒川の両岸に、延々と桜並木が続いています。先日見た時にはまだまだ…という感じでしたが、いつの間にか3~5分咲きくらいになっていました。満開の時と比べると人の数もほどほどで、桜を愛でながらゆったりお散歩できました。

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今開いたばかり…といった感じの薄ピンク色の花びらが、初々しくてかわいらしい。薄曇りの空の下で見ると、川面に延々と広がる桜の白い絨毯が妖艶で幻想的な雰囲気です。桜のいろいろな表情を楽しむことができました。

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沿道には、あちこちにワインの屋台が出ていて、プラスティックのワイングラス片手に、桜色のロゼワインを飲みながらお花見できます。(私はいただかなかったですが…)

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(左)木の幹に咲いた桜とツタとのコラボレーションがすてきだったのでパチリ。

目黒川沿いには個性的でユニークなお店が多く、時々のぞきながら歩くのも楽しい。私にはめずらしいエスニック調のすてきなバッグを見つけて、衝動買いしてしまいました。

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タイの山岳民族の女性が身に着ける細かいプリーツのスカートを、バッグにしたものだそうです。色と柄がとてもきれいで、形も個性的で気に入りました、シンプルな服装のアクセントになりそうです。

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それから目黒川沿いにある、長崎カステラの老舗、福砂屋さんの工場直営店でカステラを買って帰りました。たまごの優しい甘さと、ザラメのじゃりっとした食感が、なんとも素朴で懐かしい風合い。帰ってからコーヒーといっしょに、おいしくいただきました。

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東京都美術館 「エル・グレコ展」

上野の東京都美術館で開催されている「エル・グレコ展」(~4月7日まで)を見に行きました。16~17世紀に活躍したスペインの巨匠、エル・グレコの作品51点を一堂に集めた、大規模な回顧展です。

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エル・グレコの作品は過去に何度か見ていますが、2年前に倉敷の大原美術館で見た「受胎告知」が記憶に新しいです。舞台のようなドラマティックな表現と、聖母マリアの清らかな美しさが、この絵が日本にやってきた奇跡のエピソードとともに、深く心に刻まれました。

エル・グレコは、ギリシャ・クレタ島生まれ。肖像画家としてスタートし、ヴェネツィアやローマで西欧絵画の技法を学び、のちにスペインのトレドで画家として大成しました。ギリシャ人という意味の”エル・グレコ”の名で活躍し、聖人画や宗教画、さらに教会や修道院の祭壇画を手掛けました。

今回の企画展では、初期に描かれた肖像画にはじまり聖人画、宗教画、さらには教会建築の空間演出としてかかわった壮大な祭壇画まで、エル・グレコの宗教画家としての足どりをたどりつつ、豊かな想像と表現の世界を堪能しました。

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(左)「燃え木で蝋燭を灯す少年」。暗闇の中、炎が浮かび上がらせる少年の一瞬の表情がドラマティック。物語の世界を見るようで、なんとなくマッチ売りの少女を思い出しました。

(右)「修道士オルテンシオ・フェリス・パラビシーノの肖像」。モデルはエル・グレコの友人の修道士だそうです。柔らかな表情に引き込まれました。エル・グレコが描く肖像画は、女性の陶器のように美しい肌も印象的でしたが、男性の筆を重ねて重ねて陰影を出した表情に味わいがあって惹かれました。

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(左)悔悛するマグダラのマリア (右)聖ラウレンティウスの前に現れる聖母

どちらも、天を仰ぎ見る意志のこもった強いまなざしに引き込まれました。エル・グレコが描く聖人画は表情が生き生きとして、まるで実際に会って描いたかのよう。現実と天上の世界との見事なコラボレーション。イマジネーションの豊かさに心を奪われました。

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イタリア時代とスペイン時代、2つの「受胎告知」が並べて展示されていて、画風の変遷を見ることができました。(左)イタリア時代の作品はいかにもルネサンス風ですが、(右)スペイン時代の作品は、現実と天上の世界がひとつに溶け合い、エル・グレコらしい個性が輝いています。

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「フェリペ2世の栄光」。教会に飾られる宗教画は、もとは字の読めない人のために聖書の物語を伝えるもの…と聞いたことがあります。ひとつの絵の中に、天使や殉教者、地獄、祈る人々が一堂に描かれている様子は、どこか劇画のようでもあり、細かいところまでひとつひとつ見入ってしまいました。

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最後の祭壇画のコーナーは圧巻でした。教会に飾られる祭壇画は、下から見上げることを想定し、体が極端に長く描かれています。写真はエル・グレコの最高傑作のひとつ、「無原罪のお宿り」。縦に長く3m以上ある作品で、見上げるとそのまま聖母が天まで上っていくようでした。

この作品には視覚効果が生かされていて、見る角度によって衣装のふくらみや翼の羽ばたきが変わり、動いているかのように見えます。蛇や泉などの宗教的モチーフ、マリアの象徴である百合とバラ、背景に広がるトレドの街並み。荘厳な迫力に圧倒されました。

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恵比寿 「GOTHAM GRILL」「LAWLEYS TEA SHOP」

山種美術館を訪れた後、以前から前を通るたびに気になっていたGOTHAM GRILL(ゴッサムグリル)でお昼をいただくことにしました。場所は恵比寿駅から歩いて5分ほど。駒沢通りの渋谷橋交差点近くにあります。

ゴッサムとはニューヨークの愛称。ここはニューヨークスタイルのグルメハンバーガーとステーキのお店です。後から知ったのですが、パン屋さんのVIRONが経営しているレストランだそうです。

お店に入ってすぐのところにグリルがあり、ハンバーガーパテやステーキをじゅうじゅう焼いていました。炭火のいい匂いが鼻をくすぐります。店内は煉瓦造りで、茶系の温かモダンなインテリアがくつろげました。ランチメニューもいろいろありましたが、私たちは看板メニューのゴッサムバーガーをいただくことに。

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バンはホワイトとシリアル(雑穀)と2種類あり、私はシリアルにしました。ボリュームたっぷりのハンバーガーは、一口かじると肉汁がじわ~っとあふれておいしい。フレンチフライもパテもお塩が少し強めでしたが、アメリカンなお味を堪能しました。

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(画像はHPよりお借りしました)

お昼の後は、渋谷橋交差点にある紅茶の専門店、LAWLEYS TEA SHOP(ロウレイズティー)に寄りました。ロンドンの街角にあるような、かわいらしいお店です。

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こちらのLOVINGというお花とフルーツのフレーバーの紅茶がお気に入りですが、今回は、HAPPINESSというストロベリー&キャラメル風味の紅茶もいっしょに買ってみました。さっそくいただきましたが、甘い香りにリラックスしてとてもおいしかったです。

この日は上着がいらないほどに暖かい春の陽気だったので、そのまま代官山までぶらぶら歩いて帰りました。

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さて、ニュースなどでご存じの方もいらっしゃると思いますが、明日から東急東横線が東京メトロ副都心線に乗り入れます。今ある東横線の渋谷駅はなくなり、地下のホームに移動するとあって、ここ1ヶ月くらい、駅舎や列車の写真を撮る方がものすごく増えていました。

東横線がなくなるわけではないのに列車の写真?と不思議に思いましたが、「渋谷」行という表示が貴重なのだとか。私もにわか撮り鉄になって、写真を撮ってみました。

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乗り入れに合わせて引退する9000系の車両です。^^ 今回、代官山駅から渋谷駅にかけてが地下化されますが、それとは別件で、翌週は小田急下北沢駅周辺も地下化されます。駅の周りの風景も、これからずいぶん変わりそうですね。

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山種美術館 「琳派から日本画へ」

山種美術館で開催されている「琳派から日本画へ -和歌のこころ・絵のこころ-」展(~3月31日まで)を見に行きました。琳派に影響を与えたという平安古筆から江戸時代の琳派作品、そして近代日本画へと、和歌と装飾性に着目した千年にわたるコレクションです。

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尾形光琳や酒井抱一など、琳派の作品の大胆な構図やデザインが好きで、その影響を受けた近代日本画にも惹かれます。本展では、琳派のルーツとなる平安時代の古筆にまで遡って見ることができるというので、楽しみにしていました。

藤原定信の石山切など、貴重な出展がありましたが、平安時代の古筆については勉強不足で、今ひとつ消化しきれなかった…というのが正直なところ。でも、今でいう、カリグラフィ・アートに通じるものがあるなあと感じながら、流麗な書の作品を絵画の感覚で鑑賞しました。

このほか、印象に残った作品をいくつかご紹介させていただきますね。

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柴田是真 「波に千鳥」
画面を大胆に分断する波と空の構図に魅せられました。漆工家でもある柴田是真。この作品も漆を混ぜた顔料で描かれていて、よく見るときらりと光沢があるのが、さりげない個性が感じられてすてきでした。

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下村観山 「老松白藤」
堂々たる風格の老松と、優美でしなやかな白藤の対比が印象的。大胆な構図にまず圧倒されますが、藤の花弁の一枚一枚、松の葉の一本一本が繊細に描きこまれていて、引き込まれるように見入ってしまいました。

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速水御舟 「紅梅・白梅」
2対の掛け軸それぞれに描かれた紅梅と白梅が、月を見ながらお話しているように感じられるロマンティックな作品。今回の展覧会では、月を描いた作品が多く出展されていましたが、どれも印象的でした。

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加山又造 「千羽鶴」
太陽と月、うねるように広がる波、そして羽ばたきが聞こえてきそうなたくさんの鶴、鶴、鶴…。幻想的で壮大な風景に圧倒されました。どこまでも続く波と鶴に、エッシャーの「メタモルフォーゼ」を思い出しました。

山種美術館のロビーには、この千羽鶴をもとにした陶板壁画が常設展示されていますが、モダンなデザイン性のあって、こちらもすてきな作品です。

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エディ・レッドメイン 4作品

公開中の「レ・ミゼラブル」でマリウスを演じているエディ・レッドメインが気になって、過去作品をいくつか追いかけて見てみました。まとめてご紹介させていただきますね。

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マリリン 7日間の恋 (My Week with Marilyn)
世紀の大スター、マリリン・モンローの知られざる一面を、映画「王子と踊り子」の制作現場を舞台に、当時駆け出しの助監督を務めたコリン・クラークの視点から描きます。2011年イギリス作品。

映画の撮影のためにロンドンにやってきたマリリン(ミシェル・ウィリアムズ)。既に人気スターの彼女でしたが、演技に悩み、監督で共演するローレンス・オリヴィエともうまくいかず、ナーバスになっていました。そんな彼女を支えるのは、第3助監督コリン(エディ・レッドメイン)の存在でした…。

華やかな栄光の陰で、孤独と不安におびえながら、せいいっぱいスターを演じ続けたマリリンを、ミシェル・ウィリアムスが繊細に演じます。とろけるような笑顔の一方でふと見せる、はかなく寂しそうなまなざしが印象的。ミシェルを通じてマリリンの魅力が伝わってきました。

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グッド・シェパード (The Good Shepherd)
CIA設立当初からメンバーとしてかかわり、組織に身をささげた男の生涯を描く重厚なドラマ。2006年ロバート・デ・ニーロ監督作品。エディ目当てではなかったのですが、マットの息子役で出演していました。^^

イェール大在学中、エドワード・ウィルソン(マット・デイモン)が諜報員としてスカウトされ、CIAで重要な役割を担っていくまでと、1961年キューバ危機におけるピッグス湾上陸作戦の失敗の原因を突き止めるまでが、交互にサスペンスフルに描かれます。最後にひとつに結びつく悲劇に胸をつかれました。

CIA設立のいきさつや冷戦時の諜報活動を知ることができて興味深かったです。国家に身をささげるからには、家族にも相応の覚悟が必要なのでしょうが、単純に割り切れないのが人間という性の難しさ。歴史ドラマとしても人間ドラマとしても見応えのある作品でした。

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イエロー・ハンカチーフ (The Yellow Handkerchief)
山田洋次監督の名作「幸せの黄色いハンカチ」のハリウッド・リメイク。アメリカ中南部を舞台にしたロードムービーです。ウィリアム・ハート演じる主人公の不器用な生き方が切なくて胸に迫りました。2008年作品。

エディの役はオリジナルでは武田鉄矢さんが演じていたとか…^^ 複雑な家庭環境で育ち、自分に自信が持てない繊細な若者を好演していました。ラストの黄色いハンカチの場面は、わかっていても感動的。涙があふれました。桃井かおりさんがモーテルの女主人役でちょこっと出演しています。

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美しすぎる母 (Savage Grace)
俗っぽい邦題に気を削がれますが… 1972年ロンドンで実際に起こった殺人事件の背景を描く衝撃作。エディは、母バーバラ(ジュリアン・ムーア)を殺害するに至った息子アントニーを演じます。2007年作品。

不幸な身の上から大富豪ベークランド家に嫁いだバーバラは、息子が生まれ、自称冒険家の夫とともにヨーロッパ各地で贅沢な暮らしをしていましたが、夫とだんだん気持ちがすれ違うようになります。夫に去られたバーバラは、最愛の息子に依存するようになり、やがて悲劇が起こります…。

アントニーが求めていたのは”母親の”愛情だったのに、それがねじ曲げられたことに悲劇の原因があるのかな…。無関心な父親、上流志向が強い母親。無気力で退廃的な両親には全く共感できませんが、アートでゴージャスな映像に惹かれました。ジュリアンが着こなすクラシックなファッションが素敵です。

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久しぶりのコストコとカーシェアリング

久しぶりにコストコにお買いものに行きました。メンバーになったものの(その時の記事はコチラ)家から車で30分以上かかりますし、週末の混雑を避けてなるべく平日に行くようにしていることもあり、実際には数ヶ月に1度くらいしか足を運べていません。

とはいえ、やはり行くと懐かしいものや、使い慣れたものに出会えますし、なんといっても身近にアメリカを体感できる貴重な場所でもあるので、しばらくはレジャー感覚で?メンバーシップを更新していこうかな、と思っています。

この日も日常の消耗品を中心に、大型のカートがいっぱいになるまでお買いものしましたが、今回、初めてベーグルを買ってみました。

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6個入りのベーグルを2種類、つまり12個単位です。(写真は10個ですが) 今回はシナモンレーズンとオニオンの2種類にしました。横半分にカットしてそれぞれラップに包み、さらにZIPLOCKに入れて冷凍しています。食べきれるか心配でしたが、ベーグル大好きなので結構早いペースでなくなります。^^

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この日はオニオンベーグルをトーストしてクリームチーズをぬり、レタス、ハム、ゆでたまごのオープンサンドにして、自家製ピクルスといっしょにいただきました。(フィラデルフィアクリームチーズの4個入りパックも買いました。^^) ベーグルは日本のものよりもがっしりとかみごたえがあっておいしかったです。

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それから普段なかなか手に入らないラズベリーも買いました。それにしてもベーグルやラズベリーは、どうやってアメリカから運んでくるのか気になります。農作物などを脱酸素の状態で運ぶ、専門的な方法があるのでしょうか。

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レモン風味のスクエアケーキを焼いて、飾り付けにしました。

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こちらはチーズケーキの飾り付けに。このほかヨーグルトに入れたり、スムージーにしたり…とあれこれ楽しみ、残った分を冷凍しました。今度はブラックベリーも買ってこようと思います。

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数ヶ月前から車の調子が悪くなったので、思い切って手放すことにしました。幸い交通の便利なところに住んでいるので、気に入った車と出会うまでは、しばらくは車なしですごして、必要な時だけカーシェアリングを利用してみることにしました。

家の周りに車が借りられるスポットが何ヶ所かあり、15分~数時間単位で借りられるので、必要な時に下駄感覚で気軽に利用できて便利です。車を所有する喜びはありませんが、維持費や環境のことを考えると、これはこれでなかなかいいシステムかな?と思います。

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横浜美術館 「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」

横浜美術館で開催されている「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」展(~3月24日まで)を見に行きました。横浜美術館が所蔵するロバート・キャパの全作品193点と、キャパのパートナー ゲルダ・タローの作品83点を一同に展示する写真展。作品を通じて、2人が駆け抜けた生涯に思いを馳せました。

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20世紀を代表する報道写真家、ロバート・キャパの写真展ということで楽しみにしていた本展。企画展に先立って、文藝春秋に掲載された沢木耕太郎さんの「キャパの十字架」と、それと関連して放送されたNHKスペシャルを見て、ますます期待が高まりました。

ロバート・キャパは、もとはアンドレ・フリードマンとゲルダ・ポホリレ、2人のユダヤ人写真家が作り上げた架空の写真家でした。1934年にパリで出会ってたちまち惹かれあった2人は、写真を売り込むため、”ロバート・キャパなる偉大な写真家”をでっちあげ、共同で撮影していたのです。

その後、フリードマンがキャパとなり、ポホリレはゲルダ・タローという名で、それぞれ活躍しますが、タローは1937年、スペイン内戦を取材中、26歳の若さで亡くなります。キャパはその後、日中戦争、第1次・第2次世界大戦と写真を撮り続け、1954年インドシナ戦争で40歳の生涯を閉じました。

タローは女性初の報道写真家といわれ、キャパを生み出したひとりでもありますが、あまりに若くして亡くなったこともあり、その後のキャパ(フリードマン)の栄光の陰で、存在を知られることはほとんどありませんでした。今回の写真は、どれも日本初公開となる貴重な作品です。

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タローは主にローライフレックスというカメラを撮影に使っていたそうで、四角いプリントが特徴的でした。スペイン内戦を撮った一連の作品では、職業婦人としての女性兵士の姿を撮影したものが特に印象に残りました。四角い画面を大胆に切り取った構図に、タローの男勝りな一面を見る思いがしました。

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キャパ(フリードマン)が撮影した、コルドバ戦線でのタロー(右)と共和国軍兵士。なお、タローというペンネームは、当時パリで親交のあった岡本太郎さんから来ているとか。そんなところにも親しみを覚えました。

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LIFEに掲載され、キャパの名を一躍有名ならしめた「崩れ落ちる兵士」。フリードマンとタローが撮影した写真の中の1枚で、沢木氏とNHKによる最新のリサーチでは「これを撮影したのはタローで、兵士は撃たれたのではなく、演習中に足を滑らせたのだ」と推定されています。

ひとりのカメラマンの意が及ばないところで、写真と名声だけがひとり歩きしてしまった…。パートナーであるタローが亡くなってから、何かに突き動かされるように危険な戦場に足を運び、撮影し続けたキャパの孤独と苦悩が胸に迫りました。

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こちらもキャパの代表作、「Dデイ」とよばれるノルマンディ上陸作戦を撮影した写真です。アメリカ軍に同行して決死の覚悟で撮影したものの、その大部分は現像ミスによって消失してしまったとか…。この写真にもブレがありますが、かえって戦場の凄まじさがリアリティをもって伝わってきます。

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タローが撮影したキャパ

戦場以外では、1954年に来日した時の一連の作品も興味深かったです。東京から関西にまで足を運んでいますが、名所旧跡ではなく、人々の何気ない日常の風景が、キャパの心をとらえる被写体だったようです。

それから、恋人でもあったイングリット・バーグマンの撮影現場での写真。親交のあったピカソが幼い息子を抱きあげているプライベートフォトなど。報道写真家とはまた別の一面をうかがい知ることができました。

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「フライト」

ロバート・ゼメキス監督×デンゼル・ワシントン主演のヒューマンドラマ、「フライト」(Flight)を見ました。奇跡の緊急着陸で多くの人命を救った敏腕パイロットが抱える重大な秘密と、彼が直面する危機を描きます。

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ベテランのウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)がいつものようにフライトをこなしていると、機体が突然急降下し、制御不能になるトラブルが発生。しかしウィトカーの機転と抜群の操縦テクニックによって旅客機は奇跡的に緊急着陸し、6人の犠牲者は出たものの、多くの人命を救いました。

一夜にしてヒーローとなったウィトカーでしたが、事故後の調査で彼の血中からアルコールが検出。疑惑が深まる中、事故調査委員会は事故は機体のトラブルであり、彼でなければあの緊急着陸は成し得なかったと報告しますが、実はウィトカーはある重大な秘密を抱えていました…。

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予告を見た時には、ウィトカーにある事情があってアルコールが検出され、予期せぬトラブルに巻き込まれていく… というお話だと思っていましたが、だいぶ違いました。ウィトカーは実は重度のアルコール依存症で、薬物常習者でもあったのです。

映画では、冒頭からウィトカーのダメダメぶりがこれでもか、と描かれます。フライト前日からお酒を浴びるように飲み、酔い覚ましにコカインを吸入。搭乗してからもオレンジジュースにウォッカをだぶだぶ入れてこっそり飲んでいる始末…。

彼のアルコール依存は親しいCAたちには周知の事実でしたが、仕事を完璧にこなすので大目に見られていたようです。ウィトカー自身も操縦の腕には絶対の自信がありましたが、私生活ではアル中が原因で妻に見限られ、最愛の息子からも拒絶されていました。

今回の事故は、機体のトラブルが原因だったのは明らかなので、航空組合はウィトカーのアル中をひた隠しにし、証拠をねつ造して、優位に公聴会を乗り切れるはずでしたが…。

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序盤での飛行機事故の映像は大迫力。突然の機体のトラブルにコックピットはパニックになりますが、ウィトカーの即座の判断で燃料を捨て、背面飛行をし、広大な草原を見つけて不時着するまでがスリリングに描かれ、手に汗握りました。

でも公聴会の場面は、それ以上に緊張して見応えがありました。どのような展開になるかは映画を見てのお楽しみですが… 偽りの人生を歩んできた主人公が、良心のはざまで揺れ動き、最後に人間性を取り戻す瞬間が感動的。救われました。

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Café & Meal MUJI のレシピブックから

先日買ったCafé & Meal MUJIのレシピブックです。

Cafe_meal_muji

いただきます。Café & Meal MUJIの人気レシピ

本を参考にして、早速いくつかお料理を作ってみました。お店でいただくお惣菜は、かざらない家庭料理という風に見えますが、実際に作ってみると意外とひと手間かかっていることがわかりました。でもソースやドレッシングのバラエティが豊富で、いろいろなお料理に応用できそうです。

手に入る材料を使ったり、ステップを簡単にしたり…と多少アレンジして作りました。一部ご紹介させていただきますね。

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pig 豚肉のトマト煮込み グリーンピース添え pig
ソテーした1cm厚さの豚バラ肉を、トマトソース(にんにく・たまねぎ・トマト・トマトペースト・ローズマリー)、キャベツとともに煮込み、最後にグリーンピースを加えて軽く煮込みます。

本ではグリーンピースではなく、そら豆を使っていました。野菜の水分だけで煮込む濃厚な味わいです。

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(左) 大根とはっさくのサラダ
薄切り大根とたまねぎ、水菜、はっさくを、はっさくの皮を入れた少し甘めのドレッシングであえます。本でははっさくではなく、文旦で作っていました。野菜から出る水分で薄められたドレッシングは最後まで飲み干したくなるおいしさです。

(右) かぶのサラダ にんじんドレッシングがけ
軽く湯通しした薄切りのかぶと、水菜を合わせ、にんじんのすりおろしをたっぷり入れたドレッシングをかけます。ドレッシングの色が春らしくきれいで、ソテーしたお魚のソースとしても使えそう。

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clover にんじんのヨーグルトサラダ clover
細切りにしてさっと湯通ししたにんじん、水菜、プチトマトを、ヨーグルトやマヨネーズを入れたクリーミィなドレッシングであえます。にんじんの甘さにクリーミィなドレッシングがよく合って、とてもおいしかった!

(左)金美(きんび)にんじんという、黄色いにんじんを見つけたので、いつものにんじんと2色使いで作りました。金美にんじん、この写真ではごつく見えますが、肉質が柔らかく甘みがあってとてもおいしかったです。また見つけたら買ってこようと思います。

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cake しょうが入りガトーショコラ cake
少量のしょうがとお砂糖を煮詰めて作った、しょうがペーストを混ぜ込んで作るガトーショコラ。ほのかに感じるしょうがが大人の風味でおいしかったですが、わざわざ入れなくてもいいかな…?

家族の「薬膳料理のお店で出てくるデザートみたい」という感想が言いえて妙でした。^^

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