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2013年5月

「モネ・ゲーム」

コリン・ファース&キャメロン・ディアス主演のコメディ、「モネ・ゲーム」(Gambit)を見ました。1966年のコメディ映画「泥棒貴族」のリメイクで、モネの贋作を使って詐欺をもくろむも、思いがけないドタバタに発展していく物語。脚本は、ジョエル&イーサン・コーエン兄弟。

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学芸員のハリー(コリン・ファース)は、雇い主の大富豪 シャバンダー(アラン・リックマン)のパワハラに我慢も限界、モネの贋作を使って陥れる計画を立てます。仲間の画家に精巧な贋作を描いてもらい、テキサスに住むカウガールPJ(キャメロン・ディアス)を絵の所有者に見たててロンドンに呼び寄せます。

しかし自由奔放で思い通りに動いてくれないPJ、天真爛漫なPJを気に入るシャバンダー、さらにはシャバンダーが別の鑑定士を用意することになり、ハリーの計画はどんどん予想外の方向に転がっていきます…。

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イギリスの名優コリン・ファースとコメディの女王キャメロン・ディアスという、かなり意外な組み合わせに興味津々。モネの名画もからむとあって、どんな映画になるか気になっていましたが、レトロな味わいがあって、なかなか楽しい作品でした。

コリン・ファースはやっぱりコメディは似合わないかな?とか、キャメロンの役どころはあまり新鮮味がないなあとも思いましたが、間を取り持つアラン・リックマンのはじけぶりが、いい味を出していました。大胆シーンにはびっくり。彼のプロ根性に脱帽しました。^^

それなりに下ネタもありますが、下品すぎずほどほどなのも好印象。ハリーがPJに振り回されてボロボロになっていくところとか、ホテル・サヴォイで起こす騒動とか、古典的だけどくすっと笑えるシーンがよかったです。

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個人的には贋作画家がアトリエで、せっせとポロックの絵を描いているシーンがおかしかった。(ポロックってなんとなく誰でも描けちゃいそうだものね。)

あと、わざとらしくカタカナ英語を話す日本人ビジネスマンが、英語の歌はやけに上手…と思ったら、実はビジネス上”日本人を演じていた”とわかって納得。こういうひとクセあるユーモアは、さすがはコーエン兄弟と感心しました。

このままなんとなくハッピーエンディングになるかと思ったので、最後のオチにはびっくり。思いがけず楽しめました。

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「ふたりのイームズ: 建築家チャールズと画家レイ」

20世紀を代表するアメリカのデザイナー、チャールズ&レイ・イームズ夫妻の軌跡を描いたドキュメンタリー、「ふたりのイームズ: 建築家チャールズと画家レイ」(EAMES: the architect and the painter)を見ました。ナレーターは俳優のジェームス・フランコ。

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先日「カリフォルニア・デザイン」展で、イームズチェアが生まれたいきさつや、ケース・スタディ・ハウス(イームズ邸)について見たばかりなので、タイムリーに公開されたこの作品を楽しみにしていました。

イームズといえば、成形合板を使ったイームズチェアやファイバーグラスを使ったシェルチェアなどがまず思い浮かびますが、デザイナーや建築家としての仕事だけでなく、数多くの映像作品を残し、企業のプロモーション活動に関わってきたことを初めて知りました。

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建築を専攻していたチャールズはフランク・ロイド・ライトなどの近代建築に傾倒していましたが、モダンすぎるとの理由で退学となったとか。時代を先取りする新しいデザインを生み出した、チャールズならではのエピソードだと思いました。

美術学校で建築を教えていたチャールズは、画家をめざしていたレイと運命的に出会います。チャールズは既婚者でしたが、レイから受けるインスピレーションが自分には必要と確信し、公私にわたるパートナーとしてレイと再婚、イームズ・オフィスを立ち上げます。

映画では、チャールズとレイがやりとりしたラブレター、コンペティションで賞を勝ち取ったものの作るのが難しすぎて量産できなかったチェア、ふたりを慕って多くの才能が集まり活気にあふれていたオフィス… 黎明期のエピソードがいろいろ飛び出します。

中には、イームズ・オフィスのデザイナーとして仕事をしても、その名声はすべてチャールズのものになってしまう、というクリエイターならではの恨み節?も。でもその時すでにチャールズは、一歩先を見据えていたのではないか、とその後の活動を知って思いました。

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イームズ夫妻が、雑誌 Arts & Architecture の企画で、カリフォルニアに建てた自邸。夫妻の住まいもオフィスも、楽しいものや個性的なものがいろいろあって、ふたりの好奇心がそのまま形になったような暮らしぶりがすてきでした。

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イームズ夫妻はデザイナーという枠を超え、映画製作にも取り組みます。代表作の Powers of Ten は、私たちの世界を10の累乗倍でズームイン/ズームアウトし、素粒子レベルから宇宙空間まで視覚的にわかりやすく示した作品。今では博物館の展示にもよくありますが、ルーツはイームズにあったと知って驚きました。

また企業や万博の展示プロデュースにも数多く携わってきました。代表作のIBMからの依頼で実現した MATHEMATICA は、数学のおもしろさを視覚的に体感できるインスタレーションで、万博会場から各博物館をめぐり、現在はニューヨーク科学館(New York Hall of Science)で展示されています。

建築家チャールズと画家レイは、デザインの仕事では最強のパートナーでしたが、仕事の規模が拡大するにつれ、方向性の違いを感じるようになります。それでも最後までチャールズを支え続けたレイは、古き良き時代の理想の妻だったのだろうなと思いました。

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「チャールズ&レイ・イームズ」 グロリア・コーニッグ著

映画を見た渋谷UPLINKで、こちらの本を購入しました。ドイツの出版社TASCHENから出ている翻訳版で、イームズ夫妻の作品やプロジェクトの全容が時系列に紹介されています。写真が豊富で美しい、楽しい本です。

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追記: 今発売中のELLE DECOR(エル・デコ)6月号もイームズ特集。名作チェアだけでは語れない夫妻の魅力に迫ります。

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「ビトレイヤー」

ジェームス・マカヴォイ&マーク・ストロング主演のイギリス発のクライム・アクション、「ビトレイヤー」(Welcome to the Punch)を見ました。捜査官と彼が追う大物犯罪者が、はからずも手を結び巨大な組織の陰謀に立ち向かいます。制作総指揮はリドリー・スコット。

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捜査官マックス(ジェームス・マカヴォイ)は、大物犯罪者スターンウッド(マーク・ストロング)を追い詰めるも膝を銃で撃たれ、取り逃がしてしまいます。しかし3年後、国外で隠遁生活を送っていたスターンウッドが、事件に巻き込まれた息子のためにロンドンに戻ってくると知り、マックスは再び執念の火を燃やします。

マックスは、スターンウッドを捕えるべく手を回し追い詰めていきますが、やがて2人はともに政府がからむ巨大な陰謀の渦に巻き込まれていることを知ります。互いに生き延びるため、2人は協力し巨大組織に戦いを挑みますが…。

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この日は、L.A. ギャング ストーリー(Gangster Squad)とこの作品とどちらを見ようか迷ったのですが、L.A.~の方はバイオレンスが過激そうだったので、こちらを見ることに。ノワールの雰囲気をもった渋い犯罪映画で、なかなかおもしろかったです。

舞台はロンドンですが、煉瓦造りの重厚な街並みではなく、無機質的な高層ビル街(ロンドンの金融地区だとか)で撮影されているのが印象的。全体に青みがかった映像がクール&スタイリッシュで、ふとフランスのノワール「ディーバ」を思い出しました。

物語の始まりは3年前。イギリスの警察はふだんは銃の携帯が認められていないとはじめて知りましたが、丸腰だったマックスはスターンウッドを捕え損ね、それがもとで心身に深い傷を負っていました。しかし因縁の相手がロンドンに戻ると知って、再びかつての情熱を取り戻します。

とはいえ伝説の大物犯罪者スターンウッドがそんなに簡単に捕まるはずがない。熱血漢のマックスと、冷静沈着なスターンウッド。個性の違う二人の、追いつ追われつの駆け引きがスリリングでしたが、2人はそれぞれ大切な人を失ったことで、共通の敵に立ち向かうことになります。

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敵の自宅に友人を装って上り込んで待ち伏せ、母親に銃を向けて黒幕の正体を問いただしますが、そんなこととは知らない母親と相手のちぐはぐなやりとりがおかしかったです。(とはいえ、この後すぐに銃撃戦となるのですが)

敵が身内にいたり、政治の腐敗を描いていたり、とありがちな展開ではあるのですが、因縁の相手との間に生まれる奇妙な連帯感、アンビバレントな男の友情がドラマに深みを与えていました。

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「Newsweek」歌舞伎特集 & 歌舞伎座のおみやげ

2週間前に発売されたNewsweek(ニューズウィーク日本版) 5/14号は、「歌舞伎新時代」という特集でした。

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表紙は、今月京都・南座で上演中の「伊達の十役」で、男女10人を演じて分けていらっしゃる市川海老蔵さん。特集記事には海老蔵さんの特別インタビューがあり、新時代を背負うスターらしい気概と真摯な思いが伝わってきました。

ロバート・キャンベルさんによる記事も興味深かったです。時代が変わり、人々の好みが芝居からTVや映画、日本の伝統から欧米へと変わってもなお、世代を超えて多くの人々を魅了し続ける歌舞伎。そこには、伝統を大切にしながら変革を恐れない、役者さんたちの並々ならない努力があると改めて思いました。

さて、4月、5月の杮落し公演に行って、歌舞伎座で買ったおみやげをまとめてご紹介させていただきますね。おつきあいいただけたら幸いです。

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(左)3階の売店で売っている焼き立てのたい焼き。甘~い香りにつられて、ついつい買ってしまいます。皮は薄めで中には紅白の小さなおもちがひとつずつ入っています。家ではトースターで軽く温めていただきます。

(右)くまどり飴。いわゆる金太郎飴ですが、隈取のお顔になっているのが楽しい。よく見たら6種類のお顔がありました。昔ながらの素朴なお味がおいしくて、クセになります。地下の売店で購入しました。

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(左)中村獅童さんがお好きだという愛媛の山田屋まんじゅう。以前愛媛を訪れた時にもおみやげに買いましたが、デパートなどでも取り扱いがあります。皮は透けるほどにごくごく薄く、あんは淡雪のようにとけそうな繊細な味わい。私も大好きです。

(右)資生堂パーラーのGINZA KABUKIZAサブレ。ココナッツ、チョコレート、セサミの3種類あって、バターたっぷりのリッチな味わい。さくさくとした食感がおいしいです。歌舞伎カラーの缶もスタイリッシュですてき。1階劇場内の売店と、銀座本店のみの取り扱いだそうです。

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かまわぬさんのてぬぐい。歌舞伎座デザインのものは何種類かありましたが、この杮落しバージョンは今しか手に入らないかもしれない、と思ったので迷わず購入。1階劇場内の売店で見つけました。細密な線画がきりっとしてかっこいいです。

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歌舞伎座新開場 杮葺落五月大歌舞伎 第一部

歌舞伎座に、杮葺落五月大歌舞伎 第一部を見に行きました。4月に開場した歌舞伎座ですが、杮葺落公演は一年間続き、うち4~6月は3部制となっています。先月の大賑わいも、今月はだいぶ落ち着いてきたように思いました。「鶴亀」「菅原伝授手習鑑 寺子屋」「三人吉三巴白浪」の3作を楽しみました。

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鶴亀 
能の「鶴亀」の詞章を長唄にした、お祝いの舞踏。杮落しにふさわしい、雅やかで格調高い舞台を堪能しました。

皇帝(中村梅玉)が出御する新年の節会で、鶴(中村翫雀)と亀(中村橋之助)が厳かに舞います。鶴と亀の冠をつけ、晴れやかな衣装で舞う姿はお人形のように凛々しくかわいらしく、うっとり見惚れました。

菅原伝授手習鑑 寺子屋
武部源蔵(坂東三津五郎)は寺子屋を開き、菅丞相の子 秀才をかくまって暮らしていました。しかしそれが発覚して秀才殺害の命がくだり、首実検に松王丸(松本幸四郎)がやってくることになりました。

困り果てた源蔵は秀才の代わりに、その日寺子屋に入門した子どもの首を討ち、松王丸に差し出します。松王丸はたしかに秀才であると認めますが、実はその子は松王丸の子 小太郎。わけあって丞相の政敵に仕えていた松王丸は、今こそ丞相の恩義に報いる時と、わが子を身代わりに送り込んだのでした…。

「すまじきものは宮仕え」の名台詞で知られる義太夫狂言の名作。忠義のために子どもを犠牲にするという設定は、わが身に置き換えればとうてい受け入れられるものではありませんが、物語の世界として日本人の琴線に触れるものがあり、心をゆさぶられました。

首実検にやってきた松王丸が、わが子の首を前にし「菅秀才に相違ない。相違な~い~~。」と宣言するところでは、松王丸の心の慟哭が聞こえてくるようで、涙があふれてしまいました。

首を討った子が松王丸の子とは知らない源蔵は、子を迎えにやってきた母 千代(中村魁春)をも討たなければならぬと機会をうかがいます。その時、千代の「わが子はお役に立てたでしょうか。」のひとことで、源蔵は全てを理解するのです。

源蔵と戸浪(中村福助)の夫婦のもとに、松王丸と千代がやってきて、小太郎のりっぱな最期を聞く場面でまた涙。理不尽と知りながら、物語の世界に酔ってしまいました。

三人吉三巴白浪 (さんにんきちさともえのしらなみ) 大川端庚申塚の場
和尚吉三、お嬢吉三、お坊吉三の三人の吉三(きちさ)を名乗る盗賊が、義兄弟の契りを交わす物語。「こいつは春から縁起がええわえ」の七五調の名台詞で知られる、河竹黙阿弥の名作です。

夜鷹のおとせ(中村梅枝)は、大川端で美しい娘姿の盗賊 お嬢吉三(尾上菊五郎)に百両を奪われ、大川に突き落とされます。それを見たお坊吉三(片岡仁左衛門)がその百両を奪おうとし、和尚吉三(幸四郎)が二人を止めに入ったことで、三人は意気投合し、義兄弟の契りを交わします。

菊五郎さん、仁左衛門さん、幸四郎さんという杮落しならではの豪華顔合わせ。長い物語の中のほんの一場面ですが、美しい立ち回りと名台詞、ハイライトというべき華やかな舞台に大満足でした。

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新丸ビル「Le REMOIS」 &KITTE

新丸ビルのフレンチ・レストラン、「Le REMOIS」(ル・レモア)でお昼をいただきました。シャンパンとともにフランスの地方料理が楽しめる、カジュアルな雰囲気のレストランです。オーセンティックなお料理はどれもおいしかったです。

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カニとアボカドのタルタルです。セルクルで円く整えたタルタルの上に色とりどりのレタスをのせた華やかな一品。左後方に見えるのは、最初に運ばれてきたヴィシソワーズ(じゃがいもの冷たいポタージュ)です。

珍しくお昼からグラスのシャンパンをいただきましたが、香り高く芳醇な味わいでとてもおいしかったです。グラスの半分で酔ってしまいましたが、お料理によく合い、気持ちが華やぎました。

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鰆のソテー バルサミコソース。軽く煮詰めたバルサミコの甘酸っぱいお味が淡泊なお魚によく合いました。

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鴨のグリル トリュフソース。鴨はクセがあるのでどちらかというと苦手ですが、これは食べやすくおいしかったです。鴨の野趣あふれる風味と、きのことポテトの素朴な付け合せが、いかにもフランス地方料理といった雰囲気でした。これはワインが進みそうです。

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いちごのシャーベット、ルバーブのタルト、レモンパウンドの盛り合わせ。ルバーブといちごは大好きな組み合わせ、焼き菓子も好きなので、どれもおいしくいただきました。

食事の後、ウィンドウショッピングを楽しんでから、東京駅前の中央郵便局に新しくできた商業施設、KITTE(キッテ)によってみました。

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前に来た時に上の階をちょこっとのぞきましたが、この日は混んでいたので地下だけ行きました。地下は日本郵便らしく、全国の名産品のお店が並んでいます。おみやげ屋さんで家族の好きな、沖縄のちんすこうと名古屋の味噌カツソースを買いました。

内装設計は隅研吾さん。中央が広々とした吹き抜けで、各階に回廊がついているところは、アメリカの某ホテルチェーンに似ているような…。3階に東京大学の博物館「インターメディアテク」があるので、そのうち落ち着いたら見に行きたいです。

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「アイアンマン3」

ロバート・ダウニー・Jr主演、マーベル・コミックス原作のアクションヒーロー映画、「アイアンマン3」(Iron Man 3)を見ました。ド派手なアクションとありえない展開、迫力たっぷりの3D映像を堪能しました。

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最強のヒーローたちが結集して人類滅亡の危機を救った「アベンジャーズ」の戦いから一年、アイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は心身ともに疲れ、スターク社の社長の座を恋人ペッパー(グウィネス・パルトロー)に譲り、自分は新型アイアンマン・スーツの開発に没頭していました。

そんな折、トニーの自邸が正体不明の敵に襲撃され、これまで開発したアイアンマン・スーツもろとも破壊されてしまいます。それが凶悪なテロリスト マンダリン(ベン・キングスレー)によるものと知ったトニーは、わずかに残された力をもとに、戦いを挑むことを決意します…。

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アメリカでのオープニング興行成績が「アベンジャーズ」に次ぐ歴代2位となったり、中国市場向けに4分間の特別仕様が盛り込まれたり… と何かと話題を提供していた本作。家族のリクエストもあって楽しみにしていましたが、GWにぴったりのお祭りムービーでした。

アイアンマン・シリーズは1、2を見ていませんが、アクション重視の作品なので、細かいことは気にせず楽しめました。とはいえ、アベンジャーズの情報が少し役に立ったかな…? アイアンマンは、トニー・スタークのゴージャスな雰囲気とエキセントリックな個性が漫画チックで魅力的ですね。

ロボットものは意外と好きなので、たくさん登場するアイアンマンスーツに興奮しましたが、今回はパーツごとに装着し、遠隔操作できるマーク42というモデルが登場。パーツを自在にあやつり、カチャッカチャッと装着するところがかっこよく、男の子ごころ?を大いにくすぐられました。

ロボットのような機械系と3D映像は相性が抜群にいいので、臨場感たっぷり。戦闘シーンも迫力あって大満足でした。エアフォースワンからの救出シーンも楽しかった。あり得ない~と思いながらも、爽快感たっぷりでわくわくしました。

悪役マンダリンを演じるベン・キングスレーの存在感にも脱帽。正体不明の役どころがぴったりでした。

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この怪しさが最高でした。^^ グウィネス・パルトロー演じるペッパーも大活躍して、かっこよかったです。

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TOWER RECORDS CAFE & 「世界を変えた建物」

映画の後に、渋谷のTOWER RECORDS CAFE(タワーレコードカフェ)にお昼を食べに行きました。タワーレコードの2階がブックストア&カフェになったと聞いて、気になっていたのです。

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(写真はHPよりお借りしました)

店内はゆったりとしたスペースで、ダークウッドのインテリアが落ち着いた雰囲気。ソファ席が多く、本や雑誌がたくさん置いてあって、ゆっくりすごせます。お仕事している方もそこここにいらっしゃいました。本は隣接するブックストアから持ち込むこともできます。

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ランチメニューの中から私はオムライスをいただきました。(右)はロコモコです。お料理は特別凝ったものではないけれど、ボリュームしっかりの安心感のあるお味で、男性向きかな?と思いました。スウィーツのメニューも充実していました。

お昼の後、ブックストアをのぞいてみました。人文系の本はそれほどなく、音楽のほか、デザイン、アート、建築、ファッション、インテリア、クッキングなど。洋書と和書が半々くらいで、どちらかというと写真や図版の本が多く、読むというよりは見て楽しむ本が中心でした。

代官山の蔦谷書店の品揃えに似ていますが、それほど広くないので、本の数はずっと少ないです。なんとなくぶらぶら見ていたら、おもしろい本を見つけました。

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子どもに教えたい 大人にも知ってほしい 世界を変えた建物
(From Mud Huts to Skyscrapers)

約1万年前の原始的な竪穴式住居から、ピラミッド、ベルサイユ宮殿、サグラダ・ファミリア、ル・コルビュジエ… 近・現代の高層建築、さらには未来の建物まで。25の建築が、年代順に美しいイラストとともに紹介されています。

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その時代を代表する象徴的な建物が、歴史的な背景とともにざっくりとした流れで理解できて、子どもにわかりやすく、大人にも楽しめる本です。

例えばロマネスク様式、ゴシック様式、ルネサンス様式の違いもこの本を見るとひと目でわかりますが、おもしろいと思ったのは、ファッションの流行といっしょで、建築のブームもまた、何度か過去への回帰があり、歴史が繰り返されてきたということ。

今注目されているエコロジー建築も、突き詰めれば原始時代の洞窟やツリーハウスにつながるかも?と結んでいたのが、興味深かったです。

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「舟を編む」

松田龍平さん×宮﨑あおいさん主演の映画、「舟を編む」を見ました。2012年本屋大賞第1位に輝いた三浦しをんさんの同名のベストセラー小説の映画化。一冊の辞書が完成するまでの長い道のりを、温かくコミカルに描きます。

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出版社の玄武書房で、苦手な営業の仕事に悪戦苦闘していた馬締(松田龍平)は、先輩社員の西岡(オダギリジョー)からことばに対するセンスを見込まれ、新しい辞書「大渡海」を編纂する辞書編集部に異動します。

早速、辞書作りのいろはから学び、仕事に没頭していた馬締の下宿先に、ある日、大家の孫娘である香具矢(宮﨑あおい)が引っ越してきます。ひと目で香具矢に恋した馬締は、なんとかこの気持ちを伝えたいと思い悩みますが…。

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紙の辞書を使わなくなって久しいですが、電子辞書には、本や新聞を読む時、文章を書く時、毎日のようにお世話になっています。そんな身近な存在、縁の下の力持ちともいうべき辞書がどのようにして作られているのか、知られざる世界を垣間見ることができて興味深かったです。

何十万ということばを集め、その中から吟味して見出し語を選定し、意味を定義していく。校正に校正を重ね、15年もの歳月をかけて、ようやく一冊の辞書が完成する。その気の遠くなるような長い道のりと、丹念な仕事ぶりに圧倒されました。

主人公の馬締は、多少ステレオタイプに描かれている気もしますが、緻密さとねばり強さ、そしてことばに対するセンスもさることながら、熱意と愛情を持ち、辞書の編集にはなるほどこういう人が打ってつけなのだろうな、と思わせる説得力がありました。

他の編集者にしても、常に用例採集カードを持ち歩き、新しいことばを得るや書き留める姿は、まるで新種の昆虫を探す研究者のよう。これだけの少数精鋭で辞書を作っていることにも驚きましたが、ひとりひとりが責任を全うし、真摯に仕事に取り組む姿に心打たれました。

営業部では少々変わり者で通っていた馬締ですが、そんな馬締の個性を尊重し、恋のゆくえを応援する、辞書編集部の個性的な面々が実に魅力的。

最初は人とのコミュニケーションが苦手だった馬締が、15年という歳月の中で、編集部を引っ張っていくまでの存在になり、社会人として、家庭人として、立派に成長していく姿が清々しく、心地よい感動に包まれました。

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三菱一号館美術館 「奇跡のクラーク・コレクション」

三菱一号館美術館で開催されている、「奇跡のクラーク・コレクション ルノワールとフランス絵画の傑作」展(~5月26日まで)を見に行きました。

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クラーク美術館(Sterling and Francine Clark Art Institute)は、米マサチューセッツ州の緑美しいバークシャー地方にある、スターリング&フランシーヌ・クラーク夫妻の個人美術館です。同館の改築に伴い、今回、夫妻のコレクションの中でも特に名高い19世紀フランス絵画の世界巡回展が実現しました。

バークシャー地方は、ボストン交響楽団の夏の野外コンサートや、ノーマン・ロックウェル美術館などがあり、私も何度か訪れた大好きな場所ですが、クラーク美術館のことは実は今回初めて知りました。何か導かれるものを感じ、この企画展を楽しみにしていました。

今回は、ルノワールの作品22点を含む全76点の19世紀フランス絵画を堪能しました。印象に残った作品を、いくつかご紹介させていただきますね。

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モネの「エトルタの断崖」。モネはこの題材でいくつもの作品を描いていますが、どれも北国ノルマンディらしい寂しさと荒々しさをにじませていたように思います。それゆえにこの作品の穏やかな波、燦々と輝く明るい陽光にはっとするものがあり、心に残りました。

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ルノワールの「タマネギ」。ルノワールといえば、人物画のイメージが鮮烈ですが、静物画もすばらしかったです。私は特にこの「たまねぎ」に魅了されました。こんなに表情豊かでつややかなたまねぎを初めて見ました。まるで命が宿っているようです。

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今回の展覧会のポスターになっている、ルノワールの「劇場の桟敷席(音楽会にて)」。この作品、もとは肖像画だったのを後から描き直したのだそうです。また、右上には男性が描かれていましたが、それも上からカーテンを描くことで消されているとか。たしかに美しい少女二人の方が、ビジュアル的にいいですね。^^

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ルノワール 「鳥と少女(アルジェリアの民族衣装をつけたフルーリー嬢)」

クラーク・コレクションのルノワールは、どれも輝くような鮮やかな色彩が印象的でした。私はこれまで美術作品を見て、「欲しい」などという大それたことを考えたことはないのですが、今回初めて、所有する喜び、好きな時に好きなだけ眺める幸せ… コレクターの気持ちが少しわかった気がしました。

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(左)ピサロ 「道、雨の効果」 (右)ピサロ 「ルーヴシエンヌのヴェルサイユ街道」 どちらもよく似た構図ですが、左は石畳の道が雨に濡れているのがわかります。表現の豊かさに感動しました。

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最後にちょっと変わった作品。オリエントな作風で知られるジェロームの「蛇使い」です。新聞の美術評で見て、気になっていました。ジェロームはトルコやエジプトを旅行してから、異文化に興味をもち、東方を題材にした作品を描くようになったとか。

ただしこの作品は、背景のブルーのタイルはイスタンブールのトプカプ宮殿、蛇使いの少年はエジプト、客たちの民族はバラバラで、ジェロームが想像の中で組み合わせて描いた風景なのだそうです。強烈なインパクトのある、不思議な作品でした。

三菱一号館美術館は、美術館としてはこじんまりとしていますが、欧米の重厚な古いお屋敷のような趣があり、今回のような個人のコレクションを展示するにはぴったりの空間だと思いました。幸せな時間がすごせました。

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「リンカーン」

スティーヴン・スピルバーグ監督、ダニエル・デイ=ルイス主演の伝記ドラマ、「リンカーン」(Lincoln)を見ました。国を二分して争う南北戦争の中で、奴隷制度を永久に廃止すべく奮闘する、米国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの姿を描きます。ダニエル・デイ=ルイスの魂の演技がすばらしかったです。

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1865年1月、長期化していた南北戦争は、北部の勝利がほぼ決定的となっていました。時の大統領リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)は、奴隷制度を永久に廃止すべく「合衆国憲法修正第13条」をまず下院議会で可決するには、戦争終結前の今こそが唯一のチャンスだと考えていました。

修正第13条の可決には議会の3分の2の票が必要であり、リンカーンは国務長官ウィリアム・スワード(デヴィッド・ストラザーン)に議会工作を指示します。同じ共和党の保守派に働きかけて票をまとめ、さらには敵対する民主党議員をも切り崩しにかかりますが…。

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冒頭、戦場で2人の黒人兵士とリンカーンが、親しい友人同士のように気さくに話をしているシーンに、まずノックアウトされました。奴隷制度の残っていたこの時代に、大統領リンカーンが一兵士にごく自然にねぎらいのことばをかける、このシーンだけで彼の人格が伝わってきました。

兵士のひとりが、「100年後には僕らにも選挙権があるかもしれないな」と言っていましたが、まさか140年後に黒人の血を引く大統領が、それも民主党から登場するとは、想像すらできなかったでしょう。これは未来を知っている私たちへの、監督のちょっとしたユーモアかな?と思いました。

物語は、リンカーンの生い立ちや大統領としての歩みをたどるものではなく、「南北戦争終結までに、奴隷制度を永久に廃止する『合衆国憲法修正13条』を下院議会に可決させる」そのわずか数か月にフォーカスして、展開していきます。

そのための共和党と民主党との駆け引きが物語の中心となりますが、リンカーンが決して清廉潔白というわけではなく、理想の実現のためには、時に手段を選ばず、強引に推し進めていく剛腕の持ち主だったことが、少し意外でもありました。

あまたの意見が渦巻く政界で”民主的に”自分の主張を通すには、少々手荒なことも必要であり、リンカーンはそのことを知り尽くしていたのだろうと思います。手段のために戦争を長引かせるのには少々複雑な思いを抱きますが、大局で見ることのできる政治家だったといえるのかもしれません。

映画の中では、妻メアリー(サリー・フィールド)に今ひとつ共感できなかったのですが、後から彼女は息子たちと次々と亡くし、精神的にかなりまいっていたことを知りました。その代り、リンカーン家に仕える黒人のメイドさん(とてもきれいな女優さん!)と心を通わせる場面が、心に響きました。

史実にかかわるリアリティの部分と、フィクションの部分での心憎い演出の絶妙なバランスは、さすがスピルバーグ監督だなあと思いました。トミー・リー・ジョーンズ演じる議員がいい味を出していて、最後の場面にはほろりとしました。

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個人的には、昔住んでいたバージニアが物語の主な舞台となっていて、リッチモンド、ピーターズバーグ、アレクサンドリアなど、なじみの地名が次々と登場するのが懐かしく、うれしかったです。映画の撮影も、主にバージニアで行われたようですね。

また、南北戦争に関しては、ニューヨークの学校でプロジェクトのテーマとなったことがあり、南部と北部に分かれてディベートしたのも懐かしい思い出です。その後、ワシントンを旅した時に、国立公文書館に憲法や修正条項を見に行ったことなど、映画を見て、いろいろ記憶が蘇ってきました。

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「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」

佐々木芽生(めぐみ)監督によるドキュメンタリー映画、「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」(Herb & Dorothy 50x50)を見ました。ニューヨーク在住の現代アートコレクター ハーブ&ドロシー・ヴォーゲル夫妻に密着した前作、「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」の完結編です。

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前作で、ハーブ&ドロシー夫妻は、つましい生活の中で40年以上かけて、大好きな現代アートを収集。小さなアパートの部屋いっぱいになった4000点以上の作品全てを、ナショナルギャラリーに寄贈することを決意しました。詳細はこちらの記事をご参照いただけたら幸いです。

art 「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」(Herb & Dotothy)

しかし、ナショナルギャラリーで収容できるのは1000点が限界とわかり、残りの作品は全米50州の美術館に50点ずつ寄贈することになりました。 本作では、この「50×50」プロジェクトを追いかけ、全国各地の美術館の反応や、2人の人生のその後を描いています。

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どの美術館にどの作品を寄贈するか。それらの選定は、夫妻が中心になって行いました。2人にとっては大切な娘を嫁に出すようなもの。ドロシーは毎日のようにPCでコレクションを贈った先の美術館のサイトを見て、「写真が載っていない」「まだ公開されていない」と細かくチェックし、要望を伝えます。

各美術館は夫妻のコレクションを歓迎しますが、中には現代アートにあまりなじみのない地域もあります。来館者の中には「うちの孫の方が上手に描くよ」「難しくてよくわからない」という声も。しかし、わからなくても触れることで現代アートを身近に感じることが大切、と学芸員の方はおっしゃいます。

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これはリチャード・タトルの作品ですが、ルーズリーフに水彩絵の具でささっといたずら描きしたみたい。こうした作品もていねいにガラスケースに入れて展示していて、おかしかったです。^^ 「アートの見方に正解はない」というある学芸員の方のことばも、心に残りました。

プロジェクトは順風満帆だったわけではありません。ラスベガスの美術館では経営不振のため閉館を余儀なくされてしまいます。夫妻はショックを受けますが、その後50点まとめて引き取ってくれる美術館を見つけます。プロジェクトを通じて、現代アートをめぐるさまざまな問題も見えてきます。

一方、微笑ましく思ったのは、ヴォーゲルコレクションのコーナーに、2脚の椅子とテーブル、猫のぬいぐるみを飾り、まるで2人がそこに座っているようなすてきなディスプレイをしている美術館がいくつもあったこと。訪れた人は、コレクションとともにお二人を身近に感じることができるでしょうね。

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ハーブとドロシーはプロジェクトのために、各地の美術館を訪れ、現地のアーティストとも積極的に交流をはかります。ハーブは足を弱めて車椅子生活となり、口数もすっかり減ってしまいましたが、その分元気なドロシーが小さな体でぐいぐい車椅子を押し、どこに行くにもハーブを引っ張っていきます。

アーティストの中には、コレクションが分割されることに賛成する人もいれば反対していた人も。夫妻に見出されながら、その後芽の出なかったアーティストもいますが、ドロシーの「あなたの作品、私は好きよ」ということばに、アートに対する純粋な思いが伝わってきました。

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2012年7月にハーブは静かに息を引き取られ、ドロシーはコレクションを終了することを決意します。2人はアートの作品だけでなく、カタログや新聞の切り抜きなどの膨大な資料も集めていて、それらは公文書館に引き取られました。

あんなにアートにあふれていたアパートの部屋がすっかりからっぽになりましたが、最後に1枚だけ残されたのが、ハーブが描いたドロシーの肖像画…というのに涙。ドロシーはこれからもハーブとともに、そして2人の大切なコレクションとともに、新しい人生を歩んでいくのでしょうね。

なお、2人のヴォーゲルコレクションは、こちらのサイトで見ることができます。私もいつかどこかの地で、2人のコレクションを見てみたいです。
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「天使の分け前」

ケン・ローチ監督のイギリス・スコットランドを舞台にしたコメディドラマ、「天使の分け前」(The Angel's Share)を見ました。生まれ育った環境からトラブルばかり起こしていた若者が、かけがえのない出会いによって新しい人生を切り開いていく物語。監督の温かいまなざしが心に響くすてきな作品でした。

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スコットランド・グラスゴー。育った環境からトラブルばかり起こしているロビー(ポール・ブラニガン)は、親の代からの因縁の相手と暴力沙汰を起こしますが、恋人レオニーとの間に近々子供が生まれることが考慮され、刑務所に入る代わりに300時間の社会奉仕活動を命じられます。

そこで出会った指導者ハリー(ジョン・ヘンショー)は熱烈なウィスキー愛好家。ハリーはロビーにウィスキーの奥深さを教えていくうち、彼に類まれなテイスティングの才能があることに気づき、蒸溜所で行われるテイスティング講座に誘います。

オークションに幻のウィスキーが出品され、ひと樽100万ポンドの値がつくことを知ったロビーは、仲間たちと共謀してそのウィスキーをこっそりいただこうと、とんでもない計画を思いつきますが…。

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5月末で閉館する銀座テアトルシネマのクロージング作品。ケン・ローチ監督の最新作というだけで、内容も知らずに見に行きましたが、愛とユーモアあふれる痛快な作品で、私はとっても気に入りました。ラストには心憎いサプライズが用意されていて、温かい気持ちでいっぱいになりました。

冒頭では、ロビーが生きる環境の過酷さがさりげなく描かれます。恋人と平和な家庭を作り穏やかな生活を送りたいと思っても、悪い連中が常に彼を痛めつけようと狙い、それに応酬してつい暴力沙汰を起こしてしまう。誰からも信用されず、顔の傷のせいで職にもありつけないという現実。

ロビーといっしょに勤労奉仕をする若者たちも、皆それぞれに問題を抱えたひとクセもふたクセもある面々。でも、そんな彼らを色眼鏡で見たりせず、ひとりの人間として尊重して接するハリーの姿が、私にはケン・ローチ監督と重なって見えました。

ロビーを演じる新人のポール・ブラニガンは、ジェイミー・ベルにちょっぴり雰囲気の似た魅力的な俳優さん。子供が生まれたばかりというのに失業したところをケン・ローチ監督にスカウトされたそうで、そんな経緯も映画のロビーとハリーの関係に似ているな~となんだかうれしくなりました。

映画を通じてスコットランド人のウィスキーにかける並々ならぬ情熱を知り、ウィスキーの奥深い世界を垣間見ることができて興味深かったです。私は以前、サントリーの白州蒸溜所を見学した時のことを思い出しましたが、映画に登場するスコットランドの蒸溜所はそれぞれに味わいがあって魅力的でした。

最近は日本でも、日本人のデリケートな味覚と最高の品質を求めるあくなき探究によって、世界グランプリを受賞するほどのウィスキーが生まれていますが、こういう映画を見ると、ウィスキーにまつわる歴史と文化の深さに関しては、日本はとてもかなわないな…と思いました。

オークションで、スコッチの味もろくにわからないアメリカ人がしてやられる…という展開は痛快でしたが、いかにもケン・ローチ監督らしい皮肉が感じられて苦笑いしました。アルコールが得意でない私も、スコットランドの蒸溜所をめぐりながら、おいしいウィスキーを飲んでみたくなりました。

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