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2013年6月

歌舞伎座新開場 杮葺落六月大歌舞伎 第一部

歌舞伎座に、杮葺落六月大歌舞伎 第一部を見に行きました。まずは軽く「其俤対編笠 鞘當」、「六歌仙容彩 喜撰」を楽しんでから、最後に近松門左衛門の名作「平家女護島 俊寛」を堪能しました。

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其俤対編笠 鞘當 (さやあて)
桜満開の吉原仲之町。恋敵の二人の侍、不破伴左衛門(中村橋之助)と名古屋山三(中村勘九郎)は、すれ違い際に互いの刀の鞘が当たったことから斬り合いになりますが、茶屋女房のお駒(中村魁春)が止めに入ります…。

(恋の)鞘当ての語源となった一幕。ドラマとしてはたわいなく、黒地に稲妻を着た剛腕の不破、はなだ色(薄青色)に濡れ燕を着た優男の名古屋、二人の侍の個性の違いと美しい立ち回り、流麗な七五調のセリフのやり取りを楽しみました。

六歌仙容彩 喜撰 (きせん)
春爛漫の京都東山にやってきた喜撰法師(坂東三津五郎)は、通りがかった祇園の茶汲女 お梶(中村時蔵)を口説くも、ふられてしまいます。喜撰はしかたなく、迎えにきた弟子の所化たちとにぎやかに踊り、帰っていきます…。

六歌仙のひとり 喜撰法師の軽妙な踊りを楽しむ舞踏劇。喜撰法師の飄々としたコミカルな踊りと、お梶さんの艶やかな美しさ。息の合ったコンビネーションに、気持ちがうきうきと華やぎました。ずらりと並んだ所化たちの踊りも圧巻。お坊さんのラインダンス?といった趣で楽しかったです。

平家女護島 俊寛 (しゅんかん)
鬼界ヶ島(現在の硫黄島)に流刑となった、俊寛(中村吉右衛門)、成経(中村梅玉)、そして康頼(中村歌六)。苦しい流人生活の中、成経が島で知り合った海女の千鳥(中村芝雀)と結婚することになり、3人はしばし喜び合います。

そこに都から赦免船がやってきて、3人の帰京が決まりますが、千鳥の乗船が許されません。悲嘆にくれる千鳥を見て、また都で待つ妻が殺されたと知った俊寛は、使いの瀬尾(市川左團次)を殺し、自分の代わりに千鳥を船に乗せます。遠く離れゆく船を見送り、俊寛はひとり絶望に打ちひしがれます…。

冒頭、長年の流人生活で身も心もぼろぼろになった俊寛がよたよたと舞台に現れるや、ぞくっとして、たちまち物語の世界に引き込まれました。3人の流人を支えるのは、いつか都に帰るぞ、という思い。そんな中にも小さな幸せはあり、成経と千鳥がお酒に見立てた海水で祝言を上げる場面には胸が熱くなりました。

赦免船に乗ってやってくるのは、赤ら顔の悪い使者 瀬尾と、白塗りの良い使者 丹左衛門尉基康(片岡仁左衛門)の2人。この赤ら顔の瀬尾がわかりやすく悪者で、「俊寛の赦免状はない」とか「千鳥は乗ってはだめだ」とか「俊寛の妻はもう殺された」とか、次々と嫌なことを言うのです。

腹が立ちますが、瀬尾がちゃんと悪者であるからこそ、俊寛の気持ちの変化が痛いほどに伝わってきました。あれほど帰京を待ち焦がれていた俊寛が、若い二人のために自分が犠牲になり、道を譲ろうとするのですから…。千鳥の純朴なかわいらしさ、一途さがまたいじらしくて、余計に胸に迫りました。

ラストの場面は圧巻でした。遠く離れゆく船を目で追って、たったひとり島に残された俊寛が岩山に上りますが、それとともに舞台がぐるりと回り、波が迫ってくるのです。映画でしたら、カメラがゆっくり旋回しながら空に上がっていくところでしょうが、それを舞台を回すことで表現しているのに感動しました。

広い太平洋にぽつんと浮かぶ島に、たったひとり取り残された俊寛の孤独と絶望が迫ってきて、胸がぎゅっと締め付けられました。

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東京都写真美術館 「世界報道写真展2013」

東京都写真美術館で開催されている「世界報道写真展2013」を見に行きました。毎年オランダで開催されている「世界報道写真コンテスト」の今年の受賞作品の中から、9部門約160点が展示されています。

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今年の受賞作品は、パレスチナ自治区ガザ、シリア、スーダンといった紛争地域における衝撃的な写真が多く、そのメッセージのあまりの重さに心がずっしりと押しつぶされる思いがしました。

こうした紛争について、報道では毎日のように目にしていますが、いつしかその状況に受け手としてすっかり慣れ、遠い国のできごととして捉えてしまっている自分がいます。辛い写真が多いですが、写真を通じて改めて世界の厳しい現実に目を向け、真剣に向き合うことができたのは、よかったと思いました。

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大賞を受賞したのは、スウェーデンの写真家ポール・ハンセン氏の写真です。パレスチナ自治区ガザで、イスラエルのミサイル攻撃によって死亡した2歳と3歳の幼い兄弟の亡骸を抱きかかえ、葬儀場所に運ぶ男たちの姿が描かれています。

広角でとらえた構図からあふれ出るような、慟哭する男たちの悲しみと苦しみ、そして怒り。抱きかかえられた子供たちのあまりに幼く、穢れを知らない無垢な表情に、たまらない気持ちになりました。

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エルサルバドルのドラッグ・マフィアの組写真には、映画「闇の列車、光の旅」(Sin Nombre)を思い出しました。映画はメキシコが舞台でしたが、エルサルバドルにも同様の組織があり、今や南北アメリカで最も危険な国のひとつとなっているそうです。

リオデジャネイロのスラム街の写真も衝撃的でした。ブラジルでは来るワールドカップサッカーやオリンピックの準備が着々と進む一方で、こうした暗部がなおざりになっている… と知った矢先に、このところのデモ。あまりにタイムリーで、驚きました。

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ナイロビ郊外のゴミ廃棄場で、拾った本に見入る女性。絵画風の静謐な写真にふと心を奪われました。ゴミ廃棄場は有害ガスが出て危険なので立ち入り禁止にすべきですが、使えるもの、お金にになるものを探す人が後を絶ちません。

武装警官が見張る中、命がけでバスケットボールをするソマリアの女性たちの姿も衝撃的でした。イスラム国であるソマリアでは女性がスポーツをすることに理解がなく、不適切とみなすと、手足を切断することもあるそうです。

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最後に生命力あふれる皇帝ペンギンの写真を。皇帝ペンギンは海の中ではものすごいスピードで泳いで天敵から逃れますが、体が大きいので陸地に上がるのがひと苦労。羽毛に蓄えた空気を使って加速し、ジャンプするのだそうです。

今年の受賞作品は、こちらのサイトで見ることができます。
camera WORLD PRESS PHOTO 2013

また、過去の感想はこちら。
pencil 世界報道写真展2012
pencil 世界報道写真展2011

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「華麗なるギャツビー」 (2013)

バズ・ラーマン監督、レオナルド・ディカプリオ主演の1920年代のニューヨークを舞台にしたドラマ、「華麗なるギャツビー」(The Great Gatsby)を見ました。原作は、アメリカ文学の傑作といわれるF・スコット・フィッツジェラルドの同名小説。今回、5度目の映画化です。

原作と1974年の映画(ロバート・レッドフォード主演)の感想はこちら。
boutique 「華麗なるギャツビー」 原作&映画(1974)

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バズ・ラーマン監督独特の映像表現や音楽使いが苦手なので、最初はこの映画化に一抹の不安を抱いていましたが… 初めてトレイラーを見た時に衝撃を受けて大興奮。いかがわしさと純粋さをあわせもつギャツビーの複雑なキャラクターをディカプリオがどう演じるのか、楽しみにしていました。

フィッツジェラルドの原作は、ガラス細工のような繊細な感性で控えめに上品に描かれていますが、それを監督は極彩色の鮮やかさで、極端に誇張して表現しています。ストーリーはともかく全く別の作品ともいえますが、ひとつのエキサイティングな映像作品として私は大いに楽しめました。

ギャツビー邸で開かれる豪華絢爛なパーティや、マンハッタンにあるトムの隠れ家のけばけばしさなど、これぞ監督の真骨頂!というシーンが盛り込まれていますが、全体としてみるとバズ・ラーマン監督にしてははじけぶりが控えめ?だったのも、私にはちょうどよかったです。

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舞台は戦後の好景気に沸く狂騒の20年代ですが、その先に世界恐慌があることを知っている私たちには、贅を尽くしたきらびやかなパーティも、シャンパンの泡のように刹那的ではかない、ひと時の夢に見えてしまいます。日本のバブルの狂乱とその崩壊に重なる部分もあり、現代の物語として共感しやすかったです。

音楽も不安要素でしたが…^^; ジェイZやビヨンセなどのシックでゴージャスなサウンドが、古めかしくなく、それでいて20年代のカルチャーと違和感なく融合していてよかったです。花火の打ち上げとともに、ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」が演奏されたのも泣ける演出。感激しました。

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原作を読んだ時には、デイジーが利己的で許せないと思ったりもしたのですが、不思議なことに映画では、逆にデイジーに共感できる部分が多かったです。ギャツビーの愛はとうてい受け入れられるものではないし、むしろ彼女は正しい道を選んだとも思うのです。

そして、悲劇的なラストも、なぜか映画では喜劇のように思えてしまいました。最後に眠りについたギャツビーも、「これでいいんだ」と心なしか微笑んでいたような…。これも、バズ・ラーマン監督の映像マジックと、キャスティングのなせる業かもしれません。

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キャスティングといえば、監督がオーストリア人ということもあってか、今回はオーストラリアの俳優たちが多く出演していました。特にジョーダン役のエリザベス・デビッキは、瞳の色がミステリアスな美しい女優さんで、印象に残りました。

そして、私にはなんといっても、かつて住んでいたロングアイランドの風景が懐かしかったです。ニックが住むコテージや、住宅街の雰囲気は今とあまり変わっていない気がします。映画にも登場する、クイーンズボローブリッジから見るマンハッタンのきらめきと高揚した気分を、久しぶりに思い出しました。

ギャツビーとニックが住むウェストエッグはKings Point、デイジーとトムが住むイーストエッグはSands Point。そしてクイーンズにある灰の谷は1939年にニューヨーク万博開催地として埋め立てられ、今はその跡地がメッツの本拠地やUSオープンテニスで知られるFlushing Meadows Corona Parkとなっています。

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「船橋屋」さんの天ぷら&「華麗なるギャツビー」世界展

この日は映画の後に、新宿の老舗の天ぷら屋さん、「船橋屋」さんでお昼をいただきました。1階のカウンターにすわると、串に刺した蚕豆が目に入ったので、早速天ぷらでいただきました。

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今までゆでた蚕豆は独特の風味が少々苦手だったのですが、揚げるとそのクセが気にならなくて、蚕豆ってこんなにおいしかったんだ~と感激しました。日本の夏のお味でした。

私は、目の前で職人さんが少しずつ揚げてくださる天ぷら(海老・きす・いか・野菜・あなご・かきあげ)とともにいただく定食にしましたが、連れはお店の名物、ジャンボかきあげに目が輝きました。

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新橋の橋善さんが閉店してから、おいしいかきあげが食べられるお店を探し求めていたのです。定食のかきあげの5倍、いや7倍はありそうな大きなかきあげです。中には海老、いか、帆立など、海のおいしい幸がたっぷりと入っていて、とても贅沢なお味でした。

これだけの大きなかきあげをどうやって揚げるのか興味津々で、職人さんの手元をじ~っと見ていたのですが、席からは揚げ油がカバーで隠れていて結局よくわかりませんでした。どうやら時々衣をかけながら揚げているようでしたが…。eye

こちらのお店では、お昼はかきあげ丼が人気のようで、次々と注文が入っていました。もちろん、私がいただいた、天つゆと3種類のお塩で楽しむノーマルサイズの天ぷらも、とってもおいしかったです。

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さて、この週末からレオナルド・ディカプリオ主演の映画「華麗なるギャツビー」が公開されていますが、この作品、ゴージャスな20年代のファッションも魅力のひとつ。伊勢丹新宿店で「華麗なるギャツビー」世界展(~6月18日まで)が開かれていたので、のぞいてみました。

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本館3階に開設された小さなコーナーですが、それでもその華やかさは大迫力。映画で使用されたのと同じプラダやミュウミュウのパーティ・ドレス、ティファニーのアクセサリー、ブルックス・ブラザーズのスーツ、モエ・エ・シャンドンのシャンパンボトルなどが展示されています。

ドレスはウエストをマークしないすとんとしたシルエットで、大ぶりのビーズやスパンコールがたっぷりと使われていて、見るからに重そうです。きらきらと華やかなのですが、色はダークなものが多く、シックな印象でした。

スーツは今はあまり見ない三つ揃えで、クラシックな正統派の装い。ブルックス・ブラザーズは原作者のフィッツジェラルド自身が愛用していて、映画の衣装は20年代のアーカイブをもとにデザインされたそうです。

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衣装デザインは、キャサリン・マーティン。バズ・ラーマン監督の公私にわたるパートナーで、監督の映画「ムーラン・ルージュ」でアカデミー衣装デザイン賞を受賞しています。企画展ではデザイン画も展示されていて、わくわくしながら見入りました。

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「ローマでアモーレ」

ウッディ・アレン監督の最新作、「ローマでアモーレ」(To Rome with Love)を見ました。美しいイタリアの古都ローマを舞台に、4つの物語が同時進行するコメディ。アレン自身も「タロットカード殺人事件」以来6年ぶりに出演しています。

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ウッディ・アレンが大好きなので、楽しみにしていた作品。いつもながらシニカルな笑いあり、ばかばかしい笑いあり、大満足でした。個人的には大ヒットした前作「ミッドナイト・イン・パリ」より好みかも。(「ミッドナイト~」はアレンにしては、きちんとしすぎている気がするので…)

オープニングの「ボラーレ」に一気に作品の世界に引き込まれました。ローマの美しい街並みや数々の名所も堪能しましたし、魅力的なイタリアの俳優さんたちに出会えたのもうれしかったです。映画を見たらローマに飛んで行きたくなりました。そして、イタリアオペラが見たくなりました。

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4つのパートはどれもおもしろかったですが、まずはアレンが出ているパートから。ローマをひとり旅していたヘイリーは、道を尋ねたハンサムな弁護士ミケランジェロと恋におち、あっという間に婚約。早速アメリカから、ヘイリーの父で元オペラ演出家のジェリー(アレン)が妻(ジュディ・デイヴィス)とともに駆けつけます。

ミケランジェロ役の俳優さんがなかなかすてきなのですが、それはともかく(笑) 葬儀屋を営むミケランジェロの父がものすごく歌が上手なのです。それもそのはず、演じるのはプロのテノール歌手ファビオ・アルミリアートなのですから。

ところが彼は、ある特殊な状況でないとうまく歌えません。そこで彼の才能に目をつけたジェリーは、とんでもないオペラの演出を考えます。アルミリアートがこのばかばかしいお芝居によくぞつきあってくれた!と感動するとともに、繰り広げられるアリアの数々に酔いしれました。

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ペネロペ・クルスのパートも楽しかったです。イタリアの田舎町からローマにやってきたアントニオとミリーの若夫婦は、ふとしたはずみで離れ離れに。そしてアントニオはなぜかコールガールのアンナ(クルス)に振り回され、ミリーは憧れの俳優とデートすることになる…という物語です。

コールガールを演じるペネロペが最高!その迫力に圧倒されました。経営者たちのパーティで、顧客のおじさまたちが次々とあいさつにくるところがおかしかったです。^^ ミリー役の女優さんもかわいくてチャーミングでした。年上の俳優に惹かれるところが、イタリアらしいな~と思いました。

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それから、建築を学ぶ留学生のジャック(ジェシー・アイゼンバーグ)が、恋人の親友(エレン・ペイジ)に惹かれてしまう物語。彼に忠告するために、背後霊のように登場する建築家(アレック・ボールドウィン)がいい味を出していました。早口のジェシーくんは、若い頃のアレンを彷彿とさせますね。

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平凡な男がある日突然有名人になり、パパラッチに追いかけられるお話は、アレンらしい皮肉の効いた作品。演じていたのが、大好きな映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のロベルト・ベニーニだったのが懐かしく、うれしかったです。

オジマンディアスうつ(ozymandias melancholia)とかヘンテコなことばも飛び出して、相変わらずのアレン節を満喫しました。

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渋谷 「マヌエル」のポルトガル料理

映画を見た後、渋谷の松濤にあるポルトガル料理レストラン、Manuel(マヌエル)でお昼をいただきました。こちらのお店は都内に4店舗あり、それぞれ特色がありますが、渋谷店ではポルトガルの家庭料理が楽しめるとのこと。駅から離れた住宅街にある、小さな一軒家レストランです。

メインのお料理が選べるお昼のコースに、前菜の盛り合わせとデザートをひとつずつ追加して、シェアしていただきました。最初に、グリーンサラダと、じゃがいもとグリーンピースのスープをいただきました。

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前菜の盛り合わせ。サラダ、左奥は小鯵の南蛮漬け、中央奥はバカリャウ(干し鱈)とポテトのコロッケ、右は名前は忘れましたがポルトガルのハム。特にバカリャウのコロッケは一度食べてみたいお料理だったのでうれしかったです。一口サイズのあっさりしたお味で、スナック感覚でパクパクいただけそう。

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豚肉とあさりとじゃがいもの煮込み。これもポルトガルの代表的お料理です。素材から出るおだしとハーブやスパイスが作り出す複雑な味わいのスープがおいしかったです。

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タコのリゾット。おそらく器をオーブンに入れて仕上げるのでしょうか。グツグツ煮立ったあつあつの状態で運ばれてきました。上にのっているのはコリアンダーの葉。こちらもスパイスとハーブの効いた複雑な味わいでした。

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食後はコーヒーと小さなマセドニア(フルーツポンチ)がつきますが、半熟カステラもいただきました。直径12cmくらい、と2人で食べるのにはちょうどいい大きさです。

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中はミディアムでとろとろすぎず、ちょうどいい焼き加減でした。素朴な味わいがおいしかったです。

Manuel

(写真はHPよりお借りしました)

写真は夜ですが、昼間は自然光が柔らかく入り、ローカル色豊かな素朴なインテリアがポルトガル気分を盛り上げます。お料理もおいしく、楽しい時間がすごせました。

過去のポルトガル料理レストランの記事はこちら。
restaurant 丸の内 「マヌエル」
restaurant 銀座 「VILAMOURA」(ヴィラモウラ)

ポルトガル料理の本のご紹介
book 「家庭で作るポルトガル料理」

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「オブリビオン」

トム・クルーズ主演のSFアドベンチャー、「オブリビオン」(Oblivion)を見ました。エイリアンの襲撃で壊滅した地球を監視する任務についていた男が、謎の人物と出会ったことで自分を取り巻く世界に疑問を持ち始めます。監督は「トロン:レガシー」のジョセフ・コシンスキー監督。

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時は2077年。60年前にエイリアン”スカヴ”の攻撃を受け、人類は勝利したものの、地球は壊滅して放射能に汚染され、住める状態ではなくなりました。生き残った人々は土星の衛星タイタンに移住していました。

そんな中、記憶を失っていたジャック・ハーパー(トム・クルーズ)はパートナーのヴィクトリア(アンドレア・ライズブロー)とともに地球に残り、高度1000mの上空から地球を監視し、守る任務についていました。

その任務期間も終了間近というある日、いつものようにパトロールに出かけたジャックは、宇宙船の墜落に遭遇します。中にはジュリア(オルガ・キュリレンコ)という女性が眠っていましたが、それはジャックが何度も夢の中で見た女性であり、しかも彼女もジャックのことを知っていました…。

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予告で見た、ダイナミックな映像とスピード感あふれるアクションを楽しみにしていた作品。前半はどちらかというと静かに淡々と物語が進行しますが、謎の女性が現われてからは一気に加速し、迫力ある展開が楽しめました。前半の”静”と後半の”動”のコントラストが鮮やかでした。

この作品の魅力は、息を呑む映像の美しさ。地平線まで見渡せる荒涼とした地球に、陽が昇り、そして沈む。地球も宇宙の一部なんだなーと実感する瞬間です。大滝や岸壁など、大自然の風景に既視感があると思ったら、「プロメテウス」と同じアイスランドで撮影されているとのこと。

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ジャックとヴィクトリアが暮らすスカイタワーや、パトロール用のバブルシップの造形も、先進的な機能美があってかっこよかったです。コシンスキー監督は、もともとデザインや建築を専攻していたそうで、なるほど~と納得しました。

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静と動のコントラストは、美しい2人のヒロインの違いにも表れていました。ヴィクトリア役のアンドレア・ライズブローは、透明感のある美しい女優さん。表情を抑えた演技が、無機質的、人工的な空間によく似合って魅力的でした。

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対するジュリアを演じるオルガ・キュリレンコは、土の匂いやぬくもりが感じられる役どころで、地球にわずかに残された森の風景にマッチしてました。荒廃した地球における、新しい生命を象徴する存在のようにも感じられました。

そして、トムの若さは驚異的。^^ アクションやシップを操縦する姿もかっこよく、やっぱりスーパーヒーローだなあと改めて思いました。ラストについては、少々都合いいようにも思いましたが、トムだからこそ許される結末なのかも。

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アンドリュー・ワイエスの「クリスティーナの世界」がさりげなく飾ってあったり、懐かしいプロコル・ハルムの「青い影」がBGMに使われていたり。監督の感性や世界観が伝わってくる作品でした。

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「プレイス・ビヨンド・ザ・パインス/宿命」

ライアン・ゴズリング&ブラッドリー・クーパー主演のヒューマンドラマ、「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」(The Place beyond the Pines)を見ました。強盗に手を染める天才ライダー、彼を追いつめる野心家の警官、そして15年後に出会うふたりの息子たちという3つの物語が流れるように展開します。

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移動遊園地のバイクショーで働く天才ライダー ルーク(ライアン・ゴズリング)は、巡業先でかつての恋人ロミーナ(エヴァ・メンデス)と再会。彼女がひそかに自分の息子を産んでいたことを知り、2人を経済的に支えようと、銀行強盗に手を染めます。

しかし、何度も犯行を繰り返すうちにミスをして、新米警官のエイヴリー(ブラッドリー・クーパー)に追い詰められ、誤って射殺されてしまいます。ルークに自分と同じく息子がいたと知り、エイヴリーは苦悩しますが、皮肉にもこの捕物によって英雄となり、出世への道を歩いていきます。

そして15年後、何も知らないルークの息子ジェイソン(デイン・デハーン)は、転校してきたエイヴリーの息子AJ(エモリー・コーエン)と親しくなりますが、やがて実の父ルークがエイヴリーによって射殺されたという事実を知ります…。

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ライアン・ゴズリングとブラッドリー・クーパーという、今最高にのっている演技派のふたりが主演ということで楽しみにしていた作品。140分という長丁場ながら、3つにわたる物語は見応えがあり、だれることなく最後まで引き込まれました。見た後も静かな余韻に満たされる、心に染み入る作品でした。

全身タトゥーを彫り込み、バイクショーで命がけのアクロバットをするルークは、ライアン・ゴズリングにぴったりの役どころ。思いがけず息子の存在を知ったルークは、移動遊園地の仕事を辞めてこの地に残り、不器用にせいいっぱい彼なりのやり方で父親らしく愛情を注ごうとします。

お金を得るために銀行強盗となる、その思考回路に全く共感はできないものの、そういう形でしか父親の愛情を示せないルークが、(おそらく彼自身の不幸な生い立ちからきているのだと思いますが)悲しくて、切なくて、胸がしめつけられました。

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一方のエイヴリーは法曹界にいる父親に反発し、一度は警官の道に進むものの、組織の不祥事に巻き込まれそうになり、内部告発して警察を離れます。そして結局は父の助けを借りて、州の司法長官をめざすことになります。

スーツをぱりっと着こなすブラッドリー・クーパーは、若い頃のレイフ・ファインズを彷彿とさせる雰囲気でなかなかすてきでした。エイヴリーは決して清廉潔白というわけではなく、したたかさを持ち合わせた典型的な政治家タイプ。それでもルークの存在が、常に彼の心の十字架になっていたと知り、救われる思いがしました。

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ジェイソンとAJのパートは、どうしても親目線で見てしまって、危なっかしくて心配ではらはらしました。アメリカの青少年を巣食う、ドラッグの闇も垣間見えたりして…。

これは、父から子へと引き継がれる因果をテーマにした作品。最後に自分自身の気持ちに決着をつけて、バイクで走り去るジェイソンの後姿はさわやかでしたが、彼の行く手に幸せが待っていますように、と願わずにはいられませんでした。

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六本木 「CUCINA BUONA ITALIANA KNOCK」

映画を見た後に、六本木ヒルズのすぐ横、テレビ朝日通りにあるイタリアンレストラン「CUCINA BUONA ITARIANA KNOCK」(クッチーナ ボーナ イタリアーナ ノック)でお昼をいただきました。

ビルの1階にあるこちらのお店は、鮮やかな青い看板が目印。店内はナチュラル&シンプルなインテリアで、大きな窓から陽射しがさんさんと入り、明るくて気持ちがよかったです。

お昼はパスタが中心で、定番のパスタに、トマトソースのパスタ、そしてお店のオリジナルパスタ、と全部で30種類くらいありました。オリジナルパスタは珍しい野菜が使われていたり、組み合わせが個性的だったり、とどれもおいしそう。好奇心をくすぐられました。

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こちらは黒キャベツとサルシッチャ(イタリアンソーセージ)のスパゲティ。黒キャベツは初めて知りましたが、色が濃くてちりめん状、形はタアサイみたい。歯ごたえがあっておいしかったです。ナチュラルチーズを全体に混ぜて、ねっとりとした風合いを楽しみながらいただきました。

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こちらはホタルイカとアヤメ蕪のスープスパゲティです。アヤメ蕪も初めて見る野菜ですが、ほんのり染まった紫色がとてもきれいでした。ホタルイカのおだしの効いた濃厚なスープがおいしく、でも全体としてはさっぱりとした味わい。おいしかったです。

パスタはどちらも大盛りにして^^ シェアしていただきました。こちらのお店は野菜をはじめ素材もひとつひとつ凝っていて、サラダもお勧めだそうです。お水がわりにサーヴされるアイスティーがおいしくて、たくさん飲んでしまいました。

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食後は、コーヒーとティラミスをいただきました。ティラミスは、ナッツを混ぜたマスカルポーネに2種類のラフに削ったチョコレートがのっているのが、シンプルでスタイリッシュ。甘さがほとんどなくて、ビターな大人の味わいでした。(甘いもの好きの私には少々物足りなかったけれど…)

とはいえ、パスタがおいしかったので大満足。またふらっと入ってみたいお店です。

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東京は先週梅雨入りしましたが、ここのところいいお天気に恵まれ、湿度の低いさわやかな日が続いています。毎年恒例ですが、我が家の紫陽花を…。

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まだほんのり薄く色づき始めたばかりですが、咲き始めのこのくらいの淡い色の方が実は好きだったりもして。これからしばらく色の移り変わりが楽しめそうです。

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