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「ローマでアモーレ」

ウッディ・アレン監督の最新作、「ローマでアモーレ」(To Rome with Love)を見ました。美しいイタリアの古都ローマを舞台に、4つの物語が同時進行するコメディ。アレン自身も「タロットカード殺人事件」以来6年ぶりに出演しています。

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ウッディ・アレンが大好きなので、楽しみにしていた作品。いつもながらシニカルな笑いあり、ばかばかしい笑いあり、大満足でした。個人的には大ヒットした前作「ミッドナイト・イン・パリ」より好みかも。(「ミッドナイト~」はアレンにしては、きちんとしすぎている気がするので…)

オープニングの「ボラーレ」に一気に作品の世界に引き込まれました。ローマの美しい街並みや数々の名所も堪能しましたし、魅力的なイタリアの俳優さんたちに出会えたのもうれしかったです。映画を見たらローマに飛んで行きたくなりました。そして、イタリアオペラが見たくなりました。

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4つのパートはどれもおもしろかったですが、まずはアレンが出ているパートから。ローマをひとり旅していたヘイリーは、道を尋ねたハンサムな弁護士ミケランジェロと恋におち、あっという間に婚約。早速アメリカから、ヘイリーの父で元オペラ演出家のジェリー(アレン)が妻(ジュディ・デイヴィス)とともに駆けつけます。

ミケランジェロ役の俳優さんがなかなかすてきなのですが、それはともかく(笑) 葬儀屋を営むミケランジェロの父がものすごく歌が上手なのです。それもそのはず、演じるのはプロのテノール歌手ファビオ・アルミリアートなのですから。

ところが彼は、ある特殊な状況でないとうまく歌えません。そこで彼の才能に目をつけたジェリーは、とんでもないオペラの演出を考えます。アルミリアートがこのばかばかしいお芝居によくぞつきあってくれた!と感動するとともに、繰り広げられるアリアの数々に酔いしれました。

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ペネロペ・クルスのパートも楽しかったです。イタリアの田舎町からローマにやってきたアントニオとミリーの若夫婦は、ふとしたはずみで離れ離れに。そしてアントニオはなぜかコールガールのアンナ(クルス)に振り回され、ミリーは憧れの俳優とデートすることになる…という物語です。

コールガールを演じるペネロペが最高!その迫力に圧倒されました。経営者たちのパーティで、顧客のおじさまたちが次々とあいさつにくるところがおかしかったです。^^ ミリー役の女優さんもかわいくてチャーミングでした。年上の俳優に惹かれるところが、イタリアらしいな~と思いました。

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それから、建築を学ぶ留学生のジャック(ジェシー・アイゼンバーグ)が、恋人の親友(エレン・ペイジ)に惹かれてしまう物語。彼に忠告するために、背後霊のように登場する建築家(アレック・ボールドウィン)がいい味を出していました。早口のジェシーくんは、若い頃のアレンを彷彿とさせますね。

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平凡な男がある日突然有名人になり、パパラッチに追いかけられるお話は、アレンらしい皮肉の効いた作品。演じていたのが、大好きな映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のロベルト・ベニーニだったのが懐かしく、うれしかったです。

オジマンディアスうつ(ozymandias melancholia)とかヘンテコなことばも飛び出して、相変わらずのアレン節を満喫しました。

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コメント

今晩は!

あ、ウッディ・アレンの新作ですか!まだまだヨーロッパシリーズは続きそうですね。
これはオムニバス映画なんですね。記事を読ませていただくと、どのエピソードも面白そう!
W・アレンの世界がどのエピソードにも広がってるのかと思うとわくわくしてきます。
キャストも魅力的ですね~。

オジマンディアスって何か聞いた事あるな~・・って思ってたら「ウォッチメン」にでてたキャラクターだ・・・。でももともとシェリーの詩で有名なエジプトのファラオの名前なんだ・・・。
どんな鬱の症状なんだろう!?興味深々。happy01

投稿: ごみつ | 2013年6月15日 (土) 01時03分

☆ ごみつさま ☆
こんばんは。
ウッディ・アレンの新作、楽しみにいていたので
早速初日に見に行ってきました☆
ここのところ、しばらくヨーロッパを舞台にした作品が続いていましたが
次回作はサンフランシスコを舞台にしたケイト・ブランシェット主演の
作品だそうです。どんな映画か、今から楽しみです♪

これはオムニバスというか、4つのお話がそれぞれ絡まずに
同時進行であっち行ったりこっち行ったりしながら展開して行きます。
どのエピソードもアレンらしさが感じられて、おもしろかったですよ。

オジマンディアス・メランコリアというのはアレンが作ったことばで
崩れゆく遺跡のように形あるものが消えることを怖れ、嘆いて
うつになることなのだそうです。
アレン流の無常観の表現なのでしょうね。^^

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2013年6月15日 (土) 23時36分

>4つのお話がそれぞれ絡まずに同時進行であっち行ったり
>こっち行ったりしながら展開して行きます。
 このストーリー構成が気になりますね^^
 オムニバスでなく、全くからまずに?
 あまりない構成パターンですね。
 ローマでアモーレ、要チェックしました!

投稿: イザワ | 2013年6月17日 (月) 01時28分

☆ イザワさま ☆
こんにちは。
この作品、4つの物語が同時進行しますが
流れとして不自然な感じがなく、それぞれ楽しめました。
こういう群像劇?はアレンのお得意でもあります。

軽く楽しめて、ハッピーになれる作品でした。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2013年6月17日 (月) 12時07分

こんばんは。いつもTBありがとうございます。

さて「ミッドナイト〜」より断然良かったですね。「ミッドナイト〜」アレンには美し過ぎました。

テノール歌手ファビオ・アルミリアートにシャワーで歌わせるなんてウディ・アレンしかいないのでないでしょうか?
ローマに行きたくなりますね!

投稿: margot2005 | 2013年7月 1日 (月) 23時56分

☆ margot2005さま ☆
こんにちは。
margotさんも「ミッドナイト~」よりよかったと思われましたか!
アレンらしいはちゃめちゃぶりが楽しい作品でしたね。^^

ファビオ・アルミリアートがよくこのばかばかしい演出に
つきあってくれたな~と驚きました。
イタリア人らしく、なかなか茶目っ気のある方なのでしょうね。
一度ちゃんとした?舞台で彼のアリアを聴いてみたいものです。

アレンは街の魅力の見せ方がほんとうに上手ですよね。
私も今すぐローマに飛んで行きたくなりました☆

投稿: ☆ margot2005さま ☆ | 2013年7月 2日 (火) 08時27分

こんばんは~。
イタリアの陽気なゆるさとアレンの笑いがミックスされて、素直に笑える楽しい映画でした。
葬儀屋のお父さんは本物のテノール歌手さんなんですね。
まさかシャワーを浴びながら裸で歌うことになるとは思いもよらなかったでしょうね。
ミケランジェロ役のイタリア俳優さん、ハンサムですよね~。でも、途中から博多華丸さんに似てる~と思ってしまいました。
私もイタリアに、ローマに行きた~いです。

投稿: ryoko | 2013年7月 2日 (火) 23時03分

☆ ryokoさま ☆
こんにちは。
ローマの魅力とアレンの笑いが堪能できる、楽しい作品でしたね。
見た後に、ハッピーな気持ちでいっぱいになりました。

あの葬儀屋のおとうさん、歌がすばらしいな~と思いましたが
まさかほんもののテノール歌手だったとは! びっくりしました。
よくこの役を引き受けてくれたな~と思いましたが
イタリア人らしく、ノリのいい方なのかもしれませんね。

ミケランジェロ役の俳優さん、博多華丸さんに似てますか?!
いや~、それはないでしょう。(笑)
あ、でも華丸さんもお笑い界では、なかなかの美形ですが…
「ミラノ、愛に生きる」に出てらしたんですね。
早速チェックしてみますね。^^

投稿: ☆ ryokoさま ☆ | 2013年7月 3日 (水) 12時27分

セレンディピティ様、こんにちわ。
昨夜TVでやっていたので、嬉しくて眠いのに無理やり見ました。最近イタリアドラマ「シチリアの人情刑事モンタルバーノ」を見始め、男も女も美形なこと、男が女性にこまめ、それでいて軽薄ではなく、刑事も人情に通じていること、などイタリアの奥深さに感嘆していましたので、その流れでこの映画を見ましたが、ウディ・アレンは外国人だし、そういう深い所まではとらえられませんね。それを求めるのは酷でしょうか。

ところで、あのお父さんはプロのオペラ歌手だったのですか。素人にしてはうますぎると思いましたが。しかし良くもああいう状態で演じてくれましたね。もう一つ、何とかうつ、って実在するのでしょうか。

投稿: Bianca | 2015年3月24日 (火) 13時53分

☆ Biancaさま ☆
こんにちは。
この作品、私はとても楽しく見たのですが
たしかにあくまでアメリカ人の目線で作られている
というのは致し方ないでしょうねー。

「シチリアの人情刑事モンタルバーノ」興味津々です!
TSUTAYAでも取扱いがあるかしら?今度チェックしてみます。
イタリア系刑事の人情もの...というとぱっと頭に浮かぶのは
刑事コロンボですが^^ シチリアが舞台ということで
ローカル色豊かな作品になっているのでしょうね。見てみたいです。

イタリアはオペラのふるさと?なので歌の上手な方が多そうですが
あのお父さんはプロのテノール歌手だそうです。
のりのりで映画を盛り上げてくれましたね。

「オジマンディアスうつ」はアレンの造語で
壊れゆく遺跡のように、形あるものが消えることを嘆き
うつになることだそうです。^^

投稿: ☆ Biancaさま ☆ | 2015年3月25日 (水) 08時57分

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