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「華麗なるギャツビー」 (2013)

バズ・ラーマン監督、レオナルド・ディカプリオ主演の1920年代のニューヨークを舞台にしたドラマ、「華麗なるギャツビー」(The Great Gatsby)を見ました。原作は、アメリカ文学の傑作といわれるF・スコット・フィッツジェラルドの同名小説。今回、5度目の映画化です。

原作と1974年の映画(ロバート・レッドフォード主演)の感想はこちら。
boutique 「華麗なるギャツビー」 原作&映画(1974)

The_great_gatsby

バズ・ラーマン監督独特の映像表現や音楽使いが苦手なので、最初はこの映画化に一抹の不安を抱いていましたが… 初めてトレイラーを見た時に衝撃を受けて大興奮。いかがわしさと純粋さをあわせもつギャツビーの複雑なキャラクターをディカプリオがどう演じるのか、楽しみにしていました。

フィッツジェラルドの原作は、ガラス細工のような繊細な感性で控えめに上品に描かれていますが、それを監督は極彩色の鮮やかさで、極端に誇張して表現しています。ストーリーはともかく全く別の作品ともいえますが、ひとつのエキサイティングな映像作品として私は大いに楽しめました。

ギャツビー邸で開かれる豪華絢爛なパーティや、マンハッタンにあるトムの隠れ家のけばけばしさなど、これぞ監督の真骨頂!というシーンが盛り込まれていますが、全体としてみるとバズ・ラーマン監督にしてははじけぶりが控えめ?だったのも、私にはちょうどよかったです。

The_great_gatsby_5

舞台は戦後の好景気に沸く狂騒の20年代ですが、その先に世界恐慌があることを知っている私たちには、贅を尽くしたきらびやかなパーティも、シャンパンの泡のように刹那的ではかない、ひと時の夢に見えてしまいます。日本のバブルの狂乱とその崩壊に重なる部分もあり、現代の物語として共感しやすかったです。

音楽も不安要素でしたが…^^; ジェイZやビヨンセなどのシックでゴージャスなサウンドが、古めかしくなく、それでいて20年代のカルチャーと違和感なく融合していてよかったです。花火の打ち上げとともに、ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」が演奏されたのも泣ける演出。感激しました。

The_great_gatsby_2

原作を読んだ時には、デイジーが利己的で許せないと思ったりもしたのですが、不思議なことに映画では、逆にデイジーに共感できる部分が多かったです。ギャツビーの愛はとうてい受け入れられるものではないし、むしろ彼女は正しい道を選んだとも思うのです。

そして、悲劇的なラストも、なぜか映画では喜劇のように思えてしまいました。最後に眠りについたギャツビーも、「これでいいんだ」と心なしか微笑んでいたような…。これも、バズ・ラーマン監督の映像マジックと、キャスティングのなせる業かもしれません。

The_great_gatsby_3

キャスティングといえば、監督がオーストリア人ということもあってか、今回はオーストラリアの俳優たちが多く出演していました。特にジョーダン役のエリザベス・デビッキは、瞳の色がミステリアスな美しい女優さんで、印象に残りました。

そして、私にはなんといっても、かつて住んでいたロングアイランドの風景が懐かしかったです。ニックが住むコテージや、住宅街の雰囲気は今とあまり変わっていない気がします。映画にも登場する、クイーンズボローブリッジから見るマンハッタンのきらめきと高揚した気分を、久しぶりに思い出しました。

ギャツビーとニックが住むウェストエッグはKings Point、デイジーとトムが住むイーストエッグはSands Point。そしてクイーンズにある灰の谷は1939年にニューヨーク万博開催地として埋め立てられ、今はその跡地がメッツの本拠地やUSオープンテニスで知られるFlushing Meadows Corona Parkとなっています。

Flushing_meadows_2

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映画」カテゴリの記事

コメント

Good Evening,Old Sport!(*゚▽゚)ノcherry

拙ブログの記事にも、早速のコメントとTB有難うございました。

そちらでもお返事しましたが、バズ・ラーマン「ギャツビー」良かったですよね。

実は音楽も最初は不安要素でした。たぶん、変わった曲使うと思ったし、それが原作の世界をダメにしてないと良いな・・・っていう気持ちがありましたが、とても良い選曲でしたよね。notes
ラプソディー・イン・ブルーも本当に効果的に使われてました!

ところで、「ギャツビー」の時代のクイーンズの灰の谷は、万博開催地を経て公園になってるんですね~。時代は移りかわっていくものですね・・。

投稿: ごみつ | 2013年6月21日 (金) 01時07分

☆ ごみつさま ☆
Good morning, old sport♪

バズ・ラーマンのギャツビー、よかったですね☆
”エキサイティング”ということばがぴったりきました。
映画を見てこういう高揚感を味わったのは久しぶりかも。

音楽は、ヒップホップだったらどうしよう…と心配でしたが
今回はとってもよかったですね。good
作品の世界に合っていましたし、RIB(笑)の使い方には感激しました。

灰の谷は、様変わりですよね。
景観の悪い場所を一掃して、人工的に美しく整備するのは
ある意味欧米的なのかな…

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2013年6月21日 (金) 10時57分

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