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「サイド・エフェクト」

スティーヴン・ソダーバーグ監督によるサイコサスペンス、「サイド・エフェクト」(Side Effects)を見ました。新薬の副作用によって引き起こされた殺人事件と、その裏側に潜む陰謀を描きます。最後まで読めない展開にはらはらしました。

Side_effects_1

違法株取引で逮捕された夫(チャニング・テイタム)が服役を終え出所して間もなく、妻エミリー(ルーニー・マーラ)は交通事故を起こしてしまいます。診察にあたった精神科医バンクス(ジュード・ロウ)は、それを鬱病による自殺未遂と診断、エミリーの治療にあたります。

エミリーが再び自殺未遂を起こしたため、バンクスはかつて彼女を治療していたシーバード博士(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)に相談、新薬アブリクサを投与します。快方に向かっていたかに見えたエミリーでしたが、ある日、薬の副作用で夢遊状態になり、夫を刺し殺してしまいます…。

Side_effects_2

ソダーバーグ監督の引退作品ときいて気になっていましたが、キャストがいずれもひと癖ある実力派揃いで、期待通りに楽しめました。ジュード・ロウ、ルーニー・マーラ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズの三者三様の心理的駆け引きが見事でした。以下、ネタバレ気味に感想を。

夫の出所を健気に待ちわびているかに見えたエミリーでしたが、演じているのが「ドラゴン・タトゥーの女」のルーニー・マーラなので、最初から、これは何かあるぞ、とにらんでいました。^^ しかも、前の主治医がキャサリン・ゼタ=ジョーンだなんて。これは何もないはずがない。ますます怪しい。

でもはたして、精神疾患の”ふり”なんてできるものでしょうか…。そしてそれを見破ることはできるのでしょうか。日本でも、サイコパスな犯罪が起ると精神鑑定を行いますが、肉体的な病気と違って病巣が目に見えないので、ちゃんと正しく診断できるのかな?と疑問に思うことがあります。

もしも被疑者がうまく精神疾患者を演じることができたら…。ましてや強力な協力者がいたとしたら…。そして、もしも医師が故意に間違った診断を下したら…。罪を逃れることも、あるいは相手を陥れることも、入念な準備をすれば可能かもしれないと思うと、ちょっと恐ろしくなりました。

Side_effects_4

エミリーが会社の同僚と、日常会話の中でふつうに抗鬱剤の話をしているのは、アメリカだな~と思いました。鬱は心の風邪といいますが、日本ではまだまだこういう話を大っぴらにするのは抵抗があるような気がします。

医師が新薬の治験に協力することで製薬会社から法外な報酬を得たり、あるいは株価を故意に操作して莫大な利益を得たり。ストレスフルな薬物依存社会と、拝金主義。アメリカ、特にニューヨークのような大都市が抱える現代の社会問題も、さりげなく伝わってきました。

サスペンスとしては動機が弱いかな?と思いましたが、最後のどんでん返しが小気味よかったです。心理ゲームとして楽しめました。

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映画」カテゴリの記事

コメント

こんばんは!

ソダーバーグ監督って私と同い年なんですよね。
なんで監督やめちゃうんだろう?まだ若いのにもったいない。sweat01

この映画、予告編では謎が多そうで面白そうだったけど、少し弱い感じでしたか?
個人的には「G・I・ジョー」のチャニング・テイタムががんばってるのが嬉しいな。happy01

ソダーバーグ作品、全部は見てないのですが私は「イギリスから来た男」っていう作品が一番好き。その次が「エリン・ブロコビッチ」かな。

投稿: ごみつ | 2013年9月19日 (木) 00時57分

俳優さんで、これは怪しいとか何かありそう・・・
と想像してしまうのは、そのあたりは日本と同じですね^^
サスペンスは、予想を裏切る展開程、面白くハラハラさせてくれます。
楽しそうな映画ですね。
9月のアサコレ展示と溜まった仕事を片付けたら、何を
観に行こうかな~(笑)
なんて、考えています。

投稿: イザワ | 2013年9月19日 (木) 04時00分

☆ ごみつさま ☆
こんにちは。
ソダーバーグ監督、まだまだお若いのにもったいないですね。
でもそのうち、撮りたい題材が見つかって、カムバックされるかも?

この映画、おもしろかったですよ。
殺人の動機としては、ちょっと弱いと思いましたが
この映画ではそこはあまり重視していないのでしょうね。
心理バトルや、思いがけない展開を楽しむ作品だと思います。

チャニング・テイタム、売れっ子ですよね~。
私はそれほど好みではないですが…。^^

私も「エリン・ブロコビッチ」は大好きです!
ジュリア・ロバーツの作品としても一番好きかも。
「イギリスから来た男」は見ていないので、早速チェックしてみますね。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2013年9月19日 (木) 12時06分

☆ イザワさま ☆
こんにちは。
三人三様、特に女性ふたりのバトルは見応えがありましたよ。
仕掛けられた罠からどうやって抜け出し、相手を見返すか
そのあたりの駆け引きが見事でした。

夏の暑さもやわらいで、すごしやすくなってきたので
これからおでかけが楽しくなりますね。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2013年9月19日 (木) 12時20分

こんばんは~☆
純粋にサスペンスとしてみたら、とっても面白かったですねー
私はヘンに別の方向へ期待しちゃっていたところがあって・・・
ゼタ=ジョーンが登場したらそりゃ、ただ事じゃないですよね~(笑)
詐病って本当に怖いですよね。
何を信じて良いのか、分からなくなります。

投稿: ノルウェーまだ~む | 2013年9月28日 (土) 22時40分

☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
こんにちは。
あー、わかります。
私もサスペンスやミステリーを見る時には、
そこにいたるまでの内面の激しい葛藤とか、動機の部分を
重視してしまうところがあるので…。

罪を逃れるための詐病って、実際ありそうですものね。
劇中のエミリーもすごい演技力でした。^^

投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2013年9月29日 (日) 09時46分

そういえばスウェーデン版『ドラゴンタトゥーの女』ではノオミ・ラパスが出世してますねw。リスベット役はインパクトあるから注目浴びやすいしね。
ジュード・ロウ、ゼタ姐さんもヨカッタ。

投稿: ブリ | 2013年9月29日 (日) 18時25分

☆ ブリさま ☆
こんにちは。
「ドラゴンタトゥーの女」のノオミ・ラパス、かっこよかったですね!
ルーニー・マーラは「ソーシャルネットワーク」では
かわいい女子大生役だったので、「ドラゴンタトゥー~」での
イメージチェンジにびっくりしました。

ルーニーのほか、ジュード・ロウやキャサリン・ゼタ=ジョーンズと
演技派揃いで見応えがありましたね。

投稿: ☆ ブリさま ☆ | 2013年9月30日 (月) 11時34分

こんばんは。
いつも見にきてくださってありがとう。

さてホントにフリってできるものなのか?とかなりの疑問でしたね。
エミリーは多重人格者のようにも見えましたが、精神を病む人を治療する精神科医って大変な職業ですね。
ソダーバーグ最後の長編映画って本当なのでしょうか?ソダーバークは色んなジャンルの映画を作りますが「セックスと嘘とビデオテープ」なんか好きです。

本作の展開はわたし的にはちょっといただけなかったですが、ジュード・ロウやルーニー・マーラは中々良かったです。

投稿: margot2005 | 2013年10月11日 (金) 20時46分

☆ margot2005さま ☆
こんにちは。

精神疾患のふり… 専門家の目はごまかせない気もしますが
演技が上手な人だと、グレーな部分が残るかもしれませんね??
「セックスと嘘とビデオテープ」見てないんです。
今度チェックしてみますね。

ソダーバーグ監督、この作品で最後というのはもったいない気もしますが
また撮りたい題材があったら復活するかもしれませんね。
ルーニー・マーラはとらえどころがなくて、怖い女優さんです。

投稿: ☆ margot2005さま ☆ | 2013年10月13日 (日) 02時01分

セレンピディティ様
TBとコメント有難うございます、私もお返しTBとコメントを。
ソ監督と同世代だけあって、愛と理解に満ちたレビューですね。
映画は讃える方が賢い見方だと思いますが、これはどうにも私の手に余り、自暴自棄の記事になりました。「サイコサスペンス」というジャンルとして見ればよいのですね。一つ勉強になりました。ところで、ネット交際の初歩もよく知らないのですが、リンクしたい場合は相手にその都度たずねないといけないのですか?私の方はいつでも誰にでも自由に、リンクしてもらっていいのですが。申し込まれた時の返事の仕方も決まっているのでしょうね。非常識人ゆえ、失礼したのではないか心配しています。

投稿: Bianca | 2014年11月 1日 (土) 21時11分

☆ Biancaさま ☆
こんにちは。
TBとコメント、ありがとうございます♪
映画の感想は、私はなるべく美点を見つけて
ネガティブなことは書かないよう気をつけていますが
なんだか嫌ですね。優等生的で。><
Biancaさんのように思うままに書かれるのが
正しい姿だと思いますよ!

この作品、現実としてはありえない部分もありましたが
監督としては見る人を混乱させて、謎解きのおもしろさを
味あわせようとしていたのかもしれませんね。

リンクの件もありがとうございます。
いえいえ、たぶん特にルールなどはないかと思いますが
一応おことわりした方がいいかな?と思いまして。
これからもどうぞよろしくお願いします☆

投稿: ☆ Biancaさま ☆ | 2014年11月 2日 (日) 09時44分

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