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「危険なプロット」

フランソワ・オゾン監督の新作、「危険なプロット」(Dans la Maison / In the House)を見ました。かつて作家になる夢を持っていた高校の国語教師が、文才あふれる少年に翻弄されていく、サスペンス仕立てのひと癖あるコメディです。

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高校の国語教師ジェルマン(ファブリス・ルキーニ)は、生徒のクロード(エルンスト・エンハウワー)の作文に目を留めます。それは、クラスメート ラファの家族を観察し、シニカルな筆致でつづったものでした。

クロードに才能のきらめきを感じ、また彼の作文を通して人の家庭を覗きこむことにひそやかな楽しみを見つけたたジェルマンは、続きが読みたいがために、クロードに作文の個人指導を申し出ますが…。

Dans_la_maison_4

「危険なプロット」という邦題と、国語教師が文才のある少年に翻弄されるというストーリーに、センセーショナルな展開を想像してしまいましたが、いい意味で裏切られました。この映画、サスペンスだとばかり思っていましたが、どうやらコメディらしい? のです。

コメディといっても、フランスらしいシニカルで一筋縄ではいかない笑いです。それでも私は、ジェルマンと妻ジャンヌ(クリスティン・スコット・トーマス)のエスプリの効いたおしゃれな大人の会話に魅了されました。

Dans_la_maison_2

K・S・トーマスは男前ながらゴージャスな雰囲気があって大好きな女優さん。今回のコメディエンヌぶりも実にチャーミングでした。彼女演じるジャンヌのアート・ギャラリーがまた、ぶっとんでいて最高です。一方、ソファに横たわっているシーンでは、ただならぬ色香があって、どぎまぎしてしまいました。

クロードはジェルマンに作文の続きが読みたいと催促され、ラファに数学を教えるという名目で、彼の家庭に入り込みます。ラファの家庭は”ごく普通”という設定ですが、クロードの筆にかかると、どこかユーモラスに見えてきます。

中国びいきの父、アンニュイで魅惑的な母、素直でちょっぴり間抜けなラファ…とそれぞれが個性的で、いい味を出していました。クロードにとっては愛すべき存在で、心のどこかでこの家族をうらやましく思っていたのかもしれません。

ジェルマンは、クロードの作文の続きが読みたいがために、ある不正を働きます。そこまでするかな~?と思いましたが、それもコメディなればこそ、でしょうか。原作はスペインの戯曲だそうで、舞台でのジェルマンとクロードのかけひきも見応えありそうです。

ラストはジェルマンが破滅するか、はたまたラファの家族が崩壊するか…と思いきや、少々意外な着地点でした。夢で結ばれる男の友情。クロードの作文同様、「続き」が気になります。

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映画」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。

この映画、ツイッターでもちょっと感想書かれてましたよね!

どんな映画なのかしら?と、ブログ記事を楽しみにしていましたが、ストーリーがつかめない・・!(゚ー゚;
これはわりと複雑なお話なんでしょうね。しかもコメディ仕立てとなると・・・。

この少年がまわりの大人達をどう翻弄していくのか、映画の結末はどうなるのか、すごく気になります。happy01

さて、じゃあこれから寝ますね。(爆)

投稿: ごみつ | 2013年10月24日 (木) 04時19分

☆ ごみつさま ☆
おはようございます♪
今、読み返してみましたが、たしかにこれではさっぱりわかりませんね。
あとで手直しを加えるかも…。^^;

日本の配給会社のミスリードだと思うのですが
私はサスペンスだとばかり思っていたので
どうにも中途半端な気持ちを味わってしまいました。
そうしたら、どうやらコメディだったようで…??
でも、コメディにしても一筋縄ではいかない笑いなんですよね。

大人の会話はおしゃれで、フランスらしい作品でした。

追1)これから寝るって… 4時過ぎじゃないですか@@(笑)

追2)本文、だいぶ書き直しました。 ^^;

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2013年10月24日 (木) 08時32分

はじめまして。

この映画はR15とありますが、性的なシーンってありましたか?
主演の美少年がとても素敵なので気になっているのですが、ちょっと
迷っています(^^;)

投稿: あおい | 2013年10月24日 (木) 14時41分

☆ あおいさま ☆
はじめまして。
コメント、ありがとうございます。

主演の美少年、すてきですよね。
ちょっと玉木宏さんに似ているような…

R15とあったので、私もどきどきしていましたが
特に性的なシーンはなかったですよ。
(どうやらアートギャラリーにあるオブジェが問題になっているようです)
どうぞご安心を☆

投稿: ☆ あおいさま ☆ | 2013年10月24日 (木) 15時35分

こんばんは☆
これってコメディだったのですね!?
私もサスペンスだと思って、すごく期待していました。
ゼッタイ観に行こう~と決めていたのですが、今月は何やら忙しくて、あまり映画に行けてないのです(ショボン)
これはやっぱり行かなくては・・・ですね☆

投稿: ノルウェーまだ~む | 2013年10月24日 (木) 19時06分

☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
こんにちは。
そうなんです。
私も、はらはらどきどきするサスペンスを期待していたので
ちょっと拍子抜けしてしまいましたが
シニカルでひと癖ある作品なので、好きな方は好きかも。
戯曲が原作らしく、会話のキャッチボールが楽しめました。

映像やアクションを楽しむ作品ではないので
お時間がなければ、DVDでも…

今日は「トランス」を見てきました。
キヤッチーなオープニングで前半はぐいぐい引き込まれましたが
途中からジェイムス・マカヴォイが大暴走…でした。^^; 

投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2013年10月25日 (金) 19時06分

こんばんは。
セレンさん、う~ん、これコメディーですか?
面白い描写はあったけれど、ちょっとした悪戯心で書いた作文が教師の好奇心と間違った指導で平凡な日常に波紋を起こし、他人の人生を狂わせる、そんな風に思って怖いなぁ~っと思いました。
「コメディ」の定義がフランスとは違うのかしら?(^-^;

投稿: ryoko | 2013年10月28日 (月) 02時34分

☆ ryokoさま ☆
こんにちは。
コメント、どうもありがとうございます。
ryokoさんのブログにいただいたお返事も拝見しました。

コメディといったら言い過ぎかもしれませんが
私はあまりシリアスに感じられなかったのですよね。
どちらかというと軽妙… といった感じかな。

ジェルマンは妻と離婚することにはなったけれど
クロードのおかげで失いかけた夢を取り戻したわけで
これは全てが収まるべきところに収まった
ハッピーエンディング、という風に私は受け止めました。

いずれにしても一筋縄ではいかないお話でしたね。^^;

投稿: ☆ ryokoさま ☆ | 2013年10月28日 (月) 16時13分

こんばんは。いつも見に来て下さってありがとう。

さてさてこのドラマとても気に入りました。フランス映画は会話がオシャレだし、ドラマの中の小道具や、俳優たちのファッション...全て良いですね。

ジェルマンとジャンヌの会話はナイスでした。ジェルマン役のファブリス・ルキーニはお気に入りフランス人俳優の一人です。
クリスティン・スコット・トーマスも色んな役柄で活躍する女優ですね。この方結構好きです。

ラストは意外でしたね。まさか?続はないでしょうが?見たい気分です。

投稿: margot2005 | 2013年12月26日 (木) 01時02分

☆ margot2005さま ☆
こんにちは。
この作品、映画を見た時には想像していたのと違って
拍子抜けしましたが、後からあれこれと気になる作品でした。
ちょっとシニカルなユーモアが、フランス映画らしいかな?
とも思いました。
さりげない会話や小道具が、小粋でおしゃれでしたね♪
ジェルマン&ジャンヌ、すてきなカップルだな~と思っていたので
最後はちょっと残念でしたが...
原作とは結末が違うそうですが、希望が感じられるラストで
ほっとする余韻が残りました。

それから、NOELへのTBもありがとうございました☆
スーザン・サランドンは同性の先輩として
ポール・ウォーカーは若かった頃の自分をふりかえって
どちらも共感できました。
地味ながらしっとりとクリスマスらしい作品でしたね。

投稿: ☆ margot2005さま ☆ | 2013年12月26日 (木) 18時30分

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