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山種美術館 「古径と土牛」展

山種美術館で開催中の「古径と土牛」展(~12月23日まで)を見に行きました。明治~昭和に活躍した日本画家 小林古径(こばやしこけい)の生誕130周年を記念して、古径の作品とともに、古径を師と仰いだ弟弟子 奥村土牛(おくむらとぎゅう)の作品を比較展示しています。

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日本画家が東洋と西洋の間で揺れ動いていたという明治後期、欧州留学した古径は、大英博物館で中国の名画「女史箴図巻」を模写したことで、線描の美に目覚め、その道を追求しました。日本画の伝統を残しつつ、モダンな感覚で描かれた作品は、どれも親しみやすくリラックスして楽しめました。

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(左)古径の「闘草」(くさあわせ)。闘草とは平安時代の貴族の間で流行った、互いに出した草の優劣を競う遊びだそうです。今のカードゲームのようなものでしょうか。少年たちの美しい肌色、薄い装束から透けて見える腕の線の繊細さなど、写実的な表現がみごとでした。

(右)古径の「静物」。現存する唯一の油彩画だそうです。油彩でありながら、日本画のエッセンスを感じました。左下には日本画と同じく、縦書きの署名とともに落款が押してあります。

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古径の「清姫」。紀州道成寺に伝わる清姫伝説を描いた、8場面からなる作品です。山崎種二氏が山種美術館を創設する時に、古径より譲り受けられたそうです。↑はその中の1場面「日高川」。清姫はこの後、恐ろしい大蛇になります。ファンタジックで愛らしい作品群でした。

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古径の「紫苑紅蜀葵」(しおんこうしょっき)。右隻に満開の紫苑、左隻に咲きはじめの紅蜀葵、その間に朝顔。夏から秋へ、季節の移り変わりが描かれています。金地に描かれたみごとな屏風絵ですが、楚々とした野の花というのが心憎い。紫苑の葉の色のグラデーションが、奥行が感じられてすてきでした。

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土牛の代表作、「醍醐」。土牛が、師である古径の7回忌の法要の帰りに立ち寄った京都・醍醐寺のしだれ桜に極美を感じ、その10年後に改めて制作したそうです。土塀まで染める満開の桜、堂々とした幹、散り落ちた桜花の点々… 桜が匂い立つような、華やかで幻想的な作品でした。

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土牛の最高傑作、「鳴門」。徳島からの帰り、揺れる船の中から何十枚もの鳴門を写生され、その後、下絵なしに一気に仕上げられたそうです。シンプルで大胆な構図、美しい海の色に引き込まれました。

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今回の企画展では、猫と猫、犬と犬、菖蒲と菖蒲…という具合に、同じ題材で描かれた作品を並べた、古径と土牛の師弟対決も楽しい試みでした。↑は(左)古径の「富士」、(右)土牛の「富士宮の富士」の、富士山対決です。影響とともに、個性の違いも感じられ、興味深く鑑賞しました。

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コメント

こんばんは。

私、小林古径って画家の方の名前、はじめて知りました。
奥村土牛のお師匠さんなんですね。taurus

この2人の絵、きちんと鑑賞した事がなかったのですが、記事の写真を見ても、色合いが本当にきれいですね。
明るくて華やかな一面、とても繊細さも感じますね。

富士山対決・・う~ん、甲乙つけがたいな~。迷いに迷って古径かな。
お一人で行かれたとの事で、ゆっくりと自分のペースで鑑賞できた事と思います。ステキな時間でしたね!happy01

投稿: ごみつ | 2013年11月19日 (火) 01時45分

☆ ごみつさま ☆
こんにちは。
正確にいうと、小林古径と奥村土牛は
どちらも梶田半古という師についていた兄弟弟子で
半古亡きあと、土牛は古径を慕って師と仰いでいたそうです。
活躍していたのが明治から昭和とあって
日本画の中にも洋画の要素が感じられてモダンな感覚がありました。

2人の作品の兄弟弟子対決が楽しかったです♪
富士山対決、迷ってしまいますが、私も古径かな…。
古径は線描を追求していらしたとあって、どの作品も
繊細な輪郭が姿をみごとにとらえていてすばらしかったです。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2013年11月19日 (火) 09時35分

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