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出光美術館 「江戸の狩野派」

招待券をいただいていたので、出光美術館で開催していた「江戸の狩野派」展(12月15日にて終了)をぎりぎりで見に行ってきました。江戸幕府の御用絵師として活躍したアーティスト集団、江戸狩野の魅力を堪能しました。

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狩野派は、室町幕府の御用絵師となった狩野正信を始祖とする日本絵画史上の最大画派。江戸時代になると本拠地は江戸に移り、京に残った”京狩野”に対して”江戸狩野”とよばれました。

狩野探幽を祖とする江戸狩野は、伝統を継承するため手本に忠実に学び、独創性がないと批判されることもありましたが、写生や模写を重んじる手法は、のちに尾形光琳や丸山応挙ら後世の画家たちに大きな影響を与えることになりました。

大胆な余白を取り入れた瀟洒で洗練された表現、漢画を手本に日本古来のやまと絵を融合させた独自の様式など、数々の作品を通じて理解を深めることができました。鳥をはじめとする写生画のみごとさにも感動しました。

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狩野常信の「鳥写生絵巻」より。いわゆるスケッチ、習作のようなものですが、翼を広げた姿や羽の生え方、脚や水かき、うろこ?のような模様まで正確に細密に描かれていて、思わず引き込まれて見入ってしまいました。

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狩野常信の「波濤水禽図屏風」(右隻)。鳥の姿は写実的ですが、波の形がぐりんぐりんととぐろを巻くように大げさに描かれていて、その対比がおもしろく感じました。

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最後に展示されていた、京狩野と江戸狩野の競演も見応えがありました。こちらは京狩野。狩野永納の「遊鶴図屏風」(左隻)です。松のほか牡丹の花など描かれ、流麗、華やかな表現です。

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対するこちらは江戸狩野。狩野安信の「松竹に群鶴図屏風」(右隻)です。並べられた↑の京狩野と比べると、そっけないほどにシンプルに感じられますが、私はこちらの方が好みです。余白の取り方など、モダンな感覚で、今の時代に合うからかもしれません。

そして心憎い演出は、展示される狩野派の作品に呼応するかのように、出光美術館が所蔵する同じモチーフ(富士、花、鳥など)の大皿や茶碗、壺など、古九谷や鍋島焼などの名品が合わせて展示されていたこと。こちらもすばらしく、見応えがありました。

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出光美術館の休憩室から見る、皇居方面の風景です。清々しい冬の青空と緑豊かな皇居の眺め、整然と美しい街並みに心洗われました。江戸城跡(皇居)を見ながら、狩野探幽が描いた障壁画に思いを馳せる...すてきな余韻の時をすごせました。

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コメント

こんにちは☆
出光美術館、もう長いこと行ってないですー
このところ、ずっとバタバタしていたので、ゆっくり美術館を楽しむ余裕がないですが、また機会があったら行ってみたいです。

皇居のお堀の景色も、そういえば勤めていた頃は眺める余裕が無かったですねー
思えばすごくいい環境にありました。はるか昔ですけど・・・

投稿: ノルウェーまだ~む | 2013年12月16日 (月) 18時07分

☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
こんにちは♪
出光美術館、私もかなり久しぶりでした。
せっかく招待券をいただいたので、がんばって見に行きましたが
すばらしい日本絵画や工芸品に触れて、いい時間がすごせました。

まだ~むさんはこの近くでお仕事されてたのですね。
皇居の風景、私も最近になって
その魅力を再発見したように思います。
こうしてみると、東京も世界に誇れる美しい都市ですね。

投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2013年12月17日 (火) 13時09分

こちらにもこんばんは。

忙しい年末ですが、こうして美術展にいくと、気持ちがホッとしそうです。
日本美術は、私もなかなかじっくりと見る機会がないのですが、こうして記事を読ませていただくと、興味が湧いてきます。
ツイッターでの感想ツイートもなるほど・・と思いながら読ませていただきました。

ポスターの鶴の絵もすごくステキですよね。shine

年内忙しくて、いつ大掃除するか悩んでるところですが、美術館賞にも行きたいな~。happy01

投稿: ごみつ | 2013年12月17日 (火) 20時33分

☆ ごみつさま ☆
こんにちは。こちらにもコメントありがとうございます♪

江戸の狩野派、予備知識なく見に行きましたが
すばらしい作品を鑑賞しつつ、理解を深めることができて
楽しい時間がすごせました。

ポスターの鶴、すてきですよね!
現代に通じるモダンな感覚があって、
デザインとしても見てもおしゃれだな~と思いました。
このすっきりとした感じが江戸の粋ですね。

大掃除、私はスルーしちゃうかも。^^;
ほんとうは、カイユボットや点描画展も行きたいのですが
う~ん、無理かな…。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2013年12月18日 (水) 08時43分

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