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2014年1月

「少女は自転車にのって」

岩波ホールで上映中の映画、「少女は自転車にのって」(Wadjda)を見ました。サウジアラビア初の女性監督、ハイファ・アル=マンスールの長編デビュー作。因習の中で前向きに生きる主人公の少女の姿に、すがすがしい感動を味わいました。

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サウジアラビアに住む10歳の少女ワジダ(ワード・モハメド)は、幼なじみの男の子アブドゥラと自転車競走がしたいのに、お母さん(リーム・アブダラ)に女の子が自転車に乗るなんて!と反対され、買ってもらえません。

きれいな緑色の自転車が欲しくて、手作りのミサンガを売ったり、上級生の恋の橋渡しをしたりしてこっそりお金をためていたワジダは、賞金目当てにコーランの暗唱大会に挑戦することに...。

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(ワジダと幼なじみアブドゥラくんとのやりとりが微笑ましい)

映画館のない国サウジアラビアで作られた、初めての女性監督による映画と知って興味津々、楽しみにしていました。キャストは全員サウジアラビアの俳優さんで、すべてのシーンがサウジアラビア国内で撮影されているそうです。

「自転車に乗って遊びたい」というあたりまえのことが女の子に許されない社会。映画では、10歳の少女ワジダの日常を通して、サウジアラビアという国の姿が見えてきます。厳格なイスラム社会...頭では理解していましたが、映像を見て初めて知ることもたくさんありました。

外に出る時は黒いローブとスカーフで全身をすっぽりおおい、学校は男女別学。女子校は先生もみな女性で、男性に姿を見られたり声を聞かれないよう、休み時間に校舎から出ることもままなりません。

おしゃれが見つかるとしかられ、自由に恋することも許されない。そしてワジダの家には跡継ぎとなる男の子がいないため、お父さんに第2夫人との結婚話がもちあがっていました...。

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(厳格な校長先生。こんなに美しいのに外で姿を見せられないなんてもったいない)

映画のテーマとなっているのは、女性にとって理不尽な社会。しかしそうした不条理をことさら声高に主張することなく、ユーモアを交えて、明るく軽やかに描いているのがすてきでした。

黒いローブの下にジーンズとスニーカーというワジダは、厳しい戒律の目をくぐりぬけ、おしゃれも音楽も楽しむ元気いっぱいの女の子。そんな彼女が、自転車を手に入れるため、自らを縛りつけているコーランを覚えるという設定がシニカルでおもしろい。

コンクールの結果については見てのお楽しみですが、娘の行く末を案じ、幸せを願い、未来への希望を託すお母さんの姿に胸が熱くなりました。

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ワジダにとって自転車は自由の象徴。それは監督の「映画を撮りたい!」という思い、そして多くの女性たちが自分らしく生きたいと願う希望と重なって見えました。

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原美術館 「ミヒャエル・ボレマンス: アドバンテージ」展

原美術館で開催中の「ミヒャエル・ボレマンス: アドバンテージ」展(~3月30日まで)を見に行きました。ベルギーを代表する現代美術家 ミヒャエル・ボレマンスの、日本での初めての個展です。

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ボレマンスの作品は、3年前のヨコハマトリエンナーレで見ているはずですが、その時の記憶はなく...先日、ネットのニュースで作品を見てひと目で惹かれ、この企画展を楽しみにしていました。

場所は品川・御殿山にある原美術館。バウハウスの流れをくむモダンな邸宅を改装して作られたこの美術館は、静謐で洗練されたボレマンスの作品を鑑賞するのにぴったりの空間でした。建築とアートのみごとなアンサンブルを堪能しました。

30数点の作品をひと通り見た後、ガイドツアーに参加し、美術館とボレマンスについてお話をうかがいました。

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1階、入口横のギャラリーに入って最初に目に入るのがこのMagnolias(モクレン)。ほとんど散ってしまった花びらをそのままに描いているのが印象的です。小さなサイズの作品が多いボレマンスとしては、縦横1m以上ある一番大きな作品です。

1963年生まれのボレマンスは、写真から油絵に転向したアーティスト。伝統的な手法に倣った絵画は、一見して何を描いているかわかる具象画に見えますが、その奥に別のテーマが隠れているように思えて、見る者の心をとまどわせます。

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(左)One(1) (右)Commutation(交換、転換)

タイトルもまた独特です。作品を見てからタイトルを確認すると、そこに違和感を覚えることも少なくありません。でもタイトルもまた、ボレマンスの作品の一部なのだと納得しました。

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(左)The Trees(木々) (右)The Racer(レーサー)

ガイドツアーでは、作品の解釈についてのお話はありませんでした。各々が見るままに、自由に感じればよいのだ、と受け止めました。しんと静まり返った世界が、ある時は心をふるわせ、ある時は心を突き刺す...作品を見ていくうちに、すっかりこの不思議な世界の虜になりました。

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映像作品も2点ありました。これはThe Bread(パン)という作品。ボレマンスの油絵をそのまま4次元にしたような、全く同じ世界観の作品でした。静かにたたずむ女性は、しばらくすると一片のパンをさっと口に運び、その後何もなかったかのように元にもどります。

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アートを鑑賞したあとは、中庭が見渡せるミュージアム・カフェ 「カフェ ダール」でひと休みしました。手前は企画展に合わせたイメージケーキ。ボレマンスのThe Marvel(驚異)という作品がそのままチョコレートムースになっています。^^ 奥はマロンのミルクレープ。

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ガイドツアーが始まるまでミュージアムショップをうろうろ...。アンティークデザインの、引き出しの取っ手を模したマグネットがかわいくて衝動買い。セットは5種類くらいあり、どれもすてきで迷いました。

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「デイ・アフター・トゥモロー」

年明けからアメリカ北部を大寒波が襲い、記録的な寒さに。あらゆるものが凍りつく非常事態となっています。

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(左)ナイアガラの滝 (右)シカゴ

このニュースに、2004年公開のパニック映画、「デイ・アフター・トゥモロー」(The Day After Tomorrow)を思い出して、見てみたくなりました。

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映画は、地球温暖化のために極地の氷が融け出して大洋に流れ込み、それによって海流の流れが変わって、異常気象が起こった...という設定です。東京では大粒の雹(ひょう)が降り、ロサンゼルスでは巨大な竜巻が発生し、イギリスでは燃料が凍ってヘリコプターが墜落する事故が起きます。

ニューヨークでは何日もの間、雨が降り続いて洪水が起こり、さらには高潮に襲われます。そして、本来南の海で発生するハリケーン状の渦が極地で発生して、アメリカ北部は氷と雪に覆われるのでした...。

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↑ こちらは映画からのシーン。

今、アメリカに大寒波をもたらしているpolar vortex(極渦)と同じ状況が、10年も前の映画の中で起こっていて驚きました。

10年前といえば、地球温暖化の危機はすでに叫ばれていましたが、それは海面が上昇して島が消えるとか、地表が小さくなるといったものだった気がします。しかしここ数年、それにとどまらず、日本や世界各地で豪雨や竜巻など、大きな自然災害が次々と起きています。

そもそもかつて、日本で竜巻が起こるなんていうことは、そうそうなかったはず。映画はあくまでフィクションなので、かなりおおげさにデフォルメしてはいるのですが、今見るとあまりにリアルな展開で、背中がぞくっと寒くなるのを感じました。

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ドラマの部分は、高校生クイズコンテストに参加するためにニューヨークを訪れていたサム(ジェイク・ギレンホールです。若い!)を中心に展開します。彼は仲間や他の人たちと公立図書館に避難しますが、最後につながった電話で、気象学者の父親から決して外に出ず、中で暖かくして待つよう厳命されます。

しかし、南部に住む人たちがさらに南に向かって避難しているという情報を聞きつけた人々は、サムの制止も聞かず、交通網がストップしている中、歩いて南に避難しようと外に飛び出してしまいます...。

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パーフェクト・フリーズの危機を乗り越えて、やがて嵐は収まり、ようやく晴れ間が広がるところで映画は終わりますが、地球温暖化問題に本気で取り組まなくては、また同じことが起こりうる...と、最後まですっきりとはなれませんでした。

地球温暖化と寒冷化は一見矛盾するようですが、地球の大気や水がすべて循環していることを考えれば、それは表裏一体の問題なのだとわかります。実際、今、北半球が寒波に襲われている一方で、南半球には猛暑が訪れているとか...。

映画を見ながら、何をするわけでもないのですが、じっとしてはいられない気持ちになりました。

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メゾンエルメス フォーラム 「クリスチャン・ボヌフォワ展」

映画の後に、銀座メゾンエルメス8階のフォーラムで開催されている「クリスチャン・ボヌフォワ展」(~2月28日まで)を見に行きました。

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クリスチャン・ボヌフォワは、フランスを代表する現代美術のアーティスト。今回は、日本で開催される初めての個展だそうです。新聞でこの企画展を知り、ひと目で私好みの作品!と楽しみにしていました。これまでの代表作のほか、本展のために制作された新作が展示されています。

会場は、ガラスのブロック壁越しに柔らかく自然光が入る明るい空間。白い壁によって不規則な形に区切られ、アートの森を散策するように見て回ることができました。会場構成は、建築家の中山英之さんです。

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網戸のような?目の粗いキャンバスに、白いアクリル絵具と鉛筆を使って描いた作品、カラフルな薄紙をコラージュして重ね合わせた作品などがありました。

正面に見えるのは「バベル」という作品。こちらから見ると、背景が黒く見えますが、反対側に回ると、こちらが透けて見えます。目の粗いキャンバスが片側だけ光を通し、マジックミラーのような効果を生み出していたようです。

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「背中」シリーズから。ボヌフォアは、1970年にマティスのレリーフ状の彫刻作品「背中」と出会って衝撃を受け、アーティストを志したそうです。Matisse

ちなみに、こちらがマティスの「背中」。ボヌフォワは、この作品の正面が見たいという思いから、これまで30年努力してきたとか。でも私はボヌフォワの作品を見て...

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マティスの「青い裸体」を思い出しました。

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壁いっぱいに薄紙をコラージュし、ピンで留めつけた作品。パステルカラーの構成がなんともロマンティックですが、おもちゃ箱をひっくり返したようなにぎわいがあって、子ども部屋みたいに楽しい。

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こんな感じの連作も。会場では、ボヌフォアがフランスの彼のアトリエを訪れた学生たちにレクチャーしている、約50分のフィルムも上映されていました。

プロフィールを読むと、美術史家としてスタートしたとありますが、フィルムではその前に記号学を研究していたとお聞きし、作風の謎が解けた気がしました。記号学といえば、「ダヴィンチ・コード」のラングドン教授を思い出しますが、アートとどこか通じるものがあるのかもしれませんね。

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最後は、今回の企画展のために制作されたという「銀座上空の黄道十二宮の星座」。吹き抜けの宇宙を感じさせる空間に、ボヌフォワの世界がいっぱいに広がって、うわ~っと圧倒されました。

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「鑑定士と顔のない依頼人」

ジェフリー・ラッシュ主演の映画、「鑑定士と顔のない依頼人」(La migliore offerta / The Best Offer)を見ました。「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が贈る、大人のための上質なミステリーです。

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天才的な審美眼を誇る鑑定士バージル(ジェフリー・ラッシュ)は、クレア(シルヴィア・フークス)と名乗る女性から、資産家の両親が残した絵画や家具を査定してほしいとの依頼を受けます。しかしバージルが何度屋敷に足を運んでも、依頼人は部屋にこもったまま。決して姿を見せようとしません。

最初は、無礼な態度に怒りをあらわにするバージルでしたが、壁越しのやりとりを通して、謎めいた彼女に徐々に惹かれていきます。そしてある時、好奇心を抑えられず、こっそりクレアの姿を覗き見たバージルは、その美しさに心奪われてしまいます...。

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予告を見た時から気になっていた作品を、2週間ほど前にようやく見ました。ゴージャスな美術品や骨董品の数々に、それだけでうっとり...ですが、気がつけば巧みなストーリーテリングにすっかり絡めとられていました。おもしろかった!ですが、あまりに残酷な結末にしばし放心してしまいました。

バージルは、偏屈で傲慢、孤独な初老の男性。極度な潔癖症で常に手袋をはめ、行きつけのレストランでは名まえの入った特別な食器で食事。これまで恋愛したことがなく、友人とよべる人もいない...唯一の楽しみは、部屋いっぱいに飾った美しい女性の肖像画を愛でること。

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バージルの自宅です。^^ 整然と並んだ手袋の棚の向こうに、彼が至福の時をすごす肖像画の部屋があります。エキセントリックな主人公をジェフリー・ラッシュがみごとに演じていました。一流のオークショニアでもあるバージルが華麗な手腕で仕切る、オークションの場面も一見の価値あり。

潔癖症で堅物のバージルですが、売れない画家のビリー(ドナルド・サザーランド)と結託し、目を付けた肖像画を不正に安く競り落とす、ダークな一面も持っています。

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謎の依頼人クレア。人との接触を嫌い、部屋に引きこもっている彼女に、バージルは自分と相通じる何かを見出したのかもしれません。もちろん、彼の審美眼にかなう美しい女性だったことも大きいでしょう。そして、自分がか弱い彼女を守ってあげなくては!と思ったのでしょうね...。

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クレアの家で謎の部品を見つけたバージルは、何でも修理してしまう機械職人のロバート(ジム・スタージェス)のところに持ち込み、調べてもらいます。プレイボーイのロバートは、恋愛初心者バージルのよきアドバイザーでもあります。

ロバートの手によって、少しずつ作り上げられていく機械人形。クレアの屋敷で働く寡黙な使用人。そして屋敷の前にあるカフェで、日がな一日、数を数えている女性...。そうしたあれこれが、謎めいた気分を高めます。

結末については、彼がどうして、ここまでの仕打ちを受けなくてはいけなかったのか?納得がいかなくもありましたが、これは大人のために戒めをこめた、シニカルで残酷な童話。後からあれこれ考えさせられました。

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シェリル・サンドバーグ 「LEAN IN (リーン・イン)」

フェイスブックのCOO シェリル・サンドバーグさんの話題作を読みました。

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シェリル・サンドバーグ
LEAN IN (リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
(Lean In: Women, Work, and  the Will to be Lead)

フェイスブックという新進気鋭の会社を支えるやり手の女性エグゼクティブということで、どんな方だろうと興味を持っていました。これは彼女の半生をジェンダーという視点から描いた本。タイトルのLEAN INには”一歩踏み出そう”というメッセージが込められています。

読んでまず感じたのは、これは男勝りの従来型のワーキングウーマンの話ではない、ということ。華麗な学歴と経歴からすでに特別...と思われるシェリルですが、彼女が語ることばには、日本とアメリカという土壌の違いを超えて、共感できる部分がたくさんありました。

語り口はストレートでわかりやすく、彼女のざっくばらんな人柄が伝わってきて、楽しく読めました。シェリルのことばを裏付ける事例や数値データも豊富で、説得力があります。ビジネスに限らず、やりたいことを見つけた時、環境を変えようと思った時、一歩前に踏み出す勇気を与えてくれる本だと思いました。

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アメリカはジェンダーに対する意識が高く、女性が社会で活躍しやすい環境にあると思っていたので、シェリルをはじめアメリカの多くの女性が、子供の頃から植えつけられた女性のあるべき姿にとらわれ、引っ込み思案になっているという告白は、意外な驚きでした。

私のまわりを見ると、社会に出てからキャリアを中断させずに仕事を続けている友人は、独身か、お子さんがいないか、ご両親の協力があるか、のいずれかであるのが現実です。2児の母でもあるシェリルがその壁をどうやって乗り越えたのか、興味がありました。

彼女の場合、東海岸の古い価値観の社会から、(当時、まだ未知数だった)グーグル、フェイスブックという新しい感覚をもった会社に飛び込んだこと、また理解あるパートナーと出会ったことが、道を切り開くきっかけになったのではないかな、と思いました。

これからの時代は、夫が働き、妻が支えるという伝統的な役割分担にはリスクがあり、男女を問わず、仕事も子育てもどちらもできるようにしておく方が、(病気や失業、家族の介護など)予期せぬ問題にぶつかった時、柔軟に対応できるようにも思います。

おやじ世代が引退して、今の子どもたちが社会を作っていく頃には、男女のあり方もだいぶ変わっているかもしれませんね。

【 追記 】 (2014.01.20)
今日の日経一面より。2013年、35~44歳の子育て世代で、働く女性が初めて7割超えたそうです。景気回復による求人数の増加と、子育て環境の改善が追い風に。詳細記事はコチラ

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イタリアンカフェでランチ

ここのところ、気持ちの余裕がなくてブログもなかなか更新できなかったのですが、今日はとりあえずひと息ついたので、気分転換を兼ねて、近くにオープンしたイタリアンカフェにお昼を食べに行きました。

こちらのお店、パンケーキのセットが人気のようですが、たまたま朝食にパンケーキを食べたばかりだったので、ピザとパスタのセットをそれぞれひとつずつオーダーして、シェアしていただくことにしました。セットにはそれぞれ、サラダとコーヒー(飲み物)がつきます。

スターターのサラダは、一見シンプルなガーデンサラダですが、たまねぎのマリネやローストしたアーモンドスライス、わずかにコリアンダーの香りも感じられて、複雑な味わい。なかなかおいしかったです。

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スモークサーモンとアボカドのピザです。フラットブレッドというタイプのピザで、サラダののったオープンサンドウィッチのような感覚でいただきました。

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こちらは本日のパスタ。いかとキャベツのアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノです。オイルベースのソースがパスタによくからみ、見た目よりもコクのある味わいでした。淡緑のキャベツが目に優しく、一足先に春が来たようです。ふわふわ温かいフォカッチャもおいしかったです。

食後のコーヒーといっしょに、デザートもいただくことにしました。5種類くらいある中から選んだのはピスタチオのムース。ところがなかなか来ないので、ひょっとして忘れちゃったかな?と思ったら...

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こんなすてきなひと皿が運ばれてきて、思わずわあっと歓声を上げてしまいました。緑色のピスタチオのムースの上に生クリームで固定されているのは、まるで恐竜の卵みたい! これはホワイトチョコレートだそうです。中にラズベリーのアイスクリームが入っていました。お皿の模様はブルーベリーソースです。

このごくごく薄い、ホワイトチョコレートのたまごは、どうやって作るんでしょう? それを考えたら夜も眠れなくなりそうです。^^ お店は黒と白のモノトーンのシンプルモダンなインテリア。席がゆったりと余裕があって暖炉もあり、くつろげました。

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帰りは遠回りして、いつもは行かないグロッサリーストアでお買い物しました。左はスペインの手焼きせんべいで、クラッカーのようなものらしい。右手前は野菜スイーツのポタジエさんがプロデュースしたしょうがのかりんとう。40010とあるのは四万十川のことで、高知の食材を使って作られているそうです。

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「ウォールフラワー」

公開時から楽しみにしていた「ウォールフラワー」(The Perks of Being a Wallflower)をようやく見てきました。「パーシー・ジャクソン」のローガン・ラーマン、「ハリー・ポッター」のエマ・ワトソン、「少年は残酷な弓を射る」のエズラ・ミラーが共演する青春映画です。

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高校に入学したチャーリー(ローガン・マーラン)は、作家になることを夢見る内気な男の子。クラスメートたちになかなかなじめずにいましたが、同じ授業を受けている上級生のパトリック(エズラ・ミラー)に声をかけたことで、その義妹のサム(エマ・ワトソン)とも仲良くなり、彼のたいくつな日常が一変します...。

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映画を見ながら、なんだかライ麦畑みたい~と思ったら、原作は1999年に発表され、「ライ麦畑でつかまえて」の再来と話題になった大ベストセラーだそうです。原作者のスティーヴン・チョボスキー自らが監督・脚本を務め、製作にはジョン・マルコヴィッチが加わっています。

80年代のアメリカの高校生のファッションや音楽、文学、映画、ライフスタイルのあれこれがかっこいい。私も彼らとちょうど同世代なので、海をこえて同じ音楽を聴いていたんだなーと感慨深く思いました。お気に入りの曲をカセットテープにダビングして友だちと交換したり、とかね。

チャーリーがどきどきしながら踊りの輪の中に入っていく時にかかっていたDixys Midnight Runnersの”Come On Eileen” ダンスパーティでかかっていたスローナンバーはAir Supplyの”All Out Of Love” サムが大好きだというDavid Bowieの”Heroes” など。どれも懐かしかったです。

彼らは当時の日本の高校生よりずっと洗練されてはいるけれど、感じ方とか考え方とか、共感できる部分がたくさんありました。些細なことで傷ついたり、どきどきしたり、自信をなくしたり、それでいて自分は特別なんだと思ったり...そんな年頃のことが懐かしくなりました。

高校初日からうまくなじめず、卒業するまでの日を指折り数える日々、自分と感性が合う友人と出会った喜び、好きな女の子に気持ちが伝えられないもどかしさ、進路が決まるまでの不安...そこにアメリカらしく?ドラッグやパーティ、同性愛などもちりばめられています。

チャーリーは賢くて、自分の世界を持ったすてきな男の子ですが、自分のことをさえないと思い込んでいます。人と違うことを魅力にかえてしまう”はみだしもの”の友だち、彼の中に才能を見つけ導いてくれる国語の先生、そうした出会いによって、過去の心の傷を乗り越え、成長していく姿がまぶしかったです。

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キャストもみずみずしく魅力的でした。童顔のローガン・ラーマンくんは、思春期の揺れ動く心をみごとに表現していました。ニートなスーツ姿が小さな紳士といった感じで、とてもかわいい。

ショートヘアーのエマ・ワトソンは、自由奔放な少年っぽさが魅力。そして「少年は残酷な弓を射る」での怖ろしい少年役が強烈だったエズラ―・ミラーくんが、明るくコミカルな全く違うタイプの男の子を演じていたのが新鮮でした。

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きらきらと明るいだけではなく、複雑な背景もさりげなく描かれていて...若者たちに圧倒的に支持されたという原作も読んでみたくなりました。

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2013年をふりかえって (本・アート・舞台)

2013年をふりかえって...昨年読んだ本と、美術展、舞台の中からお気に入りをピックアップします。おつきあいくだされば幸いです。

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昨年、最も衝撃だったのは尊敬する山崎豊子さんが亡くなられたことです。体調を崩されているとうかがっていたので、「運命の人」が最後の作品になるかもしれないと覚悟していましたが、そのうち新潮で連載が始まって、喜んでいた矢先のできごとでした。最後までペンを離さなかった豊子先生。ご冥福をお祈りします。

さて、昨年は32冊とやや少なめでした。記事もあまり書けませんでしたが、多くの良書と出会えたことは喜びです。そんな中、私に興奮を与えてくれたノンフィクションと実話に基づく3冊を選びました。

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マイケル・サンデル 「それをお金で買いますか」
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー他 「ビッグデータの正体」
百田直樹 「海賊とよばれた男」(上・下)

左・中の2冊の感想は、リンク先をご参照いただけたらと思います。ベストセラーになった「海賊とよばれた男」は、出光興産の創業者、出光佐三さん(小説では國岡鐡造)を描いた伝記小説です。

戦争に敗れ石油の大切さを思い知らされた國岡は、米石油メジャーとイギリスを敵に回して、単独イランと取引し、日本に石油を運び入れます。気骨と胆力の経営者はまた、社員ひとりひとりを家族のように大切にし、守り抜く信念の人でもありました。男たちの奮闘に胸が熱くなりました。

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美術展はなるべく幅広く見ていますが、好みからいくとやはり近代以降のアートに惹かれます。特に同時代を生きる現代アートは、現在進行形の未知数のおもしろさを感じます。昨年見た中から、私にとって記念碑的な美術展3つを選びました。

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奇跡のクラーク・コレクション @三菱一号館美術館
光り輝くルノアール。名画を所有するコレクターの喜びを初めて理解しました。コレクターといえば、ジョン&キミコ・パワーズ夫妻のアメリカン・ポップ・アート展も圧巻でした。

アンドレアス・グルスキー展 @国立新美術館
100のことばを尽くしてもこのアーティストの作品は説明できない。実物を美術館の広いスペースで鑑賞できたことは大きな喜びでした。

坂茂 建築の考え方と作り方 @水戸芸術館
尊敬する建築家、坂茂さんの初めての個展を見るために水戸まで出かけたことも、いい思い出になりました。

drama 舞台 drama

昨年のトピックスは、なんといっても歌舞伎座新開場。先代の伝統を生かしつつ最新鋭の舞台装置を設えた劇場として生まれ変わりましたが、贔屓の?B席からは部分的に見えないのが残念。歌舞伎は庶民の味方ですから、後方からもよく見えるミュージカル劇場のような思い切った設計もありだったかもしれません。

夏以降は私事でなかなか足を運べませんでしたが、一年続いた杮落し公演では豪華俳優陣による名作の数々を堪能しました。その中から特に気に入った演目を2つ書き留めておきます。

菅原伝授手習鑑 寺子屋 (三津五郎・幸四郎・魁春・福助 他)
平家女護島 俊寛 (吉右衛門・梅玉・歌六・仁左衛門 他)

今年も多くの感動に出会える年となりますように。

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2013年をふりかえって (新作・旧作映画)

2013年をふりかえって...今年は映画と本・その他を、記事を分けてご紹介します。昨年見た新作・旧作映画の中から、それぞれお気に入りの3作品をピックアップしました。

movie 新作編 movie

2013年に劇場公開された新作映画は48本見ました。気に入った作品の中から、あえてマイナー上映ながら心に残った次の3作品を選びました。感想の詳細は、リンク先をご参照くだされば幸いです。

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プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命(The Place beyond the Pines)
ライアン・ゴズリング&ブラッドリー・クーパー主演のヒューマンドラマ。全く違う道を歩みながら接点を持った2人の父親と、それぞれの息子へと引き継がれる因果の物語。

欲望のバージニア(Lawless)
シャイア・ラブーフ、トム・ハーディ、ジェシカ・チャステインらが共演。バージニアを舞台に禁酒法時代に名を馳せたボンデュラント3兄弟を描いた、実話に基づく痛快なクライムドラマ。

クロニクル(Chronicle)
デイン・デハーン主演の心に痛みを覚える青春映画。思いがけない超能力を身に着けてしまった少年の悲劇に胸が締め付けられました。

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そしてこの3作品に出演していたのがデイン・デハーンくん。ブレイクする前のレオナルド・ディカプリオのような雰囲気があって、気になっている実力派若手俳優です。4月に公開される「アメイジング・スパイダーマン2」では、主人公の親友であり悪役のハリーを演じるので今からとっても楽しみです。

cd 旧作編 cd

ほとんど記事にできませんでしたが、2012年以前に公開された旧作・名作映画は77本見ました。(DVD/BD:58本 TV:19本) その中から特に心に刻まされた3作品をご紹介します。

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ゴッドファーザー 3部作(The Godfather, Part II, Part III)
昨年はなんといってもゴッドファーザーの年でした。そもそもマフィアの存在意義すら理解できなかった私に、この作品は冒頭で明快な答えを示しています。ゴッドファーザーがきっかけで、アンタッチャブルやグッドフェローズなど、マフィア映画に夢中になりました。

ミュンヘン(Munich)
昨年はスピルバーグ監督作品もたくさん見ました。その中で一番衝撃を受けた作品がこちら。ミュンヘンオリンピック事件と、その後のモサドによる報復作戦を描きます。パレスチナ、イスラエルの終わりなき報復の連鎖の一端を知ることができる問題作です。

黄色い星の子供たち(La Rafle / The Round Up)
ナチス占領下のフランスで行われたユダヤ人一斉検挙(ヴェル・ディヴ事件)を子どもの目線で描きます。ナチスものにしては残酷な描写がそれほどないので、ティーンネイジャーたちにも是非見てほしい作品です。

今年も新作・旧作を問わず、多くの感動に出会えますように。

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日本橋木屋さんの福袋 & ル・クルーゼのプラスチック・ピン

長年使ってきたまな板と包丁を新しくしたいと思っていたところ、刃物の老舗 日本橋木屋さんの福袋にちょうどぴったりのセットがあったので、購入しました。福袋といっても中身がわかっているので安心。しかもお値段は3分の1以下と、いいお買いものができました。

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包丁は洋包丁とペティナイフの2本。今までヘンケルと、引越し先で間に合わせに買ったDanskをそれぞれ2本ずつ使っていましたが、Danskの刃がちょっと曲がってきていたので新しくしたいと思っていたのです。木屋さんの刃物はたしかな品質で、メンテナンスもしてくださる一生もの。大切にしたいと思います。

まな板は20年以上ベターホームのを使っていましたが、だいぶ年季が入ってきたのとサイズが少々大きいのとで、新しいのが欲しいと思っていました。このまな板は、大きさもちょうどよく気に入りました。まだ新しい、ひのきの香りが心地よく、幸せな気分になりました。

キッチンばさみはお気に入りのヘンケルがありますが、いくつあっても便利なのでうれしい。江戸てぬぐいと台ふきんは、それぞれ干支の馬がついている、福袋らしい縁起物です。

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ペッパーミルは、木屋さんの創業220年を記念してプジョーの協力で作ったオリジナル製品だそうです。暖簾の紺に屋号が入ったスタイリッシュなデザイン。挽くとカリカリといい音がしました。ミルは愛用しているものがありますが、木屋さんのは絵になるので卓上で使いたいと思います。

この他、ル・クルーゼのお店でいいものを見つけました。

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お鍋とふたの間にはさむプラスチック・ピンです。ピンはお鍋を買うと付属の黒いのがついてきますが、私が年末に風邪でダウンした時にお台所を手伝ってくれた家族が、いるものだと思わず、失くしてしまったらしいのです。でも怪我の功名で、思いがけずかわいいのが買えてよかったです。

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お鍋をこんな風に重ねて深い引き出しにしまっていますが、ピンをはさんでおくと、ふたに傷がつきません。

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アメリカの雑貨が手に入る大好きなAmerican Pharmacyでは、おもしろいものを見つけました。野菜を千切りにするピーラーです。これはちょっと衝動買いでしたが、お料理が楽しくなりそうです。

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伊豆で迎えるお正月 2014

あけましておめでとうございます

~ 今年もどうぞよろしくお願いします ~

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お正月は恒例の家族の集まりがあり、今年は伊豆半島の南端、下田で新年を迎えました。昨年初めて大きなバンを借りましたが、大人数でも動きやすく便利だったので、今年も同じバンを借りてのドライブ旅行となりました。

大晦日はみごとな青空。東名高速を走ると、正面 丹沢連山の向こうにひときわ高く、真っ白いカマンベールチーズのような雪の富士山がくっきりと見えます。崇高な美しさに思わず歓声を挙げました。

昨年と同じく、厚木小田原道路を経由して箱根ターンパイクを通ると、道端にはうっすらと雪が積もっていました。途中、大観山の見晴台に立ち寄り、富士山と芦ノ湖のみごとなコラボレーションを楽しみました。青い空、山、そして湖と折り重なる、絵のように美しい風景に心奪われました。

お昼は、修善寺の「禅風亭なゝ番」さんで年越しそばをいただきました。一人にひとつずつ葉っぱつきの生わさびがついてきて、自分ですりおろしていただけますが、袋に入れておみやげに持ち帰ることもできます。(すりおろしたわさびは別についてきます。) おそばはすっきりしたのどごしで、とてもおいしかったです。

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お宿は下田といっても海のそばではなく、静かな里山にありました。伊豆ならではの新鮮な海の幸に舌鼓を打ち、温泉にゆっくり入って一年の疲れをときほぐしました。久しぶりにビリヤードで遊んだりして楽しくすごしました。

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元旦の朝はお雑煮とお節のバイキングでお祝いの食事をいただいた後、おもちつき大会に参加しました。つきたてほかほかのおもちは、柔らかくコシがあってとてもおいしかったです。

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チェックアウトした後は、昨年強風で乗れなかった観光船に今年こそ乗ろう、と堂ヶ島を目指しましたが、今年は昨年以上の強風でまたもや欠航でした。堂ヶ島の青い海と奇岩のダイナミックな風景には何度見ても圧倒されます。波がザッバ~ンと強く打ち砕け、高いところが苦手な私は少々腰が引けてしまいました。

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西伊豆の海沿いの道を北へ北へと進み、途中で黄金崎に立ち寄りました。ここは本来暗緑色の安山岩が1600万年かけて黄金色に変質風化したプロピライト(変朽安山岩)という岩質だそうで、その美しい岩肌と荒々しく鋭利な地形のコントラストに目を奪われました。

黄金崎は、三島由紀夫の「獣の戯れ」という作品に登場しますが、美しさと残酷さをあわせもつこの風景が、作品の不穏な空気によくマッチしているように感じられました。

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元旦はよく晴れていましたが、少しガスが出ていて、残念ながら遠くに富士山を見ることはできませんでした。その代り、はるかかなたに続く水平線に、地球の丸みを実感することができました。

この後、三島で遅めのお昼に、地元駿河湾でとれた新鮮なネタを使ったお寿司をおいしくいただきました。帰りは渋滞の東名高速をなるべく避けながら、早めに東京にもどりました。

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