« 築地市場内で お寿司を楽しむ | トップページ | 和のアアルト? / 春なのに黒豆 »

ドロシー・バトラー 「クシュラの奇跡」

4月23日はサン・ジョルディの日。別名「本の日」ともよばれ、日本では「子ども読書の日」と定められているそうです。本が子どもの成長にもたらす力には計り知れないものがありますが、先日、ある本を読んで、改めてそれを実感しました。

Dorothy_butler_book

ドロシー・バトラー 「クシュラの奇跡 140冊の絵本との日々

1971年、ニュージーランドで生まれたクシュラには先天性の異常があり、視覚、運動、知能、その他あらゆる面に複雑で重い障害がありました。医師から厳しい宣告を受けた両親は、あきらめきれないまま、むずかり眠れない娘をあやし、抱きしめ、絵本を読み聞かせるようになりました。

そして生後4ヶ月、クシュラは絵本に強い関心を示すようになります。両親は娘を喜ばせようと、ますます絵本を読み聞かせるうちに、クシュラはことばを覚え、物語の世界に遊び、3歳になる頃にはいくつかの面で、健常者に勝る発達を見せるまでになったそうです。

クシュラのような障害を持った子ども全てにあてはまるわけではないでしょうし、本ではなく、音楽やアートがその役割をはたす場合があるかもしれません。しかし、愛は時として、医学では説明できない、医療を超えた奇跡を起こすことがある。その事実にただ驚き、心打たれました。

そういえば我が家でも、まだ赤ちゃんでことばを知らないうちから、お気に入りの本は内容をすっかり覚えていて、大好きなページが近づくと、待ちきれなくてうずうずしてたな...と、お気に入りの本をすっかり諳んじているクシュラを見て、古い記憶が蘇ってきました。

そして、もうひとつ15年くらい前に読んだある本を思い出しました。

Matsui_tomo_book

松居友 「絵本は愛の体験です。

著者の松居友さんは福武書店の児童書の編集長だった方で、お父様は福音館書店を創立した松居直さん。ずいぶん前のことで、内容はだいぶ忘れてしまいましたが、ご自身の体験をもとに書かれた絵本論は説得力があり、当時かなり影響を受けました。

絵本がほかの本と決定的に違うのは、それが「読んでもらうための本」だということ。それは、自分で読むこととは全く違う特別な体験だと、松居さんはおっしゃいます。そして子どもが字が読めるようになり、何歳になっても、読み聞かせをしていいのだ、と。

私自身、アメリカの小学校の先生に勧められ、小学4、5年の頃まで、毎晩のように日本語と英語の本の読み聞かせをしていました。日本にいたら事情が違ったかもしれませんが、海外という特殊な環境では、読書を共有したことが、親子の心をつなぎ、安心を与える大切な役割を果たしていたように思います。

本は読んでもらう子どもだけでなく、読む側の大人にも、大きな贈り物を届けてくれるのかもしれません。

|

« 築地市場内で お寿司を楽しむ | トップページ | 和のアアルト? / 春なのに黒豆 »

」カテゴリの記事

コメント

私自身、絵本を読んで貰って育ちましたし、
息子たちにもどれだけ読み聞かせをしたことか。
私は田舎の実家にまだ子供の頃の絵本を置いていますし、
大人になってからも時折手に取ることがあるので
今もよく覚えているのですが…
マンション住まいで息子たちの絵本は綺麗に処分してしまい、
そうしたら息子たち、何も覚えていないというのです。
絵本の記憶は私にとって宝物のように思っているのに
残念です~

投稿: zooey | 2014年4月25日 (金) 22時07分

☆ zooeyさま ☆
こんにちは。
絵本は、私も引越しの際にだいぶ手放してしまいましたが
今の生活の中ではある程度しかたがないかもしれませんね。
でもきっと息子さんたちの心の中には
zooeyさんとの幸せな時間が残っているのではないでしょうか。

うちの息子は、内容はともかく、この本を読んだ時にこういう反応をした
...というようなエピソードはよく聞かせていたので
そういう話だけは刷り込まれているようです。^^

投稿: ☆ zooeyさま ☆ | 2014年4月26日 (土) 21時47分

そうなのか・・・世界 本の日は最近、してないけど
しょっちゅう本は読んでるからなぁ・・・
無いと私の生活は成り立たない!!!!
外国勢の中で育って 言葉は米語で
今、家の中でも米語が出ちゃう
qのママが「小学校に入ったら日本語だ」というコトで
スヌーピーとアメリカンコミック
The Cat in the Hatとかの「ドクター・スース」とか
リトル・ゴールデン・ブックとか
とにかくそういうものを使って「日本語」を教えてくれてたの
いっぱいいっぱい絵本をプレゼントしてるママとパパ
いっぱいいっぱい 私の心に、覚えてるよ~ 
マザー・グースには「各国のマザー・グース」も読んで
「カロリーヌとおともだち」シリーズは
うちの猫が出てる!!!!とか思ってたな~

 qの祖父は、古文・漢文の大家だったの
辞書監修とかもしてた関係で
子供用の辞書とかただで貰ってたけど
編集の人とかと会うと
松居直さんの「福音館」の絵本とかブレゼントだった
凄く 不思議だったのが
わたしにとって ディック・ブルーナなのに
どうして日本語は「うさこちゃんなの?!?!」ってねぇ
松居直さんって、「うさこちゃん」って名付けた人ってのも
おじぃちゃまから聞いてた人なんだよなぁ・・・

投稿: q 外国勢の中で育って | 2014年4月30日 (水) 22時27分

☆ qさま ☆
こんにちは。
qさんは絵本を読んで日本語を覚えたのですね。
日本の絵本も古いものから新しいものまで
すてきな本がたくさんありますが
(五味太郎さんとか天才!と思っちゃう...)
海外の絵本はちょっとタッチが独特だったりして
それがまた不思議と心に残っていたりしますね。
qさんもすてきな思い出をたくさんお持ちのことと思います。

松居直さん、ご存知でしたか。
うさこちゃんのシリーズ、かわいくて楽しいですね!

投稿: ☆ qさま ☆ | 2014年5月 1日 (木) 09時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1151970/55915470

この記事へのトラックバック一覧です: ドロシー・バトラー 「クシュラの奇跡」:

« 築地市場内で お寿司を楽しむ | トップページ | 和のアアルト? / 春なのに黒豆 »