« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »

2014年5月

オペラ 「カヴァレリア・ルスティカーナ」「道化師」

新国立劇場にヴェリズモ・オペラの2大傑作、「カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師」(Cavalleria Rusticana / I Pagliacci)を見に行きました。

Cavalleria_rusticana_i_pagliacci_6

ヴェリズモは、19世紀後期イタリアに登場するリアリズムを追求した文芸運動。そこから生まれたヴェリズモ・オペラは、それまでの歴史や神話を題材にしたオペラと違い、市井の人々の日常を描き、暴力描写があるのが特徴です。

Cavalleria_rusticana_i_pagliacci_1

「カヴァレリア・ルスティカーナ」はシチリアが舞台のオペラで、映画「ゴッドファーザー Part III」のクライマックスにも登場します。オペラ歌手としてデビューすることになったドン・コルレオーネの長男の初舞台と、映画のストーリーとがリンクして、興奮と胸騒ぎを覚えながら引き込まれたことを思い出します。

ピエトロ・マスカーニ作曲の音楽もすばらしく、特に決闘の前に静かに演奏される美しい間奏曲は有名で、CMやBGMにもよく使われます。(ゴッドファーザーでは、コルレオーネが銃弾に倒れた愛娘を抱き、声なく慟哭する場面に流れていました。)

music "Cavalleria Ruscatina" Intermezzo

一方「道化師」は、フィギュア・スケートの高橋大輔選手が2年前に、アリア「衣装をつけろ」をプログラムに取り入れたことで、一気に人気が高まったようですね。「カヴァレリア~」も「道化師」も80分ほどの短いオペラで、この2つはセットで上演されることが多いです。

Cavalleria_rusticana_i_pagliacci_3

ストーリーはどちらも、一言でいえば愛と嫉妬、そして復讐の物語。物語の進行上、重要な役割を果たす語り部が、嫉妬に駆られて告げ口したことで、のちの悲劇を招きます。人間の愚かしさと愛おしさが、ドラマティックな歌声と音楽にのせて迫り、心を揺さぶられました。

それから目を奪われたのは舞台装置の美しさ。朽ちた古代遺跡にオリーブの木の葉が揺れ、まるで実際に南イタリアの田舎を旅しているようです。郷土色、宗教色豊かな舞台に旅情を誘われ、歌も音楽も一流ながら、旅先の野外劇場にふと立ち寄ったような楽しい気分になりました。

Cavalleria_rusticana_i_pagliacci_4

「道化師」は入れ子になった物語の構成もおもしろかったです。旅芸人一座の物語なのですが、(女優でもある)妻の浮気に怒りを募らせる座長は、芝居を演じているうちに現実と芝居の区別がつかなくなり、芝居の中で「相手の名を言え!」と詰め寄り、妻を殺してしまいます。

あまりの迫真の演技に何も知らずに大喜びする観客たち...という、悲劇なのだけれど喜劇のようなおかしみもある、にぎやかで楽しい舞台でした。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

青山・原宿 雑貨屋さんめぐり

昨年から青山・原宿方面に次々とオープンした雑貨屋さん。そろそろ行列もなく落ち着いてきたので、まとめて足を運んでみました。FLYING TIGERは整理券が必要かも?と最初に立ち寄ると、この日はそのまま入れそうだったので、まずはすぐ近くのAnniversaire Cafe(アニヴェルセル カフェ)でお昼をいただくことに。

2014052601 2014052602

ランチセットは、メインのお料理にサラダ、バゲット、コーヒーがつきます。私は(左)のなんとか豚のグリルをいただきました。お豆と野菜たっぷりの煮詰めたミネストローネがソースになっています。シンプルな塩味にかりっとした焼き目のお肉、ソースも彩りよくおいしかったです。

(右)はビーフステーキ。ソースはバルサミコです。お肉の上になすとズッキーニ、レッドオニオンのソテー、さらにルッコラなどの生野菜がたっぷりのっています。お肉は柔らかく、お塩と野菜のおいしさが際立っていました。

2014052603

食後のコーヒーとともに、シェアしてケーキもいただきました。プランタンという名前のこちらのケーキはラズベリーとピスタチオを重ねた濃厚なおいしさ。ピスタチオはかりかりと食感が生かしてあります。

こちらのお店、雰囲気はいいものの、実はお味はあまり期待していなかったのですが、どれもおいしくて大満足でした。エナジーチャージして、いざお買い物へ。

2014052604

FLYING TIGER Copenhagen(フライングタイガー コペンハーゲン) 昨年10月にオープンしたデンマーク発の雑貨屋さん。カラフルでポップ、楽しい雑貨に目を奪われて、ふだんはあまり買わない色使いの雑貨もポンポンかごに入れてしまいます。100円、200円...とつい衝動買いしたくなるお値段がまた絶妙です。

絵の具のチューブみたいなのはペンケースで、口の部分が鉛筆削りになってます。早速学校に持っていったらウケました。^^ でもグリーンのトレイは、数回使っただけで角が割れてしまい...品質はそれなりだと覚悟した方がよさそうです。バッグは有料(20円~)なので、エコバッグを用意されても。

2014052606

ZARA HOME(ザラ ホーム) 4月に青山通りにオープンした、スペインのファストファッションZARAのインテリアショップ。この日はベージュを基調にした夏らしく涼しげなディスプレイでした。店内はリゾート風あり、ヨーロッパ調あり、いろいろなデザインがあります。

日本にあまりない個性的なインテリアアイテムも充実していますが、ファッションがお手頃なのに比べると、品質(縫製などが雑)に対して少々お高いかな?という印象でした。でも見ると刺激を受けますし、楽しかったです。

2014052607

BOOKMARC(ブックマーク) ニューヨーク発のファッションブランドMarc Jacobsが手がける本屋さん。昔キャットストリートとよんでいた原宿の細い遊歩道にあります。思った以上に小さなお店で品揃えは少ないですが、ウッディ・アレン、フィッツジェラルド、ビートジェネレーション...とくすぐられます。

ちょうど図書館で予約していた町山智浩さんの「アメリカのめっちゃスゴい女性たち」があったのでここで買いました。もう読み終わったので、そのうちにご紹介できれば、と思います。

2014052608

ASOKO(アソコ) 明治通りにオープンした大阪発の雑貨屋さん。輸入雑貨が中心で、FLYING TIGERに似た印象です。そろそろ疲れてきたので、ざっと見るだけになりましたが...

この日は普段使い用にペーパーナプキンをたくさん買いました。左のピンクはFLYING TIGER、その隣はZARA HOME、右の2つはASOKOでそれぞれ見つけました。青い星柄は星条旗みたい。独立記念日が近い今の季節にぴったりです。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

「キル・ユア・ダーリン」

ダニエル・ラドクリフ&デイン・デハーン共演の実話に基づくサスペンス、「キル・ユア・ダーリン」(Kill Your Darlings)を見ました。1944年のコロンビア大学を舞台に、のちにビート・ジェネレーション(ビートニク)とよばれ活躍する文学者たちの青春時代を描きます。

Kill_your_darlings_1

1944年、ニューヨーク。コロンビア大学に入学するも、正統を重んじる大学の姿勢に退屈を覚えていたアレン・ギンズバーグ(ダニエル・ラドクリフ)は、図書館で出会った美しい青年ルシアン・カー(デイン・デハーン)の自由奔放な言動に惹かれ、彼を追い求めます...。

今月からTSUTAYA限定でレンタルがはじまった劇場未公開作品。デハーン&ラドクリフ共演という情報のみで予備知識なく見たので、最初は、生意気な学生たちが勉強もしないで悪いことばかりして...なんて思っていたのですが、このメンバーがすごいのです。

「吠える」のアレン・ギンズバーグ、「裸のランチ」のウィリアム・バロウズ、そして「路上」(「オン・ザ・ロード」)のジャン・ケルアック...彼らは50年代にビート・ジェネレーションとよばれ、ヒッピーたちから熱狂的に支持された詩人、作家たちです。

Kill_your_darlings_3

そして彼らの中心にいたのがデハーン演じるルシアン・カー。彼は妖しく危険な魅力をふりまいて、まわりの男たちを翻弄していきます。そして彼らの気持ちを利用しつつ、大学の論文をちゃっかり書いてもらったりしているのです。^^;

たしかに周りにこれほどの文才が集まっていたら、とても自分で書く気にはなれなくなってしまうかも。彼らは、たまり場に出かけては酒やドラッグを嗜んだり、夜中に図書館に忍び込んで禁書を並べたり...と、悪行を重ねつつ^^ 青春を謳歌します。

しかし、ルシアンの取り巻きの中に、偏執的な想いを寄せるデヴィッド・カマラーという男がいたことで、事態は思わぬ方向へ。追い詰められたルシアンは、デヴィッドを殺害してしまうのでした...。

Kill_your_darlings_2

黒縁眼鏡にもさもさヘアで、ちょっぴり冴えないアレンを演じるラドクリフくん。対するデハーンは、ガラス細工のように繊細で美しいルシアンを好演。猫のように気まぐれで、悪魔のように残酷で...男心をくすぐる魔性をもったルシアンは、間違いなく後にビートニクたちの創作に影響を与えたのだろうな、と確信します。

ドキッとするシーンもありますが...美しいものを追い求める芸術家が、その対象としてルシアンに惹かれてしまうのは、ごく自然の感情として受け止められました。お勧めしにくい作品ですが、デハーンくんの魅力が堪能できて、私はまあまあ楽しめました。

| | コメント (6) | トラックバック (3)

ドゥマゴと、スプーンベジと、アイスプラント

映画を見たあとに、久しぶりに文化村の「ドゥ マゴ パリ」でお昼をいただきました。テラスやパティオなど、屋外で食事するのが大好きです。この日はやや風がありましたが、春の陽ざしがさんさんと降り注ぐ中庭での食事が気持ちよかったです。

2014052101

私はお肉料理のランチをいただきました。塩漬けの鶏もも肉のソテーです。ワンプレートでキャロットラペ、マカロニのミモザサラダ、アボカド?のムース、グリーンサラダ。これにアスパラガスのポタージュとバゲット、食後のコーヒーがつきます。

2014052102

こちらは、ラ・ミュージアムで開催されている「ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館」展とのタイアップメニューで、仔牛のミラネーゼです。仔牛のカツレツにトマトソースをかけたもので、ローストしたポテトとほうれん草のソテーが添えられていました。こちらにもバゲット、サラダ、ポタージュ、コーヒーがつきます。

案内係が、いかにも新入社員という感じの男の子で、(マゴだけに)まごまごして先輩にフォローしてもらっていたのが微笑ましかったです。穏やかな休日の昼下がりでした。

          cherry          cherry          cherry

ハーゲンダッツから5月12日に新発売のスプーンベジ(公式HP)。野菜を使ったアイスクリームです。早速セールになっていたので、トライアルに買ってみました。

2014052103 2014052104

(左)キャロットオレンジ (右)トマトチェリー

キャロットとオレンジは、家でもいっしょにサラダにしたり、ケーキに入れたり、なじみのある組み合わせ。最初のひと口は、わずかににんじんの青くささが感じられましたが、すぐに気にならなくなり、ふつうにおいしくいただきました。

チェリーは、チェリーコークに代表されるようにアメリカのお菓子によくある味ですが、実は私はちょっと苦手...ハーゲンダッツなら大丈夫かも、と淡い期待をしていただきましたが、トマトとチェリー、どちらも舌に残って気になりました。

やはり私は、野菜は野菜、アイスクリームはアイスクリームで別々にいただくのがいいかな...。

          clover          clover           clover

以前から気になっていたアイスプラント。最近よく見るようになったので、買ってきました。

2014052105_2

静岡県産でシオーナという商品名です。多肉植物にも似た柔らかいグリーンが美しい。表面には海ぶどうのような透明のプチプチがついていて、ここに塩分を隔離するそうで、わずかに塩味があるのが特徴です。そのまま生でも、炒めても、揚げてもおいしく食べられます。

2014052106

この日は、煮込みハンバーグのトッピングに、生のままのせてみました。見た目が個性的でおもしろいですし、シャキシャキした食感があって、ハンバーグといっしょに口に運ぶと思いがけないコントラストが楽しめました。

2014052107 2014052108

(左)はポーク&ビーンズ、(右)は残ったビーンズをミニオムレツに添えて朝食に。そのまま絵になるので、付け合せやトッピングに大活躍しています。卵と炒めてスクランブルエッグにしてもおいしかったですし、今度はフリットを試してみようと思います。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

「ブルージャスミン」

ウッディ・アレン監督の最新作、「ブルージャスミン」(Blue Jasmine)を見ました。「欲望という名の電車」をアレン流に料理した、笑うに笑えないシニカルなコメディ。主演のケイト・ブランシェットが、虚栄によって転落する女性をみごとに演じます。

Blue_jasmine_2

ニューヨークで実業家ハル(アレック・ボールドウィン)と結婚し、社交に明け暮れ何不自由ない生活を送っていたジャスミン(ケイト・ブランシェット)は、夫が詐欺罪で逮捕されたことで無一文に転落。サンフランシスコで慎ましく暮らす妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)のもとに転がり込みます。

しかし、高慢でプライドばかり高いジャスミンは、ジンジャーの周囲と何かと軋轢を引き起こします。現状を受け入れられず次第に壊れていくジャスミンは、パーティで出会った政治家志望の外交官ドワイト(ピーター・サースガード)こそが自分を救う存在と信じ、再起をかけて近づきますが...。

Blue_jasmine_5

ウッディ・アレンが大好きなので楽しみにしていた本作、早速初日に見てきました。ここのところヨーロッパを舞台に、毒ひかえめの軽いテイストのコメディを作り続けていたアレンですが、この作品はかなり辛口。決して愉快な話ではありませんが、物語の運びのみごとさにうならされました。

深刻な状況をシニカルな笑いにのせて描いたコメディながら、ジャスミン転落のきっかけが明らかになる展開にはサスペンスのような衝撃がありますし、次第に壊れていくジャスミンの姿はまさにホラー。苦味の残るエンディングも絶妙で、アレンの真骨頂を堪能しました。

Blue_jasmine_10

全編を通してジャスミンのいやらしさがこれでもかと描かれますが、憎めないところもあるのです。インテリアのセンスやパーティを仕切る才能があるのは事実ですし、ほんの少し自分をよく見せようとするのは誰にでもあること。”武士は食わねど高楊枝”の心意気も時に必要と思います。

でも、あれだけどん底を思い知って、ようやく人生をやり直せる...というところで、また嘘をつくなんて。これはもう相当重症の虚言癖というほかありません。これから長い人生をともにする相手を、ずっと欺き続けるつもりだったのでしょうか...そんな彼女が気の毒に思えてなりませんでした。

彼女の勘違いは、生まれ育った環境によるものかもしれません。ジンジャーとひとつ屋根の下で、ともに養子として育てられたジャスミンは、美しいというだけで愛されるに値すると信じ込んでしまった...一方のジンジャーは、早くからあきらめる術を身につけてしまったのかもしれません。

ジャスミンと対照的に描かれるジンジャーは、寛容で、たくましさを持ち合わせてはいますが、自分を卑下し、適当に折り合いをつけて生きているところが感じられて、これまた必ずしも共感はできないのです。

アレンはそうした毒針をぐさぐさと観客に投げつつ、ちゃんと自虐ネタも織り込んでいるので憎めない。^^ 狂気の演技で圧倒するケイトもすばらしかったですが、舞台劇のように緊迫した脚本に魅了されました。

| | コメント (14) | トラックバック (11)

資生堂パーラーでランチ & マルコのチョコレートドーナツ

映画を見たあと、銀座の資生堂パーラーでお昼をいただきました。少し待つことになったので、その間に地下の資生堂ギャラリーへ。「椿会展 2014 初心」という展覧会が開催されていて、赤瀬川原平さんによる何十枚ものクラシックカメラの細密画など、楽しく見ました。

ミートクロケットやオムライスなどの伝統メニューに惹かれつつも、今回は5月のおすすめメニューから選び、セットでいただきました。セットには、ヴィシソワーズ(冷たいじゃがいものポタージュ)、グリーンサラダ、デザートにバニラアイスクリーム、コーヒーと小菓子がつきます。

2014051401

沖縄県産もろみ豚と黒毛和牛のハンバーグ 彩り野菜を添えて。資生堂パーラー伝統のハンバーグを、これまた伝統のビーフシチューのソースで煮込んだぜいたくな一品。彩り豊かな季節の野菜が美しい。ふっくらと柔らかいハンバーグはとても美味でした。

2014051402

私は、緑のオムライスをいただきました。ナイフを入れるのもためらわれるほどの、なめらかで美しい仕上がりにうっとりです。ほうれん草の入ったオムレツはふわっと弾力があって、とろけそうな柔らかさ。プロの技を堪能しました。

中に包まれたトマト風味のライスは、ズッキーニやパプリカ、たまねぎなどの野菜がたっぷり入った柔らかい仕上がりで、リゾットのよう。まろやかな味わいのトマトソースとともに、おいしくいただきました。

2014051403

銀器に入ったバニラアイスクリームは、甘さ控えめのさっぱりしたお味。コーヒーといっしょにいただくミニミニサイズのマドレーヌとクッキーもかわいらしく、楽しいお昼になりました。

          cafe          cafe          cafe

映画を見たら、どうしても食べたくなって...クリスピークリームでマルコの好きなチョコレートドーナツを買って帰りました。

2014051404

マルコのとはちょっと違って、チョコレートがけのドーナツですが...ふわふわのドーナツに甘いチョコレートクリームがベストマッチ。コーヒーといっしょに、朝食においしくいただきました。

2014051405

この日はイースター限定のドーナツもいっしょに買いました。左からキャラメルイースター、ストロベリーミルキー、マシュマロバニラエッグ。春いっぱいの彩りがかわいらしい。私は、甘酸っぱいストロベリーミルキーが特に気に入りました。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

「チョコレートドーナツ」

70年代のアメリカを舞台にした実話に基づくヒューマンドラマ、「チョコレートドーナツ」(Any Day Now)を見ました。ゲイのカップルと、ひょんなことからいっしょに暮らすことになったダウン症の男の子の家族愛を描きます。監督は、俳優のトラヴィス・ファイン。

Any_day_now_13

1979年、カルフォルニア。歌手を夢見ながらショーダンサーとして働くルディ(アラン・カミング)と、彼と恋に落ちた弁護士のポール(ギャレット・ディラハント)は、母親が薬物所持で逮捕されて行き場を失ったダウン症の少年マルコ(アイザック・レイヴァ)を引き取って、いっしょに暮らすことに。

ルディとポールに愛情深く育てられ、情緒豊かに成長していくマルコ。3人はかけがえのない家族として幸せな日々を送っていましたが、やがてルディとポールの関係が周囲に知れると、同性愛者への偏見から保護者として不適切とみなされ、マルコを引き離されてしまいます...。

Any_day_now_2

ずっと気になっていた作品をGW最終日にようやく見てきました。冒頭、女装したルディがFrance Joli の大ヒットディスコナンバー”Come to Me”を口パクで歌いながらステージで踊ると、気分は一気に70年代に遡ります。

70年代といえば映画「ミルク」で描かれていたように、同性愛者の人権を求めて運動したハーヴェイ・ミルクが暗殺された時代。今でこそゲイと聞いてもそれほど驚かなくなりましたが、当時はまだまだ偏見と無理解があったことは容易に想像できます。

アパートの家賃も滞納しがちなルディは、たまたま縁あって隣人だったマルコを引き取ろうとします。彼がどうしてもマルコを放っておけなかったのは、良心を超えた何か...あるいは誰からも愛されず、理解されず、孤独の中にいるマルコに、自分の姿を重ねたのかもしれません。

ルディとポールの出会いは少々唐突ですが、そもそも恋に落ちるのに理由なんて必要ないのかもしれません。マルコを守るためには、我を忘れてがむしゃらになるルディも、自分の夢の実現には臆病で、どうしたらいいかわからない。ポールは、そんなルディの背中を優しく押します。

マルコが学校に楽しく通うようになり、ルディの歌があるクラブ経営者の目にとまり、ポールに大きな仕事のチャンスがくる...。お互いを支え合い、ささやかな幸せをかみしめる日々。全てがうまく回りはじめていたのに、世間はそんな彼らを認めようとはしませんでした。

Any_day_now_6

映画を見ている私たちには、ルディとポールがどれほどマルコを愛しているか、大切に育てているかわかっていますが、裁判では、2人の関係がマルコに与える影響ばかりが取り沙汰されます。挙句、司法取引までして、育児能力のない母親のもとにマルコをもどしてしまいます。

母親に家を追い出され、夜の街をさまよい歩くマルコ...そこに重なる、ルディの歌声が心から離れません。映画の原題”Any Day Now”は、ルディが歌うボブ・ディランの”I Shall Be Released”の歌詞から。彼らの切なる願い、魂の叫びが心にずしんと伝わってきました。

| | コメント (12) | トラックバック (15)

クイジナートのハンドミキサー / Angelina に魅せられて

15年以上愛用していたハンドミキサーが、とうとう壊れてしまいました。

2014050901 2014040902

今まで使っていたのは、アメリカで購入したKitchenAid(キッチンエイド)のハンドミキサー。がんがん使ってもそれに応えてくれる働きものです。ベーシックな作りで使いやすかったのですが、さすがに経年劣化により、スイッチパネルが外れ、泡立て部分もガタガタ言うようになってきました。

新しく買い替えるにあたって、特にこだわったのはビーターの形状。アメリカのメーカーのものが気に入っているので、KitchenAidかCuisinArtの製品で、色は白か赤、と決めてネットで探しました。最終的に購入したのがこちら。

2014050903

CuisinArt(クイジナート)のスマートパワーハンドミキサーです。今まで使っていたKitchenAidと同じくベーシックな作りで、スピード切り替えは5段階。さらにビーターだけでなく、バルーンウィスクとゴムベラがついています。

ビーターでケーキの生地を作って、バルーンウィスクでクリームを泡立てる。あるいはビーターで作った生地に、バルーンウィスクで作ったメレンゲを混ぜ込む、といった使い方ができそうです。

2014050904

収納ボックスがついていて、全部ひとつにすっきりしまえるのもうれしい。お菓子材料のCUOCAさんとのコラボレーションモデルで、日本語のマニュアルと、使い方・レシピDVDがついていました。

音は意外と大きいですが、低速でも十分なくらいにパワフルです。これからのお菓子作りに、長く活躍してくれそうです。

          virgo          virgo          virgo

先日、雑誌Peopleのオンライン版で、フランク・シナトラの”Fly Me to the Moon”を歌う、ノルウェーの8歳の女の子が紹介されていました。(記事はコチラ

Angelina_jordan_3

Fly Me to the Moonは私も大好きな歌なので、何気なく見ていたのですが、その歌声に驚愕。とても8歳(この時は7歳)とは思えない表現力に、ハートを打ち抜かれてしまいました。

music Frank Sinatra "Fly Me to the Moon" by Angelina Jordan

Angelina Jordan ちゃんというこの女の子は、7歳の時に Norske Talenter (Norway's Got Talent) というTV番組に出演。ビリー・ホリデイの”Gloomy Sunday”を歌ってスタジオ中を驚きと感動に包み、その映像は世界を駆け巡りました。その番組の模様はこちら。

music Billy Holiday "Gloomy Sunday" by Angelina Jordan

心にずしんと響く魂の歌声に、ただことばもなく惹きつけられました。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

「アメイジング・スパイダーマン2」

新スパイダーマン・シリーズ第2作、「アメイジング・スパイダーマン2」(The Amazing Spider-Man 2)を見に行きました。今回は、主人公ピーターの親友でのちに因縁の悪役となるハリーが初登場。今注目の若手実力派、デイン・デハーンくんが演じるので楽しみにしていました。

スパイダーマン目線でビルからビルへと飛び移ったり、高層ビルから自由落下さながら降下したり、その臨場感は圧倒的。前作からさらにパワーアップした迫力の3D映像を堪能しました。(前作「アメイジング・スパイダーマン」の感想はコチラ。)

The_amazing_spiderman2_1

ヒーローアクションのみならず、恋愛や友情に揺れ動き、両親の秘密に苦悩し、さらには3人の悪役(最後のライノはおまけみたいだったけれど)と戦って...と、盛りだくさんの内容で、GWにぴったりのエンターテイメント・ムービーでした。

スパイダーマンことピーター(アンドリュー・ガーフィールド)と、ヒロイン グウェン(エマ・ストーン)の恋愛模様は、ほのぼのとして微笑ましいのですが、前向きに生きるグウェンに対して、ピーターのいつまでも煮え切らない態度に、ついイライラしてしまいました。

結局、ピーターの軽はずみな行動や優柔不断な態度が、グウェンを悲劇に巻き込んでしまったようにも思うし、マックス(ジェイミー・フォックス)やハリー(デイン・デハーン)に誤解を与え、彼らをモンスターにしてしまった...という気がしてなりません。

とはいえ、マックスからのエレクトロ、ハリーからのグリーン・ゴブリンは、どちらも悪役として魅力的でしたし、映画としてはおもしろくて大満足でした。

The_amazing_spiderman2_7

マックスは、オズコープ社の孤独な電気技師。彼はスパイダーマンに認められたことで一方的に彼を慕いますが、不幸な事故によってエレクトロに変貌すると、今度はスパイダーマンに歪んだ憎しみをつのらせるようになります。自分を持て余しているような、エレクトロの切ない表情に心が痛みました。

Amazing_1

ハリーは、オズコープ社の後継者として登場した時は、悪者としては線が細いように感じたのですが、彼のその未熟さ、幼児性こそが、スパイダーマンに対する理不尽な憎しみを駆り立て、モンスターとして目覚めてしまった...というのがごく自然に伝わってきました。

特に彼の上目遣いで憎しみを募らせる時の狂気の表情は最高です。少し「クロニクル」とかぶるキャラクターですが、続編でのさらなる活躍が楽しみです。

The_amazing_spiderman2_20

そして、相変わらずグウェンはかわいかったです。”前向きにがんばる女の子”というキャラクターに弱いので、同性ながらきゅんきゅんしてしまいました。彼女のファッションも、どれも好みでした。

エンドロールの後に、緊迫した展開あり...で、続編へのアプローチかと思いきや、新作X-メンの予告映像でした。これは反則。^^ 予定になかったのに、見たくなってしまいました。

| | コメント (8) | トラックバック (6)

上野 「韻松亭」の花籠膳 & 東照宮ぼたん祭り

バルテュス展を見たあと、すっかり新緑となった桜並木の下を通って...上野公園内にある「韻松亭」さんでお昼をいただきました。創業明治8年、かつて横山大観もオーナーを務めたという老舗料亭です。人気のお店なので、事前に予約をしておきました。

2014050401_2

歴史を感じながらも、心やすらぐ佇まいです。中に入ると階段を上り下り、廊下を進んでさまざまなお座敷がありますが、今回は美しい新緑が見渡せるテラスに面したテーブル席のお部屋でした。お料理は花籠膳の月のコースをいただきました。

2014050402_2

花籠に入った美しい会席膳。左は茶碗蒸しです。お豆腐や湯葉、おから、油揚げなどを使ったお豆腐料理を中心に、季節の素材を生かした煮物、焼き物がバランスよく配されたお料理はどれもおいしく、ほっとする味わい。ひとつひとつ、わくわくしながらいただきました。

2014050403 2014050404

途中で運ばれてきた焼き物と豆ごはん、そして赤だしのお味噌汁です。豆ごはんは、炒った大豆を炊き込んだ、香ばしい味わいです。

2014050405  2014050406

(左)デザートは麩饅頭でした。もちもちした食感に、あんの上品な甘さが広がります。おからを炒って煮出したおから茶は、香ばしく深みのあるお味でした。

(右)全面窓から和風のテラスが見渡せました。春の明るい日差しに、心も自然と開放的になります。美しい新緑に、緋毛氈のベンチがすてきなアクセントとなっていました。

          clover          clover          clover

食事の後、同じ上野公園内の東照宮ぼたん苑で「春のぼたん祭り」(~5月11日まで)が開かれていたので、足を運んでみました。1980年に日中友好を記念して開苑したというこちらのぼたん苑では、この時期、250品種3200株ものぼたんが咲き誇ります。

ピークはやや過ぎていましたが、華やかに、艶やかに咲く、大輪のぼたんの数々を愛でながら、のんびり散策を楽しみました。

2014050407 2014050408

楚々としたお花も好きですが、ぼたんや芍薬のような華やかなお花も大好きです。白いぼたんは高貴という形容がふさわしく、清らかさと華やかさを感じました。一方、幾重にも花弁が重なったオペラピンクのぼたんには、女王のような堂々とした風格を感じます。

2014050410_2  2014050411_3

黄色いぼたんはアメリカ産。なるほど軽やかな明るさはディズニープリンセスみたい。ピンクのぼたんは愛くるしく可憐なお姫様といった雰囲気。

2014050412

途中のお休み処には、自由に歌を詠んで、したためるための短冊がおいてありました。壁にずらりと貼られた短冊には、日本語、英語のみならず、さまざまなお国のことばでメッセージが書かれてあり、ことばを超えて感動が伝わってきました。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

東京都美術館 「バルテュス展」

東京都美術館で開催中の「バルテュス展」(~6月22日まで)を見に行きました。20世紀最後の巨匠といわれるバルテュスの、油彩画の代表作40点以上を含む100余点を公開する、没後はじめての大回顧展です。

Balthus_1

私がバルテュスを知ったのは学生の頃。新聞の美術欄で見た「街路」「コメルス・サンタンドレ通り」などの作品が特に印象に残っています。時が止まった、というより不自然に硬直した空間。そこにバルテュス自身の謎めいた印象が重なり、その後も気になる存在となりました。

今回の企画展では、バルテュスの作品が時系列に紹介されるとともに、晩年をすごしたスイスのアトリエ(再現)や家族のフォトなども公開され、バルテュス氏が歩んだ人生と、感性の一端に触れることができました。

Balthus_10

自画像の「猫達の王」。バルテュスは幼少期に飼い猫ミツとの出会いから別れまでを40枚の絵本に描き、それがデビュー作となりましたが、その後も猫をモティーフとした作品を数々残しています。猫はある時は自らの分身であり、自身を猫たちの王と位置づけていたようです。

Balthus_2

「美しき日々」 バルテュスは、少女の刺激的な姿を描いた作品を数多く残しました。最初は個展を成功させるための話題作りだったということですが、その後は少女の姿に完璧な美の象徴を見出し、その姿を追い求めました。

どの絵にも隠れたメッセージがあるように思いますが、発表当時は賛否両論、非難轟々、大センセーションを巻き起こしただろうと想像します。私は一連の作品に、写真家のアラーキー(荒木経惟さん)を思い出しましたが^^ 芸術とは何かという永遠のテーマを投げかけられた気がしました。

Balthus_15 Balthus_9

(左)エミリー・ブロンテの小説「嵐が丘」の挿絵より。バルテュスは、小説のキャシーとヒースクリフの悲恋を、(のちに最初の妻となる)アントワネット・ド・ヴァトヴィルへの切ない恋心に重ねて、この一連の作品を描いたそうです。

(右)「キャシーの化粧」 嵐が丘の挿絵から、さらに内面に踏み込んで描いているように感じられます。左のヒースクリフは、苦悩するバルテュスの姿にしか見えません。ムンクの「嫉妬」という作品を思い出しました。

Balthus_8

「樹のある大きな風景 (シャシーの農家の中庭)」 バルテュスは45歳の時に、パリからブルゴーニュ地方のシャシーの城館に移り住みました。穏やかで美しい農村風景に心がやすらぎます。

Balthus_3

「地中海の猫」 がらりと変わった画風にびっくり。パリの地中海料理レストランのために描かれた作品だそうです。これからお魚を食べようとしている猫ちゃんは、バルテュスの分身でしょうか。

Balthus_5_2

「朱色の机と日本の女」 これまたアラーキーの作品みたい。モデルは節子夫人です。バルテュスは来日した時に学生だった節子さんにひと目で惹かれ、その後ご結婚されました。この作品からは浮世絵の影響とチャレンジ精神が伝わってきますが、少々違和感も覚えました。

Balthus_14

バルテュスが晩年を送ったスイス グラン・シャレーのアトリエの再現。自然光の差し込む温かみのある空間でした。20世紀に活躍しながら、バルテュスが、いわゆる抽象的な現代美術に向かわなかったのは、豊かな自然の中で季節の移ろいを感じながらすごすことを愛したからかもしれない、と思いました。

Balthus_17  Balthus_18_4

最後に私が気に入った作品を。(左)「窓、クール・ド・ロアン」 (右)「ジャクリーヌ・マティスの肖像」。ジャクリーヌ・マティスは、画家のマティスの孫娘です。

| | コメント (6) | トラックバック (1)

« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »