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神戸(8) アサヒビール大山崎山荘美術館

最終日はホテルをチェックアウトしてから阪急電車に乗って約1時間、京都府大山崎にある「アサヒビール大山崎山荘美術館」を訪れました。阪急大山崎駅かJR山崎駅から歩いて10分ですが、この日は台風の影響で雨が降ったり止んだりのお天気だったので、美術館の送迎バスを利用しました。

ここは赤瀬川原平さんの「個人美術館の愉しみ」を読んで以来、いつか行きたいと思っていた憧れの美術館。山崎は京都と大阪の県境に位置し、古くは天下分け目の山崎合戦の舞台、またサントリーウィスキー山崎の蒸溜所があることで知られています。

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小さなトンネルをくぐり抜けてしばらく歩くと、広大な敷地の緑の木立の中に、イギリス風山荘の風格ある建物が見えてきました。

Ooyamazaki_museum_1 (HPよりお借りしました)

この山荘は、大正~昭和にかけて実業家の加賀正太郎氏が自ら設計して建てた別荘ですが、のちに廃墟化して取り壊しの危機にあったのを、加賀氏と親交のあったアサヒビールの創業者 山本為三郎氏が譲り受け、美術館として蘇らせました。

現在は、この山荘を本館として、安藤忠雄氏が設計したコンクリート打ち放しの地中館(1995)、山手館(2012)が、山荘の景観を損なわないよう半地下に増築されています。

本館に入ると、山本氏が支援した日本民藝運動の作家、濱田庄司やバーナード・リーチなどの陶芸品が展示されています。素朴な質感の壺や大皿が、重厚な館内によくなじみ、まるで誂えた装飾品のようでした。

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展示室から1階のテラスへ。石造りのアーチから和風の蓮池が見渡せ、和洋が調和したみごとな空間でした。(右)浮世絵の構図を意識して、石造りのアーチから蓮池をのぞいてパチリ。

ここからかつて蘭の温室だった通路を通って、安藤建築の山手館に続きます。ここには新収蔵のギリシアやペルシアの壺や大鉢などが展示されていました。

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本館の階段を上ると、2階の正面テラスからそれはそれはみごとな風景が見渡せました。木津川、宇治川、桂川の三川が流れ、絵のように美しい眺めです。加賀氏はこの地を選ぶのに、イギリスのテムズ川の風景を思い描いたそうですが、なるほどと納得しました。

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2階の裏手のテラスには、味わいのある大壺が。そして山の奥まったところに見張り台のような建物が見えました。加賀氏は、山荘の前にまずこの白雲楼という塔屋を建て、そこに寝泊りしながら図面を引き、建築の指揮をとったのだそうです。

加賀氏は実業家であるとともに趣味人でもあり、育てるのが難しい洋蘭の研究もしていました。彼が描いた洋蘭の図録(ボタニカルアート)も本格的で見ごたえがありました。

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(左)は庭園から、地中館を見たところです。地下の円形の展示室に続いていますが、ここには民藝派作品と並ぶ山本コレクションの柱、モネの「睡蓮」の連作が展示されています。カーブしたコンクリート壁に「睡蓮」が並び、小規模ながらパリのオランジュリー美術館みたい。すてきな空間でした。

(右)雨に濡れる苔むした和風庭園。

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そして芝生の広がる洋風庭園には、バリー・フラガナンのうさぎの彫刻。ゆったり散策しながら、心豊かな時間をすごしました。

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コメント

こんばんは。
神戸と京都に行っておられたのですね。
母が神戸出身なので、子供の頃からよく行っていました。
有馬温泉は「ひと山越えればすぐそこに。有馬の出湯は結構でござる」なんてキャッチフレーズを思い出しました。
六甲は遠足で、北野町界隈の異人館も若い頃から何度か。
アサヒビールの大山崎山荘美術館、渋い所に行かれましたねぇ。
子どもが小さい頃、母も一緒に行きました。大阪を見渡す3つの川の合流地、天下分け目の決戦で秀吉が腰を掛けた石があったような。
安藤忠雄さん設計の建物にモネの「睡蓮」なかったですか?
あぁ、懐かし~。私も久しぶりに行きたくなりました。
神戸北野ホテルの「世界一の朝食」食してみたいです!

投稿: ryoko | 2014年8月19日 (火) 22時47分

☆ ryokoさま ☆
こんにちは。
ryokoさんのお母様は神戸がご出身でしたか。
やはり有馬は地元の方には気軽に行ける温泉なのですね。

関西がご出身のryokoさんには、今回私が訪れたところは
どこも思い出深い場所でいらっしゃるでしょうね。
大山崎山荘美術館にも行かれたことがあるのですね。
美術コレクションもさることながら
この山荘がたどってきた数奇な運命に心を動かされました。

安藤さん設計の地中館でモネの睡蓮、見ましたよ!
青みがかった睡蓮の作品が、コンクリートの壁に映えますね。
円形の展示室はオランジュリーを意識しているのかな?と思いました。

世界一の朝食、機会がありましたら是非☆

投稿: ☆ ryokoさま ☆ | 2014年8月20日 (水) 08時32分

セレンさん、こんにちは。
心がしっとりと潤うような、贅沢な時間を過ごされたのですね。
素敵なお写真からも素敵な旅だったことが伝わってきます。
いつの日か・・・子どもたちが無事に巣立ったら、主人と二人で訪れてみたいなと思いつつ、楽しく読ませていただきました。^^

投稿: ふゆさくら | 2014年8月20日 (水) 23時36分

セレンさん☆
まあ~!なんて素敵な美術館♪
お庭もゆったり癒されそうです。
雨があいにくでしたが、その分、緑が鮮やかに見えて景色がしっとりとたのしめそうね。

投稿: ノルウェーまだ~む | 2014年8月21日 (木) 13時21分

☆ ふゆさくらさま ☆
こんにちは。
うれしいおことば、ありがとうございます。
写真がお上手なふゆさくらんにそう言っていただくと
励みになります。

うちは息子もすっかり大きくなったので
Sくんを見ていると昔が懐かしくなりますが...
でもいつかご主人様とお二人のご旅行も楽しみですね。

投稿: ☆ ふゆさくらさま ☆ | 2014年8月21日 (木) 16時28分

☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
こんにちは。
こちらの美術館、美術品の数々も魅力でしたが
それらを引き立てる、建物やお庭がまたすばらしかったです。
オーナーの思いが伝わってくるような
和洋が調和するすてきな空間でした。

四季折々の自然が楽しめるようですが
雨に濡れる緑もまた美しかったです♪

投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2014年8月21日 (木) 16時37分

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受信: 2014年12月23日 (火) 09時32分

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