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「グレートデイズ! -夢に挑んだ父と子-」

フランスでヒットしたヒューマンドラマ、「グレートデイズ! -夢に挑んだ父と子-」(De Toutes nos Forces / The Finishers)を見ました。不器用な父親と車椅子の息子が過酷なトライアスロンのアイアンマンレースにチャレンジする、家族の絆の物語です。

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フランス、アルプスの山々を望む美しいアヌシーの町。車椅子にのる17歳のジュリアンは、家族や周囲に恵まれ、楽しい学校生活を送っていました。ある日、仕事で各地を飛び回っていた父親が解雇され、家にもどってきますが、これまで子育てを妻に任せきりにしていた彼は、息子とうまくつきあえません。

父がかつてトライアスロンの選手だったと知ったジュリアンは、いっしょにレースに出場することを提案。最初は無理だと反対していた両親でしたが、周囲も巻き込んでねばり強く説得するジュリアンの情熱に負け、父はジュリアンとアイアンマンレースに出場することを決意します...。

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障害を乗り越えて、過酷なトライアスロンのレースに挑戦する父子の物語...それだけで結末が読めてしまいそうですが、この映画で描いているのは自立心の芽生えた息子との関わりを描いた、家族のドラマだと思いました。

実際、私は映画を見ていて、彼が障害者であるということを、ほとんど意識することはありませんでした。友だちとふざけあうジュリアンは、どこにでもいる年相応の男の子。積極的に行動し、自分の意見もしっかり主張します。家族も周囲も彼を特別扱いせず、ごく自然に、尊重してつきあっているのが印象的でした。

同じ年頃の息子を持つ身としては、共感できることも多かったです。私も心配してつい手を出しすぎるところがあるので、映画のお母さんは自分を見ているようで、思い切り感情移入しながら見ていました。

The_finishers_2

とはいえ、アイアンマンレースは、スイム 3.8km、バイク 180km、ラン 42.195kmを続けて行う、トライアスロンの中で最も過酷なレース。アスリートでさえとてつもなくたいへんなのに、まして障害者を連れて出場することがいかに無謀なチャレンジか、準備の段階からひしひしと伝わってきました。

ジュリアンはともかく、お父さんは実際にこの過酷さを知っているだけに、並々ならない覚悟があったと思います。細身とはいえ大きなジュリアンを乗せたゴムボートを引っ張って泳ぎ、自転車の補助席に乗せてペダルをこぎ、車椅子を押して走るのですから...。

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お父さんにとっては、一人で出場した方がずっとラクなのは確かですが、ジュリアンがいたからこそ、二人はこの難関を乗り越えることができたのだ、とも思います。

監督がフランス中の施設を回って探したというジュリアン役のファビアン・エローくんはじめ、キャストもみなすてきでしたが、ロケーションもすばらしかった。ジュリアンが住むアヌシーの町やトライアスロンが行われたニースの風景。映画を見ながら、私も自転車に乗って走ってみたくなりました。

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映画」カテゴリの記事

コメント

セレンさん☆
母と子供の関係、夫との関わり、父と息子の関係…と感情移入しまくりの映画でしたね。
映画で出てきたのか、ドキュメンタリーの映像のほうだったか忘れちゃいましたが、この息子がいたから頑張れた、こんな父がいたから頑張れたという二人がとても眩しかったです。

投稿: ノルウェーまだ~む | 2014年9月26日 (金) 19時17分

☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
障害を抜きにして、家族のドラマとして共感できる作品でしたね。
お父さん、お母さん、そしてお姉さん...と
それそれがとってもすてきでした。

お父さんのがんばりあっての完走でしたが
ジュリアンがいたからこそがんばれたのでしょうね☆

投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2014年9月27日 (土) 20時22分

こんばんは!

この映画、知りませんでした。実話の映画化作品なんですね。
記事を読ませていただくと、心に自然と溶け込んでくる様な、上質なドラマみたいですね。bicycle

難病ものとか、障害者を主人公にしたドラマって、テーマとして良さそうでありながら、実は本当に良い作品にするのは、とても難しいテーマだと思うんですよね、先入観を持たれちゃうから。

健常者である観客に対して、どれだけ心に残る作品にするかは、作り手の技量だけじゃなくて、ハートが大事ですよね!

セレンディピティさんの記事から、この親子がうけている風を感じる気がしました。

いつか是非見てみようと思います。ご紹介有難う~。happy01

投稿: ごみつ | 2014年9月29日 (月) 02時04分

☆ ごみつさま ☆
こんにちは。
私も難病や障害者をテーマにした映画って
どうしても色眼鏡で見てしまうので避けてしまうのですが
これは素直に心に響くさわやかな作品でした。

主人公の男の子は車椅子に乗っていますが
あまりにも自然と社会に溶け込んでいるので
それを意識することはほとんどありませんでした。
弱者というより、個性として受け入れられている
フランスの開かれた社会を実感しました。

そしてアルプスの風景がまたすばらしかったです!
ふだんは全く自転車に乗らない私も
風を切って走ってみたくなりましたよ。^^

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2014年9月29日 (月) 13時02分

いつもTbありがとうございます。
本作のフィクションではないストーリー..中年のお父さんがアイアンマンレースで完走するというのは少々無理がある設定かとも思えましたが、ドラマの流れに感動してしまいました。わたしも息子がいるので、あのお母さんの気持ち、行動は良く理解でしますね。

アルプスとニースの景色は、特にアルプスの山々は素晴らしく美しく、ドラマの背景に最高でした。

投稿: margot2005 | 2014年9月30日 (火) 22時46分

☆ margot2005さま ☆
こんにちは。
アイアンマンレース、よく鍛えたアスリートであっても
とてつもなく過酷だと思うので、それを過去に経験があるとはいえ
あのお年で、しかも大きな息子を連れて...というのは
冷静に考えると無理があるかも?
でも映画のお話として、素直に感動してしまいました。

アヌシー、あとで地図で調べたら、スイスとの国境にある町なのですよね。
ほんとうに美しい風景で、ジュリアンをのびのびと育てるのには
きっといい環境なのだろうなーと思いました。

投稿: ☆ margot2005さま ☆ | 2014年10月 1日 (水) 16時17分

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