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マシュー・ボーンの「白鳥の湖」

東急シアターオーブで上演中のコンテンポラリー・バレエの傑作、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」(Matthew Bourne's Swan Lake)を見に行きました。演出家マシュー・ボーンの代表作で、自身のダンスカンパニー「ニューアドベンチャーズ」(New Adventures)を率いての4回目の来日公演です。

今回、ザ・スワンはトリプルキャスト、王子はダブルキャストとなっていますが、私は、ザ・スワン=ジョナサン・オリヴィエ、王子=サイモン・ウィリアムズという組み合わせで見ました。

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1995年ロンドンで初演して大旋風を巻き起こし、のちにニューヨークに進出。トニー賞はじめ数々の賞を受賞しています。初演でザ・スワンを演じたアダム・クーパーは、この作品で世界的なスターになりました。映画「リトル・ダンサー」のラストシーンは、今も鮮烈な印象が残っています。

おなじみのチャイコフスキーの音楽で展開しますが、伝統的な白鳥の湖とはストーリーもビジュアルも全く違う、現代を舞台にしたオリジナル劇です。何より特徴的なのは、白鳥を演じるのがチュチュをまとった優美な女性ダンサーではなく、雄々しい男性ダンサーたち、ということ。

この豊かなイマジネーションはどこから生まれてくるのだろう?と敬服しますが、見るとこれ以外の白鳥は考えられなくなるくらい、しっくりくるのが不思議です。スタイリッシュで洗練された舞台、鍛え抜かれた体の動きだけで表現されるドラマの深さに、胸がしめつけられるような感動を味わいました。

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舞台はある王国。公務に追われ、母なる女王の愛を求めるも受け入れられない孤独な王子は、湖で出会った美しく雄々しいスワンに魅せられ、心を通わせます。しかし、のちにパーティでスワンそっくりのプレイボーイが現れ、女王を誘惑したために、王子は混乱し、とんでもない行動を起こしてしまいます...。

宿命を背負った孤独な王子と彼が求める白鳥の物語に、私はなぜかエヴァンゲリヲンのシンジくんとカヲルくんを重ねてしまいましたが^^; 王子の孤独と愛がきゅ~っと胸に迫りました。そしてザ・スワンは王子にとって、もう一人の自分でもあるのかな?とも思いました。

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伝統的なバレエのコスチュームとトウシューズの代わりに、ダンサーたちはドレスやパンツ、ハイヒールといったいでたちで、バレエというよりミュージカルのよう。歌やセリフはなく、かといってパントマイムとも違うのですが、登場人物の心情や濃厚な物語が、音楽にのせたダンスだけでしっかりと伝わってきます。

スワンたちの羽毛パンツに裸足、上半身裸という衣装?はインパクトがありますが、野生動物の強さと気高さが感じられ、特に群舞の迫力は圧巻でした。踊っているうちにスワンたちは汗まみれになりますが、汗がこんなに美しいなんて...と感動を覚えました。

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4羽の白鳥がぺたぺた歩きで登場してコミカルなダンスを披露したり、王子のガールフレンドが観劇中に携帯を鳴らしてしまう今風のヤンキー娘だったり、王子がお忍びでナイトクラブに潜入し、けんかをしてつまみ出されたり。

ザ・スワンは、ブラックスワンならぬ黒服をまとった妖艶なザ・ストレンジャーとなってお城のパーティにさっそうと登場したり...とマシュー・ボーンならではの斬新で楽しい演出の数々を堪能しました。

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コメント

セレンさん!
これは何だかとっても興味深いですー
街のポスターで見たとき、えっ!?男性の白鳥の湖??と驚いたのですが、内容もとても斬新ですね。
大変気になります。
エヴァのカヲルとシンジですか~ますます気になるぅ。

投稿: ノルウェーまだ~む | 2014年9月19日 (金) 18時40分

☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
こんにちは。
この舞台、まだ~むさんもきっと気に入られると思います。
男性の愛の物語といった感じですが
ただただ美しくて、うっとり見惚れてしまいました。
とってもすてきな舞台でしたよ。

先日テレビでエヴァQを見たばかりなので
よけいにカヲルくんとシンジくん(王女は碇司令官ね^^)
にイメージを重ねてしまったのかも...
ストーリーは現代風でコミカルな部分もあり
切ないながらもわくわくと楽しめました。

投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2014年9月20日 (土) 18時11分

歌も台詞もなく、音楽に合わせた踊だけで、物語を表現する
演出は難しそうですね。
演出を実現するための迫力ある踊も見ものですね。
素晴らしい舞台であったことが、セレンディピティさんの
記事の内容から想像できました!

投稿: イザワ | 2014年9月22日 (月) 02時29分

☆ イザワさま ☆
こんにちは。
鬼才マシュー・ボーンのイマジネーションの豊かさに
感銘を受けました。
初演の時はさぞセンセーショナルだったことと思います。
それを踊りと体の動き、表情だけで表現するダンサーたちは
まさにアーティスト。すばらしい舞台でした。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2014年9月22日 (月) 10時06分

わー、これ面白そうですね!
鍛え抜かれた男性の体で表現する白鳥、見てみたいですが・・・。
機会があるかしら。こういうの都会に住んでいないとなかなか楽しむことができませんね。

投稿: ruri | 2014年9月23日 (火) 14時47分

☆ ruriさま ☆
こんにちは。
男性が踊る白鳥、野生動物のような
力強さとたくましさが感じられてとてもすてきでしたよ。
物語も現代風で楽しかったです。

来日公演は東京以外ではなかなか難しいかもしれませんね...
貴重な公演を見ることができて感謝です。

投稿: ☆ ruriさま ☆ | 2014年9月23日 (火) 16時02分

セレンさんこんにちは。
ご無沙汰しています。

なんて興味深い舞台なんでしょう!
またいつか日本で公演して頂ける機会があれば是非観に行ってみたいものです。
セレンさんのエヴァのシンジくんカオルくんの例えに笑わせて頂きましたが
そのお陰でとても良く解った気がします。

最近はなかなか映画館に足を運べないのですが観たい映画がたくさん!
先日は前々から観たかったWOOD JOBをようやく観ました。
私の田舎三重県が舞台という事で楽しく観る事ができ、あっという間にエンディングでした。
最近の週末は時間があれば横浜トリエンナーレに行っています。セレンさんも最近記事にされていましたね。
近場での長期間開催なので、短時間で何度も行けて助かっています。
来年は新潟トリエンナーレ、3年というのは早いなぁと感じていますがまた行けるのを楽しみにしています。

長くなりましたが久しぶりの投稿で自己満足しています(笑)。
それではまた

投稿: アサ | 2014年9月25日 (木) 09時47分

☆ アサさま ☆
アサさん、こんにちは。お久しぶりです。
コメント、ありがとうございました。

マシューボーンの白鳥の湖、すばらしかったですよ。
エヴァのシンジくんとカヲルくんの例えでお伝えできてうれしいです。^^
機会があったら是非ご覧になってみてください☆

アサさんは三重県のご出身なのですね。
偶然ですが、私は最近三重県のお料理をいただく機会が多いんです。
伊勢志摩には過去に2回旅行したことがありますが
その他、北は松坂、南は熊野といいところがたくさんありますね。
いつかまた旅してみたいです。

横トリ、アサさんもきっと行かれただろうな~と思っていました。
今年の横トリは、私にはちょっとわかりにくく
また、あまり好みの作品がなかったのですが
後から新聞のレビューなど読んで、新たな視点に
気づかされることもありました。現代アートはおもしろいですね。

また、お話できるのを楽しみにしています☆

投稿: ☆ アサさま ☆ | 2014年9月25日 (木) 12時16分

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