« 新しい上野 & 銀座 柿安さんでランチ | トップページ | 五反田 「Restaurant Français MAY」 »

「猿の惑星:新世紀(ライジング)」

シリーズ最新作、「猿の惑星:新世紀(ライジング)」(Dawn of the Planet of the Apes)を見ました。「猿の惑星」(1968)のプリクエル3部作の第2作で、前作「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」から10年後という設定です。

Dawn_of_the_poa_15_2

舞台は未来のサンフランシスコ。前作で、人間の作ったアルツハイマー新薬によって知能を得た猿たちは、圧倒的なカリスマ性を持つシーザー(アンディ・サーキス)をリーダーに、森の中に猿たちだけの平和なコミュニティを作っていました。

一方、同じ新薬の副作用で生じたウィルスがもとで、人間は絶滅の危機に瀕していました。わずかに生き残った人たちは荒廃した町で暮らしていましたが、新たに電力が必要となり、技術者のマルコム(ジェイソン・クラーク)たちはダムのあるシーザーのテリトリーに踏み入ります...。

Dawn_of_the_poa_1

ピエール・ブール原作の「猿の惑星」が好きで、前作「猿の惑星:創世記」がすばらしかったので楽しみにしていた本作、最初の週末に見てきました。今回、監督が代わりましたが、前作の世界観をそのまま引き継いていて、お猿のシーザーを主人公としたみごとなヒューマン?ドラマを堪能しました。

序盤にシーザーの右腕であるコバが「シーザーに助けてもらって今の自分があるから、どんなことがあってもシーザーについていく」と言うような場面があり、私はてっきりこれがシーザーを助けるためにコバが命を落とすフラグだと思っていましたが...みごとにはずれました。

人間に愛情深く育てられたシーザーと違い、虐待された憎しみしか持たないコバ。その感情は猿だけの世界で平和に暮らしている時には心の奥底に隠れていますが、決して忘れ去ることができないほどに根深く、人間との関わりが生じたとたん、牙をむくことになります。

相手を赦すことの難しさ、憎しみは憎しみしか生まないという現実は、この映画の人間と猿の関係のみならず、現代の私たちが抱える民族と民族、宗教と宗教の問題にも通じるものがあり、考えさせられました。

Dawn_of_the_poa_7

マルコムの上司であるドレイファス(ゲイリー・オールドマン)の「猿たちにはかなわない。あいつらは何もなくても生きていけるのだから」ということばも印象的でした。私たち人間は高度な文明を手に入れたけれど、それは同時にあっという間に崩れ去る脆さを持っているということ。

電力が止まればたちまちそれが死活問題に結びつき、パニックにおちいる人間たちを見ていると、文明を放棄し、猿たちのように自然と共存する生き方の方が、実は正しいのではないかと一瞬ですが思えてきます。

Dawn_of_the_poa_9

「猿は猿を殺さない」という不文律のもと、理想的な社会を築いてきたシーザーは、人間という他者が入ってきてからも、共生する道をぎりぎりまで模索しますが、最後の最後に苦渋の決断を迫られることになります。その苦悩と覚悟が胸に刺さりました。

Dawn_of_the_poa_4_2

Dawn_of_the_poa_6_2

今回もアンディ・サーキスの演技に泣かされ、思い切りお猿たちに感情移入して見ていましたが、動きのみならず繊細な感情表現をも支えるパフォーマンス・キャプチャーの技術に感動しました。エンドロールを見ると役名のついた登場人物は意外と少なく、それに対して延々と並ぶ技術スタッフの多さに圧倒されました。

|

« 新しい上野 & 銀座 柿安さんでランチ | トップページ | 五反田 「Restaurant Français MAY」 »

映画」カテゴリの記事

コメント

こんばんは!cherry

TB有難うございます!
私もTB送らせていただきました~~。

この「猿の惑星」良かったですよね。私が予想してたストーリーよりも、地味なリアルな展開だったのがまず驚きだったし、そのぶん、深みのある内容になってたと思いました。

これ、シーザーのキャラクターと演技の良さが大きいですよね。

そうそう、それとパフォーマンス・キャプチャー技術は、本当に凄いと思います。
これから色々な作品に応用されていくんでしょうね。

3作目楽しみ~~。happy02

投稿: ごみつ | 2014年10月 6日 (月) 23時11分

☆ ごみつさま ☆
こんにちは。
猿の惑星、よかったですね。
新しい監督さんがきちんと前作の世界観を受け継いでいて
エンターテイメントですが、ドラマがしっかり描かれていて
見ごたえがありました。

アンディ・サーキス、すごいですね...
彼の演技を支える技術もまたすばらしいです。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2014年10月 7日 (火) 17時13分

猿の惑星というと、子どもの頃に観た1968年の第一作が
自分的には衝撃的でした。
あのラストのシーンに人類のおごりの怖さを感じました。
それ以来、全ては見ていませんが、今回のも楽しめそうですね。

投稿: イザワ | 2014年10月 8日 (水) 01時12分

☆ イザワさま ☆
こんにちは。
68年の猿の惑星は衝撃的でしたねー。
今回のシリーズはそこに至るまでの前日譚となっていますが
同じように、人間のおろかしさや文明に対する
痛烈なメッセージがあって、テーマもすばらしいのですが
エンターテイメントとしても楽しめる作品となっています。

68年から飛躍的に進化した映像技術によって
演技が真に迫って、より共感できました。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2014年10月 8日 (水) 14時51分

セレンさん☆
ようやっと観てきましたが、圧倒されましたねー
サンフランシスコが10年でジャングルみたいになるの?とかは別としても、猿の真ん中に放り込まれて、もう猿の気持ちにどっぷりと浸かってしまったね。
マルコムよりずっと凄いオーラを放っていたサーキスは本当に見事でした。

投稿: ノルウェーまだ~む | 2014年10月23日 (木) 10時28分

☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
こんにちは。
猿の惑星、すばらしかったですね。
サーキスのみごとな演技に圧倒されて
お猿の気持ちになって見てしまいましたね。
リーダーの苦悩が手に取るように伝わってきて
胸がぎゅっとしめつけられました。

68年の猿の惑星が最終着地点とすると
今後どのようにドラマが発展していくのか...
ちょっぴり怖いですが、楽しみです。

投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2014年10月23日 (木) 20時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1151970/57582071

この記事へのトラックバック一覧です: 「猿の惑星:新世紀(ライジング)」:

» 猿の惑星 新世紀ライジング [ごみつ通信]
Dawn Of The Planet Of The Apes2014年/アメリカ [続きを読む]

受信: 2014年10月 6日 (月) 23時02分

» 猿の惑星:新世紀(ライジング) [風に吹かれて]
恐れや憎しみは戦争を生む 公式サイト http://www.foxmovies-jp.com/saruwaku-r 監督: マット・リーヴス  「クローバーフィールド/HAKAISHA」 「モールス」 [続きを読む]

受信: 2014年10月 8日 (水) 15時59分

« 新しい上野 & 銀座 柿安さんでランチ | トップページ | 五反田 「Restaurant Français MAY」 »