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「ルポ MOOC革命 無料オンライン授業の衝撃」

7月に読んだ本ですが、遅ればせながら記録を残しておきます。

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金成龍一 「ルポ MOOC革命 無料オンライン授業の衝撃

以前、MOOCについてコチラで書きましたが、あれからMOOCやオープンエデュケーションについてもっと知りたくて、MOOCで北海道大学の「オープンエデュケーションと未来の学び」という講座を受講しました。その時、受講者の間でよく話題にあがっていたのがこの本で、私も読んでみました。

これは朝日新聞の記者の方が、国内外のMOOCやオープンエデュケーションの運営者たち、そこから新たな学びを得た受講者たちを丹念に取材し、MOOCの今についてまとめた本です。(出版は2013年12月) 今、教育の世界を大きく変えつつある動きについて、理解を深めることができました。

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MOOCはMassive Open Online Courses(大規模公開オンライン講座)の略で、2012年にハーバードやMIT、スタンフォードなどがはじめた、大学の授業を無料で公開するオンライン講座です。現在、200以上の大学が参加し、登録者は世界で1000万人を超えています。

ネット環境があれば世界のどこからも授業が受けられ、一定の成績を収めると修了証がもらえます。以前、MITの電子工学の講座を受講して優秀な成績を収めたモンゴルの少年が、その後MITに合格して17歳で大学生となり、MOOCの申し子として話題になったことがありました。

MOOCの運営を財政面で支えているのは、大学や企業など。採算を度外視しても、世界から優秀な学生を集める、優秀な学生を企業に紹介するなど、出資側にも大きなメリットがあります。中堅の大学の中には、一流大学のMOOCの講座を有償で授業に取り入れるところも出てきているそうです。

こうした世界的な流れを受け、日本でも京大や東大がedX(ハーバードなどが参加するMOOC)への参加を決め、英語による講座の提供をはじめました。今後、日本の大学は海外への発信力を高め、魅力や実績をアピールしていくことが重要になってくると思います。

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MOOC以外では、オンライン教育のカーン・アカデミーの話に感銘を受けました。設立者のサルマン・カーン氏は、もとは離れて住むいとこに勉強を教えるためにビデオ教材を作ったのですが、You Tubeにアップしたところ、多くの人たちからわかりやすいと評判になり、それがNPO設立のきっかけになりました。

当初は貯金を切り崩して運営していたものの、のちに支援者が現れたというのがアメリカらしい。今は初等教育から大学レベルの講座まで、英語版だけで4000本以上の教育ビデオがあり、各国語に翻訳されて、世界で600万人以上が利用しているそうです。

また、本書を読んで、日本にもmanavee、eboardといった大学受験生や小中学生を対象とした無料の学習支援サイトがあることを知りました。予備校のない、地方に住む受験生がこのサイトを使って学び、大学生になると今度は先生としてボランティアに参加しているという話に胸を打たれました。

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身近なところでは、今年は大手予備校が経営破綻する一方でビデオ授業の予備校が躍進したり、日本版MOOCがはじまったりと、時代の変化を実感した年でもありました。高品質の無料の授業が発信されることで、学びの世界はこれからますますボーダーレスになっていくのか、注目していきたいと思います。

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話かわって...我が家近くのいちょうの木。美しい黄葉にパチリ。

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コメント

こんばんは。

あ、これ、読まれたんですね!
つい最近「Mooc入門」っていう新刊も出たので、一緒にならべて積んであります!

前のセレンディピティさんの記事でも驚いたけど、これって本当に革新的な試みですよね。
様々な理由で、学校で学べない人達にとって、教育の機会が与えられるって、凄い事だと思います。

これから、「学校」っていうもののかたちも、どんどん変化していきそうな気がしますね。happy01

投稿: ごみつ | 2014年11月17日 (月) 23時49分

☆ ごみつさま ☆
こんにちは。
そうなんです。
読んだのはずいぶん前ですが、やはり記録に残しておこうと思って...。
「MOOC入門」は重田先生が最近出された本ですね。
私がMOOCで受けたのも重田先生の講座なんです。
この分野の第一人者ですが、授業もすごくよかったですよ。

MOOCは無料で束縛がない分、終了率は低いそうですが
その気があれば、いつでもどこでも誰でも始められる
というのがすばらしいですね。

これから学校や学びをめぐる環境も
どんどん変わっていくのだろうな...と思います。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2014年11月18日 (火) 14時01分

確かに、予備校の授業でも昔ながらの授業のYが行き詰まり、
オンラインを利用したTが躍進。
SEだった頃、TのNo2の方にお会いしと事がありますが、
まだ、今ほど流行ってはいなかったのですが、今のやり方に
自信を持っていたように思います。
今後、教育の在り方が大きく変わっていくのかもしれませんね。
私的には、新しい撮影のご依頼を受けると、まずは、YouTubeなどを
利用して確認をします。
色々なことを親切にアップしている方が結構いらっしゃいますね^^

投稿: イザワ | 2014年11月19日 (水) 01時16分

☆ イザワさま ☆
こんにちは。
息子のまわりでも、T予備校に通っていたお友達が結構いました。
自分のスケジュールに合わせて授業が受けられるので
忙しい運動部の子に人気があったようです。
ビデオで学習だなんて昔は考えられなかったですが
今は動画が身近なものとしてあるので、抵抗がないのかもしれませんね。

You Tubeは私は主に音楽を探して聴くのに使っていますが
結構マイナーな曲や昔の曲もあって感動します。^^
ことばだけでは説明しにくくても
映像だとひと目で伝えられることもありますし
工夫次第でいろいろな使い方ができそうですね。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2014年11月19日 (水) 16時45分

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