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2015年2月

鼎泰豐の小籠包 & ポール・ポキューズ銀座

POLAのギャラリーを訪れた日、キラリトギンザの「鼎泰豐」(ディンタイフォン)さんでお昼をいただきました。台北に本店のある小籠包の名店で、高島屋(日本橋・新宿など)に支店がありますが、いつも長い行列ができているので、気になりながらも入る機会がなかったのです。

キラリトギンザのお店はできたばかりであまり知られていないのか、あるいはお昼の時間をだいぶ過ぎていたからか、すぐに席に着くことができました。メインのお料理(炒飯、麺類など)に小籠包と前菜がつく、お昼のセットをいただきました。

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最初に運ばれてきた前菜セット。もやしの和え物や、蒸し鶏にねぎソースをのせたものなどどれもおいしい。奥に見えるのは小籠包を食べる時のしょうがの千切り。わくわく期待が高まります。

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そしてお待ちかねの小籠包。皮が破けないよう注意しながらしょうが&黒酢にディップして、スープがこぼれないようにれんげを使って、熱々のところをはふはふしながらいただきますが...う~ん、普通においしかったですが、私の期待が大きすぎたかもしれません。

何より、小籠包がはふはふするほど熱くなかったのです。ひょっとして火傷するってクレームがあったのでしょうか。個人的には六本木の南翔饅頭店(こちらは上海の小籠包専門店)の方がおいしいと思いました。今回たまたまタイミングが悪かっただけかもしれませんが...。

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メインのお料理は、私は(左)の酸辣湯麺にしましたが、さわやかな酸味があっておいしかった。右は海老炒飯です。メインのお料理も前菜もおいしかっただけに、肝心の小籠包がちょっぴり残念でしたが、いつか機会があれば高島屋のお店をトライしてみようと思います。

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ブリヂストン美術館に行った日は、行こうと思っていたお店が予約でいっぱいだったので、あれこれ迷って結局マロニエゲートの「ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座」に入りました。メインのお料理とデザートに、食後の飲み物がつくランチセットをいただきました。

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いきなりメインのお料理がくるかと思っていたので、鶏肉のリエットがパンとともに運ばれてきて感激。リエットはわずかにカレー風のスパイスが香り、オリエンタルな味わいです。パンにつけながらおいしくいただきました。

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メインのお料理です。(左)は香草風味の豚スペアリブと大根のプレゼ(煮込み)。和食では定番の組み合わせですが、ブイヨンで煮込んであるのが新鮮。豚肉がほろほろに柔らかかったです。八角が香り、こちらもほんのりオリエンタルテイストです。

私は(右)のサーモンと帆立ムースのショーソン(パイ包み)をいただきました。ぱりっとした食感のパイに2種類の海の幸のおいしさが閉じ込められていて、これまた美味。クリーミィでわずかに酸味のある、ベアルネーズソースがよく合いました。

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デザートです。(左)はお店の名前を冠したクレーム・ブリュレ。カリカリと香ばしいカラメルととろりとしたカスタードは定番のおいしさです。

私は(右)のりんごのシブースト&バナナアイスクリームをいただきました。シブーストはタルトタタンのカスタードバージョンといった感じでとろりと柔らかく、りんごのおいしさもしっかり味わえました。バナナアイスクリームにフルーツグラノーラが添えられているのは遊び心のある演出。

以前、国立新美術館のポール・ボキューズ ミュゼが私の中では今ひとつ...だったので、実はあまり期待していなかったのですが、今回はとってもおいしかった! これで2000円はかなりお得ですよね。大満足のランチになりました。

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ベスト・オブ・ザ・ベスト @ブリヂストン美術館

ブリヂストン美術館が5月18日より新築工事のため長期休館に入ります。休館前最後の企画展は、「ベスト・オブ・ザ・ベスト」(~5月17日)。所蔵作品1600点の中から選び抜かれた、極上の160点を堪能しました。

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(アールデコ風の題字がすてき)

今年開館63年を迎えたブリヂストン美術館。ギャラリーに並ぶ彫刻作品に迎えられるようにして最初の展示室に入ると、ブリヂストン美術館のこれまでのあゆみが紹介されていました。

ブリヂストン創業者の石橋正二郎氏は福岡県久留米市出身。小学校時代の図画の先生でもあった坂本繁次郎画伯から、同郷の画家 青木繁の作品が散逸しないよう集めて欲しいと頼まれ、「海の幸」などの代表作を購入したことが絵画蒐集のきっかけとなったそうです。

後に日本の代表的な洋画家の作品に加え、彼らが手本としたフランスの画家たちの作品も集めるようになり、特にフランス印象派から現代につらなる絵画や彫刻などの近代美術を好まれた氏は、ご自身の審美眼によって質の高い美術作品を集めてこられました。

1950年に渡米された石橋氏は、都心のビルにあるニューヨーク近代美術館(MoMA)に感銘を受け、コレクションを一般公開することを決意。1952年に現在の美術館を設立されました。MoMAは私にとっても特に思い入れのある大好きな美術館なので、こうした経緯がなおのことうれしく、心に響きました。

今回心をとらえた作品からいくつかご紹介させていただきますね。

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カイユボット 「ピアノを弾く若い男」 (1876)
ピアノ好きということもあって、ひと目見て心を奪われました。場所はカイユボットのパリの邸宅で、モデルは弟さんとのことですが、横顔がどことなくレイフ・ファインズに似ていたのも気に入った理由かも。新収蔵作品で今回初公開。

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モネ 「雨のベリーヌ」 (1886)
「睡蓮」(1903)も、「黄昏、ヴェネツィア」(1908)も好きですが、今回特に心をとらえたのはこの作品。筆さばきと白い波頭から、激しい雨の様子が目の前に浮かびました。

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(左) マネ 「自画像」 (1878-79)
2点しか存在しないとされるマネの自画像のうちの1点。荒々しい筆さばきは、アニメーションのように今にも動き出しそうです。

(右) ルノワール 「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」 (1876)
モデルは、ルノワールのパトロンだった出版業者シャルパンティエ氏の長女(4歳)。はちきれるばかりの生命力に無敵の美しさがあって圧倒されます。見ているだけで幸せな気持ちになりました。

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ドニ 「バッカス祭」 (1920)
あふれる生命力、にぎやかで楽しい雰囲気に酔いました。ドニが、スイス ジュネーヴの毛皮店から依頼を受けた作品で、店名にちなんで中央に虎が描かれています。

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藤田嗣治 「猫のいる静物」 (1939-40)
ペンで描いたような繊細な筆致は、日本画の筆が用いられているそうです。洗練された雰囲気のあるおしゃれな作品。

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セザンヌ 「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」 (1904-06)
この構図が好きで、写真を撮る時にも意識したくなります。(コチラ

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クレー 「島」 (1932)
近くで見ると砂を混ぜて描かれているのがわかります。ざらついた質感と温かみを感じる色味。私には洞窟壁画のようなプリミティブな魅力が感じられました。

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「本当にあった奇跡のサバイバル60」

ナショナルジオグラフィック編集の「本当にあった奇跡のサバイバル60」を読みました。

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登山事故や自然災害、難破、飛行機墜落、誘拐といった絶望的状況に陥るも、強い精神力と生きながらえるための知恵、判断力、そして不屈の勇気で乗り越えて生還した人々の奇跡の物語、60話が紹介されています。

ひとつひとつがどれもドラマティックなエピソードなので、「大脱走」、「キャプテン・フィリップス」「127時間」など、映画化されているものが多いのも納得です。読みながら、まさしく事実は小説より奇なり、を実感しました。

また、2009年の飛行機事故「ハドソン川の奇跡」や、2010年のチリの鉱山の落盤事故など、ニュースで知って記憶に新しいエピソードもありました。チリの鉱山の落盤事故については、映画化の話も出ていますね。

収録されているエピソードは古くは16、7世紀、多くは1900年以降に起こったできごと。各エピソードは2~4ページにまとめられていて、美しい写真や経路を示す地図など、資料も豊富で見やすかったです。感情を交えない淡々とした文章はリアリティがあり、ゾクゾクと緊張感を味わいながら読みました。

登山や南極探検などは、冒険者もある程度危険を覚悟し、いざという時の準備もして臨んでいるのでしょうが、飛行機事故などは一般の人たちがまったく心の準備のないままに巻き込まれる不慮の事態。そうした時に生死を分けるものは何か、ふと考えてしまいました。

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いくつか印象に残ったエピソードから。

1931年、オーストラリア。人種隔離政策によって家族から引き離されたアボリジニの少女たちの、強制収容所からの脱出劇。彼女たちは、政府が設置した野生動物の侵入を防ぐためのフェンスに沿って2ヶ月間歩き続け、故郷にもどることができました。

2006年、オーストラリア。ヒッチハイクの若者を拾ったところ、睡眠薬を飲まされて車を奪われ、砂漠の中に置き去りにされた青年。彼は雨季でできた川に沿って歩きながら、トカゲやカエルを天日干しにして食べ、2ヶ月以上彷徨って生き延びました。救助された時には体重が半分になっていたそうです。

1971年、米国史上唯一の未解決のハイジャック事件。手荷物に入れて持ち込んだ爆弾で脅して飛行機を乗っ取り、シアトルに着陸させてパラシュートと現金を用意させた男。それから離陸後、男はポートランド付近でパラシュートで脱出したはずですが、その後の足取りがまったくつかめていません。

1972年、雪のアンデス山脈に飛行機が墜落。生存者がいないとみなされて捜索が打ち切られてしまったため、生き残った16人は自力で山から脱出するしかなくなりました。数人が代表して2ヶ月かかって山越えをし、ようやく人里にたどりついて救助をよぶことができました。

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もっと過酷で壮絶なサバイバルもありましたが、ナショナルジオグラフィック編集ということもあって、ハリウッド映画の感覚で読んでしまったのもまた事実。小野田少尉の帰還とか、八甲田山 死の彷徨とか、日本版サバイバルが追補であってもおもしろそうです。

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山本基展 「原点回帰」 @POLA MUSEUM ANNEX

有楽町で映画を見たあとに、銀座のPOLA MUSEUM ANNEX(ポーラ ミュージアム アネックス)で開催されている 山本基展 「原点回帰」(~3月1日まで)を見に行きました。

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山本基さんは1966年尾道生まれ、金沢在住。世界でもめずらしい、”塩”を素材としたインスタレーション作品を制作し、国内外で活躍されているアーティストです。今回の出展作品は「たゆたう庭」。ギャラリーの3分の2ほどのスペースを占める、壮大かつ繊細な塩の世界を堪能しました。

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ギャラリーに入ると目の前に広がるのは、打ち寄せた波がつくる渦潮か、はたまた泡がつくる波の花か。壮大に広がる風景にただただ圧倒されました。そしてこれが全て、塩の粒子で描かれているというのですから驚きです。

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近くで見ると、面を埋めつくしている部分は細かい網状の模様になっています。ところどころ、黒い床がのぞいている部分は、地図の湖沼のようにも見えます。

スタッフの方にうかがうと、作品は(お好み焼き屋さんで使うようなプラスティックの)油さしを使って、塩を少しずつしぼりだして描かれているそうで、山本さんがこの場所で9日間かけて制作されたそうです。

会場でメイキング映像を見ましたが、下絵はなく、フリーハンドでさらさらっと描かれているのに驚きました。床というキャンバスに少しずつ均一に絞り出されていく塩が線を作り、やがてそれが模様となり、面を埋め尽くしていきます。

私は、クッキーにアイシングで模様を描く時のことを思い出しましたが^^ こちらはまとまりのない塩の粒子ですから、はるかに扱いにくいはず。間違えた時はどうやって直すの?作品を作る時は全体像を思い浮かべながら部分を描いていくの?次から次と、はてなマークが浮かんできます。

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山本さんは一度は就職されるも、妹さんに背中を押され、アートの道を進まれました。その妹さんが若くして亡くなられた時、彼女との思い出を心に留めておきたいという祈りの気持ちから、お清めの塩を作品に使われるようになったそうです。

思えば、塩は古来より身と心を清める聖なるものとして、日本人の生活に深く関わってきました。塩はまた、人の体を整え、動かすためになくてはならないもの。海に囲まれた私たちにとって、身近にありながら命の源ともいえるものです。

ビデオ映像で、山本さんの作品をいくつか拝見しましたが、塩を固めて作ったブロックを積み重ねた神殿のような作品であったり、かと思えば禅寺の石庭を思わせる作品であったり、どれも神聖で厳かな静けさに満ちていました。

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少し高いところから見下ろすと、また違った感動がありました。気象衛星から見る雲の姿のようでもあり、はたまた銀河系宇宙のようでもあり。見ると自然と心が安らいで、癒されていくのを感じました。

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展覧会最終日に、作品を壊し、その塩を各自で海に還すというプロジェクトがあるそうです。希望の方は3月1日17:00~(先着100名)

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チョコと卵でガトーショコラ

さて、今日はバレンタインデーですね。先日、ネットで話題になっていた「板チョコと卵だけで作るガトーショコラ」を作ってみました。レシピはコチラ

材料は板チョコ4枚と卵4個のみ。私は板チョコ4枚の代わりに、家にあったチョコチップで作りました。チョコレートを湯煎でとかして、卵黄を混ぜ、固く泡立てた卵白を混ぜたら準備した型に入れ、オーブンで焼きます。

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あっという間にガトーショコラのできあがり♪

ガトーショコラは、お気に入りのレシピがいくつかありますが、チョコレートの濃厚な風味を生かすため、粉類をあまり入れないことが多いのです。それでも粉類とバターをまったく入れずに作ったのは初めて。

考えてみれば、チョコレートにはもともと糖分が入っていて、メレンゲ(固く泡立てた卵白)を入れることによって生地をふくらませることができますし、卵は熱によって固まるので、この2つの材料だけでケーキができるのも納得です。

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粉砂糖をふるって仕上げました。

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軽く泡立てた生クリームとバナナのスライスを添えていただきました。材料2つで作ったとは思えない、本格的な味わい。メレンゲが入るので、エアインチョコのようでもありました。ほろほろと崩れるところはまさしくガトーショコラ。食感を楽しみながらおいしくいただきました。 

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先月、クリスピークリームドーナツにバレンタインの期間限定ドーナツが出ていたので買ってきました。

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手前のオリジナルドーナツと奥のチョコレートドーナツ以外の4種類がバレンタイン限定。チョコレートやナッツ、ベリーを使ったドーナツです。

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ハートのドーナツはフォンダンショコラになっていて、電子レンジで10秒温めると、中からチョコレートクリームがとろ~り。バレンタイン限定ドーナツは2月15日までで、その翌日からはイースター限定ドーナツがはじまるそうです。

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寒い日が続いていますが、お花屋さんの店先は、チューリップ、スイートピー、ストック、ラナンキュラスなどなど、一足先に春がはじまっていて、前を通るたびに気持ちがうきうきと弾んできます。

この日はピンクのバラとつぼみのヒヤシンスを中心に、スイートピー、フリージア、こでまりなど、大好きなパステルトーンであわせてみました。玄関は冷え冷えとしているので、一ヶ月くらい目を楽しませてくれています。

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「ジミー、野を駆ける伝説」

「麦の穂をゆらす風」「天使の分け前」などの社会派映画で知られるケン・ローチ監督の最新作、「ジミー、野を駆ける伝説」(Jimmy's Hall)を見ました。1930年代のアイルランドで自由を求めて奮闘した実在の活動家、ジミー・グラルトンの姿を描きます。

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1932年、アイルランド。元活動家のジミー(バリー・ウォード)が、10年ぶりに故郷の村に帰ってきました。村人たちのリーダーだった彼は、かつて人々の憩いの場であるホール(集会所)をつくったことが神父を中心とする権力者たちの怒りを買い、故郷を追われてアメリカに渡ったのでした。

老いた母をたすけ、静かに暮らすことを望んでいたジミーでしたが、自由を求める村の若者たちから懇願され、情熱に突き動かされるようにホールを再開することを決意します。しかしようやく活動が軌道に乗り始めた頃、神父たち保守派らは再び妨害をしかけてくるのでした...。

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1919~21年のアイルランド独立戦争と、その後に続く内戦を描いた「麦の穂をゆらす風」は、思い出しただけで胸がしめつけられるすばらしい作品。本作「ジミー~」はその10年後、1932年のアイルランドの村を舞台に、自由のために奮闘した名も無き活動家、ジミー・グラルトンにスポットをあてています。

といっても「麦の穂~」ほど重くなく、ほのぼのとした味わいがあって、ほろ苦くも希望が感じられるラストがよかった! ジミーはいわゆるアイルランドの歴史をぬりかえるような英雄ではありませんが、彼の精神は間違いなく若い世代へと引き継がれ、封建的な国の歴史を少しずつ変えていったことと思います。

名も無き活動家を見つめるケン・ローチ監督の眼差しは限りなく優しく、なんでもないシーンや会話が心に響いて、何度も涙ぐんでしまいました。

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そもそもジミーがつくったホールは、人々が音楽やアート、ダンスなどを学び、楽しみ、交流する場。それがどうしていけないのか、今を生きる私たちには理解できませんが、神父たちは、ジミーたちがそうした活動を通じて人々を啓蒙し、やがて自分たちの立場が脅かされると恐れているようです。

またジミーがアメリカから持ち込んだジャズやダンスといった新しい文化が、反キリスト的で若者たちを堕落させるものと信じて疑いません。でもあとでジミーがそっと置いていったジャズのレコードを聴いた神父は、ほんとうはその魅力がわかっていたはずだと思うのです。

ジミーに「あなたの信仰は、愛より憎しみに満たされている」と言われ、心を動かされる神父。しかしこの時代には国や他の教区の手前、神父の立場としてジミーのやっていることを認めるわけにはいかなかった、というのがほんとうのところかもしれません。

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10年という月日は、愛する人との間も引き離してしまいました。ジミーが故郷を去ってから、二人は別々の人生を歩いてきましたが、何も言わなくとも今もお互いを思い続けていることが伝わってきて切なかったです。真夜中のダンスシーンは、はかなくも美しいまぼろしのようでした。

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ようやく故郷に帰ってきたというのに、またも国外追放されてしまうジミー。しかし彼が蒔いた自由の種は若者たちの手を借りて必ずや実を結ぶことになるでしょう。美しい緑の野山をさわやかな風が吹き抜けるのを感じました。

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日本橋室町 LA BONNE TABLE

日本橋三越で美術展を見た日は、コレド室町のフレンチレストラン、LA BONNE TABLE(ラ・ボンヌターブル)でお昼をいただきました。西麻布のフレンチレストラン「レフェルヴェソンス」の姉妹店だそうで、旬の食材を使った遊び心あふれるお料理と、飾らない温かいおもてなしが魅力でした。

モノトーンのシック&モダンな北欧風インテリア。デニムやコットンをきりりと着こなすスタッフたち。BGMは70~80年代のロック。禅スタイルのモダンな和食器。...どれも一般にイメージするフレンチレストランらしからぬ?雰囲気で、なんだかわくわくしてきました。

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ランチは、前菜、主菜、デザートをそれぞれ数種類の中から選ぶプリフィクスのコースです。食前酒には、山形のデラウェア(ぶどうの品種)を使って作られたという、めずらしいにごり酒のスパークリングワインをいただきました。これが、こちらのお店のサラダにとにかくよく合うとのことでした。

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そしてこちらがそのサラダです。その日に収穫した一番おいしい状態の野菜だけを使っているというサラダ。めずらしい大根やお芋などの根菜、葉物も豊富でどれもおいしかった。ドレッシングのお味はほとんど感じられなくて、野菜のお味そのものを楽しむサラダでした。上にのった手作りのポップコーンが楽しい。

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前菜です。私は(左)の新たまねぎのポタージュをいただきました。この時期しか食べられないという貴重なスープ。水分をまったく加えていないそうで、たまねぎの甘みがとろけるようなおいしさでした。トッピングしたほうれんそうとベーコン、ポテトなどをからめながらいただきました。

(右)は和牛の炙りのサラダです。これだけでメインディッシュになるほどにボリュームたっぷりです。黒いプチプチはきのこを細かく刻んだものだそうで、食感がおもしろかったです。

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主菜です。(左)は鴨のロースト。色とりどりの美しい野菜とともに、2種類のソース(黄色いソースはにんじん、黒いのはバルサミコ??失念)でいただきます。

私は(右)のお魚料理をいただきました。帆立をひらめのフィレで包んでソテーし、クリーミィなソースで煮込んであります。わずかに酸味の感じられるソースがおいしかった。

スタッフのお勧めで、鴨といっしょにValdiguie(バルディグア)というカルフォルニアの赤ワインをいただきました。私も一口味見しましたが、スモーキーなお味がおいしかった。お酒が弱い私には、お試しでハーブが香るさっぱりとしたアップルジュースを用意してくださいました。

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誕生日や記念日はいつもはお店に伝えないのですが、この日は予約のサイトに記入する欄があったのでめずらしく。小さなマカロンにスポンジ、エディブルフラワーのすてきなプレートを用意してくださいました。

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デザートです。(左)は安納芋をのせた焼きリンゴとキャラメルアイスクリーム。私は(右)のいちごのスープとココナツミルクのブランマンジェをいただきました。上に乗っているのはなんと綿菓子!このためにわざわざ機械を買われたそうです。スープに混ぜながらおいしくいただきました。

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最後にコーヒーとともに用意してくださった小菓子はたこ焼き?! と思いきや、ラズベリー入りのフォンダンショコラでした。ほかほかと温かく、中のチョコレートはとろりと溶けています。たこ焼き器を使って作られているそうですが、この発想はなかった...サプライズで締めくくる楽しい食事になりました。

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岡田美術館蔵 琳派名品展 @日本橋三越

日本橋三越本店 新館7階ギャラリーで開催された、「岡田美術館蔵 琳派名品展」を見ました。2月2日で終了していますが、感想を書き留めておきます。

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琳派とは、尾形光琳に代表される芸術表現の流派。といっても、徒弟制度で引き継がれるのではなく、シンプルにて大胆な構図、高いデザイン性、金銀箔が用いられる...といった共通の特徴があり、今なお国内外のアーティストに影響を与えています。

今年は、琳派を創始したとされる元阿弥光悦が、京都に工房を開いてから400年にあたる記念の年ということで、数々の琳派の企画展が予定されています。そのトップバッターとなるのが、今回の展覧会です。

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岡田美術館は2年前に箱根にオープンした、日本・東洋美術の個人美術館。今回は館外で開催される初めての企画展だそうです。私も気になりながら、これまで訪れる機会がなかったので、今回は下見も兼ねて?楽しみにしていました。桃山時代から昭和にかけての琳派の名品43作を堪能しました。

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俵屋宗達 「明石図」(源氏物語図屏風断簡) 江戸時代初期
源氏物語の一場面を描いた作品。人物が一部隠れているのが、動きが感じられてかわいらしい。

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作者不詳 「誰ケ袖図屏風」 (右隻) 江戸時代初期
ここには女性の衣装、対となる左隻には男性の衣装が描かれています。こういう当時の風俗が忍ばれるものは見てて楽しい。衣装の柄が細かく描き込まれていて、その華やかさと美しさが目を引きました。

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尾形光琳 「雪松群禽図屏風」 江戸時代前期
美術館を創設した岡田氏は、この作品と出会って美術品の蒐集を始められたそうです。金とブルーの幾何学的構図のおもしろさ。冬の水辺に集まった、鴨たちのにぎやかな会話が聞こえてきそうな楽しい作品です。

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尾形光琳 「菊図屏風」 (右隻) 江戸時代前期
空間を十分にとり、菊を大胆な構図で配した光琳の大作。菊の茎は棒のように直線的というイメージがあったので、バラが咲き乱れるように動きのある姿が新鮮に感じられました。華やかでデザイン的なおもしろさのある作品です。

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酒井抱一 「月に秋草図屏風」 江戸時代後期
すすきに桔梗、女郎花...秋の野の草を優しく照らす半月。楚々とした佇まいに心惹かれました。月の形からすると夜更けの空でしょうか。銀で描かれた月は黒く変色しています。

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神坂雪佳 「燕子花図屏風」 (左隻) 大正~昭和時代前期
燕子花は琳派ではおなじみのモチーフですが、いつ見ても心惹かれます。背景は、地面を表す金と水面を表す銀に流れるように分割され、リズムが感じられました。

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ラストを飾るのは、加山又造 「初月屏風」 昭和42年(1967)
雲間に浮かび上がる大きな細い月、その前に広がるすすき野、そして漆黒の夜の海に、うねるように画面を覆い尽くす波。壮大な風景に圧倒され、興奮を覚えました。

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「ゲート/モニカ・ソトノフスカ」展 &銀座オストレアでランチ

マリオンで「アニー」を見たあとに...銀座メゾンエルメス フォーラムに寄って、開催中の「ゲート/モニカ・ソトノフスカ」展(~3月31日)を見てきました。

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モニカ・ソトノフスカは1972年にポーランドで生まれ、ワルシャワを拠点に活動しているアーティストです。共産主義の崩壊を目の当たりに経験した彼女は、壊され、変容する実在の建築をモチーフにした、彫刻やインスタレーションを発表しています。

日本で初の個展となる今回は、ゲート(門扉)を題材にした新作4点が展示されています。個人の住宅のスチール製のゲートを、ねじり、歪め、着色してオブジェとして蘇がえらせた作品が、吹き抜けの高い天井から吊り下げられている様子は圧巻でした。

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もとは直線的なデザインの門扉が、ねじられることで優美な曲線として生まれ変わります。あたりまえといえばあたりまえですが、新しい視点を与えられ、新鮮な発見がありました。

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もとの門扉はどんな姿だったのだろう...と頭の中で展開し、想像するのも楽しい体験でした。

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と思ったら、いただいたパンフレットに、もとの門扉の写真がありました。門扉そのもの以上に、その門扉が置かれた佇まい、どこか寂しげな風景に、心が騒ぎました。

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これはまた別の日。「ビッグ・アイズ」を見る前に、銀座コリドー街にあるオイスターバー&レストラン Ostrea(オストレア)でお昼をいただきました。こちらのお店、以前から気になっていたのですが、週末のランチがお休みで、なかなか入る機会がなかったのです。

この日は平日だったので、お勤めしている方たちに交じって、1000円のビジネスランチをいただきました。パスタ、お肉料理、お魚料理などメインの日替わり料理を一品選ぶと、前菜やサラダ、牡蠣フライ、飲み物、デザートが、バフェで好きなだけいただけます。

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(左)この日の前菜はロールチキン、ひよこ豆の煮物、カジキのエスカベーチェなど。牡蠣フライも小粒ながらおいしくて、これだけで主菜になりそうです。

(右)私はメインに本日のパスタ、牡蠣と春菊のジェノベーゼをいただきました。上に乗っているのはベーコンの細切りです。春菊のジェノベーゼというのが新鮮で、今度家でもまねして作ってみようと思いました。大満足のランチでした。

ところで...映画は、数寄屋橋近くのTOHOシネマズ有楽座で見たのですが、映画館が入っているニユートーキヨービルの建替えにともない、2月末で閉館となるそうです。レトロな味わいのある映画館でしたが、残念ですね。

ここのところ、新宿ミラノ座、シネマート六本木と閉館のニュースが相次ぎ、寂しい限りですが、一方でTOHO新宿のオープンや恵比寿ガーデンシネマの復活など明るい話題もあり、今から楽しみにしています。

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「ビッグ・アイズ」

「シザーハンズ」、「チャーリーとチョコレート工場」など、ダーク・ファンタジーの名手で知られるティム・バートン監督が、60年代のポップアート界に衝撃を与えた実在の事件を描いた作品、「ビッグ・アイズ」(Big Eyes)を見ました。

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大きな目の悲しげな表情の子どもを描き、1950~60年代に大ブームを起こしたウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)。しかし実際に描いていたのは、妻マーガレット(エイミー・アダムス)でした。ウォルターはマーガレットを恐怖で支配して絵を描かせ、ことば巧みに世間を欺いていたのです...。

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この映画、どうしても昨年日本を騒がせた某作曲家のゴーストライター事件と重ねて見てしまいました。どうしてこんなことが起こり得るのか、不思議に思いますが、最初の小さな嘘が、真実としてひとり歩きをはじめると、気づいた時には取り返しのつかないことになってしまうのでしょうね。

本来、マーガレットは被害者、ウォルターは加害者のはずだったのに、いつの間にか共犯者ということにされ、ばれたら困るのはおまえだぞ、とばかりにマーガレットは精神的に追い詰められていきます。

内気なマーガレットと違い、ウォルターは弁が立つし、商売上手。人気があっても人はなかなか原画を買わないとわかると、ポスターやポストカードを印刷して売りまくります。当時のアメリカの大量消費社会という時代の波をうまくつかまえる才覚が彼にはありました。

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女性のアーティストがまだなかなか認められなかった、という当時の事情もありました。そういえば、ほぼ同時代を生きた日本画家の上村松園も、ロダンの弟子のカミーユ・クローデルも、女性であるがゆえに偏見にさらされ苦労したと、小説や映画で読んだ/見たことがあります。

「女の芸術家は評価されない」というウォルターに、「ジョージア・オキーフがいるわ」と言い返すマーガレット。草間彌生さんが、芸術の道に進むことをご家族に反対され、思い余ってオキーフに手紙を書いたというエピソードを思い出しましたが、オキーフは当時の女性芸術家の希望の星だったのだな、と再認識しました。

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(左から奈良美智、ティム・バートン、モディリアーニの作品)

マーガレットの大きな目の作品を見ると、奈良美智さんが描くふきげんな女の子に通じるものを感じますし、ティム・バートンの絵も彷彿とさせます。追い詰められたマーガレットの幻想に出てくる、デカ目メイクをした人たちのシーンは、ティム・バートンのいつもの映像世界そのもので楽しかった。^^

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マーガレットは一時期、モディリアーニ風の切れ長の目の女性を描き、サインも変えて、ウォルターへの”小さな抵抗”を試みますが、その絵は人々には受け入れられませんでした。やはりマーガレットが生み出した大きな目の作品こそが、彼女のオリジナリティであり、アートとしての魅力になっているのでしょうね。

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それにしても、映画を見てウォルターには腹が立つやら、あきれるやら。マーガレットの絵のみならず、パリの風景画までインチキだったなんて。彼は2000年に亡くなるまで、マーガレットの絵は自分が描いたものだと言い続けていたそうです。

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スキャンダルのために表舞台から去っていたマーガレットですが、再婚して幸せに暮らし、今も絵を描き続けていらっしゃるとか。今回の映画化で、改めて真相が注目されることになってよかったです。日本人にとっては、ある意味とてもタイムリー?な作品でした。

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