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山本基展 「原点回帰」 @POLA MUSEUM ANNEX

有楽町で映画を見たあとに、銀座のPOLA MUSEUM ANNEX(ポーラ ミュージアム アネックス)で開催されている 山本基展 「原点回帰」(~3月1日まで)を見に行きました。

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山本基さんは1966年尾道生まれ、金沢在住。世界でもめずらしい、”塩”を素材としたインスタレーション作品を制作し、国内外で活躍されているアーティストです。今回の出展作品は「たゆたう庭」。ギャラリーの3分の2ほどのスペースを占める、壮大かつ繊細な塩の世界を堪能しました。

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ギャラリーに入ると目の前に広がるのは、打ち寄せた波がつくる渦潮か、はたまた泡がつくる波の花か。壮大に広がる風景にただただ圧倒されました。そしてこれが全て、塩の粒子で描かれているというのですから驚きです。

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近くで見ると、面を埋めつくしている部分は細かい網状の模様になっています。ところどころ、黒い床がのぞいている部分は、地図の湖沼のようにも見えます。

スタッフの方にうかがうと、作品は(お好み焼き屋さんで使うようなプラスティックの)油さしを使って、塩を少しずつしぼりだして描かれているそうで、山本さんがこの場所で9日間かけて制作されたそうです。

会場でメイキング映像を見ましたが、下絵はなく、フリーハンドでさらさらっと描かれているのに驚きました。床というキャンバスに少しずつ均一に絞り出されていく塩が線を作り、やがてそれが模様となり、面を埋め尽くしていきます。

私は、クッキーにアイシングで模様を描く時のことを思い出しましたが^^ こちらはまとまりのない塩の粒子ですから、はるかに扱いにくいはず。間違えた時はどうやって直すの?作品を作る時は全体像を思い浮かべながら部分を描いていくの?次から次と、はてなマークが浮かんできます。

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山本さんは一度は就職されるも、妹さんに背中を押され、アートの道を進まれました。その妹さんが若くして亡くなられた時、彼女との思い出を心に留めておきたいという祈りの気持ちから、お清めの塩を作品に使われるようになったそうです。

思えば、塩は古来より身と心を清める聖なるものとして、日本人の生活に深く関わってきました。塩はまた、人の体を整え、動かすためになくてはならないもの。海に囲まれた私たちにとって、身近にありながら命の源ともいえるものです。

ビデオ映像で、山本さんの作品をいくつか拝見しましたが、塩を固めて作ったブロックを積み重ねた神殿のような作品であったり、かと思えば禅寺の石庭を思わせる作品であったり、どれも神聖で厳かな静けさに満ちていました。

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少し高いところから見下ろすと、また違った感動がありました。気象衛星から見る雲の姿のようでもあり、はたまた銀河系宇宙のようでもあり。見ると自然と心が安らいで、癒されていくのを感じました。

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展覧会最終日に、作品を壊し、その塩を各自で海に還すというプロジェクトがあるそうです。希望の方は3月1日17:00~(先着100名)

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コメント

こんにちは!

山本基展さん、はじめて名前を知りましたが、塩で作品をつくってらっしゃるんですね!
すごくユニーク!それに、作品が本当に美しいですね。

作品が醸し出す静寂さは、記事にも書かれている様に、塩の持つお清めの力もあるのかもしれませんね。

この作品は、最後は海に還してしまうんだ~。形として残らないのも、潔さとはかなさも感じます。

珍しいアーチストのご紹介、有難う~。happy01

投稿: ごみつ | 2015年2月17日 (火) 15時07分

色々な表現方法のアートがあるものですね!
塩で描かれた迫力の大きな渦のような模様。
言われなければ、塩とは分かりませんね。
最終日に壊してしまうのがもったいなく思います。。。

投稿: イザワ | 2015年2月18日 (水) 01時13分

☆ ごみつさま ☆
こんにちは。
私も山本基さんの作品、初めて見たのですが
実際に目の前にすると、圧倒的な迫力がありました。
まさに壮大かつ繊細なアートでした。

塩の力って、今まであまり意識したことがなかったですが
心が自然と鎮められ、浄化されていくのを感じました。
母なる海に包まれているような、不思議な感動がありましたよ。

今、この時にだけ存在するアート
その儚さもまた魅力ですね。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2015年2月18日 (水) 10時22分

☆ イザワさま ☆
こんにちは。
写真では、とても塩で描かれているとは思えませんね。
近くで見ると、ひとつひとつの線が細かい塩の粒子でできていて
その繊細さに圧倒されました。
日本の石庭や枯山水など、白砂に描かれた水の紋様に
通じるものがあるかもしれません。

最後に壊してしまうのはもったいないですが
それを海に還すというのがまたすてきな発想ですね。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2015年2月18日 (水) 10時31分

セレンさん☆
これ凄いですねー
塩で描いて、最後は海に帰すなんて…
儚いアートほど偉大なものはないですね。
これはちょっと観に行かなくちゃ・・・と思いました。

投稿: ノルウェーまだ~む | 2015年2月20日 (金) 00時10分

去年、ノースカロライナでも彼の個展が開かれました。こちらでは、彼が作品を作るところが見れたんですよ。私はいけませんでしたが。大成功に終わったそうです。壮大ですよね、彼の作品。

投稿: Schatzi | 2015年2月20日 (金) 10時44分

☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
こんにちは。
実際に目にすると、その壮大さと繊細さに圧倒されました。
最後に壊してしまうのはもったいないですが
それがまた海に還っていく...というのも
物語があってすてきですね。
山本さんにとって、作品に取り組む姿勢そのものがアートなのかも。

銀座に行かれる時には是非。ご覧になってみてください☆

投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2015年2月20日 (金) 10時56分

☆ Schatziさま ☆
こんにちは。
Schatziさんも、ノースキャロライナで
山本さんの個展を見に行かれたのですね!
海外を中心をご活躍されているとうかがいましたが
日本人ならではのメンタリティや感性を感じるアートですね。
心の琴線に触れるものがありました。

こちらでも最初の2日は制作するところが見れたそうです。
私はあとから知ったので、見損ねてしまって残念でした。

投稿: ☆ Schatziさま ☆ | 2015年2月20日 (金) 11時06分

セレンさん☆
早速行ってまいりました!
シン・・・と静まり返った真っ白な会場に、荘厳ともいえる作品が、実に見事でした。
作品を削って海へ投げる映像を見ながら、何だか自然と涙がにじんでしまったわ。

でも、途中で入ってきたご老人3人組が騒々しくて、最後に「あら、紐なのかと思ったわー」と言いながら、何故か係りのお姉さんに作品の講釈を垂れていらして、作品の感動が台無しになっちゃいました。

投稿: ノルウェーまだ~む | 2015年2月24日 (火) 23時32分

☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
こんにちは。
まだ~むさん、見に行かれたのですね~☆
実際に目にすると、神聖で厳かな雰囲気に圧倒されますね。
心が自然と洗われるような気がしてきます。

できれば静かな空間で、心安らかに作品に向き合いたいですね。
展覧会などで、おしゃべりするおばちゃんや
講釈たれるおじさんがいると、気分がぶち壊しにになります。pout

投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2015年2月25日 (水) 10時08分

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