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マグリット展 @国立新美術館

国立新美術館で開催されている、「マグリット展」(~6月29日)を見に行きました。2002年から13年ぶりとなる大回顧展で、初期から晩年までのマグリットの代表作、約130点が展示されています。

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ベルギーが生んだシュルレアリスムの巨匠、マグリット。彼の作品は、美しいとか、感動するというのとはちょっと違いますが、見ると心をざわつかせる不気味な魅力があって、心を捕らえられます。おもしろ~い、気持ち悪い...わくわくしながら楽しく鑑賞しました。

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水浴の女 (1925)

ブリュッセルの美術学校を卒業した初期の頃は、未来派、抽象、キュビスムなど、当時の新しい美術の影響を受けていました。また、生活のために商業デザインの仕事もしていたそうで、会場では当時手がけていたポスターや挿絵の作品を見ることができました。

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一夜の博物館 (1927)

のちにマグリットは、ジョルジョ・デ・キリコの「愛の歌」に感銘を受け、シュルレアリスムへと傾倒します。1927年にはシュルレアリスムの中心であるパリに移住し、言葉とイメージの関係を主題とした独自の作風を確立していきますが、交友関係や経済的理由から、1930年再びブリュッセルにもどります。

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(左)野の鍵 (1936)
割れた窓ガラスに、窓の向こうの風景が描かれています。同じ題材で、絵のキャンバスを使っただまし絵のような作品もありました。私たちが見ているものが、いかに不確かなものか、問いかけているように感じました。

(右)シェヘラザード (1948)
シェヘラザードといえば千夜一夜物語ですが、この絵にオリエンタルなイメージはなく、陽光あふれるリゾートの風景のようです。

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応用弁証法 (1944または1945)

戦争中、マグリットはナチスへのアンチテーゼとして、印象派のような明るい色彩の作品ばかり描きました。これは珍しく戦争を題材にした作品。ベルギーのナチスドイツによる占領(左側)と、のちのドイツ軍の敗退(右側)が描かれています。シニカルなタイトルも秀逸。

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光の帝国Ⅱ (1950)

50代を迎えたマグリットは、1930年代に確立した自らのスタイルに回帰し、ありふれた日常に潜む、矛盾に満ちた不条理の世界を描きます。夜の家並みと明るい昼間の空はありえない組合せですが、どこかで見たことがある詩的な空間に思えてきます。

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ゴルコンダ (1953)

晴れた空から、おじさんが降ってくる。ゴルコンダは16~7世紀にダイヤモンドで栄えたインドの都市だそうです。解釈は人さまざまですが、私は街をめぐらす無数の防犯カメラの目を思い浮かべました。

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白紙委任状 (1965)
エッシャーのだまし絵を思い出しました。現実にはありえない風景ですが、ここには時空のポケットが隠れているのかも...。

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空の鳥 (1966)
マグリット・ブルーとよびたい、青の美しさに魅せられます。

ここには挙げませんが、グロテスクで、悪趣味に感じられる作品もいくつかありました。マグリットの作品はタイトルも独特で、作品に想像のヒントを与えているように感じられます。意外にもマグリット自身は、アーティストにありがちな奇抜なところはなく、幼なじみの妻とつつましく暮らす善良な市民だったそうです。

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コメント

こんにちはー。
マグリットの絵、興味深く見ました。
そういえば代表的な作品しか知らず、
紹介していただいた作品はかなり面白いですねー。
タイトルも解釈次第で色々と考えさせられます。
本物を見たくなりました~。

投稿: linen | 2015年4月10日 (金) 09時57分

ゴルコンダ、見れば見るほど不思議な絵ですよね。
若い頃は、これはどう意味なんだろう?と
自分なりに必死に考えたこともありましたが
そして考えれば考えるほど分からなくて頭を抱えましたが
この歳になると、案外画家はお気楽に描いたのかもしれないと思うようになりました。
本当のところは分からないのですけど…

投稿: zooey | 2015年4月10日 (金) 21時46分

☆ linenさま ☆
こんばんは。
マグリット展、おなじみの代表作はじめ
初期の商業アートや、戦時中の明るい色調の作品
そしてちょっとグロテスクな作品...といろいろ楽しめました。
意味深長なタイトルも作品の一部、なのでしょうねー。
不思議な世界を満喫しました☆

投稿: ☆ linenさま ☆ | 2015年4月11日 (土) 00時52分

☆ zooeyさま ☆
こんばんは。
ゴルコンダ、なぜこの絵にこのタイトル?
とそこからもう不思議な世界に入ってしまいます。
でもマグリットの作品には正解というものはないようなので
見た人が好きに解釈すればいいのかな?と思いました。

見る人をあっと言わせる
あるいは困らせる
そんな遊び心で描かれているのかもしれませんね。

投稿: ☆ zooeyさま ☆ | 2015年4月11日 (土) 01時08分

シュールなイラスト的なまとめ方に
現代の広告でも使用されている古さを感じさせない
魅力を感じます。
6月までに観に行きたいと思います。

投稿: イザワ | 2015年4月11日 (土) 03時00分

☆ イザワさま ☆
おはようございます。
マグリットの作品、一度見たら忘れられないインパクトがあって
広告デザインにはぴったりですね。
今のグラフィックデザインにも影響を与えている
というのも納得です。
刺激に満ちた楽しい展覧会でした。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2015年4月11日 (土) 07時35分

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