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「グッド・ライ~いちばん優しい嘘~」

リース・ウィザースプーン主演のヒューマンドラマ、「グッド・ライ~いちばん優しい嘘~」(The Good Lie)を見ました。スーダン内戦で両親と住む場所を失い、アメリカに移住することになった若者たちとの交流を描いた物語です。

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予告を見て、ピンとくるものを感じて見に行きましたが、期待を裏切らない、とてもすてきな作品でした。題材はシリアスですが、ウィザースプーンのさばさばとした魅力もあって、重すぎず、感動を押し付けず、軽やかにユーモアを交えて描いているのがとてもよかった。

そもそも私は、この映画を見るまで、スーダン内戦の実情も、その難民を受け入れるプロジェクトのこともまるで知らなかったので、それだけでもこの作品に出会えてよかった、と心から思いました。

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1983年にはじまったスーダン北部による南部への攻撃のために、両親と家を失ったマメールたち兄弟は、命からがらエチオピア、さらにケニアを目指します。1200km以上歩いてようやくナイロビの難民キャンプにたどりつきますが、ここで彼らは13年もの間、避難生活を送ることになるのです。

その後、”ロストボーイズ”とよばれる彼ら難民を受け入れるプロジェクトがアメリカではじまり、2000年、すっかり青年に成長したマメールたちは、幸運にもアメリカに移住する切符を手にします。

カンザスシティの空港でマメール、ジェレマイア、ポールの3人を迎えたのは、職業紹介所で働くキャリー(リース・ウィザースプーン)。しかし電話も見たことのない彼らを就職させるのは至難の業で、いらつきながらもあれこれ世話を焼くうちに、キャリーは彼らと少しずつ心を通わせていきます...。

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渡米早々、マクドナルドと緑のゼリーでアメリカ文化の洗礼を受けるマメールたちが、それからも何かとカルチャーギャップにとまどう様子がユーモラスに描かれます。英語が堪能な彼らですが、この地で生きていくことは、これまでの苛酷な人生とは違う意味での、さまざまな苦労がありました。

おなかをすかせたホームレスが目の前にいるのに、消費期限の迫った食品を廃棄処分にしなければならない、資本主義社会ならではの理不尽な現実など、彼らの目を通して考えさせられることもありました。

彼らがあまりに純粋で、まじめないい子たちなので、時にそれがあだとなって、悪い人たちにだまされたり、道を踏み外したりしたらどうしよう…と、心配ではらはらしてしまう場面もありました。

マメールたちがアメリカに来た翌年の2001年、アメリカ同時多発テロ事件が起き、アメリカはスーダンからの難民の受け入れをストップします。そんな中、生き別れた兄テオがケニアの難民キャンプにいるらしいという情報を得たマメールは、ナイロビに探しに行くことを決意します...。

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ラストでマメールがくだした決断は尊く、ほろ苦いものではあったけれど、明るい未来も感じられ、これがベストの方法だったのだ、と受け入れられました。

ロストボーイズを演じる俳優たちは、いずれも戦地を逃れて世界各地に移住した元スーダン難民で、中には少年兵にされた経験をもつ俳優さんもいました。そしてあくまでわき役に徹するウィザースプーンの、肝っ玉母さんぶりが気持ちよく、このすてきな物語をひきしめていました。

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映画」カテゴリの記事

コメント

内戦ほど悲しい戦争もありませんね。。。
日本もかつては戦国、幕末とある意味、内紛を乗り越えて
今の社会があるわけですが・・・
犠牲になるのはいつも市民ですが、そんな状況を
重くならないように描かれた作品のようで、考えさせながらも
楽しめる感じですね。
時間を作って観に行けたらと思いました。

投稿: イザワ | 2015年5月10日 (日) 18時44分

☆ イザワさま ☆
こんにちは。

映画がきっかけで、調べてみて知ったのですが
スーダンは、エジプト/イギリスがイスラム系の北部と黒人系の南部を
共同統治していた経緯があって
もともとひとつの国でいることに無理があったのですね。
この内戦が契機となって、のちに南スーダンが独立することになったそうです。

とはいえ、映画はハートウォーミングで楽しめる作品でした。
元スーダン難民の俳優さんたちが、とっても魅力的でしたよ。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2015年5月11日 (月) 09時30分

こんばんは。
所用で出かけていましてレスが遅くなりました。

リース・ウィザースプーンってあまり好きな女優じゃないのですが、本作の彼女...ロスト・ボーイズに次第に感情移入して行くキャリーはとても素敵でした。アメリカンってイメージのリースはとても適役でしたね。

スーダン難民を演じる俳優たちも素晴らしかったです。ドラマの前半は見ていて悲しくなりましたが、その後少々戸惑いながらもしっかりと生きて行く彼らに拍手を送りたくなりました。


投稿: margot2005 | 2015年5月14日 (木) 20時10分

☆ margot2005さま ☆
こんにちは。
お忙しい中、コメントありがとうございました。

リース・ウィザースプーン、「キューティ・ブロンド」の頃は
そうでもなかったのですが、「ウィーク・ザ・ライン~」で
いい女優さんだな~と気になる存在になりました。

本作では、内に熱いものを秘めていて、困った人を放っておけない
アメリカの世話好きおばちゃん?といった雰囲気があって
彼女にはぴったりの役どころでしたね!

ロストボーイズを演じた俳優さんたちも魅力的でした。
彼らをはじめ、多くのロストボーイズたちが
新天地で幸せに生きていくことができますように、と願ってやみません。

投稿: ☆ margot2005さま ☆ | 2015年5月15日 (金) 17時14分

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