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石垣島(5) 西表島でマングローブクルーズ

石垣島(4) 舟蔵の里 からの続きです。翌日は、石垣港から船やバスを乗り継いで西表島・由布島・竹富島の3島をまわるツアーに参加しました。

竹富島はこじんまりとした島で個人でもラクにまわれますが、西表島は石垣島よりも大きく、車がないと島内での移動が難しいのです。また、西表島のアクティビティは潮の満ち引きに大きく左右されるので、その日の干満の時間に合わせてスケジュールが組まれるツアーは、旅行者にはとても助かりました。

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朝早く、迎えのバスに乗って石垣港へ。ここで船やバスなどがセットになったチケットを受け取ります。この日は午前中が満潮だというので、私たちはまず船で西表島に向かい、仲間川のマングローブクルーズに参加することになりました。

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仲間川の河口付近は満潮ということで豊富な水を湛え、川幅は広くまるで海のよう。前日石垣島で見た干潟とはまったく様子が異なる風景に、潮の満ち引きの不思議、さらには宇宙の神秘に思いを馳せました。

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河口から乗り込んだ船は、仲間川を上流へとのぼっていきます。両岸に広大なマングローブのジャングルが広がり、初めて見る風景にわくわく期待が高まりました。船を操縦するお兄さんがガイドをつとめ、楽しく興味深いお話をたくさんうかがいました。

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まず初めて知ったのは、マングローブは植物の名まえではなく、熱帯~亜熱帯の潮の干満のある汽水域で育つ植物の総称だということ。前日石垣島で見たヒルギは、代表的なマングローブ植物のひとつです。西表島では日本に生息する7種類すべてのマングローブ植物を見ることができます。

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河口近くでは背の低いヤエヤマヒルギが枝を延ばしていましたが、上流へと進むうちに、背の高いオヒルギの群落が見えてきました。まっすぐにすくっと伸びるオヒルギの木は、建材にも利用されるそうです。

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マングローブ植物は塩分のある水の中で育つので、塩を排出するための特別なしくみがあります。ところどころに黄色い葉が見えますが、これには意味があり、この葉に塩分を蓄え、たまると水にぽとんと落ちるのだそうです。

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また、枝からいくつもの棒のようなものが垂れ下がっているのが見えました。これは根で、成長するとやがてぽとんと落ちて、あるものは汽水を移動し、あるものは地面に突き刺さり、そこから新芽が伸びて株を増やしていくのだそうです。

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さらに進むと、今度はアダンの群落が見えてきました。前日に見たタコノキの仲間で、実がパイナップルに似ているので、パイナップルモドキともよばれています。そういえばタコノキにも支柱根があったのは、水に根を張って生きるための工夫だったのだなーと思い当りました。

マングローブ植物は陸地で育つものもありますが、どうしてわざわざ汽水域という特殊な生育環境を選んだのか...そこには長い年月にわたる生存競争のドラマがありそうです。

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山の中腹にヤエヤマヤシの群落がありました。周囲の緑に溶け込んで船からはわかりにくいのですが、水辺に1本だけ離れて立つ木があり、姿をはっきり見ることができました。

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最後に折り返し地点で船を降り、少し歩いて樹齢400年、日本最大のサキシマスオウノキを見ました。根が板状に発達し、ひらひらとうねっているのがなんとも神秘的な佇まいです。帰りの船の中からは水辺に根を下ろすサキシマスオウノキが見え、これもマングローブの一種だということがわかりました。

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船の中で、この地に生息するヤエヤマヒルギシジミ(別名:シレナシジミ、マングローブシジミ)を見せてもらいました。直径15㎝もある巨大シジミです。どんなお味がするのか気になるところです。^^

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コメント

こんにちは!

石垣島紀行、再開ですね!
西表島にはマングローブがあるんですね~。何か、ジャングルクルーズみたいで日本とは思えない風景です。

とても貴重な体験をされましたね。

それとマングローブって一種類の名前じゃなくて、種の総称だっていうのもはじめて知りました。

ヤエヤマヤシのある写真、茂みに中にインドミナスが潜んでそうですね。(笑)

最後のシジミ、ハマグリみたい!!

投稿: ごみつ | 2015年8月15日 (土) 17時36分

セレンさん☆
マングローブにも色々な種類があるのですね~
最後のヒラヒラの板状の根っこの木が、やっぱり南国を感じさせますね。
塩を貯めてぽとりと落るとか、自然の摂理はほんと運い不思議です。

投稿: ノルウェーまだ~む | 2015年8月15日 (土) 18時18分

☆ ごみつさま ☆
おはようございます♪
旅行記に映画にエトセトラと記事が滞ってます。><

マングローブのジャングルの中を船で進んでいくのは
リアル・ジャングルクルーズという感じでしたよ。
ガイドのお兄さんのお話も興味深く楽しかったです。
沖縄らしいゆったりとした話し方がまたいいんですよね。

マングローブ、私も初めて知りました。
高山植物と同じく、特殊な環境で育つ植物の総称なのだそうです。

このシジミでシジミ汁を作ったという人のレポートを読みましたが^^
殻はこんなに大きいのに中の身は意外と小さいみたいです。
大きくてもちゃんとシジミの味がしたそうですよ。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2015年8月16日 (日) 08時04分

☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
おはようございます♪

マングローブ、私もいろんな植物があるんだなーと知りました。
陸地でも生きられる植物がいつの間にかこの環境にたどり着き
厳しい環境に耐えうるように進化していったのだろうなー
とドラマを感じました。

ひらひらの板根の植物も独特ですよね!
ジャングルの中でもひときわ堂々と風格があり
神々しさを感じましたよ。

投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2015年8月16日 (日) 08時16分

西表島は、大学のWV部の定例の合宿地でした。日本離れしたジャングルが魅力なのです。でも、私は一度も行ったことありません。三パーティに分かれて行くのですが、いつも他の合宿地でした。
まぁ、いつか観光で行くからいいやと思いつつ30年。未だに足を踏み入れたことなく、多分老齢になってからの楽しみとなりそうです。
ちなみにあのバカでかい二枚貝、大味でそれほど美味くはないと同期は言ってましたよ。

投稿: ヌマンタ | 2015年8月16日 (日) 22時18分

ロマンを感じるお写真の数々。
マングローブが総称だとは初めて知りました。
背の高いオヒルギの群落の光景は一度見てみたい!!
撮ってみたい!!
素敵な旅ですね!

投稿: イザワ | 2015年8月17日 (月) 00時24分

☆ ヌマンタさま ☆
おはようございます。

西表島は、ネイチャー&サイエンスの好きな私には
興味深く、とても魅力的な島でした。
今回は島の半分をざっとまわっただけなので
いつかゆっくり滞在してみたいなーと思いました。

高い山はないようですが、WV部で合宿をされるのですね。
沢登りとかの練習になるのでしょうか??
トレッキングも楽しそうですね。

投稿: ☆ ヌマンタさま ☆ | 2015年8月17日 (月) 08時30分

☆ イザワさま ☆
おはようございます。

写真で見ると、同じような緑の風景ばかりですが^^;
私はとても堪能できました。
少しでも魅力がお伝えできたとしたら、うれしいです。

自然の神秘に圧倒される経験でした。
イザワさんのお写真もいつか拝見してみたいです☆

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2015年8月17日 (月) 08時43分

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