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2015年10月

アークヒルズ 秋のルーフガーデン2015

アークヒルズで春と秋の年2回だけ特別公開されるルーフガーデン。1日だけなので、日程が合わずに見送ることも多いのですが、今回公開日の10月9日に、たまたま近くに用事があったので、足を運んでみました。

apple アークヒルズ ルーフガーデン秋の特別公開

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ルーフガーデンはサントリーホールの屋上にある秘密の花園です。3段のエリアに分かれ、上から整形式庭園、ハーブガーデン、ローズガーデンとなっています。くっきりと色分けされて植えられた花壇ではなく、色とりどりの植物が繊細なニュアンスで溶け合うイングリッシュガーデンです。

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残念ながら秋バラは咲いていませんでしたが、ローズガーデンでは武蔵野音楽大学の2年生の学生さんたちによる、サックスアンサンブルのミニコンサートがありました。My Favorite Things やG線上のアリアなど、みずみずしいピュアな音色に心が洗われました。(写真は演奏が終わったあとの記念撮影の様子)

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野原に迷いこんだかのように無造作に見えるガーデンですが、全体のバランスを考えて綿密なプランのもとに作り上げられていることがわかります。年に2回のお披露目に向けて、日々お世話されているガーデナーの方たちの努力を思いました。

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春のガーデンの柔らかなパステルトーンに比べると、秋のガーデンは一見地味なのですが、シックで芳醇な味わい深さがありました。レモンなどの柑橘類や、ベリーや赤い実が彩りを添え、実りの季節であることを実感しました。

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周囲のビル群の中にひっそりと浮かび上がる緑の空間は、まさに都会のオアシスといった趣です。

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ベンチにさりげなく置かれたガーデナーの帽子と熊手も絵になる風景でした。

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常時公開されているメインガーデン。こちらも秋の彩りでした。

春のルーフガーデンの様子はこちら。
tulip アークヒルズ ローズフェスティバル (2010/05)

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やまもりカフェ &102DOUGHNUTS

昭和記念公園にコスモスを見に行く前に、国立にある古民家カフェ やまもりカフェでお昼をいただきました。場所は甲州街道沿い。住所は国立市ですが、最寄り駅は南武線の谷保になります。(お店に駐車場がないのでご注意を)

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このあたりは旧街道の面影が残っていて、大きな木のある古めかしいお屋敷がそこここにありました。こちらも江戸時代から続く旧家とのことですが、なんとも味のある佇まいにどこか懐かしい気持ちになりました。

こちらのカフェでは、母めし(お母さんの味)をコンセプトに、素朴で家庭的な味わいの一汁三菜のランチがいただけます。全国各地の厳選素材や調味料、有機野菜や地元野菜を使い、お母さんたちが作っているそうです。

玄関を入ってすぐ左の畳敷きの大きなお部屋に座卓やテーブル席が並んでいいて、右奥の台所では数人の女性たちが調理や配膳に大忙しでした。私たちはぽかぽかと日の当たる、窓際の座卓の席に座りました。

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日替わり母めし定食が2種類あったので、ひとつずついただきました。こちらの主菜は豚肉の竜田揚げ。上から甘酢ソースがかかっています。副菜は、小松菜のおひたし、きんぴらごぼう、大根の梅干しあえ。白菜とお麩のお味噌汁。ごはんは玄米です。

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こちらの主菜は秋刀魚の甘辛煮です。しっかりと味のしみた秋刀魚が、しみじみとおいしかったです。ほっとするお味でした。

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広いお庭の一隅には細長い池があって橋が架かり、桜や紅葉、あじさいなどが気持ちのよい木陰を作っていました。カフェの裏手には、書店やギャラリー、工房などがあります。この一角はやぼろじというコミュニティとなっていて、長らく空き家となっていたこちらの民家を、地域の方たちの手でよみがえらせたのだそうです。

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昭和記念公園にドーナツ屋さんの出店があったので、おみやげに買って帰りました。102DOUGHNUTS(102ドーナッツ)という八王子のドーナツ屋さんで、地元のお豆腐を使って作っているそうです。102は豆腐を意味しているのだとか。

フロレスタnicoドーナツはらドーナッツとナチュラル系ドーナツも数あれど、こちらのドーナツはもちっとした弾力があって、とてもおいしかったです。近くにお店がないのが残念。

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後日、豚肉の竜田揚げを家でまねして作ってみました。豚肉は、酒としょうが汁だけで下味をつけて小麦粉・片栗粉をまぶして揚げ、上から甘酢ソースをかけました。素揚げしたかぼちゃとしいたけ、水菜とともに、おいしくいただきました。

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昭和記念公園のコスモス

先週末、立川の昭和記念公園にコスモスを見にでかけました。

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昭和記念公園は、東京ドーム39個分の広大な敷地に、芝生広場やお花畑、池、日本庭園、サイクリングロードなど、さまざまな施設が整っています。もとは立川飛行場だった場所で、戦後米軍に接収され、返還後の1983(昭和58)年に国営の公園としてオープンしました。

有料の公園ですが、偶然にも10月18日、25日は無料公開日でした。立川口からゲートをくぐると、目の前に黄葉したみごとな銀杏並木が現れ、圧倒されました。

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ここは都心より少し秋の訪れが早いようで、紅葉がそろそろ始まっていました。秋晴れの青い空がすがすがしく気持ちよかったです。銀杏並木を抜けて、水鳥やボートでにぎわう池のほとりや、木の実をつけた木立の中を、気の向くままにぶらぶら歩きました。

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芝生広場の横に、黄色いコスモス畑がありました。濃黄色のキバナコスモスはよく見かけますが、こんなに淡くて幻想的な黄色いコスモスを見たのは初めてです。これはイエローキャンパスといって、(あとで調べたところ)玉川大学で改良された新品種だそうです。

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白から黄色へ、寒くなるにつれ色が変化するのだそうです。今がちょうど見ごろで、何段階もの濃淡の黄色がデリケートなグラデーションを織りなしていて、とてもきれいでした。

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芝生広場を抜けると日本庭園があったので、入ってみました。池を中心とした回遊式庭園で、お茶室のほか、小山から滝、池には木橋が架けられ、池のまわりをぐるりと歩くと、移り変わるさまざまな風景が楽しめました。

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日本庭園を出て、さらに公園を奥の方に進むと、小高い丘がまるごとピンクのじゅうたんとなっているコスモス畑がありました。

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白~濃淡ピンクのグラデーションがとてもきれい。これはドワーフセンセーションという品種だそうです。お花畑を横切るように2本の通路があったので、コスモス畑の間を縫うようにしてゆっくり丘の上へとのぼっていきました。

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上から見下ろしても大迫力。

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秋風に楚々と揺れる姿が愛らしく、心に残る風景でした。

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帰りがけにもう一度、芝生広場の横の黄色いコスモス畑によりました。こちらもやっぱりきれい。ほんとうはもうひとつコスモス畑があるのですが、そこは花が終わってすっかり刈り取られていました。早くも春の花の準備が始まるようです。

久しぶりにたくさん歩いて、楽しい一日になりました。

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Jour de Marche (ジュー ドゥ マルシェ)

先月、曙橋に今年4月にオープンしたフレンチレストラン Jour de Marche(ジュー ドゥ マルシェ)でランチをいただきました。曙橋駅から歩いて5分ほど。市ヶ谷の防衛省のすぐ近くです。靖国通りから小道を右に折れると、モダンなメタルの外壁に小さな赤い看板が見えました。

お昼のコースは2種類で、どちらもシェフのおまかせとなっています。私は、お魚料理とお肉料理が両方いただけるコースを予約しておきました。メニューは月ごとに変わるそうで、この日いただいたのは9月のお料理です。

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(左)アミューズ・ブーシュは、たしか?帆立のカルパッチョ。小さなタルトに入った一口サイズが2つ。きりりとした白ワインによく合いました。 (右)ホームメイドのパンは、全粒粉とごまの2種類。バターのいい香りに食欲を刺激されました。

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前菜は、新サンマのミルフィーユ 赤キャベツとういきょうのサラダとともに。今年初めていただく秋刀魚はいつもよりおしゃれな装いで。パイのさくさくっとした食感が秋刀魚によく合いました。

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鎌倉直送釜揚げしらすのリゾット グラナパダーノのクロッカン。釜揚げしらすが好きな私にはうれしいひと品です。ラディッキョの紫色がリゾットに移ってきれい。

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本日のお魚は、鰆?のポワレを季節の野菜とともに。モンサルミシェルのムール貝が添えられ、サフラン風味のふわっと泡立てたソースとともにいただきます。

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お肉料理は、鴨のローストにグリルした季節野菜を添えて。ソースはバルサミコと、バターナッツスカッシュの2種類です。最近、日本でも手に入りやすくなったバターナッツスカッシュは秋らしい彩り。こっくりとした味わいが鴨によく合いました。

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デザートの前に、小さなびんに入った自家製プリンが運ばれてきました。濃厚すぎず、さっぱりとした味わいがお料理とデザートの橋渡しにぴったりでした。

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デザートは、栗ときな粉のムース 紅茶のグラスとキャラメルソース。小さなお花とメレンゲのパリパリが添えられていました。上に刺さっているスポイトにはラム酒が入っていて、自分でかけていただくのが楽しい。アルコールが苦手な方にも優しい心遣いです。コーヒーとともにおいしくいただきました。

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(ネットよりお借りしました)

オーナーは榎本奈緒子さんという女性の方で、リヨンのレストランのほか、日本ではイタリアンのお店にもいらしたことがあるそうで、リゾットにもなるほど!と納得しました。お魚料理の前のリゾットと、デザートの前の小さなプリンが、こちらのお店のトレードマーク?でしょうか。

Jour de Marche(市場の日)という名前にふさわしい旬の食材を生かしたお料理。特に野菜の使い方に女性らしい細やかさを感じました。飾らない雰囲気も心地よく、ご近所だったら通いたくなるすてきなお店でした。

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旧白洲邸 武相荘

先月、多摩のコストコに行った折に、町田市鶴川にある旧白洲邸 武相荘(ぶあいそう)を訪れました。ここは、戦後 吉田茂首相の側近として外交で活躍した白洲次郎氏と、随筆家の正子夫人が、戦中から半世紀以上にわたって暮らした邸宅で、現在はミュージアムとして公開されています。

私が白洲氏を知ったのは高校時代。ピアノの先生のお家で、偶然 白洲氏に関する本を見つけてひと目で惹かれ、本などで知るにつれ、憧れの存在になりました。正子夫人が亡くなってから武相荘が公開されたのは知っていましたが、これまで行く機会を逸していたのです。

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駐車場から竹林と遊歩道を抜け、小さな階段を上って入り口へ。ここはかつて鶴川村の養蚕農家だったところで、1943年、戦争による食糧難を心配した夫妻が、この家を買い取り、移り住みました。

ちなみに武相荘とは、武蔵と相模の境にあるところからきていて、次郎氏が洒落心から無愛想とかけて名付けたそうです。左の建物はガレージとして使われていたのでしょうか。今はカフェとなっていて、次郎氏が乗っていたクラシックカーと同じ型のペイジ(PAIGE)が展示されていました。

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イギリス留学時代に”カントリージェントルマン”という生き方に共鳴した次郎氏は、この地で農業をしながら中央の政治に目を光らせ、いざ鎌倉という時には駆け付ける...そんな生活を実践していたようです。

それにしても都会育ちの二人が戦後の平和な時代になってもなお生き方を貫かれた、そのゆるぎない信念に驚かされます。今は周囲に農地はなくなり、閑静な住宅街となっていますが、ここだけお二人が暮らした頃の空気がそのまま流れているようです。

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門を入ると別棟が続き、その奥に茅葺屋根のどっしりとした造りの母屋があります。お二人の生活の中心だった場所で、設えや調度、着物や食器の数々を見ることができました。(中は撮影不可なので、画像はネットよりお借りしました。)

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入ってすぐの土間は、ここだけ洋室として改造されていて、応接用のソファなどが置かれていました。左奥に見える階段から屋根裏に上ったところが、どうやら子供部屋として使われていたようです。次郎氏は日曜大工が得意だったそうで、庭の竹を使って作ったというランプもありました。

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当時の養蚕農家の伝統的な造りで、家の中は田の字に区切られています。印象に残ったのは奥にある正子夫人の書斎です。三方を書棚に取り囲まれ、北側に文机が置かれた、ほっと落ち着く空間でした。襖はリバーシブルのデザインで、どちらを外側にするかで二人がもめたというエピソードが微笑ましい。

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正子さんが愛した骨董の器や、紬や絣の着物など。きらびやかではない本物の価値がある品々は、大切に使いこまれた味わいがありました。

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母屋の庭先には竹林が広がり、その先は小高い丘となっていて緑の中、楽しく散策できました。

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母屋の手前に、今年1月にリニューアルオープンしたレストラン&カフェがあります。ランチにはビーフシチューやカレーなど、白洲家で食されていた家庭料理が再現され、夜はコース料理があるそうです。

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コーヒーとチーズケーキでひと休みしました。家庭的な手作りのチーズケーキはほっとするおいしさ。天井が高く、民芸風の外観にマッチするシックで落ち着いた空間にリノベートされていましたが、もとはご夫妻の工作室として使われていたそうです。

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レストランの手前の建物はもとは納屋でしょうか。階下に農機具が置かれ、2階はクラシックなバーとなっていて、次郎氏愛用のタイプライターなどが展示されていました。バーには、次郎氏がゴルフをする時のモットーだった”PLAY FAST”という名前がつけられています。

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紅葉にはまだ早かったですが、たわわに実った柿が秋の訪れを告げていました。

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マイ・インターン

ロバート・デ・ニーロ&アン・ハサウェイ主演のハートウォーミングなコメディ、「マイ・インターン」(The Intern)を見ました。監督・脚本は、「恋愛適齢期」「ホリディ」のナンシー・マイヤーズ。

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ニューヨーク、ブルックリン。妻に先立たれた70歳のベン(ロバート・デ・ニーロ)は多趣味で好奇心旺盛なシニア。新たなチャレンジにと、ファッションサイト会社のシニア・インターンに応募して採用され、CEOのジュールズ(アン・ハサウェイ)のアシスタントに配属されます。

若くして成功したジュールズは公私ともに充実した生活を送っていましたが、会社の急成長にともなう問題を抱えていました。最初は年長のベンを敬遠していたジュールズでしたが、豊かな経験と持前の人柄でベンは社員たちから慕われ、やがてジュールズにとってもなくてはならい存在に...。

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「プラダを着た悪魔」を髣髴とさせる雰囲気ですが、続編ではありません。アン演じるジュールズは200人以上の社員を束ねる若き才能あるCEOですが、仕事と家庭の両立に悩む姿は女性なら誰しも共感できて、ぐぐっと親しみが持てました。

映画を見る前は、どちらかというとアンのファッションや、彼女が奮闘するドラマを楽しみにしていましたが、それ以上にデ・ニーロの存在感と、成熟した大人の魅力にノックアウトされました。軽やかなコメディテイストながら、演技派の2人のかけあいがみごとで、見た後に温かい余韻の残るすてきな作品でした。

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最初はアナログなおじさまが、こんなにスピード感のある会社でやっていけるのか?と思うのですが、ベンは持前の明るさと柔らかい人柄から、若い社員たちともあっという間に打ち解けて、仲良くなってしまいます。

定年まで勤め上げたベテランながら、謙虚にしてえらぶらない。周りをよく見て、さりげない気配りができる。必要な時に適切なアドヴァイスができる。それでいてユーモアの心を忘れない...どれも一朝一夕には身につかない、紳士の作法といえそうです。

仕事って決して机上のものではなく、人と人とのつながりから生まれるものなのだな...と気づかされます。女性を元気にする作品ですが、すてきな年の重ね方についても考えさせられました。ヴィンテージの魅力があって、若い人たちにも絶大な影響を与えてしまうベンはとてもかっこよかったです。^^

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今回のアンは、カジュアルなファッションが中心でしたが、真っ赤なドレスやAラインの白いコートなど、シルエットがきれいですてきでした。「レ・ミゼラブル」や「レイチェルの結婚」など、演技にも定評のあるアンですが、こういうキュートな役どころが彼女らしくて好きです。

紳士なデ・ニーロもチャーミングでしたが、ここのところ”いい人”の役が続いているので、ファンとしては久しぶりに迫力ある演技も見てみたいところ。ブルックリンのタウンハウスや、古いレンガの倉庫をリノベートしたオフィスなど、温かみのある街の佇まいも映画の雰囲気にあってよかったです。

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ベル&セバスチャン

アルプスの小さな村を舞台に、母を知らない孤独な少年と、人間に虐げられたグレート・ピレニーズ犬の絆を描いたドラマ、「ベル&セバスチャン」(Belle et Sébastien / Bell and Sebastian)を見ました。

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まだ見ぬ母を待つセバスチャンは、羊飼いのセザールと彼の姪アンジェリーナと暮らしています。ある日セバスチャンは、山で一匹の野犬に出会います。それは村人たちから家畜を襲う”野獣”として恐れられていましたが、セバスチャンは孤独なその犬に自分を重ね、ベル(美女)と名付けて心を通わせます。

時は1943年冬。村にナチスが駐留し、レジスタンスに目を光らせる中、セバスチャンとベルは、ベルの命の恩人である医師ギョームに代わって、ユダヤ人家族のアルプス越えを手助けすることに...。

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冒頭、カメラは雄大なアルプスの山々から、険しい山道を歩くセバスチャンとセザールの姿をとらえます。その時、誰かが撃った一発の銃声が響き、母カモシカが谷底へ...崖の中腹に取り残された赤ちゃんカモシカを、セバスチャンが命綱一本で助けに向かう場面から、一気に物語の世界に引き込まれました。

原作はセシル・オーブリーの児童小説、「アルプスの村の犬と少年」で、80年代には日本で「名犬ジョリィ」としてアニメ化されたこともあるそうです。

アルプスの美しくも厳しい自然、孤独な少年と犬の絆、戦争の足音、そして命がけの山越え...映像の迫力もあって、心に響くすばらしいドラマでした。あとからこの映画のニコラス・ヴァニエ監督が、自然と犬を愛する冒険家であると知り、深く納得したのでした。

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もともと動物と子どもの話には弱い私ですが、とにかくベルとセバスチャンがかわいくて、いじらしくて、映画を見ながら、何度も何度も胸がぎゅ~っと締め付けられました。ベルは人間に捨てられ野生化した犬。村人たちはベルの命を狙いますが、セバスチャンだけはベルを信じ、密かにかくまい、守るのです。

セバスチャンを演じるフェリックス・ボシュエくんはオーディションで選ばれた新人とのことですが、心に母のいない寂しさを秘めながらも、健気にたくましく生きようとする少年を繊細に演じていました。そして、ベルを演じるグレート・ピレニーズ犬のなんて賢いこと!

かつて人間に傷つけられた悲しみの表情から、セバスチャンへの忠誠心まで、さまざまな感情が伝わってきて、まるでセリフまで聞こえてくるようでした。フェリックスくんとは息もぴったりで、ほんとうのバディのように見えました。

吹雪の夜、ナチスの追跡をかわしてアルプス越えする場面では、何度も危険をくぐり抜け手に汗握りましたが、ベルの道案内で無事にユダヤ人家族を送り届けることができるのです。朝の光の中、ベルといっしょに村にもどるセバスチャンの誇らしげな笑顔が心に残りました。

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最初は、セザールはどうしてセバスチャンを学校に通わせないのかと不満に思いましたが、セザールはそうすることで心無いうわさからセバスチャンを守ろうとしたのでしょうね。エンドロールでは、セバスチャンが友だちと元気に学校に通う姿が見られ、ほっとうれしくなりました。

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Thrush cafe (スラッシュカフェ) @八芳園

よく晴れた休日、白金台の八芳園の中にあるレストラン Thrush Cafe(スラッシュカフェ)にぶらりとお昼を食べに行きました。八芳園といえば結婚式場のイメージがありますが、オールデイ・ダイニングのレストランがあり、緑の中、心地よく食事が楽しめます。

この日は暑くもなく寒くもなく、お天気がよかったので、テラスで食事することに。ランチはコースもありますが、私たちはアラカルトのメニューからいただきました。

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こちらはベジサンドのセット。さつまいものサラダとグリーンリーフのサラダ、濃厚なかぼちゃのポタージュとともに。

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私は、なすとパンチェッタのトマトソースのスパゲティをいただきました。こちらは農園野菜のサラダとともに。どちらのセットも、野菜がみずみずしくておいしかったです。

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そしてなんといってもテラスから見る緑の風景がすばらしい。9月半ばでしたが、庭園に大木がたくさんあるせいか、なんとセミの鳴き声が聞こえたのです。ええ~?と思いましたが、遅鳴きのセミはこの時期に鳴くこともあるようです。(コチラのサイトを参考にしました。)

深煎りのコーヒーをゆっくり楽しんだあとは、庭園を散策しました。

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この日は結婚式も何組かありました。花嫁さんの姿を見ると、見ているこちらも幸せのお裾分けをいただけそう。

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もとは江戸時代の大名屋敷だったというこちらの庭園は、四季折々の自然が美しく、ゆるやかな高低差があって散策するのが楽しい。

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横浜の貿易商の家から移築されたという明治時代のお茶室。

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水辺にせり出した東屋でひと休みして池をのぞくと、色とりどりのみごとな錦鯉がいっぱい泳いでいます。列を作ったり、ぐるぐると旋回したり、生態がおもしろくていつまで見てても飽きません。

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あまりに数が多く、重なり合うように泳ぐのを見ていると怖いくらいです。

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やがて、餌のバケツを持ったお兄さんが現れると、池の鯉たちが急に騒がしくなりました。お兄さんが餌を投げ入れると、鯉たちが大興奮! 先を争うように餌に食いつきましたが、そのうちに飽きておとなしくなりました。残った餌を、今度は亀たちがゆっくりいつまでも食べ続けます。

お兄さんにお聞きすると、鯉の数は250匹。餌は一日2回、毎回4~5kg与えるそうです。池の向うには白鷺がのんびりひなたぼっこ。のどかな休日の風景でした。

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追悼 山崎豊子展 @日本橋高島屋

招待券をいただいて、日本橋高島屋8階ホールで開催中の「追悼 山崎豊子展 ~不屈の取材、情熱の作家人生~」(~10月5日)を見に行きました。先日三回忌を迎えた山崎豊子さんの作品と生涯の軌跡をたどる追悼展です。

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山崎豊子さんは大阪・船場の商家の生まれ。大学卒業後に毎日新聞社に入社し、当時 文芸部の上司だった作家の井上靖さんの勧めで、仕事のかたわら小説を書き始めました。

生まれ育った大阪を舞台にした「暖簾」「花のれん」にはじまり、戦争三部作の「不毛地帯」「二つの祖国」「大地の子」、社会派大作の「白い巨塔」「沈まぬ太陽」など、どの作品をとっても代表作といえるほど、多くの人たちに愛読されています。

本展は、原稿や取材ノート、書簡、さらには初公開となる日記などが展示されています。ほぼ全作品を読んでいるファンとしては垂涎ものの見応えのある内容で、作品を思い出しながらわくわくと引き込まれました。

原稿やノートはすべて手書きで、登場人物の関係図や、年齢やできごとを記した年表、そばにはメモや計算なども書き込まれています。達筆の文字は正直読みにくいと感じることもあり、編集者さんはたいへんだなーと余計な心配をしました。

インタビューを収録したカセットテープは、スタッフが文字起こしをするのでしょうか。全部聞くだけでもたいへんな作業となりそうです。書簡では、豊子さんが「花のれん」で直木賞を受賞した時の、師 井上靖さんからの”橋は焼かれた”という激励のメッセージが心に残りました。

また、山崎作品はほとんどが映像化されているので、映画化、ドラマ化作品についてもパネルや映像で紹介されていました。渡辺謙さんの「沈まぬ太陽」など、私が見ているものもいくつかありましたが、古い映画はキャスティングを見るだけでも、へ~、なるほど~と楽しめました。

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綿密で膨大な取材をもとに、何年もかけて壮大な物語を紡ぎあげた山崎豊子さん。全作品の取材で訪れた国は17ヵ国、取材した人は約5300人、カセットテープは5500本、ノートは980冊に及ぶそうです。

取材先には、冷戦下のソ連や、秘密主義の中国、環境の厳しい中東やアフリカもありますから、その苦労は計り知れないものがあります。地図を見ながら、あの作品のあの場面、と記憶の糸を手繰り寄せました。

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最後のコーナーでは、豊子さんの書斎が再現され、洋服やバッグ、帽子などの愛用品が公開されていました。原色の大柄のファッションが多いのが豊子さんスタイルでしょうか。

戦争中に大学に入学し、学ぶ機会を奪われたと悔しがる豊子さん。「大地の子」の取材をきっかけに、財団を作って中国戦争孤児のお孫さんたちの奨学支援活動をされているとうかがい、その志に心打たれました。

日本橋のあとは、横浜、京都、大阪の高島屋に巡回するそうです。
(会場の画像は、産経ニュースよりお借りしました。)

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