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ベル&セバスチャン

アルプスの小さな村を舞台に、母を知らない孤独な少年と、人間に虐げられたグレート・ピレニーズ犬の絆を描いたドラマ、「ベル&セバスチャン」(Belle et Sébastien / Bell and Sebastian)を見ました。

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まだ見ぬ母を待つセバスチャンは、羊飼いのセザールと彼の姪アンジェリーナと暮らしています。ある日セバスチャンは、山で一匹の野犬に出会います。それは村人たちから家畜を襲う”野獣”として恐れられていましたが、セバスチャンは孤独なその犬に自分を重ね、ベル(美女)と名付けて心を通わせます。

時は1943年冬。村にナチスが駐留し、レジスタンスに目を光らせる中、セバスチャンとベルは、ベルの命の恩人である医師ギョームに代わって、ユダヤ人家族のアルプス越えを手助けすることに...。

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冒頭、カメラは雄大なアルプスの山々から、険しい山道を歩くセバスチャンとセザールの姿をとらえます。その時、誰かが撃った一発の銃声が響き、母カモシカが谷底へ...崖の中腹に取り残された赤ちゃんカモシカを、セバスチャンが命綱一本で助けに向かう場面から、一気に物語の世界に引き込まれました。

原作はセシル・オーブリーの児童小説、「アルプスの村の犬と少年」で、80年代には日本で「名犬ジョリィ」としてアニメ化されたこともあるそうです。

アルプスの美しくも厳しい自然、孤独な少年と犬の絆、戦争の足音、そして命がけの山越え...映像の迫力もあって、心に響くすばらしいドラマでした。あとからこの映画のニコラス・ヴァニエ監督が、自然と犬を愛する冒険家であると知り、深く納得したのでした。

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もともと動物と子どもの話には弱い私ですが、とにかくベルとセバスチャンがかわいくて、いじらしくて、映画を見ながら、何度も何度も胸がぎゅ~っと締め付けられました。ベルは人間に捨てられ野生化した犬。村人たちはベルの命を狙いますが、セバスチャンだけはベルを信じ、密かにかくまい、守るのです。

セバスチャンを演じるフェリックス・ボシュエくんはオーディションで選ばれた新人とのことですが、心に母のいない寂しさを秘めながらも、健気にたくましく生きようとする少年を繊細に演じていました。そして、ベルを演じるグレート・ピレニーズ犬のなんて賢いこと!

かつて人間に傷つけられた悲しみの表情から、セバスチャンへの忠誠心まで、さまざまな感情が伝わってきて、まるでセリフまで聞こえてくるようでした。フェリックスくんとは息もぴったりで、ほんとうのバディのように見えました。

吹雪の夜、ナチスの追跡をかわしてアルプス越えする場面では、何度も危険をくぐり抜け手に汗握りましたが、ベルの道案内で無事にユダヤ人家族を送り届けることができるのです。朝の光の中、ベルといっしょに村にもどるセバスチャンの誇らしげな笑顔が心に残りました。

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最初は、セザールはどうしてセバスチャンを学校に通わせないのかと不満に思いましたが、セザールはそうすることで心無いうわさからセバスチャンを守ろうとしたのでしょうね。エンドロールでは、セバスチャンが友だちと元気に学校に通う姿が見られ、ほっとうれしくなりました。

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コメント

おや、ピレネー犬の映画ですね。かなりデカい犬ですが、温和な犬ですよ。もともとはチベットあたりにいたチベット・マスティフの流れを汲むワンコですね。騎馬民族の西進に伴いヨーロッパにやってきたようで、フランス、スペイン国境のピレネー山脈で多く買われている山岳犬です。私は山好き、犬好きだったので、ピレネー犬を飼っている人を数名知っていました。しっかり、しつけないと、悪意がなくても人を引きずり廻しかねない怪力犬だそうです。
四コマ漫画の「動物のおしゃべり」でも登場しています。そのうち、取り上げたいと思っています。

投稿: ヌマンタ | 2015年10月 9日 (金) 15時06分

☆ ヌマンタさま ☆
おはようございます♪
ピレネー犬、かわいいですねー。
子どもと並んで変わらないくらいですから、かなり大きそうですね。^^
映画ではとにかく賢くて驚きました。
育てるのはたいへんでしょうが、しっかりしつけたら
誰よりも頼りになる相棒となりそうです。
こんなわんこと山を歩いたら楽しいでしょうね。

投稿: ☆ ヌマンタさま ☆ | 2015年10月10日 (土) 08時30分

私もこれ、観ました。
動物ものには滅法弱いので結構感動したのですが
あまりにも単純なので、ブログに書くまでもないかとスルーしてしまいました。
ナチスの将校があの行動ってあり得ないだろう!?とかw
でも、フワフワのグレート・ピレネーズ犬と少年の友情には泣けました!

投稿: zooey | 2015年10月10日 (土) 23時02分

こんばんは。
この映画見る予定はなかったのですが、見たい映画が満員で仕方なくこちらにしたんです。でも見て良かったです。
少年ものに弱いので、犬にも...。セバスチャン役のフェリックス・ボシュエ可愛かったです。グレート・ピレニーズ犬って身体は大きいですが、温和な性格のようですね。
レジスタンスやナチスの行動を挿んだドラマ展開がとても良かったと思います。

そう、エンドクレジットの後にも映像があります!と係のお兄さんが説明してくれまして、あの映像ナイスでした。

投稿: margot2005 | 2015年10月10日 (土) 23時28分

セレンさん☆
子供ものと動物ものの合体では反則ですねー
気になっていた作品でした。
でもユダヤ人家族を助けるお話だったとは知りませんでした。
どちらもとっても愛らしくて、雄大な自然の景色と申し分のない映画のようですね!

投稿: ノルウェーまだ~む | 2015年10月11日 (日) 10時47分

☆ zooeyさま ☆
こんにちは。
お話はシンプルですが、雄大なアルプスの自然や
結構スリリングな展開もあって、引き込まれました。
少々性善説にすぎるところもありましたが
これも監督からの優しいメッセージでしょうか...
わんこと男の子、かわいかったですね☆

投稿: ☆ zooeyさま ☆ | 2015年10月11日 (日) 11時00分

☆ margot2005さま ☆
こんにちは。
児童小説が原作ですが、アルプスの雄大な自然がすばらしく
スリリングな展開もあって引き込まれました。
フィリップス・ボシュエくん、かわいかったですね。
グレート・ピレネーズ犬も...わんこちゃんに
あんなに繊細な演技ができるなんて、と驚きました。
他の俳優さんたちもみな魅力的でした。

劇場のお兄さんから、説明があったのですね。^^
セバスチャンの”その後”がわかって、ほっとしました☆

投稿: ☆ morgot2005さま ☆ | 2015年10月11日 (日) 11時22分

☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
こんにちは。
男の子とわんこがかわいくて、いじらしくて...
心をぎゅ~~っとわしづかみにされました。
アルプスの大自然と、そこに住む人々の暮らし
壮大な映像と、戦争を背景にしたドラマに引き込まれました☆

投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2015年10月11日 (日) 11時34分

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受信: 2015年10月10日 (土) 23時19分

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