My Favorite Movies & Books in 2015
2015年をふりかえって...昨年見た新作映画、旧作映画、読んだ本の中から、特に心に残った作品を書き留めておきます。
新作映画
「アメリカン・スナイパー」や「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」など、心に響く作品にたくさん出会いましたが、マイナー上映ながら、これ好きだな~とうならされた3作品をピックアップしました。感想の詳細はリンク先をご参照ください。
法廷サスペンスであり、父子の愛の物語。構成や物語の運びがみごとで、ロバート・ダウニー・Jr.とロバート・デュバル、2人のロバートの演技に魅せられました。現代版「エデンの東」ともいうべき、深々とした余韻が残る作品です。
グッド・ライ~いちばん優しい嘘~ (The Good Lie)
シリア、リビア、ロヒンギャなど、難民問題が世界の課題となった昨年。この作品ではスーダン内戦と、アメリカに移住することになった難民の若者たちが、真摯に、愛情をもって描かれています。ロストボーイズを演じるのは元スーダン難民の若者たち。彼らを支えるリース・ウィザースプーンもとてもよかったです。
アメリカン・ドリーマー 理想の代償 (A Most Violent Year)
派手さはないですが、「ゴッドファーザー」や「ギャング・オブ・ニューヨーク」に連なる移民の物語だと思いました。野心家の夫婦が生き残りをかけて決断した、善と悪の絶妙なさじ加減のリアリティ。オスカー・アイザックとジェシカ・チャステインの息がぴったりあった演技に魅せられました。
また、昨年注目した俳優さんとして、「グッド・ライ~」「わたしに会うまでの1600キロ」のリース・ウィザースプーン、これからの活躍を期待して「コードネーム U.N.C.L.E.」のアリシア・ヴィキャンデルを挙げておきます。
旧作映画
旧作映画はあまり記事にできませんでしたが、劇場で見逃した作品や、関連作品など幅広く見て、新たな出会いもありました。特に心に残った作品はこちら。
少年と自転車 (Le gamin au vélo / The Kid with a Bike)
ベルギーのダルテンヌ兄弟監督による、育児放棄と少年犯罪を題材にした2011年のヒューマンドラマ。父親の愛を求め、拒否されることを認めまいとする少年の姿に、胸が締めつけられましたが、彼に里親として全面の愛を注ぐサマンサ(セシル・ドゥ・フランス)の存在に救われました。
「サンドラの週末」がきっかけで、ダルテンヌ兄弟作品を少しずつ見ていますが、シビアな世界を見つめる静謐なまなざしに引き込まれます。あと、後日改めて記事にしたいと思っていますが、カナダの若き才能、グザヴィエ・ドラン監督に魅せられています。
本
読んだ本は手帳にメモだけしていましたが、感想がほとんど書けなかったのが心残り。今年はいい作品に出会ったら、一言でも感想を書き残していきたいです。昨年一番衝撃を受けたのはこの作品。
昨年ノーベル文学賞を受賞したウクライナの作家アレクシエービッチによる、チェルノブイリ原発事故被災者たちへのインタビュー集。冒頭の、最初に事故現場に駆けつけた消防士の妻の話から、もう打ちのめされました。これが過去の遠い国の話ではなく、今まさに私たちが直面している問題なのだという事実に心が震えます。
全体的に硬めの作品ばかりのラインナップになってしまいましたが 明るい、軽いタッチの作品にも気に入ったものがたくさんあります。今年もたくさんの感動に出会えますように。
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コメント
今年もよろしくお願いいたします。
いつも見に来てくださってありがとう!
さて私のベストはほとんどヨーロッパ映画から選んでいるので皆さんとはかなり違った選択になってしまいます。
セレンディピティさんの選ばれたベストの中で「ジャッジ 裁かれる判事」はシアターで見れなくてwowowで見ました。中々良い映画でした。
他の二本も良い映画でしたね。「アメリカン・ドリーマー〜」は私も気に入った一本です。
ダルテンヌ兄弟の「少年と自転車」はセシル・ドゥ・フランスがナイス・キャスティングで心暖まる作品でした。
投稿: margot2005 | 2016年1月 5日 (火) 19時06分
「グッド・ライ」ではリース・ウィザースプーンが
可愛い子ちゃんのイメージを脱却したなあと思いました。
そうしたら「私に会うまでの1600キロ」でも見事でしたね。
「少年と自転車」は私にも印象的でした。
子どもは親を選べないのにと
つくづく思っちゃいますね。
投稿: zooey | 2016年1月 5日 (火) 23時00分
今年も沢山の映画、本、それに数々の名画など
沢山の芸術作品に巡り合えることと思います。
私は、移動時間や、待ち時間を利用して、ipadやiphoneで
映画や、電子化された書籍などを楽しんでいます。
こういった電子機器が無ければ、今のように仕事が回って
いなかったと思います。
どこにいてもメール、電話がつながりますし、ある意味
ポートフォリオなども常に持ち歩いているので
チョットしたプレゼンはできてしまいますし。
でも今年は映画館で沢山映画を観れればと思っています^^
投稿: イザワ | 2016年1月 6日 (水) 00時36分
セレンさん☆
本の感想までは難しいですね。
このお正月はあまり賑やかしい番組も見てばかりいられないので、読書を楽しみました。
今年の1冊目は小野不由美「残穢」です・・・・あれ!?またホラー(笑)
映画はセレンさんらしいラインナップですね!
落ち着いた趣の映画で、セレンさんの穏やかな性格が見て取れます☆
今年はどんな映画に出会えるでしょうね。楽しみです~~
投稿: ノルウェーまだ~む | 2016年1月 6日 (水) 00時41分
こんばんは!
待ってました!セレンディピティさん大賞!
今回は小品ながらも、人間のドラマをじっくりと描いた作品がメインになってるみたいですね。
どの映画も記事を覚えてますよ。
残念ながら、いずれも未見なのですが、どれも観賞後、長く心に残りそうな作品ばかりですね。
アレクシエービッチさんの本、読まれたんですね!
「戦争は女の顔をしていない」が品切れなのが残念なんですよね。私はこれが読みたくって・・。
「チェルノブイリ」も、衝撃を受けそうです。
今年も良い作品、問題作にたくさんめぐりあいたいですね!
投稿: ごみつ | 2016年1月 6日 (水) 01時49分
☆ margot2005さま ☆
今年もどうぞよろしくお願いします♪
私はたまたまどれもアメリカ映画ばかりになりましたが^^
どれもリアルなアメリカが描かれた佳作でした。
「少年と自転車」も心に残る作品でした。
ダルテンヌ兄弟は、イギリスのケン・ローチ監督に似ているでしょうか?
シビアな世界が描かれていますが、引き込まれます。
今年もいい作品にたくさん出会いたいですね。
投稿: ☆ margot2005さま ☆ | 2016年1月 6日 (水) 07時34分
☆ zooeyさま ☆
リース・ウィザースプーン、「ウォーク・ザ・ライン」の頃から
実力派のいい女優さんになったな~と思っていましたが
今年見た2作品ともとてもよかったですね。
「少年と自転車」には胸が締め付けられました。
親であることがベストですが、子どもには
無条件に受け入れられる愛が絶対に必要なのだと思いました。
投稿: ☆ zooeyさま ☆ | 2016年1月 6日 (水) 07時44分
☆ イザワさま ☆
こちらにもありがとうございます。
iPadやiPhoneなどのモバイル機器は、生活や社会を大きく変えましたね。
昔はスケジューリングから営業、資料作りまで、仕事が細分化されていましたが
今はタブレットひとつでなんでも一人でできるので
誰でも簡単に起業できるようになった...と何かで読みました。
イザワさんはまさにその先端を行ってますものね。
今年もご活躍をお祈りします☆
投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2016年1月 6日 (水) 07時55分
☆ ノルウェーまだ~むさま ☆
おはようございます。
書きたいことはたくさんあるのですが、つい時間切れになってしまいます。
まだ~むさんはお正月にホラーを読まれたのですね。
映像も怖いですが、本だと想像がふくらんでよけいに怖そうです。><
映画は小さいながらもどれも心に残る作品でした。
今年もいい作品にたくさん出会いたいですね☆
投稿: ☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ | 2016年1月 6日 (水) 08時05分
☆ ごみつさま ☆
おはようございます。
待ってました!なんてありがとうございます。
映画は小さいながらもどれも心に残る人間ドラマでした。
こうして改めてリストアップしてみると
自分の好みというのがくっきりとよくわかりますね。^^
アレクシエービッチさんの本、よかったですよ!
社会派の作風で、私はとても気に入りました。
「戦争は女の顔をしていない」は図書館に予約しているので
こちらも読むのが楽しみです。
今年もたくさんのいい作品に出会いたいですね☆
投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2016年1月 6日 (水) 08時15分
こんにちはー!セレンディピティさんのFavorite、私も共感です。「ジャッジ」良かったですよねー!あまり昨年度の中では評価が不明で埋もれていたような感じだったので、チョイスしてくださりすごく嬉しいです!
それと、「少年と自転車」も、いやいや、私もコレ大好きなので、すごくすごくー!!
今年もまた沢山良い作品に出合いたいですね!
投稿: ここなつ | 2016年1月15日 (金) 19時09分
☆ ここなつさま ☆
こちらにもありがとうございます。
ジャッジはあまり上映しているところがなくて
わざわざ遠征して見に行ったのですが、とても心に残る作品でした。
是非多くの方に見て欲しいなーと思っていたので
ここなつさんが選んでくださっていて、うれしかったです。
「少年と自転車」もお気に入りの一作になりました。
今年もいい作品にたくさん出会いたいですね。
ここなつさんのレビューも楽しみにしています。
投稿: ☆ ここなつさま ☆ | 2016年1月16日 (土) 13時38分