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新宿風景展 @中村屋サロン美術館

映画を見た後に、新宿中村屋ビル3階にある中村屋サロン美術館で、「新宿風景展 江戸から昭和まで」(~3月13日まで)を見てきました。
art 浮世絵・水彩画に見る 新宿風景展 江戸から昭和まで

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中村屋サロン美術館は、(カレーでおなじみの)新宿中村屋が2014年10月に新ビルに建替えた際に開設した小さな美術館です。創業者ご夫妻が支援してきた芸術家たちの作品や、地域に関する企画展を中心に開催しているとのことで、是非足を運んでみたいと思っていました。

今回は、新宿区立新宿歴史博物館との共同企画による新宿風景展。江戸から昭和にかけての新宿の風景の移り変わりとともに、文化、風俗、街の発展の歴史に触れ、興味深く見ました。新宿の街を描き続けた地元の画家、堀潔さんの優しいタッチの水彩画に心が洗われました。

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堀潔 「新宿駅」 (1922)

企画展の中心となるのは、新宿歴史博物館が所蔵する堀潔さんの水彩画46点。堀潔(1912-1989)は新宿区在住の水彩画家で、生業のかたわら明治~大正~昭和の東京の風景を描き続け、その作品は歴史的記録資料としても高い評価を得ているそうです。

今の新宿の風景を思い浮かべつつ、昔はこうだったんだ~と比較して見るのが楽しかったです。写真と併せて展示されている作品もありましたが、風景画の方がずっと温かみがあってすてきでした。人物はあまり描かれていませんが、当時の人々の息遣いが伝わってくるようでした。

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堀潔 「新宿中村屋」 (1940)

中村屋さんが1909年に新宿に移転してきてからの、建物の変遷も写真で紹介されていました。私が知る頃は既にビルになっていましたが、その昔は趣のある木造建築で、伊勢丹や高野商店(フルーツパーラー)とともに新宿を代表する人気店だったそうです。

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堀潔 「日曜日・新宿ノッポビル群夕景(新宿中央公園より)」 (1980)

今の西新宿には昔は浄水場があったそうですが、その後、高度経済成長期に、京王プラザホテルを皮切りに次々と高層ビルが建てられるようになりました。私もその過程は子ども心になんとなく覚えています。ノッポビルという呼び名も懐かしいです。

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佐伯祐三 「下落合風景(テニス)」 (1926頃)

新宿駅周辺のほか、下落合、神宮外苑、高田馬場、神楽坂など、新宿区内の風景を描いた作品もありました。

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(左)織田一磨 画集『新宿』より 「第二図 カフェー街」 (1930)
(右)織田一磨 画集『新宿』より 「第三図 むさしの館」 (1930)

新宿が今のように発展したのは、関東大震災がきっかけだったそうです。この地は地盤が固く、銀座や浅草に比べて被害が少なかったため、郊外の人口が急増して鉄道各社が乗り入れるようになり、都内有数の繁華街となりました。

デパート、劇場、映画館がオープンし、カフェー(女給さんのいる喫茶店)が軒を連ねるようになります。今もレトロなミニシアターとしてがんばっている武蔵野館は、関東大震災の頃からあったと知り、驚きました。当時は洋画のロードショー館として人気があったそうです。

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(左)川瀬巴水 「冬の月(外山ヶ原)」(1931)
(右)歌川広重 『名所江戸百景』より 「四ツ谷内藤新宿」(江戸時代)

ところで新宿の由来ですが...江戸時代、甲州街道の第一宿場である高井戸が日本橋から遠かったので、その間の内藤家の屋敷に新しい宿場ができて内藤新宿とよばれ、それが後に新宿となったそうです。

今の新宿三丁目付近は、甲州街道と青梅街道の分岐にあたり、新宿追分とよばれていました。そういえばその頃の名残か、今も”追分だんご”がありますね。広重の作品は、宿場町だった頃の新宿を描いたもので、馬のおしりをアップにした大胆な構図が楽しいです。

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コメント

こんばんは!cherry

新宿だけをテーマにしたアート展との事、珍しいし楽しい企画ですね。

京王プラザビルは出来た当時、とても話題になりましたよね。
私も、子供の頃、親に連れられて上まで登りました。
売店で犬の(グーフィーみたいな)クネクネ動くフィギュアを買ってもらいました。

どれも味わい深い作品ですが、やっぱり佐伯祐三の作品は流石・・ですね~。shine

投稿: ごみつ | 2016年1月28日 (木) 22時02分

☆ ごみつさま ☆
おはようございます♪

小さな美術館ならではの個性的な企画展でした。
アート...というより新宿の歴史をあれこれ知ることができて
興味深かったです。
地図好きとしては古地図などもおもしろかったですよ。

私は横浜出身で、当時新宿はあまりなじみがなかったのですが
西口が高層ビル街になる様子はニュースなどでよく覚えています。
ごみつさんにとっても思い出の場所なのですね。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2016年1月29日 (金) 08時30分

こんなアート展をやっていたのですね。
今度、新宿に行く時に寄ってみましょう。
武蔵野館がそんな古いものであったとは。
狭いし古いし、今時ネット予約もできないしと不満が多かったのですが
ちょっと見直さなくちゃいけませんねw

投稿: zooey | 2016年1月29日 (金) 10時37分

☆ zooeyさま ☆
こんにちは。
こじんまりとした企画展ですが、新宿の歴史に触れることができて
なかなか楽しかったです。
まだしばらくやっているので、機会がありましたら☆

武蔵野館、だいぶ年季が入っているので
きっと昔からあったんだろうなーとは思っていましたが...
当時は流行の先端だったのでしょうね。
私もちょっと見る目が変わりました。^^

投稿: ☆ zooeyさま ☆ | 2016年1月29日 (金) 14時46分

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