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2016年2月

ブラック・スキャンダル

ジョニー・デップ主演の実話に基づく犯罪ドラマ、「ブラック・スキャンダル」(Black Mass)を見ました。
shadow ブラック・スキャンダル 公式HP

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1970年代、サウスボストン。FBI捜査官のコナリー(ジョエル・エドガートン)は、アイリッシュ・マフィアのボスで幼なじみでもあるジミーことジェームズ・ホワイティ・バルジャー(ジョニー・デップ)に、敵対するイタリア系マフィアを駆逐するために手を組むことを持ち掛けます。

ホワイティの協力でイタリア系マフィアは弱体化し、コナリーは順調に出世していきますが、情報提供の見返りに数々の犯罪を見逃されてきたホワイティは次第に絶大な権力を握るようになり、やがてコナリーをも手中に収めていきます...。

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ジョニー・デップといえば、「ギルバート・グレイプ」「ショコラ」「ブロウ」など、初期の頃は大好きだったのに、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズやティム・バートン作品以降、だんだん私の好みに合わなくなってきて、最近ではすっかりご無沙汰していました。

今回は演技の評判がよく、また演じるホワイティ・バルジャーが、「ディパーテッド」でジャック・ニコルソンが演じていたマフィアのボスがモデルと知って、急に興味がわいてきたので久しぶりに見てみたくなりました。

ボストンを舞台にした犯罪ものというと、イーストウッド監督の「ミスティック・リバー」やベン・アフレックが監督した「ザ・タウン」などを思い出しますが、ふだんはバイオレンスが苦手>< といいながら、なぜかマフィアものが好きな私には、実話ということもあって興味深く、楽しく見ました。

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FBI捜査官に幼なじみがいて捜査情報をリークしてくれて、しかも実の弟ビリー(ベネディクト・カンバーバッチ)が州の上院議員とあれば、向かうところ敵なし。恐喝、資金洗浄、麻薬取引とあらゆる悪事を働き、邪魔者や裏切り者を見つければ、すぐさま始末してしまう。

時には白昼堂々、街中で銃殺騒ぎを起こすこともありますが、目撃者がいるはずなのになぜか逮捕されないという...こんなことがまかり通るのか?と思いますが、復讐が怖くて誰も証言できないし、FBIが手をまわして証拠隠滅してしまうのだから捕まるはずがありません。

アメリカのような法治国家でほんの数十年前までこのようなことが平然と行われていたという事実に驚きますが、ジミーは地元では面倒見のいい親分であり、彼の存在によってそれなりにこの地域の秩序が保たれていた部分があったのかもしれません。

とはいえここまでエスカレートすれば、いつまでも彼らの悪事に目をつぶるわけにはいかず、FBIに新任者が投入され、ついには一斉検挙へと動き出します...。

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一番おもしろかったのは、ステーキソースのレシピを聞き出すくだり。いやいや、ここまでくると、言いがかりとしか思えませんが...。^^;

小悪人といった感じのコナリーが、妻にはまったく頭が上がらず、家から閉め出される場面もおかしかった。ジョエル・エドガートンって誰だっけ...と思ったら、ディカプリオの「華麗なるギャツビー」でブキャナンを演じていた俳優さんなんですね。

原題のBlack Massは直訳すれば”悪いやつら”といったところですが、マサチューセッツにもかけているのかな? ラストの捕り物劇には「ブロウ」を思い出したりもして...久しぶりにジョニー・デップの魅力を堪能しました。

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オデッセイ

リドリー・スコット監督、マット・デイモン主演のSF映画、「オデッセイ」(The Martian)を見ました。アンディ・ウィアーのベストセラーウェブ小説、「火星の人」を映画化。
bud オデッセイ 公式HP

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火星での有人探査中、突然の嵐に吹き飛ばされ、アンテナが刺さったまま行方不明となったワトニー(マット・デイモン)。タイムリミットが迫る中、ルイス船長(ジェシカ・チャステイン)は捜索の中止をやむなく決断、クルーとともに地球に帰ってしまいます。しかしワトニーは、奇跡的に一命を取り留めていました。

ひとり火星に残されたワトニーは、自らケガの治療をし、生き延びるために酸素、水、食料を確保する方法を画策し、旧式の通信手段でNASAとの交信を試みます。やがてワトニーの生存に気づいたNASAは、彼を救出すべく、あらゆる方法を検討しますが...。

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公開前は途中で眠くなるタイプの映画かも...と警戒していたのですが、どうやらコメディらしい??と知って楽しみにしていました。SFのファンタジーな展開は苦手ですが、これは火星を舞台に科学の力を駆使したサバイバル映画で、私はとっても楽しめました。

ひとり火星に取り残されたワトニーですが、嘆き悲しむことなく、冷静に自分が置かれた状況を分析し、生き残るために必要な問題をひとつひとつクリアしていきます。人間、追い詰められると眠っていた記憶が呼び起こされることがありますが、それにしても化学反応で水や酸素まで作り出してしまうのだからすごい。

散りばめられた理系ネタにわくわくしましたが、数学専攻としては地味ながら16進法のアスキーコードを使ってNASAにメッセージを送る場面に思わずにやり。あと、懐かしかったのがマーズ・パスファインダー!当時アメリカにいて、連日の報道にわくわくしていた頃の興奮を思い出しました。

残されていたじゃがいもから畑を作ってしまうという発想にびっくりですが、栽培が簡単でエネルギー価が高いので、意外とリアリティがありそうです。将来、火星への有人探査が実現したら、いざという時のために野菜や穀物の種を持っていく、なんてことになるかもしれません。

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ワトニーの生き残りにかける情熱もすばらしいですが、それを支えたのは、なんとしてでも彼を救出しようと奮闘する地球にいるスタッフたちや、予定を変更して命がけで彼を助けることを決意する探査機のメンバーたち。

それぞれの過程で成功する確率が1%だったとしても、最終的にうまくいくのは0.00...1%と可能性は限りなくゼロに近づきますが、実際、過去にアポロ13のような例もありますから、決して不可能ではないはず。

中国が国家機密を投げ打ってまで貢献するという強引な展開には少々しらけましたが、アメリカ映画らしい前向きで、元気をもらえる作品でした。

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全編を彩る70年代のディスコサウンドが楽しかった。特にDonna Summerの"Hot Stuff"やGoria Gaynorの"I Will Survive"はリアルタイムで聴いていたので懐かしかったです。ルイス船長のお気に入りということですが、実際より年上という設定でしょうか。姉御肌の彼女のキャラクターに不思議とマッチしていました。

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春節前の横浜中華街

中国の旧正月 春節は、今年は2月8日でした。横浜中華街では2月22日まで、週末を中心にさまざまな催しが企画されています。
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春節がはじまる少し前に、横浜中華街に行ってきました。そこここに飾りつけがあって、春節の雰囲気が楽しめました。提携サービスのある中華街パーキングに車を停めて、まずは大通りにある萬珍楼本店にお昼を食べに行きました。
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お店に入ると、大きな獅子のランタンがお出迎え。予約はしてなかったのですが、お昼の時間をすぎていたからか、ほどなくして席に案内されました。私たちは、麺と炒飯をメインに、点心をいくつかいただくことにしました。

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ぎゅっと旨味のつまった肉焼売と、パリパリの春巻き。

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蒸し餃子。特製のたれと香辣脆(シャンラーツィ)という辛味調味料をつけていただきます。

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五目焼きそばは揚げ麺ではなく焼き麺で。

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揚州炒飯。一見なんの変哲もない炒飯ですが、切り干し大根が入っていて、シャキシャキとした食感が楽しめました。

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人がいなくなったところでパチリ。萬珍楼さんは久しぶりでしたが、店内が新しくなっていたような?? 中国テイストのインテリアは、シックでモダンな雰囲気です。窓越しに見える竹林の緑が美しく、目がなごみました。

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食事のあとは、隣接するショップでお買い物をしました。

(左)大好きな胡麻あんの月餅は、小さいサイズがあるのがうれしい。白いボールは”福寿雪丸”というクッキーですが、新製品でしょうか。ピーカンナッツが入ってさくさくとおいしかったですが、中華菓子というよりポルポローネ(スノーボール)みたい。

(右)香辣脆(シャンラーツィ)は店内でも供される辛味調味料で、具がざくざく入ったラー油です。餃子はもちろん、お料理に使ってもおいしいです。

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裏通りのあるお店では、北京ダックがずらり~。久しぶりの中華街は、表通りのお店がいくつも変わっていてショックでした。また、いつのまにか手相のお店?!と、食べ放題のお店が増えていてびっくりしました。

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中華調理器具の照宝さんに蒸籠を買い足しに訪れたら、火鍋のように2つに分かれたおもしろい小皿を見つけました。これは蒸ししゃぶの時に、ポン酢とごまだれを入れるのに便利! 早速、家で試してみました。片方にたれ、もう片方に薬味や辛子など入れて使ってもいいですね。いいお買い物ができました。

【 関連記事 】
noodle 萬珍楼 (2009/01)
noodle 香辣脆(シャンラーツィ)を使って (2009/01)
noodle 照宝さんの蒸籠(15cm) (2009/09)
noodle 照宝さんの蒸籠(24cm) (2013/03)

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ウィーンの音楽と、アルジェリアのお菓子

お誘いをいただいて、神楽坂の音楽の友ホールで開催された「室内楽の醍醐味」というコンサートに行ってきました。
notes 室内楽の醍醐味 村田千佳さんOfficial Websiteより

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ピアニストの村田千佳さんの企画による、ウィーン・フィルの元コンサートマスター ライナー・ホーネックさんとの共演コンサートです。日本での演奏会の多いホーネックさんですが、村田さんとは2011年以来、毎年共演していらっしゃるということで、息がぴったり合っていました。

会場となる音楽の友ホールは、低いステージに椅子を並べたこじんまりとした空間で、演奏者との距離が近く、目の前で息遣いまで聞こえるような臨場感あふれる音楽を堪能することができました。

村田さんはウィーンに留学された時にホーネックさんと初めてお会いしたそうですが、その時の思い出のモーツァルトのソナタを1曲目に演奏され、おふたりの出会いに思いをはせました。演奏されたのもベーゼンドルファーというウィーンのピアノで、ウィーン尽くしの音楽の夜でした。

休憩のあとには、おふたりのトークの時間がありました。ホーネックさんの真摯で思慮深く、包容力のある話し方と、村田さんの溌剌と表情豊かな話し方は、そのままおふたりの演奏のマリアージュに通じるものがあり、オーケストラや独奏とは違う、音楽の化学反応のおもしろさを味わいました。

そういえば、まだ若かりし頃、ウィーンを訪れた日の夜にチケットをとって、ホテルの近くに室内楽を聴きに行ったことがあります。やはりこの日のような小さなサロンのコンサートでしたが、音楽が市民のふだんの生活とともにあることを実感し、深く感動したことを久しぶりに思い出しました。

プログラムは末尾の”続きを読む”にて。

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これはまた別の日。アルジェリア大使館の手作りお菓子をいただきました。

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アルジェリアの家庭のお菓子でしょうか。どれも素朴な風合いがあっておいしかったです。左奥のセサミボールは胡麻の風味が香ばしく、中華のドーナツにちょっと似ています。右の杏子ジャムのサブレは、見た目はタルトのようですがサクサクとした食感で、しっとり甘酸っぱいジャムがアクセントになっていました。

手前の三日月形のクッキーはチャレック(Tcharek)というお菓子。三日月はイスラムのシンボルからきているのでしょうか。クロワッサンのように生地がくるくると巻いてあり、内側はシナモンの味がしました。レシピが知りたいです。

お昼にラム肉と野菜の煮込みをクスクスにかけたものをいただきましたが、日本の肉じゃがに似ていました。(じゃがいもではなく、にんじんやひよこ豆でしたが。) ラム肉がほろほろに柔らかくてクセがなく、とてもおいしかったです。

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おまけで、毎年恒例バレンタインデーのお菓子を...。

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今年は稲田多佳子さんのレシピでガトーショコラを作りました。バターとたまごが控えめで、小麦粉の代わりに少量のアーモンドパウダーを使っています。材料の中心となるのはチョコレートで、外側はほろり、内側はしっとりと仕上がりました。

上から粉砂糖をふるって、軽く泡立てた生クリームとバナナのスライスを添え、おいしくいただきました。

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建築家 フランク・ゲーリー展 @21_21 DESIGN SIGHT

映画を見た後、東京ミッドタウンに移動して、21_21 DESIGN SIGHT で開催された「建築家 フランク・ゲーリー展」(2月7日で終了)を見てきました。
chair 建築家 フランク・ゲーリー展 HP

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フランク・ゲーリーは、ロサンゼルスを拠点に世界で活躍しているカナダ出身の建築家。ビルバオ・グッゲンハイム美術館や、ウォルト・ディズニー・コンサートホールなど、斬新で前衛的な建築作品で知られ、1989年には建築界のノーベル賞といわれるプリッカー賞を受賞しています。

本展は”I have an Idea”と題し、ゲーリーが浮かんだアイデアをどうやって建築として具現化するか、その過程が多くの模型を使って紹介されていました。視覚的にわかりやすく、楽しみながら見ることができました。

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エントランスでは、パリにあるルイ・ヴィトン財団(2014)の模型がお出迎え。

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ゲーリーが建築家として注目を集めるきっかけとなったのは、意外にも自邸のリノベーション(1978)でした。(左)1920年代に建てられた家に、金網のフェンスやガラスの枠が突き刺さった外観は、なんともユニーク。(右)しかし内部は意外と温かみのあるほっとする空間で、明るくて居心地がよさそうでした。

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ラスベガスにあるル・ルボ脳研究所(2010)の模型。スリットの入った紙の立体に切り込みを入れ、組み合わせた模型が何段階にも分けて作られていて、ゲーリーのアイデアの変遷を見ることができました。

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シドニー工科大学ドクター・チヤウ・チャク・ウイング棟(2014)の内部模型。ツリーハウスをコンセプトに設計されているそうです。

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木製ブロックや紙、布、金属など、あらゆる異素材を組み合わせてアイデアの源泉を形作ります。ゲーリーの建築は、図面ではなく、模型によって生み出されることに特徴があります。それをCATIAというCADソフトウェアを使って数値化し、設計図にするのだそうです。

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フランス アルルに建築中で、2018年完成予定のルマ財団のプロトタイプ。(左)いくつもの模型を作り、試行錯誤している様子が手に取るようにわかります。(右)最終案となった模型。

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ニューヨークの超高層アパートメント エイト・スプルース・ストリート(2010)のプロトタイプと最終案。

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ゲーリーが設計した段ボール製の椅子も展示されていました。

フランク・ゲーリーに関しては、スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー(Sketches of Frank Gehry)というドキュメンタリーがあるそうで、こちらも近いうちに見てみたいです。

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ザ・ウォーク

ロバート・ゼメキス監督、ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の、実話に基づくアドヴェンチャー映画、「ザ・ウォーク」(The Walk)を見ました。
buildingbuilding ザ・ウォーク 公式HP

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パリに住む大道芸人フィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、ニューヨークに世界一の高さのワールドトレードセンターが建設されると知り、2棟のビルの間にワイヤーを張って綱渡りすることを決意します。この無謀な冒険のために、何年もかけて念入りに準備を進めますが...。

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映画を見る前には、このテーマでどうやって2時間もたせるの?と思っていましたが、とんでもない! クライマックスの綱渡りのシーンはもちろん、準備の過程が興味深く、わくわくしながら楽しめました。これは映画館でなければ体験できない、新しいエンターテイメントだと思いました。

綱渡りのシーンは3D映像をフルに生かし臨場感たっぷりでしたが、絶対にうまくいくとわかっていたので、私は思ったほど怖くはなかったのです。むしろ、ビルの屋上のエッジに立っている時やエレベーターの空洞で1時間以上息をひそめなければならなかった場面の方がドキドキしたくらい。

でも、ただビルからビルへと一度渡っておしまいだと思っていたので、そのあと何度も何度も往復したり、ワイヤーの上で座ったり寝転がったりしはじめた時にはびっくり。心の中で「もう、止めて~」と叫んでいました。

そして頭に来たのが屋上までやってきた警官たち。逮捕しようとしてフィリップに話しかけるので、気が散って落ちたらどうするの!と気が気ではありませんでした。でもフィリップは、そんな彼らを挑発するかのように優雅にパフォーマンスを続けるのでした。

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そう、フィリップはこれが犯罪であり、やれば逮捕されるとわかっているのです。もしもこれが公開イベントか何かだったら、ワイヤーを張るのももっとラクにできたはずと思いますが、それはきっと彼の美意識に反することなのでしょうね。だからこそ彼の偉業は”犯罪芸術”として後々まで語り継がれることとなったのでしょう。

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ワールドトレードセンターは長らくエンパイアステートビルなどと比べて、つまらないビルと言われていたのです。むしろ、9.11でその姿を失ってから、存在感を得たといっていいかもしれない。でも、完成したばかりのこのビルに、命を吹き込んだ人がいたのですね。

フィリップのこのアドヴェンチャーについては、マン・オン・ワイヤー(Man on Wire)というドキュメンタリー映画があるそうで、今DISCASの予約待ちですが、代わりにTED Talk(プレゼンテーション)の動画を見つけたのでリンクしておきますね。フィリップの超ポジティブなものの考え方が伝わってきます。

event フィリップ・プティ:綱を渡る旅

映画の中でも、”人は死を考えるだろうが、私にとっては生を感じる瞬間だ”というようなセリフがあり、心に残りました。

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ボッティチェリ展 @東京都美術館

銀座で食事をしてから上野に移動して、東京都美術館で開催されている「ボッティチェリ展」(~4月3日まで)を見に行きました。偶然にもレストランに割引券が置いてあってびっくり、ラッキーでした。この日はイタリアづくしの一日になりました。
art ボッティチェリ展 公式サイト

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イタリア・ルネサンスを代表する巨匠、ボッティチェリ(1444/45-1510)。ボッティチェリといえば、「プリマヴェーラ」と「ヴィーナスの誕生」。優美で生命力にあふれ、私も大好きな作品です。

本展は日伊国交樹立150周年を記念して開催される大回顧展。ボッティチェリの作品が過去最多の27点出品されているほか、師であるフィリッポ・リッピと、その息子でボッティチェリのライバルでもあったフィリッピーノ・リッピの作品が展示され、3人の関係に注目した企画展となっていました。

宗教画、神話画、肖像画とありましたが、当時フィレンツェを支配していたメディチ家お抱えの画家とあって、多くは美しさと豊かさをたたえた明るい作風が印象的でした。繰り返し描かれる聖母子像には、生命賛歌とともに、一家の繁栄への願いが込められているようにも感じました。

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ラーマ家の東方三博士の礼拝 (1475-76年頃)

ボッティチェリ30歳の時、ラーマ家からの依頼で制作した出世作です。絵の中に、メディチ家の人々とともに依頼主のラーマの姿が描き込まれ、ラーマがメディチ家との関係を誇示するために描かせたとされています。ボッティチェリ自身の姿も、右端一番手前に描かれています。

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書斎の聖アウグスティヌス(あるいは聖アウグスティヌスに訪れた幻視) (1480年頃)

古代の神学者、アウグスティヌスを描いたフレスコ画。堂々とした佇まいに圧倒されました。背景に開いてある本は、古代ギリシャの数学者ユークリッドの本ですが、よく見るとイタリア語でいたずらが書き込まれているそうです。

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(左)美しきシモネッタの肖像 (1480-85年頃)
(右)胸に手をあてた若い男の肖像 (1482-85年頃)

印象に残った肖像画2作品。シモネッタというとイタリア語通訳の田丸公美子さんを思い出しますが^^ フィレンツェ一の美女と謳われた女性だそうです。象牙のような肌、彫像のように整った横顔に豊かな金髪。ローブの赤の美しさにも魅せられました。

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聖母子(書物の聖母) (1482-83年頃)

ボッティチェリ全盛期の作品。貴重なラピスラズリをふんだんに用いたマリアのローブの青の美しさが目を引きました。イエスのぷくぷくとした手足が愛らしく、思わずにっこりしてしまいます。情感豊かで繊細な表現がすばらしい。

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アペレスの誹謗(ラ・カルンニア) (1494-96年頃)

メディチ家がフィレンツェを追放されてからのボッティチェリは、それまでの優美な作風からがらりと変わり、神秘主義的な宗教画を描くようになります。

これは古代ギリシャの画家アペレスが描いた「誹謗」を復元した作品。それぞれの人物は感情を擬人化していて、「無実」の罪で引きずり出された若者を取り巻く「誹謗」「悪意」「欺瞞」、左の裸体の女性は「真実」、それを見ている老婆は「悔恨」を寓意的に表しているそうです。

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(左)フィリッポ・リッピ 「聖母子」 (1436年頃)
(右)フィリッピーノ・リッピ 「幼児キリストを礼拝する聖母」 1478年頃

最後に、ボッティチェリの師フィリッポ・リッピと、その息子フィリッピーノ・リッピの聖母子像を。見ると優しい気持ちになってきます。

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ファロ資生堂

銀座資生堂ビル10階にあるイタリアンレストラン、ファロ資生堂(FARO SHISEIDO)でお昼をいただきました。
wine ファロ資生堂 HP (クリックすると音楽が出ます)

私たちは前菜、パスタ、メインディッシュ、デザートをそれぞれ選ぶ、プリフィクスのコースをいただきました。車で出かけたのでワインではなく、さっぱりとしたスパークリングのアップルジュースとともに。

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前菜です。私は「帆立貝のソテーと玉葱のロースト レモングラスのスキューマ」をいただきました。帆立はヒモまでしっかり味わいました。たまねぎのローストはとろけるように甘かったです。スキューマとはカプチーノなどの泡のこと。ポップなお皿とエディブルフラワーがかわいらしい。

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こちらの前菜は、「グリーンアスパラガスのヴァポーレと生ハムのピュレ」です。ヴァポーレとは蒸し料理のこと。そのままシンプルに生ハムを巻いてもおいしいですが、ピュレというのがユニークです。

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パスタはシェアできるよう、半分ずつわけて盛り合せてくださいました。右は「牡蠣とポロ葱のスパゲティ」、左は「フェットチーネ ベーコンと法蓮草のクリームソース」です。定番ながら冬の味覚を生かした大好きな組み合わせです。

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こちらのお店は、器が私の好きなジノリというのもうれしかったですが、なんとパンのケースが私が先月買ったのと同じもので、同じ使い方をしていてびっくりしました。パンはバゲット、くるみ、全粒粉、グリッシーニの4種類で、どれも食事にあっておいしかったです。お水の入ったグラスは目の覚めるような美しいブルー。

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メインディッシュです。私は「クレピネットで包んだ鴨もも肉のコンフィ フェンネルシードの香り」をいただきました。ダイスに刻んだ鴨もも肉を網脂で包んだお料理で、ソーセージのような感覚で食べやすかったです。スパイスのほのかな香りが楽しめました。

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こちらは「寒鰆のピッツァイオーラ風」です。下にしいてあるのは、アンチョビやケイパーの風味豊かなピッツァソース。菜の花のほのかな苦味がいいアクセントになっていました。

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デザートはワゴンで運ばれてきて、好きなものを選びます。(右)私は栃乙女のタルトにしましたが、「もっとどうぞ」とおっしゃるので、プリンもいただきました。(左)はアイスケーキとティラミスです。ほかに、マチェドニア、サバラン、オペラなどがありました。最後は深煎りのコーヒーを、ひと口サイズのビスコッティとともに。

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(HPよりお借りしました)

天井が高く、全面の窓から自然光が柔らかく差し込む開放的な雰囲気がイタリアンにぴったりでした。ファロとは”灯台”という意味だそうで、ヨットの絵が店内を見守るように飾ってありました。

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