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ボッティチェリ展 @東京都美術館

銀座で食事をしてから上野に移動して、東京都美術館で開催されている「ボッティチェリ展」(~4月3日まで)を見に行きました。偶然にもレストランに割引券が置いてあってびっくり、ラッキーでした。この日はイタリアづくしの一日になりました。
art ボッティチェリ展 公式サイト

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イタリア・ルネサンスを代表する巨匠、ボッティチェリ(1444/45-1510)。ボッティチェリといえば、「プリマヴェーラ」と「ヴィーナスの誕生」。優美で生命力にあふれ、私も大好きな作品です。

本展は日伊国交樹立150周年を記念して開催される大回顧展。ボッティチェリの作品が過去最多の27点出品されているほか、師であるフィリッポ・リッピと、その息子でボッティチェリのライバルでもあったフィリッピーノ・リッピの作品が展示され、3人の関係に注目した企画展となっていました。

宗教画、神話画、肖像画とありましたが、当時フィレンツェを支配していたメディチ家お抱えの画家とあって、多くは美しさと豊かさをたたえた明るい作風が印象的でした。繰り返し描かれる聖母子像には、生命賛歌とともに、一家の繁栄への願いが込められているようにも感じました。

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ラーマ家の東方三博士の礼拝 (1475-76年頃)

ボッティチェリ30歳の時、ラーマ家からの依頼で制作した出世作です。絵の中に、メディチ家の人々とともに依頼主のラーマの姿が描き込まれ、ラーマがメディチ家との関係を誇示するために描かせたとされています。ボッティチェリ自身の姿も、右端一番手前に描かれています。

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書斎の聖アウグスティヌス(あるいは聖アウグスティヌスに訪れた幻視) (1480年頃)

古代の神学者、アウグスティヌスを描いたフレスコ画。堂々とした佇まいに圧倒されました。背景に開いてある本は、古代ギリシャの数学者ユークリッドの本ですが、よく見るとイタリア語でいたずらが書き込まれているそうです。

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(左)美しきシモネッタの肖像 (1480-85年頃)
(右)胸に手をあてた若い男の肖像 (1482-85年頃)

印象に残った肖像画2作品。シモネッタというとイタリア語通訳の田丸公美子さんを思い出しますが^^ フィレンツェ一の美女と謳われた女性だそうです。象牙のような肌、彫像のように整った横顔に豊かな金髪。ローブの赤の美しさにも魅せられました。

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聖母子(書物の聖母) (1482-83年頃)

ボッティチェリ全盛期の作品。貴重なラピスラズリをふんだんに用いたマリアのローブの青の美しさが目を引きました。イエスのぷくぷくとした手足が愛らしく、思わずにっこりしてしまいます。情感豊かで繊細な表現がすばらしい。

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アペレスの誹謗(ラ・カルンニア) (1494-96年頃)

メディチ家がフィレンツェを追放されてからのボッティチェリは、それまでの優美な作風からがらりと変わり、神秘主義的な宗教画を描くようになります。

これは古代ギリシャの画家アペレスが描いた「誹謗」を復元した作品。それぞれの人物は感情を擬人化していて、「無実」の罪で引きずり出された若者を取り巻く「誹謗」「悪意」「欺瞞」、左の裸体の女性は「真実」、それを見ている老婆は「悔恨」を寓意的に表しているそうです。

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(左)フィリッポ・リッピ 「聖母子」 (1436年頃)
(右)フィリッピーノ・リッピ 「幼児キリストを礼拝する聖母」 1478年頃

最後に、ボッティチェリの師フィリッポ・リッピと、その息子フィリッピーノ・リッピの聖母子像を。見ると優しい気持ちになってきます。

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コメント

実は私、宗教画がとても苦手なんです。海外で美術館巡りをしていた時も、宗教画のコーナーは、足早に避けていました。目に入ると、様々な聖書の寓話が、脳裏を占拠するので、足が止まるどころか、思考が停止してしまうのです。
子供の頃に、散々聖書を読まされ、説教を聞かされ続けた悪影響だと分かっているのですが、未だに私の思考を縛っています。単なる絵だと理解はしていますが、条件反射で脳が聖書をリフレインしてしまいます。

宗教って、恐ろしいと思います。

投稿: ヌマンタ | 2016年2月 3日 (水) 14時01分

☆ ヌマンタさま ☆
おはようございます。
宗教画ではあるのですが、「ラーマ家の東方三博士~」のように
実在の人物を描き込んで権力を誇示するために描かれていたり、と
実社会の生々しさが伝わってきておもしろかったです。
「誹謗」はメディチからサヴォナローラに帰依して誹謗された
ボッティチェリ自身を描いている、との説も。
宗教と芸術というと「ダヴィンチコード」を思い出しますが
隠れたメッセージが想像の世界を広げてくれますね。

投稿: ☆ ヌマンタさま ☆ | 2016年2月 4日 (木) 09時46分

こんばんは。

「ボッティチェリ」行かれたんですね。
私も、兵馬俑を見に東博に行った時、あわせて見ようかと思ったのですが、美術展は(映画もですが)はしごすると印象が散漫になってしまうので、やめました。
前の家は、上野の山まで徒歩で行けたのでけっこう頻繁に足を運べたのですが、今はなかなか難しいので時間がとれたら見に行きたいです。4月までだからまだ時間ありますしね。

記事を読ませていただくと充実した展示みたいで、うらやましいです。
今回の目玉作品の「聖母子(書物の聖母)」、とても美しいですね。shine

投稿: ごみつ | 2016年2月 4日 (木) 18時24分

☆ ごみつさま ☆
こんばんは。
ボッティチェリ展、全作品の4分の1ほどが出品されているとあって
なかなか見応えのある企画展でした。
やはり豊かな時代の作品は、見る側にも幸せを分け与えてくれますね。
書物の聖母子のラピスラズリをはじめ、色彩がとても美しかったです。

兵馬俑展も見応えあったでしょうね!
>はしごすると印象が散漫になってしまう
そうなんですよねー。
上野はうちからも1時間くらいかかりますが
いつも新しい刺激を与えてくれて
四季の移ろいが感じられるのでわくわくします。

投稿: ☆ ごみつさま ☆ | 2016年2月 5日 (金) 23時28分

先日帰省した時に、街中でボッティチェリ展のポスターを見て行きたいと思いましたが、時間が取れずに行けませんでした。
とても充実した内容のようだから、期間中に行けたらぜひと思っています。
「聖母子(書物の聖母)」の青いローブは、こうして画像で見るだけでも美しいですね。

投稿: ruri | 2016年2月 7日 (日) 14時40分

☆ ruriさま ☆
こちらにもありがとうございます。
ボッティチェリ展、ruriさんも気になっていらしたのですね。
15世紀の古い絵画ですが、ラピスラズリの鮮やかなブルーなど
色彩がきれいに保存されていてとても美しかったです。
解説がていねいで、背景となる事柄や隠れたメッセージなど
興味深く見ることができました。
最近イタリアにご旅行されたばかりのruriさんは
フィレンツェでのあれこれも思い出されるかもしれませんね。

投稿: ☆ ruriさま ☆ | 2016年2月 7日 (日) 22時17分

「プリマヴェーラ」も「ヴィーナスの誕生」も
ウフツィ美術館で観たような覚えがあります。
それでは今、イタリアに行かれた方は
この絵を観ることはできないのですね。
シモネッタというと田丸公美子、
私も連想しました~!W

投稿: zooey | 2016年2月 7日 (日) 22時28分

☆ zooeyさま ☆
こんばんは。
「プリマヴェーラ」と「ヴィーナスの誕生」はすばらしいですね。
私も若い頃にウフィツィで見て感動しました。
誤解を招いてしまいましたが>< この2作品は来日していません。
万が一来日することになったら、モナリザ以上の大騒ぎになるでしょう。

おそらくあの作品をウフィツィから動かすことは難しいでしょうね...
あの絵を見るためにわざわざフィレンツェを訪れる方も多いでしょうから。

でも今回のメインビジュアルの書物の聖母もとてもすてきな作品でしたよ。

投稿: ☆ zooeyさま ☆ | 2016年2月 7日 (日) 22時55分

私も、メディチ家のようなところでお抱えカメラマンとして
雇ってもらえないかな~(笑)、な~んて思ったりして(笑)。
後世にこんなに沢山の作品を残せて、素晴らしい画家の一人ですね。
静止画なのに、今にも動き出しそうな現実感が素晴らしいです。
そんな写真が撮れれば・・・(-_-;)

投稿: イザワ | 2016年2月 8日 (月) 01時09分

☆ イザワさま ☆
こんにちは。
ボッティチェリは、おっしゃる通りに今の時代でしたら
お抱えカメラマンのような存在だったのでしょうね。

写真で信仰や物語の世界を表現することはなかなか難しいでしょうが
肖像画も生き生きとしてすばらしかったです。
色彩が美しく、肌や衣装の質感まで伝わってくるようでした。
ひょっとしたらイザワさんのようにモデルさんのいい表情を
上手に引き出される方だったのかもしれませんね。

投稿: ☆ イザワさま ☆ | 2016年2月 8日 (月) 09時06分

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